「森保監督のノート術」を勉強に取り入れてみた結果。リアルタイムで考えながら学ぶ効果が絶大だった

サッカーボールを蹴ろうとする選手の足元のアップ写真

「SAMURAI BLUE」の愛称で知られるサッカー日本代表。2025年10月には強豪ブラジル戦で史上初の勝利を収め、世界を驚かせました。*1

そんな歴史的勝利を指揮したのが、森保一監督です。森保監督の就任以降、日本の勝率は70%にものぼると言われています。*1

森保監督は、練習中や試合中にノートをとる姿がたびたび話題になってきました。本記事では、その「森保ノート術」の核心を解説し、勉強への応用方法と実践結果をご紹介します。

「森保ノート」の核心――学びながらメモをとる、思考を止めないメモ術

森保監督は普段、ノートに「アイデアや気づき」をメモしています。たとえば、次のような内容です。*1

  • 次の試合のポイントになること
  • 次の試合に生かせること
  • 練習中に起きた修正すべきこと
  • 今後起こるかもしれない予想

書き留めた内容は、必要に応じてコーチや選手に伝えられます。*1

コクヨのワークスタイルコンサルタントを務める下地寛也氏は、「練習や試合で気づいたことや思ったことを書きとめて、戦術に活かしたり、選手に伝えるメッセージに変換したり」するメモの使い方が「アウトプットにつながる」と分析。「メモが日本サッカーの成長を促していた」とも述べています。*2

気づきや学びを "どう使うか?" まで合わせて即座にメモする――このノート術こそが、良質なアウトプットにつながるのです。

立ったままノートにメモを取る人の手元のアップ

青と赤の2色使いで「理解できたこと」と「まだわからないこと」を瞬時に仕分ける

ノートに書く内容だけでなく、書き方も大切です。せっかくノートをとっても、ごちゃごちゃしていて重要な情報が埋もれてしまっては本末転倒。

森保監督は複数色のボールペンを使い分け、ポジティブな要素は青、課題は赤で書き込んでいます。*3 書く内容とペンの色を事前に決めておくことで、あとから見返したときにひとめで情報を見分けられるようにしているのです。また、余白を意識してとることで、後から書き込めるスペースも確保しています。*3

記憶力日本一の経験を多くもつ池田義博氏も、ノートに使うのは青と赤の2色のみだといいます。*4

池田氏は「色は記憶を引き出すきっかけにはならない」ため、カラフルなノートをつくっても記憶の定着にはさほど効果がないと指摘しています。それよりも「重要なところは枠で囲んだり、二重丸や星を記入したり、メモの順番を矢印で示したりといった工夫」のほうが効果的です。思考の流れのままにノートをとれるからです。*4

勉強用のノートでも、気づきやわかったことは青、疑問やわからない部分は赤で書き分ければ、自分の得意・不得意が一目でわかる状態になります。あとで見返したとき、どこを重点的に復習すべきかがすぐにわかるノートになるでしょう。

開いたノートの横に赤と青の2本のボールペンが並んでいる写真

書いたらすぐに復習/アウトプットにつなげる実践サイクル

「ノートをとっても、演習問題をやると思い出せないし、復習にもうまく生かせない」という人は多いはず。

一方で森保監督はノートに書いた内容を、すぐに戦術や選手への声かけといったアウトプットへと昇華していました。

この理由について、前出の下地氏は「単に自分が得た情報だけをメモするのではなく、それに『気づき』を加えてメモ」しておくことが重要だと分析しています。事実に対する自分の気づきを書くことで、「他のことに参考にできる知識として吸収できるようになる」ためです。*2

たしかに、森保監督がノートに書いている「次の試合に生かせること」「練習中に起きた修正すべきこと」などは、どれも監督自身の気づきです。

勉強でも同じように「ここがわからない」「この知識をおさらいするとよさそう」など、自分なりの気づきをメモしてみましょう。そのメモをもとに復習や苦手部分の対策ができるはずです。

