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マガジン一覧

風景

身の回りにある様々な風景を撮った写真は撮影者ではなく、見る人の心を映し出す鏡。

阿蘇 春の里山

  🌸そびえ立つ火山、見渡す限りの草原、透明な光と清涼な風。ここに来るたび、異次元の別天地に迷い込んだような神聖な気持ちになる。あたかもエリア全体に、巨大な結界が張られているかのようだ。  久しぶりに「阿蘇くじゅう」へ小旅行に出かけた。里山のしっとりとした風情に身を委ねれば、家々の庭先に咲く春の花々や澄んだ川のせせらぎに、人々の穏やかな暮らしぶりが垣間見える。集落にひっそりと息づく、鎮守の森に囲まれた古い氏神神社に一歩足を踏み入れれば、代々受け継がれてきた素朴な祈りの気配

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大分巡礼

🛣️冬枯れ色に染まり始めた大分県北部へ師走の小旅行に出かけた。今回の目的地は八幡総本宮「宇佐神宮」、宿泊先の別府市「鉄輪温泉」、そして山岳修行の根本道場「両子寺」。いずれも初めての場所である。  北九州から最初の目的地「宇佐神宮」までは東九州自動車道を使って約1時間半。途中、左手に豊後水道に沿って広がる美しい田園風景、右手には耶馬渓の荒々しい山々を横目にひた走る。     高速道路を降り、宇佐の街に入った途端に空気が一変する。この街には古都のような、ゆったりとした大らかな

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秋色の光と風

🍂近所の住宅街を歩いていると、家々の塀越しに柿や洋梨、金柑など果樹の実が陽射しにきらきらと輝いているのが見える。道端にはツワブキやヨメナ、菊、南天の赤い実。つい数日前までは、通り抜けていく柔らかな風に、金木犀の甘い香りがうっすらと漂い、虫の音がまだ微かに聴こえていた。  今月はじめから、ようやく以前と同じ距離、同じ速さで歩けるようになった。何処へでも自分の足で自由に動ける。できるなら踊りながら歩いていたい。     以前は毎週数百枚ほど写真を撮り、その中から数十枚を現像し

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八百万の神

⛵ようやく涼しげな風に秋を感じられるようになった。  前回記事を投稿してから約2カ月間は、体の痛みと向き合う日々だった。親知らずを抜歯し、医師から3日間は痛みが残るかもしれないと言われたが、10日間ほど夜も寝られないような痛みが続いた。それが終息したら、次は椎間板ヘルニアだった。  ぎっくり腰の痛みは何度か経験している。しかしヘルニアによる坐骨神経痛はそれ以上だった。最初は軽い腰痛だけだったので、油断して毎日ウォーキングを続けた。しかしそれは間違いだった。ある朝、突然の激

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トイレ修理の後日談のちょっとイイ話

先週のトイレ修理の話の続き。 こちらが先週のトイレの話。 便座の交換をしてもらいあれから1週間が経った。 今度は、予定通りトイレのタンクの蛇口が折れていた部分について蛇口を取り寄せてくれ、また同じお兄さんが修理しに来てくれた。 年齢は40歳前後かなぁ? とても誠実そうなお兄さん。 1〜2年くらい前にタンクの蛇口が折れた際、(たまたま別の修理できてくれてた)一旦大工のおじぃさんがその時に持っていた接着剤で応急処置はしてくれた。 でも長くはもたなくて、また折れた。 (とに

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出来の悪い自分を認め、それでも日々を生き抜く  

ミニチュア作家のいわなり ちさとです。 紹介した作品は販売します。気軽にお問い合わせください。 時々、お寺で手伝いをするようになって、長い間に確立しているお寺のルーティンの中で私の出来なさを痛感すること多々です。 また、いらぬ口出しをしかける自分という存在を目の当たりに見て、時にしょげています。 私なんか手伝いになってるのかな?邪魔なだけ?と思うことも多々。 でも、猫の手でも借りたい様子なので、猫になって手伝えばいいんだと自分を慰めています。 いい歳をしたおばさんに

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「頂き女子りりちゃん」から学べる、いただけるコト。いただけないコト。

数年前、男性3人から計約1億5千万円をだまし取ったとして詐欺罪などに問われた「頂き女子りりちゃん」の事件が話題になりました。 「頂き女子りりちゃん」の事件を知って、多くの人はまずこう思ったはずです。 これは、ただの色恋詐欺だ、と。 その認識自体は間違っていません。 ただ、感情を一度脇に置き、構造だけを冷静に見てみると、そこには異様なほど整理されたロジックが存在していることにも気づかされます。 これは突発的な詐欺ではありません。 特定の人間心理と社会構造を正確に突いた

