監修:秀道広先生(医師・広島市立病院機構理事長)
遺伝性


HAEは家族性の単一遺伝子異常による疾患ですが、両親から遺伝子を受け継ぐ時に何らかの原因で遺伝子に変異が起こって発症(弧発例)することもあります。全体のHAE患者数のうち75~80%が遺伝形式であり、残り約25%が家族歴のない孤発例と報告されています。※1
HAEの種類

HAE Ⅰ型
量・機能低下

HAE Ⅱ型
量正常・機能低下

C1-インヒビター正常HAE
(旧称:HAE Ⅲ型)
HAE Ⅰ型 量・機能低下
C1インヒビターの産生量減少、機能低下を特徴とします。
およそ80~85%の患者さんがこの病型を患っています。
C1-インヒビターの量と機能の低下を特徴とします。
およそ80~85%の患者さんがこの病型を患っています。
HAE Ⅱ型 量正常・機能低下
C1インヒビターの値は正常または上昇を示しますが、機能障害により、C1インヒビター活性が低下します。およそ10~15%の患者さんが、この病型を患っています。
C1-インヒビターの量は正常または上昇を示しますが、機能の障害によりC1-インヒビターの活性が低下します。およそ10~15%の患者さんが、この病型を患っています。
C1インヒビター正常HAE
(旧称:HAE Ⅲ型)
2000年に特定された遺伝性血管性浮腫(HAE)の新しい型であり、C1インヒビターの欠損を伴わずに発症し比較的まれです。
2000年に特定された遺伝性血管性浮腫(HAE)の新しい型であり、C1-インヒビターの欠損を伴わずに発症し比較的まれです。
HAEは、Ⅰ型、Ⅱ型、C1-インヒビター正常型の3つのタイプ(病型)に分類されます。
ほとんどの患者さんはⅠ型またはⅡ型で、C1-インヒビター正常型(旧HAEⅢ型)はごく少数と考えられています。
HAEⅠ型及びⅡ型の原因

HAEは血液の中にあるC1-インヒビターが欠損またはその機能が低下する病気だと前述しました。C1-インヒビターの欠損や機能が低下するとなぜ腫れやむくみが生じるのか、そのメカニズムについて説明します。
HAEの発作にはC1-インヒビターとブラジキニンという2つの物質が関わっています。ブラジキニンは、血管から水分を漏れ出させて腫れを起こす物質ですが、C1-インヒビターによる抑制が効かなくなると、ブラジキニンが過剰に作られてしまい、腫れやむくみ、強い痛みなどが起こるのです。
HAEの発作を引き起こす主要な原因として、怪我、長時間の圧迫、抜歯、外科手術、ストレスなどがあげられます。こうした外部からの刺激が引き金となって、ブラジキニンが過剰に作られてしまい、腫れ・むくみが起こります。しかし、なんのきっかけもなく出現することも多く、その様な場合は原因を特定することが困難です。 発作の頻度は一定せず、一週間に数回起こることもあれば、発作の間隔が数年から数十年あくこともあります。 また、女性の場合は月経の際にお腹(胃や腸)の腫れを繰り返すこともあります。
C1-インヒビター正常HAE(旧名:HAE Ⅲ型)について
2000年に特定された遺伝性血管性浮腫(HAE)の新しい型であり、C1-インヒビターの欠損を伴わずに発症するHAEの種類をいいます。
C1-インヒビター正常型HAEは、臨床症状は表現型的にI型とII型に類似し、ほとんどの場合ブラジキニンを媒介として血管性浮腫を引き起こすと考えられます。しかし、多くの場合、血管浮腫の症状は顔面や舌にあらわれ、腹部症状は多くありません。C1-インヒビター正常型HAEは、I型とII型と異なり、現在のところ、有効で標準化された生化学的診断検査はありません※2。
この種類のHAEには、これまでに6つの遺伝子変異が特定されていますが、研究はまだ初期段階です。
C1-インヒビター正常HAEの種類について2021年時点で確認されている7つの遺伝子変異は以下の通り※2
サンディエゴにある米国血管性浮腫センターのMarc Riedl博士が、正常なC1-インヒビターを持つHAEの診断と治療に関する最新情報を提供するウェビナー(英語)をご覧下さい。







