長岡の商人、 野本恭八郎(1852~1936年)
石破茂首相の新政権がスタートした。石破氏は、地方創生政策が一つの特徴であり、第二次安倍内閣で初代担当大臣も務めた(2015~16年)。地方創生で石破氏は、メイド・イン・ジャパンにこだわり、国内でのサプライチェーン(供給網)を確保しながら、輸出増に取り組んで貿易収支を改善、経済安全保障の担保も狙う。

戦前、同様に国産品重視と、輸出優先を説いた人物に、新潟県長岡の商人、野本恭八郎がいる。今日現存する長岡市の図書館「互尊文庫」を寄贈した人物として広く知られる。だが、その図書館名に示される「互尊思想」こそが、野本氏について特筆されるのだ。長岡の地を訪ねた。(編集部)
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● 米百俵の精神風土
現在の互尊文庫は、JR長岡駅から徒歩圏内、米百俵の精神を未来へとつなぐ、と題した「ミライエ長岡」という市の施設にある。
今から150年以上を遡る、幕末から明治初期にかけて、長岡藩は北越戦争(1868年、戊辰戦争の一つ)で敗れて窮乏していた。そこに救援用の米百俵が贈られたが、目先の生活維持には打って付けの米を、しかし将来への人材育成にこそ生かすべきと藩士の決断で売却、得た代金で「国漢学校」を開学した。米百俵の精神の所以だ。
2001年、小泉純一郎氏が政権発足時、今の痛みに耐えて明日を良くしようという「米百俵の精神」こそ、改革を進めようとする今日の我々に必要、と国会での所信表明に米百俵の故事を引用したことでも知られる。

ミライエ長岡と「互尊文庫」は、この国漢学校の(後に移転した)跡地に位置する。・・・《続く》
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