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東日本大震災・津波被害の地で生まれた「奇跡の絆」ーオンザロードの記録

〈2013年・オンザロード 魚谷浩さんの講演記録より〉 震災直後の石巻では、「どう助けるか」よりも「どう共に生きるか」という問いが静かに浮かび上がっていました。 そんな現場に現れたのが、阪神・淡路大震災を経験した魚谷浩さんです。 中学生だった自分は何もできなかった──その悔しさが、18年後の石巻へと彼を向かわせました。 彼は災害支援はまったくの初心者。 だからこそ線を引かず、被災者と笑い、食べ、働くことができたといいます。小さな関わりを積み重ねるうちに、それは石巻に生きる

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花や虫たち

花の写真 時々花と虫たち

月の贈りもの

🌸今月初め、福津市にある宮地嶽神社では、境内の大寒桜と寒緋桜が満開となった。大寒桜はソメイヨシノより少し濃い色をした上品で可憐な桜。寒緋桜は濃い紫紅色の花弁を付ける個性的な野生種である。  神社では月初参拝のことを「朔日詣り」と呼んでいる。「ついたち」は、「月立ち」が変化したもの。旧暦では新月の日が新しい月の始まりとされていた。つまり新月の日に参拝することが朔日詣り本来の意味だった。  一方、満月の日に参拝することは「十五日参り」と呼ばれていた。古くからの日本の習慣で

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実を結ぶ

🫒「ハンカチの木に実がついた」というネット情報に目が止まり、久しぶりに市営植物公園を訪ねてみることにした。園内の森は至る所紅葉の見頃を迎え、普段よりも多い見物客で賑わっていた。  前回訪れたのは新緑の季節。静かな森の片隅にひっそりと佇むハンカチの木は、背丈約4メートルほど。周囲の木立に溶け込んで、さほど目立たない樹形をしている。オジギソウの形に似た球状の花が咲き誇り、「苞葉」と呼ばれる2枚の白いハンカチのような葉が風にひらひら揺れていた。何とも優雅で繊細、現実離れした風情を

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秋は忍び足

 久しぶりに市内の県立公園を歩いた。花壇はすっかり様変わりし、見慣れない顔の猫があちらこちらに住み着いていた。ススキやセイタカアワダチソウなど秋らしい草花が全盛期を迎えていたが、意外なことにツクツクボウシの鳴き声がまだ木陰から聞こえてきたのには驚いた。虫たちも気候変動に適応できていないようだ。紅葉のシーズンはもう少し先。朝晩の急激な気温低下が色づくための必須条件だが、はたして今年はどんな秋の彩りと巡り会うことができるだろう。秋はゆっくりと忍び足で、確実に進んでいる。  とこ

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水無月のリーラ

☔本格的な梅雨に入り、降ったりやんだりの愚図ついた空模様が続いている。毎月恒例の植物公園散策に行くと、水無月の花たちが至る所に咲き始めていた。  代表格はなんと言っても花菖蒲と紫陽花。じめじめとした大気を涼し気なものへと一瞬にして変えてしまう魔法の青や紫色。  花菖蒲は同じ株から毎年同じ色の花が咲くが、紫陽花は土壌の酸性度(pH)に左右される。雨量が多い日本は弱酸性土壌になりやすく、青系統の紫陽花の種類が多い。バランスの取れた土壌が、植物の生育には欠かすことのできない必須

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noterさんの素敵な写真

はっとする美しさ、滲み出る優しさ、感動の光景の数々を集めました。 2023年5月からのマガジンです。それ以前の記事は 「心のブックレット」に保存してあります。

海岸近くのコクガン幼鳥

こんにちは、シロチです。 先日、地元の海岸近くでコクガンに出会いました。 コクガンは、マガン、ヒシクイ、カリガネ、ハクガン、シジュウカラガンといった雁の仲間ですが、雁のなかでは唯一、海で暮らす雁なのだそうです。 昨シーズン、河口で出会ったコクガン (2024.11月) 1シーズン前に2羽飛来しました。 この辺りで雁の仲間に出会うことは、とても珍しいことです。 コクガンは白い首輪(黒い斑入り)が印象的な鳥で、手持ちの図鑑で調べると、成鳥は首輪が太く、翼が一様に黒色で、おな

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ほうきArtwork!!!

