勉強を継続できる人が絶対にやらないこと3選|学習の習慣化を妨げる落とし穴とは

デスクの上にPCやノートが置かれている

「この勉強、本当に意味があるんだろうか……」

夜、自宅のデスクでノートを開きながら、あなたはふと手を止めます。
最初は「仕事に活かそう」と思って始めた勉強。しかし、日々の業務に追われるうちに、いつの間にか「そもそも、なんのためにやってるんだっけ?」と迷いが生じている……。

それでも、スマホには「リスキリングの重要性」を説く記事が並び、周りの同僚は着々とスキルアップしているように見える。「このままでは取り残される」という焦りと、「勉強が続かない自分」へのもどかしさ。社会人になってから、なぜ学習習慣を身につけるのはこんなに難しいのだろう?

そんなあなたに必要なのは、学び続ける人たちが実践する「続ける工夫」です。長く学び続けている人たちは、単に「根性」で頑張っているわけではありません。彼らには「楽しく学び続ける工夫」があるのです。

今回は、「学び続ける人」が決して「しないこと」を3つご紹介します。

学び続ける人は、「つまらない」という気持ちを無視しない

多くのビジネスパーソンは、「仕事のスキル向上」や「キャリアアップ」を目的に学習を始めます。そのため、「確実に実務に役立つこと」を優先して学ぶ内容を選びがちです。しかし、心から楽しめないのに「これを学ぶべき」「あれを身につけるべき」と義務感で学び続けることは、挫折につながりやすいものです。

一方、学び続ける人は、いま現在の自分の好奇心を大切にします。「いま、自分はなにを学びたいのか」を優先するのです。そのため、一見業務とは無関係のことを学び始めることもありますが、楽しんで知識を吸収した結果、思いがけないかたちで仕事に結びつくということもあります。

習慣化コンサルタントの古川武士氏も、「『楽しむ!』は、習慣化において意外と見落とされがちなポイント」であるが「『なにをすべきか』ではなく、『なにをしたいか』からスタート」することをすすめています。*1

たとえば、プログラミングスキルを身につけたい場合、「Pythonの基礎文法を習得すべき」と義務的に取り組むのではなく、「自分がつくりたいアプリやツール」から始めることで学習の継続率が高まります。あるいは、財務知識の習得であれば、「会計原則を順番に覚えるべき」という考え方よりも、「投資したい企業の財務諸表を読み解きたい」という自分の興味から学習をスタートさせる方が、長期的な習慣化につながりやすいのです。

もし勉強する内容を選べなくても、やり方に楽しさを加えることは可能です。以下のようなシステムを取り入れてみてはいかがでしょうか。

学習を楽しく続ける3つの方法

ゲーム感覚で進める
ポイント制やレベルアップを導入し、達成感を味わう。
(例:「1ページ進めたら◯ポイント」「10ポイントでご褒美」)

ご褒美システムを活用
達成したら楽しみを用意する
(例:「1時間勉強したらお気に入りのカフェでコーヒーを飲む」「資格勉強を1章終えたら、映画やドラマを1話観る」)

自分の興味と結びつける
好きなものと関連づけることで、自然と学びが楽しくなる。
(例:「マーケティングの勉強 → 自分の好きなブランドの戦略を分析する」「データ分析の勉強 → 趣味のスポーツの試合データを活用してみる」)

これらの方法を取り入れることで、学習が「やらされている作業」から「楽しみながら成長できる時間」へと変わり、継続的な学びへの第一歩となるでしょう。

楽しみながら勉強いている女性

学び続けられる人は、「学ぶ目的」のチェックを怠らない

「『仕事に役立てたい』と勉強をはじめたはずが、日々の業務に追われているうちになんのために時間を割いて勉強しているのかわからなくなってしまった……」
「思ったような成果が得られず、学ぶ意義を見出せなくなった……」

このように「学ぶ目的を見失う」ことが、学習の停滞につながるケースは多いもの。
目的意識を明確にもつことは、学び続けるために必要不可欠です。

ブレインコーチのジム・クウィック氏も「モチベーションを維持するためには、自分がそれをする理由、つまり目的を明確にし、何をしたいのか、なぜそれをするのかをとことんまで突き詰める必要がある」と述べています。*2

学びの目的を明確にする重要性

📌 曖昧な目的は挫折のもと
「なんとなく仕事に活かしたい」という漠然とした目的では、学習の意義を見失いやすくなります。

📌 「なぜ学ぶのか」を言語化する
学び始める前に、自分にとっての本当の目的を具体的に考え、言葉にしましょう。

📌 本音の目的がモチベーションを維持する
心から納得できる目的があれば、学習の継続力は自然と高まります。

また、本音の目的がわかったら、それをいつでも見返せるよう、ノートに記録しておくのがおすすめです。ノートに学ぶ目的と、小さな目標を書き、進捗を記録することで、学習の道筋が可視化され、自分の成長を実感しやすくなります。

