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マガジン一覧

連載:地域のイノベーター見聞録

街づくりは、仕掛けるのも、盛り上げるのも、実行し続けるのも、やっぱり「ひと」。 「地域のイノベーター見聞録」は、さまざまな地域で、新たな活気を与え、街づくりにつながるチャレンジを始めている活動を調査している中で、地域研究室が「なぜ?」から興味を持った魅力あるひと(たち)に、その地域と活動の魅力を学びに行く企画です。

組織や設計の枠を超えて、「都市の余白」をつくる|地域のイノベーター見聞録 vol.13

取材:今中啓太・齊藤達郎(NTTアーバンソリューションズ総合研究所)、小野寺諒朔、福田晃司 文:福田晃司 大規模な団地とオフィスが集積する東陽町。そのメインストリートの永代通りの交差点に面して木漏れ日が降り注ぐ緑豊かな一角があります。 2023年10月、この緑の中にオープンしたのが、アネックス(木立の中のカフェ)(以下、アネックス)、ラウンジ、イベント空間を備える交流の場「Toyocho green+(東陽町ぐりんたす)(以下、ぐりんたす)」です。 車通りの多い道から一

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宮崎の地域性を追求した先に見えた、地方都市の新たなプロトタイプ──複合商業施設「HAROW」|地域のイノベーター見聞録 vol.12

取材:今中啓太・齊藤達郎(NTTアーバンソリューションズ総合研究所)、小野寺諒朔 文:小野寺諒朔 宮崎の「県の木」であるフェニックスが立ち並ぶ南国の玄関口、宮崎空港から電車で約10分。あっという間に到着したJR宮崎駅から中心市街地を西へと10分ほど歩けば、電話局の紅白の鉄塔が目に入ります。その鉄塔を挟むように南北に配置される2つの低層の建物が今回の目的地です。 2025年4⽉に宮崎駅前にオープンした複合商業施設HAROW(2024年11⽉に一部先行開業した「HAROW 広

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「移住者」は、まちを強くする多様性のワクチンだ|地域のイノベーター見聞録 vol.11

取材:今中啓太・齊藤達郎(NTTアーバンソリューションズ総合研究所)、小野寺諒朔 文:小野寺諒朔 今回の目的地は、京都府の北部、丹後半島の北端に位置する与謝郡伊根町。人口約2,000人、まちのほとんどが山林に覆われた小さなまちです。伊根湾を囲むように立ち並ぶ「舟屋」の景色が有名です。 この伊根の舟屋を一目見ようと、平地がほとんどない伊根の限られた市街地に2023年には37万人もの観光客が訪れています。観光協会のパンフレットに書かれた「伊根の舟屋は観光地ではありません」とい

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拠点づくりにメディア活用に、「ひと」を起点に「こと」「もの」を起こす。コンビニすら成り立たなかったまちを盛り上げた交流拠点「Sorrisoriso」|地域のイノベーター見聞録 vol.10

取材:林正樹、今中啓太、齊藤達郎(NTTアーバンソリューションズ総合研究所)、福田晃司 文:福田晃司 長崎空港から佐世保の方へ大村湾沿いに車を走らせると棚田とお茶畑が広がる自然豊かな集落が見えてきます。 「東彼杵(ひがしそのぎ)」という不思議な名前のこのまちは、海に面したホームを持つ千綿駅とお茶が有名なまちです。また、かつては宿場町として栄えた歴史を持ちます。 豊かな自然と歴史を持つまちですが、少子高齢化に伴い人口は減少しています。2000年以降、人口は減り続け、ピークの

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インタビュー:あの人に聞く、〈◯◯〉と〈まち〉

まちにはさまざまな職業・コミュニティ・性別・ジェンダー・役割をもった人がいます。個人の視点だけではまちは成立しません。 「あの人に聞く、〈◯◯〉と〈まち〉」は、各分野の最先端で活躍し、独自の観点から〈まち〉を考えている方へのインタビューをとおして、街づくりの新しい視点やきっかけを探すインタビューシリーズです。

まずやってみる、そこから循環がはじまる──山脈・丸山僚介に聞く、〈資源循環〉と〈まち〉

近年、世界的に資源循環や持続可能性への関心が高まり、地域に根ざした循環型社会の実践が求められるようになりました。とくに建築や街づくりにおいては、開発にともなう資源の消費だけでなく、施工・解体時の廃棄物による環境負荷が社会的な問題になっています。 資源の循環とは、単に廃棄物を減らすだけでなく、人びとの暮らしや地域コミュニティのつながりを再構築する可能性をもっているのではないか。資源が循環する暮らしは、私たち一人ひとりが自らのまちに主体的に関わり、持続的に地域を育てていく仕組み