お久の、創作! 「超法規的放棄的箒」 ホウキがホウキとしての機能を放棄したっていうartworkね✨ (ネーミング、無理やり笑) これ、 柄(流木の竹)とくっついてるけど、 ぶらぶらしてて掃けないホウキ。 ということは、 ホウキではないのだろうか、 それでもやはりホウキなのだろうか。。。 ホウキのような見た目ではあるが、 ホウキとしての役目を果たせない、 これは一体。。。 っていうね!👍 ★\(^^)/☆(よろしければ、スキ!&フォロー!してくれると嬉しいdea

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雑記-7- 年末の一日

 畑を借りて何年になるあろうか、そんなこともなければ訪れることがなかったこのあたり、随分と馴染んだ風景になった。さっきの橋は水分橋って言うのだけど、何でも無い橋だけど、眺めが好きだ。この日は曇り空、それが良かったなと思う。曇りの日の風景も好きだな、、本当は曇りが好きなのよ私。そんなこと思いながら、ふらふらと歩き疲れたころにバスに拾われた。  そうそう畑の近くに図書館があって、ふらっと入ったら面白い本を見つけた。「94歳、自撮りばあちゃん」西本喜美子著、立ち読みしててニヤニヤし

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ヒーリングワーク

過去に体験したセラピーやヒーリングワークに関する話

「今ここ」に生きる

 日中はまだまだ夏の暑さが続く北九州。しかし市内にある植物公園に行くと、赤、白、黄、ピンクなど様々な彼岸花と、秋の訪れを告げる草花たちがすでに咲き始めていた。  細い花茎を伸ばし、その先に独特な造形美の花を咲かせる彼岸花。ひとつの花は数時間から長くても3日しかもたない。やがて花や花茎が枯れた後、秋の終わりから葉が伸び始め、翌年の初夏に枯れるという、他にはあまり見られない個性的な多年草である。  毎年、お彼岸のこの時期に合わせて正確に咲くのは、微妙な温度変化を繊細に嗅ぎ分け

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人間の内なる9つの次元

 風が吹き荒れる冬の海は、光が眩しい。大陸から渡ってくる北風に煽られ、次から次へと打ち寄せる荒波。海の底から湧き上がる怒涛の響き。黒々とした雲の隙間から差し込む白い陽光。  大海原を埋めつくす無数の波は、個性的な自らの存在を主張する。しかしそのちっぽけな一粒一粒の光は紛れもなく太陽の光を映し出したもの。それは人間存在の神秘にも似て、儚くも高潔な輝きに見える。 🌏  21世紀の四半世紀が過ぎた。占星術において、アクエリアスの時代(宝瓶宮時代)は、個人の自由、平等、博愛、そ

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空のアミアミ

新年あけましておめでとうございます 今年も新たなる希望と喜びにあふれる年となりますよう 心よりお祈り申し上げます 令和8年元旦 燿  1921年にイギリス人のアマチュア考古学者アルフレッド・ワトキンス氏によって提唱されたレイラインの存在は、海外のみならず国内でも多くの人によって様々な推論がなされている。  レイラインとは、目には見えない特殊なラインが、日本のみならず世界中に張り巡らされているという仮説。冬至の日の出と日没を結ぶライン、或いは夏至や春分、秋分時にも同様のラ

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響き合う

 白野江植物公園に来るのは桜の季節以来2ヶ月ぶり。風景はすっかり一変し、梅雨時の瑞々しい新緑色に包まれていた。     咲いているのはアジサイ、ハス、水蓮、花菖蒲、ギボウシなど、この時期ならではのしっとりとした涼し気な草花たちだ。  特別展示「ギボウシ」には多種多様な葉の色形があることを知り、驚かされる。    植物園による説明を要約すると           日本には約20種のギボウシが、北海道から九州の湿った山野や林野などに生育している。古くより春の山菜として新芽を

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街や建造物

街、神社仏閣、建造物などの風景写真

大分巡礼

🛣️冬枯れ色に染まり始めた大分県北部へ師走の小旅行に出かけた。今回の目的地は八幡総本宮「宇佐神宮」、宿泊先の別府市「鉄輪温泉」、そして山岳修行の根本道場「両子寺」。いずれも初めての場所である。  北九州から最初の目的地「宇佐神宮」までは東九州自動車道を使って約1時間半。途中、左手に豊後水道に沿って広がる美しい田園風景、右手には耶馬渓の荒々しい山々を横目にひた走る。     高速道路を降り、宇佐の街に入った途端に空気が一変する。この街には古都のような、ゆったりとした大らかな