たとえば以下のように、ノートの一番上に学ぶ目的、その下に期間とその間に行なうタスクを書き出すのがおすすめ。タスクが完了したら、進捗や振り返りをメモします。

学ぶ目的やタスクを書き出した写真

このように記録することで、いつでも目的を思い出せますし、目的に向かって小さな目標をクリアしていくことでモチベーションを維持することができます。

月に1回程度、振り返りをするのも効果的。「自分の学びがどこに向かっているのか」を意識する機会をつくることで、目の前の勉強にやる意味を感じられるようになります。   もし自分が学んでいることに関連するコミュニティがあるなら、参加して進捗を共有するといいでしょう。外部からのフィードバックを得ることで、目的意識を持ち続ける助けになります。

筆者がおすすめしたいのは、ChatGPTと「定期面談」をすること。たとえば月に一度、ChatGPTに上記の記録ノートの内容を書き込むだけで、以下のように振り返りポイントや来月のステップを教えてもらえます。

ChatGPTに入力したプロンプト

ChatGPTの解答

⭕ 定期面談(2月振り返り)

まず、進捗すごくいいですね!本を読み進めつつ、実際に記事を書いて改善点を見つけるという流れができているのは大きな成果です。

📑 振り返りポイント

✅ 『新しい文章力の教室』28ページ読了 → この本、具体例が多くて実践しやすいですよね!特に「主観を減らして情報を整理する」とか「1文を短くする」あたりは、WEBライティングにも活かせそう。読んでいて「これ試したい」と思ったポイントはありましたか?

✅ 1000字の記事を3本執筆・見直し → 「冗長な表現が多い」と気づいたのは、すごくいい発見!自分の文章のクセが分かると、次から修正しやすくなります。 → WEB用の文章をもっと意識すべきと感じた、とのことですが、どんな点を改善すれば良さそうだと思いましたか? たとえば、「結論ファーストにする」「短い段落を意識する」など、具体的な気づきがあれば次の目標に活かせそうです。

🔴 次のステップ(3月に向けて)

❶ より削ぎ落とした文章を書くトレーニングをしてみるのはどうでしょう? → たとえば「200字で要約する」練習をすると、WEB用のシンプルな書き方が身につきやすいかも。

❷ WEBライティングの具体的な型(PREP法・リード文の工夫)を学ぶ → WEB向けの書き方を意識するなら、記事の導入(リード文)をいくつかの型で書き分ける練習をしてみるのも良さそう!

記録ノートに加え、定期的に振り返りの機会を設けることで、学ぶ目的を忘れずに学び続けられます。ぜひお試しを。

学び続ける人は、「大きな目標」で自分に負荷をかけない

通勤時間に解説動画に目を通し、帰宅後は2時間勉強、寝る前に参考書を見ながら暗記をする……このように、ついたくさんのタスクを自分に課してしまう、ということはありませんか?

特に新しい勉強を始めたばかりのときは、はりきって「あれもこれも」と詰め込んでしまいがち。脳科学や行動経済学で広く知られる「現状維持バイアス」という性質により、人は新しい行動を本能的に避け、慣れた行動を続けようとする傾向があります。*3 たくさんの新しいタスクを用意して、急激に生活を変化させると、挫折につながりやすいのです。

現状維持バイアスとは?

🧠 脳は変化を嫌う
人間の脳は安定と予測可能性を好み、急激な変化に対して本能的に抵抗します。

🧠 新しい習慣への抵抗
新しい行動パターンを取り入れようとすると、脳は無意識に「今までどおり」を選ぼうとします。

🧠 習慣化のハードル
このバイアスがあるため、大きな変化を一度に導入すると失敗しやすくなります。

ではどうすればいいのかというと、逆に極限までハードルを下げて始めるのが正解。東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之氏は、以下のような手順で習慣化することをすすめています。

学習習慣化の3ステップ

  1. 極限までハードルを下げる
    「それだけは必ずやる」というミニマムな行動を決める
    (例:5分だけ机の前に座るなど)
  2. 少しずつ拡張する
    一週間もすると定着し始めるので、時間を5分、10分と少しずつ伸ばす
  3. 習慣として定着
    個人差はあるものの、約2ヶ月でその習慣をやらないと落ち着かない状態になる 

学び続けることができる人は、最初から大きなハードルを課すことはしません。
いまの自分が無理なくできることから始めるからこそ、無理なく継続することができているのです。

学び続けるための3つのポイント

「つまらない」という気持ちを無視しない
義務感ではなく、好奇心や楽しさを原動力にする

学ぶ目的のチェックを怠らない
曖昧な目的ではなく、具体的で本音の目的を持ち、定期的に振り返る

大きな目標で自分に負荷をかけない
極限までハードルを下げ、スモールステップで習慣化する

***
学び続ける人は、ただ努力を重ねるのではなく、「続ける工夫」を取り入れています。
大切なのは、無理に頑張ることではなく、「どうすれば楽しめるか」を考えること。
学びをストレスではなく、自分の成長を実感できるものに変えられれば、知識は確実に身につきます。ぜひ実践してみてください。

【ライタープロフィール】
柴田香織

大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。

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    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」や、英語の自習型コーチングサービス「STRAIL」を運営。
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