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環境の印象をがらりと変える「色」の大切さ——色彩計画家・加藤幸枝さんに聞く、〈色彩〉と〈まち〉

まちの中にはさまざまな色彩がありますが、多くの人は普段強く意識することはないのではないかと思います。しかし、色彩は、まちの印象をかたちづくる重要な要素です。 色彩を意識することで、より高解像度にまちを見ることができるのではないでしょうか。 今回は、さまざまな場所で環境色彩デザインを手がけ、色彩に関する景観計画に携わるほか、『色彩の手帳 建築・都市の色を考える100のヒント』を出版し、積極的な発信活動もされている色彩計画家の加藤幸枝さんに、色彩とまちの関係についてお伺いしまし

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「学びの旅」から考える——日本修学旅行協会に聞く、〈修学旅行〉と〈まち〉

修学旅行は、日本人のほとんどが一度は体験する旅、というよくよく考えてみれば不思議な行事です。そして、その中身は「学習」と「旅行」がセットになっており、生徒がまちの歴史を学ぶ機会になっていると言えます。 旅行の個人化が促進され、団体旅行の存在感は相対的に小さくなっていますが、一方で修学旅行のような団体旅行は、今でも大きな存在感を示しています。例えば、コロナ禍に行われた「地元の魅力を再発見する修学旅行」のように、まちについて深く知る機会となれば、ひとびとのまちとの関係を紡ぐひと

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文化を消費することから街づくりを再考する——本町文化堂・嶋田詔太に聞く、〈文化〉と〈まち〉

昨今、全国で書店の閉店が相次ぎ、人びとの読書離れが進んでいます。書籍に限らず、音楽や演劇、アートなど、一般に「文化」と呼ばれるものは都市部に集中する傾向にあり、地方に住む人の「文化離れ」はより顕著になりそうです。 街づくりの視点から見れば「文化」は欠かせない重要な要素です。実際に文化や芸術を起点とした街づくりの事例がたくさんあります。しかし、それらは往々にして、地方行政や企業が主導となり、人びとを地域に呼び寄せることで地域経済の活性化を目的としたものであるようにもとらえられ

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実践っ!US総研の街づくりスタディーズ

NTTアーバンソリューションズ総合研究所(US総研)では「街づくり」の本質は「そのまちならではの魅力づくり」だと考えています。 「実践っ!US総研の街づくりスタディーズ」は、US総研が注目したテーマに沿って、さまざまな人たちの協力を得ながら、思考と実践を繰り返し、培われた知見を街づくりに還元していく、その過程を紹介していくマガジンです。

「コミュニティ」が防災を日常的なものにしてくれる?〜連載企画「コミュニティと防災」イントロダクション〜

2026年度、地域想合研究室.noteでは「コミュニティと防災」についての連載企画をスタートします。 私たちは「防災」が重要だと思っていても、なかなか日常的に知識を取り入れたり実践を行うことができていません。防災は日常的に意識するのが難しいものなのではないかと思います。 そうした状況に対し、防災の専門家であるNTTアーバンソリューションズ総合研究所(以下、NTT US総研)の早川輝さんは下記の仮説の下に「コミュニティ」と「防災」について考える研究を進めています。 連載企画で

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後編:座談会|「感情」からまちの居心地の良さを探求する──NTT US総研とPLP Architectureの共同研究を振り返る

プロフィール 今中啓太(NTTアーバンソリューションズ総合研究所) 坂巻哲(NTTアーバンソリューションズ総合研究所) 篠田尚紀(NTTアーバンソリューションズ総合研究所(2024年度の研究当時)) 林正樹(NTTアーバンソリューションズ総合研究所(2024年度の研究当時)) 藤嶋知将(NTTアーバンソリューションズ総合研究所) 相浦みどり(PLP Architecture) 「居心地の良さ」を深掘りしていくための「感情」──まずは、研究テーマを「感情」にした経緯について教

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前編:研究紹介── EMOTIONAL URBAN DESIGN

背景と目的「ひと」中心の街づくりを目指して NTTアーバンソリューションズ総合研究所では、街づくりの中心は「ひと」であるべきとの考えに基づき、そのまち固有の魅力を生かし、人々が「住み続けたい」「訪れたい」と感じる価値創出をめざしています。 近年、都市空間の価値観は自動車中心から人間中心へと移行し、歩道拡張や駅前広場の再整備など、ウォーカブルな街づくりが国内外で進んでいます。日本では、2019年の政策検討会議「都市の多様性とイノベーションの創出に関する懇談会」(国土交通省)

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街づくりデザインから観光を考える──立教大学ビジネスデザイン研究所 公開講演会