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戦争と祈りの海峡

🌊門司港と下関唐戸を結ぶ渡船に乗って関門海峡を渡り、帰りは海峡下の人道トンネルを通って戻るという約8キロのルートは、海峡ならではの風光明媚な景観が続く快適なウォーキングコースである。今回はこのルート上にある三社巡りをした。 🌊関門海峡は、本州と九州を隔てる海峡。西は響灘(日本海)、東は周防灘(瀬戸内海)へと通じている。  潮の流れが速く、川のように見えるときもある。元々は陸続きだった本州と九州。約6000年前に起こった世界的な海面上昇に伴い分断され、海峡が形成されたと考え

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博多雨情

☂️福岡市の中心部に、九州を代表する繁華街「博多、天神、中洲」がある。博多の夏の風物詩「博多祇園山笠」の舞台となる櫛田神社、夜になると多くの客で賑わう中洲屋台橫丁、古代日本の律令国できわめて重要だった住吉神社などの有名所が点在し、また多くの宿泊施設もあるため海外旅行者の姿も目立つ。  4年前に九州に移り住んで以来、まだ数回しか訪れたことがなく、どのような所なのか興味深い地域でもあった。先日この街で開かれた辻井伸行氏のピアノ・リサイタルに行く機会があり、博多駅から会場までの往

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春の薫り

 🌸今週は日本海側を中心に再び冬のような寒さが戻り、なかなか春を実感できない日が続いた。今は河津桜や寒緋桜、ハクモクレンなども咲き始めている。  小倉の中心街から少し離れた小高い山の麓にある「広寿山福聚寺」にも、春の陽射しが降り注いでいた。この寺は桜の名所として有名だが、直前のこの時期はまだ誰も訪れる人がいない。風もなく、ざわめく音もない。どこを見渡しても動くものの気配がない。境内だけ時計の針がぴたりと止まっているかのようだった。  🌸ここは禅宗の一つ黄檗宗の寺である。こ

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旅のつづれ織り

旅の記憶と記録の保存箱

阿蘇くじゅうの盛夏

🍃苔むす石段から 遥か彼方の山並みに至るまで あおいヴェールに覆われて 一千年の時を経て 火山の荒野は 肥沃な農地へと生まれ変わり 子々孫々 人知れず感謝と祈りを捧げる泉は 涸れることなく溢れ出る 耳元をそよぐあおい風に乗り 聴こえてくるのは 時の移ろいを見守り続けた白雲の 清らかな歌の調べ 命 は 愛 愛 は 命 阿蘇くじゅうの短い盛夏 どこまでも見渡す限り あおいヴェールが包み込む 阿蘇くじゅう国立公園探訪⑦ 熊本県阿蘇郡高森町色見 色見熊野座神社  阿蘇

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青葉繁れる阿蘇九重

 九州も新緑の季節を迎えた。未だ見ぬ大自然の景色を求め、久しぶりに「阿蘇くじゅう国立公園」へ一泊二日の小旅行に出かける。ところが二日間とも予定とは異なる思いがけない風景との出会いが待っていた。  熊本インターを降り、ひたすら東へと向かう。目指すは若葉色に染まる草千里と阿蘇山を望む展望台。運転中、ふと東の空を見上げると、どんよりとした曇り空。このまま行けばおそらく阿蘇山は雲の中だろう。  そこで急遽予定を変更し、近くにあった熊本県阿蘇郡高森町にある「上色見熊野座神社」へ向かう

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城下町長府そぞろ歩き

 本州最西端にある山口県下関市は、関門海峡を挟んで北九州の対岸に位置するお隣の街。小さな地方都市でありながら、仲哀天皇滞在、和同開珎の鋳銭、大内氏滅亡、四国艦隊下関砲撃事件、功山寺挙兵など、幾度となく日本の歴史の舞台となった場所である。 これまで海峡に面した唐戸市場まで寿司を食べに行ったことがある位で、ほとんど出かけたことがなかったが、調べてみると市の東部に政治・文化の中心地として栄えた「長府」という城下町があり、とても興味をそそられた。 この町には大小数々の武家屋敷跡や侍

