天性の、恥ずかしい性癖 第6話:『揺れる心 第3話』
敏則の真剣なまなざしに、栞の中の何かが弾けた。栞は幾たびか敏則の後をつけ、梨沙の存在を知った。 とられてなるものか。 そんな気持ちが芽生えるのに、そう時間を要しなかった。
そんな想いを胸に敏則を描き続け、いつのころからか自分は女であるという意識が芽生えた。 画学生のころは平気だったはずなのに、彼の肉体に惹かれていく自分がいた。 童貞を性的に意識し始めたことに気付かされたと同時に初めて、この歳になって女としての焦りを覚えた。 いてもたってもいられなくなり、彼の動向を密かにうかがう日々が続いた。
傍目にも育ての親、つまり叔母甥の関係であるはずの梨沙が自分の専用物と思っていた敏則に恋心を寄せていることがわかった。 中年女の、それも世間でいうところの姦淫女に奪われてなるものか!そんな憎しみに似た気持ちが芽生えた。
「一息入れてくる」
そう言い残し栞は、二階へと上がっていった。 敏則はいつものように使った筆を洗浄し、散らばった絵の具のチューブを片付け終えたが、いつまでたっても栞は降りてこなかった。
「遅いなあ……先生、何してんだろう。 どこか具合でも悪いのかな?」
これまで一度だって上がったことのない二階へと足音を忍ばせ上がっていった。
天性の、恥ずかしい性癖 第5話:『揺れる心 第2話』
「いる?」敏則が出かけた先は叔母の家から目と鼻の先にある工房だった。 栞はわざと陽当たりのよくない一室を借り切り、わずかでも光が差し込まないよう遮光カーテンを張り巡らせ、一日中同一の光の下で細やかなタッチの絵を描いていた。
長時間神経を張り詰めたまま描き続ける栞にとって、煩わしい雑事をこなしてくれる敏則は貴重な存在だった。
例えば絵筆ひとつとっても、使い終わる度に付着した絵の具を拭き取り、クレンジングで洗い、それをまた拭き取ったのちテレピンでクレンジング液を除去し、穂先を整え穂を下にして吊るし、次の工程に備える。
「うん、来てくれたんだ。 じゃあシルバーとチタニウムを練っといてくれる」
まばゆいばかりの光に満ちたアトリエで、更にデスクスタンドを使って手元を明るくし、小島栞は絵の一点をにらみつけていた。
「はい、わかりました」
言われた通り敏則は、紙パレット上にシルバーホワイトとチタニウムホワイトを等分量チューブから絞り出し、教えられたとおりの分量のリンシードオイルを瓶から注ぎ、ペインティングナイフを使って練り始めた。
叔母の家で下宿生活を送るというのは便利には違いないが、夜の仕事をしてまで養ってくれてることに敏則は後ろめたさを感じていた。
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アップデート 2026/01/09 06:45
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