天性の、恥ずかしい性癖 第153話:『妻の尻を追いながら、別の女の口に射精する夫』
岡本夏生は仕事の合間に、妻・凛子の足跡をたどっていた。体躯も持ち物も、そして性技さえも並以下。そんな彼に、凛子を引き戻せる武器があるとすれば、それはひとえに「粘り」という名のたゆまぬ努力だけだった。
一流ではないにせよ、それなりの地位を築けたのもこの粘り強さゆえだが、妻の不貞を追い始めてからというもの、彼は社会の底辺で不器用に生きる男女に、奇妙なシンパシーを抱き始めていた。
「妙な場所で出会うな。職場のみんなはお前が昼間、何をしてるか知ってるのか?」
声をかけてきたのは、無量小路浩之だった。
路地裏のスナック――表向きは飲み屋だが、裏では風俗嬢たちの情報交換の場。そこで対峙した二人の男(おとこ)。
「お前こそ、聞いたぞ。奥さんのこと。気の毒にな」
「……ああ、もう知れ渡っているのか。俺はお前がこの一件に絡んでるんじゃないかと見てるんだがね」
「考えすぎだよ。あんたこそ、ここへ何をしに来たんだ」
「アイツの噂を追って足跡を辿ったら、ここに行き着いたんだよ」
浩之は吐き捨てるように言うと、午後の雑踏へと消えていった。
夏生は、足元に落ちた吸い殻を靴底で踏み潰し、反射的にその背を追った。それが彼の「粘り」だ。タクシーを拾い、浩之の車を尾行する。心臓が早鐘を打つ。
(仲間だと思っていた浩之が、実は一番怪しいんじゃないか……)
男は繋がっているようで、実は一匹狼だ。
だからこそ、夏生は疑う。浩之が立ち寄った雑居ビルの看板に「キャバクラ 沙耶組」の文字を見つけた瞬間、夏生の股間に熱い衝撃が走った。
沙耶。
凛子の噂で聞いたその名が、夏生の冷静さを濁らせる。浩之を追うはずの足が、磁石に吸い寄せられるようにビルの入り口へ向かった。
(ちょっとだけ……処理するだけだ。すぐ戻って、あいつを追えばいい)
自分に言い聞かせながらエレベーターに乗り込む。ズボンの前がすでに窮屈になっている。妻の浮気相手を追っている最中に勃起する自分。その惨めさが、逆に彼の昂ぶりを加速させた。
店内に充満する甘ったるい香水。
「沙耶……って子、いるか?」
掠れた声で問い、連れて行かれた個室で、彼女は現れた。
二十代後半、凛子に似た細い目元の躰(からだ)。
「こんにちは。沙耶だよ。今日はどうする?」
彼女の手が、夏生の股間に触れた瞬間、理性が消し飛んだ。
浩之の行方も、凛子の足跡も、もはやどうでもよかった。
沙耶の唇が彼のものを咥え込んだ時、夏生はただ、情けなく腰を振るだけの男に成り下がった。
「うっ……あぁ……」
数分で果て、ティッシュで口元を拭く沙耶に「早かったね」と笑われる。
部屋を出た夏生は、廊下の壁に寄りかかり、位置情報の更新が途絶えたスマホを眺めた。
振り出し。右往左往。
妻の尻を追うはずが、自分の欲に振り回され、一時の快楽に捜査を投げ出す。
夏生は知らない。
沙耶の個室の鏡の向こうで、凛子の瞳が一瞬だけ、冷ややかに笑っていたことを。
女は群れていないようで、実は深い闇で繋がっている。
一方、男は一人、己の欲求という名の鎖に引き摺られながら、虚像の影を追い続けていく。
※完全オリジナル作品です。二次創作ではありません。
#オリジナル #官能小説 #一次創作 #知佳の美貌録
男は繋がっているようで、実は一匹狼だ。
だからこそ、夏生は疑う。浩之が立ち寄った雑居ビルの看板に「キャバクラ 沙耶組」の文字を見つけた瞬間、夏生の股間に熱い衝撃が走った。
沙耶。
凛子の噂で聞いたその名が、夏生の冷静さを濁らせる。浩之を追うはずの足が、磁石に吸い寄せられるようにビルの入り口へ向かった。
(ちょっとだけ……処理するだけだ。すぐ戻って、あいつを追えばいい)
自分に言い聞かせながらエレベーターに乗り込む。ズボンの前がすでに窮屈になっている。妻の浮気相手を追っている最中に勃起する自分。その惨めさが、逆に彼の昂ぶりを加速させた。
店内に充満する甘ったるい香水。
「沙耶……って子、いるか?」
掠れた声で問い、連れて行かれた個室で、彼女は現れた。
二十代後半、凛子に似た細い目元の躰(からだ)。
「こんにちは。沙耶だよ。今日はどうする?」
彼女の手が、夏生の股間に触れた瞬間、理性が消し飛んだ。
浩之の行方も、凛子の足跡も、もはやどうでもよかった。
沙耶の唇が彼のものを咥え込んだ時、夏生はただ、情けなく腰を振るだけの男に成り下がった。
「うっ……あぁ……」
数分で果て、ティッシュで口元を拭く沙耶に「早かったね」と笑われる。
部屋を出た夏生は、廊下の壁に寄りかかり、位置情報の更新が途絶えたスマホを眺めた。
振り出し。右往左往。
妻の尻を追うはずが、自分の欲に振り回され、一時の快楽に捜査を投げ出す。
夏生は知らない。
沙耶の個室の鏡の向こうで、凛子の瞳が一瞬だけ、冷ややかに笑っていたことを。
女は群れていないようで、実は深い闇で繋がっている。
一方、男は一人、己の欲求という名の鎖に引き摺られながら、虚像の影を追い続けていく。
※完全オリジナル作品です。二次創作ではありません。
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