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永久の面影

 観光客で賑わう北九州市門司港レトロの街並みを離れ、昔ながらのアーケード商店街を抜けると、閑静な住宅地の高台に3階建ての木造家屋『三宜楼』が見えてくる。昭和初期の門司港を代表する高級料亭である。 竣工は昭和6(1931)年。傾斜地に盛り土をした上に建てられた為、外から見上げると5階建て位の高さに見える。建設当時この高台からは、門司の街並みや駅舎の賑わい、関門海峡を行き交う船を眺め、遠くには響灘の海と沈む夕陽を一望することができる「絶景スポット」だった。 創業者三宅アサ氏(

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若い頃

若い頃の体験談

庭に降る雨

🥭今年は桜の開花期間が長かった。雨の降らない日が多かったためだ。咲き終わるのを待っていたかのように、その後数日間は雨が続いた。  1年前に投稿した桜の写真を見ると、昨年は桜の開花と同時に雨が毎日降り続け、呆気なく散ってしまったことを思い出した。最近は気候変動による異常気象が、農作物にも大きなダメージを与えている。毎年大規模災害の激甚化や頻発化も進んでいる。  先日は雷が鳴り、珍しく大粒の「ひょう」も降った。我が家の庭で咲き始めたばかりのダッチアイリスやフリージア、チューリ

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夜の帳が下りる頃

 夏がなかなか終わりを見せない。こういう時は夜の街歩きが心地いい。夜風が火照った街の空気を絡めとりながら、何処へともなく通り過ぎていく。  数回前の記事に、我が街のアーケード商店街ではシャッターを閉じた店が並ぶ一方で、新しい飲食店もよく見かけるようになった、というようなことを書いた。  梯子酒なんてことはこれまで一度もないが、商店街をぶらぶら歩きながら店構えを眺めたり、店内の様子をそっと覗き見したりするだけでも、結構暑さを忘れられるひとときになる。  店の多くは間口が狭く

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生き抜く力

 連日の強い日差しに負けて、公園の花壇や、我が家の庭の植物たちの葉は乾燥し切ってヨレヨレである。それでも夏の小さな花たちは逞しく咲いている。よほど芯が強いのだろう。絶対に枯れない。決して負けない。     朝晩の大気には、ようやく涼し気な秋の匂いを感じるようになってきた。あともう少しの辛抱だ。 ⚽⚽⚽  毎年8月になると、中学時代のサッカー部のことを思い出す。何も知らずに遊び半分で入部したのは、東京都内でも有数の強豪チームだった。1年生の最初の夏休みは、何と朝9時から夕

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桜ひとひら

     桜咲くこの季節、今年は地元の数か所を見て回ることができた。昔も今も桜の姿形は変わらない。しかし以前は桜の木全体を見て「美しい」と感じていたが、今は小さな花を見て「可愛い」と思うようにもなった。太く隆々とした幹を持つ長寿の木になればなるほどそのコントラストはいっそう際立ってみえる。  「木を見て森を見ず」とは「物事の細部に気を取られて全体を見失ってしまうこと」を意味する有名な諺だが、逆に「森を見て木を見ず」ということもあり得ると思う。  18歳の時、桜咲く季節に起

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野鳥

野鳥の写真など

森の中で鳥になる

 北九州市南部の山間に位置する「山田緑地」は、手付かずの森が残っている広大な公園である。谷間を吹き抜ける風に導かれるように森の奥へ入っていくと、途中で少し開けた平地に出る。ここには湧き水が流れる細い水路があり、川底にはカエルの卵がふわふわ沈んでいるのが見える。数千個、或いはそれ以上あるかもしれない。いち早く気温の変化を察知した親ガエルたちがつい先日、一斉に産んだものと思われる。卵の中にある黒いつぶに動きはなく、じっとしたままだ。  日が当たる流れの緩い場所を選んで産んで

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冬の花と鳥

 1月20日は、一年で最も寒い季節と言われる「大寒」。先週の寒波襲来では北九州でも積雪し、市内の幹線道路は終日大渋滞となった。例年この地域は雪が降ってもほとんど積もらない。そのため住民の警戒心が弱く、ノーマルタイヤの車がとても多い。また行政も融雪剤の設置に消極的なので、ちょっとした坂道でもすぐに立ち往生してしまう。     先日の早朝も、幹線道路を避けながら裏道を進んでいくと、目の前にある陸橋の途中で数台の車が止まっていた。スタッドレスを履いたFF車ならば、バックで坂を登る