講演1 | 観光が抱える課題と展望/JTB総合研究所 岡田邦喜最初の登壇者は、JTB総合研究所(以下、JTB総研)の岡田邦喜さんです。 JTB総研は、旅行や観光に関する調査研究・コンサルティング・観光教育などを行うJTBグループのシンクタンクで、2012年のJTB創業100周年を契機に発足して以来、旅行・観光の最先端を研究・発信し続けています。 同社のWEBサイト上では独自の研究レポートやデータベースが閲覧できるほか、豊富なコラムやインタビュー記事を掲載。「旅」を入り口に

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連載:都市空間生態学から見る、街づくりのこれから

2015〜2020年にかけてNTT都市開発・東京大学Design Think Tank(DTT)・新建築社の3者で行われた共同研究「都市空間生態学」の紹介と、それに紐づく「いま考えるべき街づくりのキーワード」を紹介します。 記事を執筆するのは、DTT在籍時代に同研究の主任研究者を務めた木内俊克氏(現:京都工芸繊維大学 未来デザイン工学機構 特任准教授/砂木 共同代表)。当時の試行錯誤を振り返りながら、今私たちが街づくりを考える上で必要なエッセンスを発信します。

当たり前に向き合ってまちをつくる|「都市空間生態学から見る、街づくりのこれから」vol.12

都市空間の生態という「意地悪な問題」にどうアプローチするか ──この連載では都市空間生態学から抽出したエッセンスをいまの社会にどう生かすかという視点から、「まちの主体は誰か」「温度あるデータ」「ブラブラの価値」といったトピックについてこれまでお書きいただきました。今回は、まず都市空間生態学のそもそもの出発点からお聞きしたいと思います。 2015年の研究発足当初は、「データや情報技術を用いたデジタルなデザインの使い所として、都市は面白いんじゃないか」というところから僕の関心は

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新しいまちの尺度から浮かび上がる「間地(まち)」|「都市空間生態学から見る、街づくりのこれから」vol.11

文:木内俊克 皆さんは都市の評価指標や都市ランキングというものを見ることがあるだろうか? 行政による都市政策立案から個人による自分が住みたいまち探しまで、使われ方もスケールも対象も様々だが、全体像が把握しづらい都市だからこそ、統計データを駆使してその傾向を可視化できるようにするという目的は共通している。指標をつくる主体は様々で、国際規格が定められた指標から、いわゆるシンクタンクや企業の研究所によるものまで多岐に渡る。評価は他都市と比較してはじめて相対的にその良し悪しが判断で

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〈ブラブラ〉が育まれるまち_東池袋エリアから考える(後編:暮らしのプラスαとしてのブラブラ)|「都市空間生態学から見る、街づくりのこれから」vol.10

前回に引き続き、旧日出町界隈を含む、豊島区池袋エリアでコミュニティづくりに携わってこられた中島明氏(としま会議 代表、RYOZAN PARK インキュベーションマネージャー)のヒアリングをお届けする。 前編では、社会実験を行った2018~2019年当時から現在までの4年間、交通のモードの変化や子どもの遊び場の増加など、社会実験でも変化が求められていることが明らかであった要素が、ここに来て次々と実現しつつある状況をお伺いできた。そこには、南池袋公園にはじまり、豊島区が力を入れ

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〈ブラブラ〉が育まれるまち_東池袋エリアから考える(前編:住み暮らすことが育むまち)|「都市空間生態学から見る、街づくりのこれから」vol.9

文:木内俊克 〈ブラブラ〉が育まれるまち。それは自転車や歩きでめぐりたくなるきっかけがそこかしこにあって、偶然見かけてついつい寄り道したくなるような場所が、宝探しのように点在しているまち。前回、前々回の記事では、そんなまちの魅力を具体的に捉えるため、都市空間生態学研究で2016~2017年に研究対象とした台東区の三筋・小島・鳥越(以下、三小鳥)を紹介した。この三小鳥、用途地域は「商業地域」で、かつては江戸随一の遊興地・浅草に隣接し、昭和期には町工場とその労働者の空腹を満たす

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研究紹介:都市空間生態学サマリー

2015〜2020年にかけてNTT都市開発・東京大学Design Think Tank(DTT)・新建築社の3者で行われた共同研究「都市空間生態学」の内容を紹介します。

まちの活気資源コード|都市空間生態学サマリー

概要 都市空間生態学の研究チームは、2018年度に豊島区の東池袋地域を対象に地域の方々へのインタビューや、地元の商店街・街づくりNPOと連携した社会実験を行いました。 そこから得られたエピソードや街づくりに関するアイデアの事例をカード形式に整理したものがこの「まちの活気資源コード」です。第一に、共有せずに埋もれてしまうにはもったいないエピソードや街づくりに関するアイデアを将来に利活用可能なかたちで記録すること、第二にカードを自由に組合せて、街づくりのイメージをふくらませる

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