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希望の渡り

 気持ちよく晴れた秋分の日、北九州市北部の高塔山山頂からは、関門海峡を越えて飛んでくる「ハチクマ」の姿を見ることができた。  本州から飛び立ったハチクマはこの後、長崎の五島列島を通り、中国やマレー半島を経由して越冬地の東南アジアへと向かう。      1万キロにも及ぶ長い旅路の始まりだ。  大空を音もなく悠然と飛翔する姿は逞しく、気高く、そして美しい。  ゆったりと風に乗り左右に揺れながら進んでいくその姿は、まるで大空の中を歌いながら散歩でもしているかのような優雅さを湛

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メジロと花の蜜

 メジロの大好物は花の蜜。メジロの舌はくちばしよりも長い。蜜を吸いやすい構造になっている。流石だ。最近投稿した椿や梅の写真を撮っている時にも、そこにはいつもメジロがいた。花の写真を撮りに来たつもりが、いとも簡単に主役の座を奪われる。ヒヨドリも蜜が好きだが、警戒心が強く、人影を見るとすぐに遠くへ行ってしまう。その点メジロは蜜を吸うことに没頭してくれるので撮りやすい。先日、河津桜を見に行くと、そこでもやはり主役の座はメジロに取って奪われた。 寒緋桜と並んで早春に開花する河津桜は

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にゃんこ

元来猫好きではなかったが、猫たちの方からすり寄ってくるようになって、こちらの心が開かされるような思いがした。厳しい環境の中でも逞しく平和に生きる彼らの姿からは学ぶことも多い。しかし地域ねこの数は依然として減らず、地元住民にとっても問題となるケースも後を絶たない。猫も人も互いが気持ちよく暮らせる環境になったらいいと思う。

おはようにゃんこ16:独りぼっちの福ちゃん

 久しぶりのにゃんこシリーズは、毎度お馴染み「福ちゃん」近況報告の巻。  福ちゃんはかぎしっぽの女のコ。公園にやってくるオジサンオバサンたちのアイドル的存在だ。餌をもってきてくれる人なら誰にでも懐く。寒くなると、たいてい誰かの膝の上に乗って餌をもらう癖が出る。 福ちゃんが暮らす公園は、200匹以上が暮らす地域猫の一大拠点。毎日NPOの人と共に、大勢のボランティアの方々が餌やり水やりに奔走している。グループを作って暮らしていたり、単独行動をしていたり、猫たちの生き方は様々だ

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陽だまりにゃんこ11:相島は愛の島⁈

 玄界灘に浮かぶ離島、福岡県糟屋郡新宮町「相島」は、世界6大猫スポットのひとつとして世界的にも有名な猫島である。     福岡市にほど近い新宮漁港から町営渡船で約20分。アクセスの良さから、多くの猫好きたちが国内外から集まる。年間の来島者数は9万人以上。先週末、朝9時半発の便は釣り客も多く、すぐに定員150人いっぱいとなり、乗れない人もいたほどだ。 🐈‍⬛  本題に入る前に、まずこの島にある「遺跡」について。  前回の記事で取り上げた宮地嶽神社内の古墳に使われている巨石は

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おはようにゃんこ15:神の贈り物

 毎度「にゃんこシリーズ」でお馴染みのさくら猫、モモちゃんと福ちゃんはこの寒さの中、無事に暮らしているだろうかと案じつつ、市内にある公園を目指す。 2匹とも姿が見えない。 それぞれ朝の縄張り巡回にでも出かけているのだろう。 案ずるには及ばない。 元気な証拠だ。 戻ってくるまでの間、丘の上にある花壇を散策。 この時期花はまだ咲いていない。 風もなく静まり返った園内のベンチに座り猫に習い日向ぼっこに興ずる。 そろそろ戻ってくる頃かと思いきや、そこで巡回中のモモちゃんとばったり出

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おはようにゃんこ14:孤高のたまちゃん

 北九州でも朝晩は冷え込んで、暖房を入れるようになった。紅葉はもう少し先のようだが、ようやく秋らしい雰囲気が街を包む。 寒くなると外で暮らす猫たちのことがどうも気になってくる。 朝のウォーキングで時々立ち寄る近所の公園に、一匹のまるまる太った仔が暮らしている。「たま」はメスのような名前だが、実はオス。 この2年間毎朝世話をしているという年配女性が名付け親だ。彼女が最初に見つけた時、たまちゃんはそれまで飼い猫だったらしく、すぐに餌を求めて近づいてきたらしい。 驚くべきこと

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