【実践】資格試験の勉強で「森保ノート術」を試してみた

実際に森保監督のノート術を勉強に取り入れてみると、どのような効果が得られるのでしょうか? 筆者が試してみました。

まずは森保監督のノート術のポイントを整理しておきます。

  • 「気づき」をメモする
  • ポジティブ要素を青、ネガティブ要素を赤で書く
  • 余白をとって書く *3

勉強中の気づきをリアルタイムで残すため、テキストを読みながらノートをとることに。気づいたことや感じたこと、わからないことなどを青と赤のペンを使って書いていきます。

前出の下地氏は「どこが『事実』でどこが『気づき』かわかるようにするのがメモのコツ」であり、「気づきには何か印をつけておくといい」と述べています。そこで筆者は、気づきには青ペンで「▶」、わからないことは赤ペンで「★」と印をつけてから書くことにしました。*2

30分ほど勉強したノートが、次の画像のとおりです。

筆者が作成した「森保ノート」の全体写真。青と赤のペンで気づきと疑問が書き分けられている

筆者が勉強して書いた「森保ノート」
※記事内の実践ノート画像はすべて筆者が作成した

筆者が書いたノートの拡大写真。青ペンの「▶」印のあとに気づきのメモが書かれている

筆者が書いたノートの拡大。
気づきには青ペンで「▶」印を書いてからメモした。

筆者が書いたノートの拡大写真。赤ペンの「★」印のあとにわからない箇所のメモが書かれている

筆者が書いたノートの拡大。
わからないところは赤ペンで「★」印をつけてからメモした。

さらに、すぐにアウトプットにつなげられるかどうかを検証するため、ノートをとった直後に練習問題を解いてみました。結果は次のとおりです。8問中7問正解と、なかなかいい結果です。

筆者が練習問題を解いたノートの写真。8問中7問に正解の印がついている

筆者が問題を解いたノート

「森保ノート術」で記憶の定着率と学習スピードが格段に上がった

森保監督のノート術を勉強に応用してみて実感したのは、思考の整理が簡単にできたことと、「わからない」がそのままにならないという2点でした。

勉強中、情報を詰めこみすぎて頭のなかがゴチャゴチャになってしまった経験は誰にでもあるはず。筆者もよくこうした状態に陥っていたのですが、今回は「気づき」をノートに書いているあいだに情報をゆっくりかみ砕いて整理することができました。

メモをとるぶん一つひとつの内容を丁寧に学べた感覚があり、「読んだはずなのに覚えていない」ということもありません。そのため、森保監督のノート術は記憶の定着にも有効だと実感しました。

また、わからない部分が埋もれにくい点も魅力です。いままでは疑問やわからないことがあってもそのままにして忘れてしまうことが多かった筆者。今回は赤ペンでメモを残したため、「わからない」「苦手」を可視化できました。ノートを見返せばすぐに復習すべきポイントがわかるため、わかった "つもり" を防げそうです。

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森保監督のノート術は、勉強内容の定着や復習にも効果的だとわかりました。テキストに直接、気づきや疑問をメモしても同じ効果が得られるでしょう。勉強がなかなか捗らないという人は、ぜひ試してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 森保監督のノート術の最大の特徴は何ですか?

A. 単に情報を記録するのではなく、「その情報をどう活かすか」という気づきや考察まで合わせてメモする点です。学んだ内容をアウトプットにつなげることを前提にしているため、理解や記憶の定着を促しやすくなります。

Q. ノートは青と赤の2色だけで十分なのでしょうか?

A. 十分です。森保監督はポジティブ要素を青、課題や改善点を赤で書き分けています。色数を増やしすぎると情報整理が難しくなるため、役割を決めた2色運用のほうが見返しやすくなります。

Q. 勉強中にノートをとると時間がかかりませんか?

A. 一時的には時間がかかる場合があります。しかし、理解できたことや疑問点を整理しながら学習できるため、後から復習する時間を短縮しやすくなります。結果的に学習効率の向上につながる可能性があります。

Q. 森保ノート術はどんな勉強にも使えますか?

A. 受験勉強や語学学習、ビジネススキルの習得など、知識を理解して活用する必要がある学習全般に応用できます。特に「気づき」を残す習慣は幅広い分野で役立つでしょう。

Q. ノートに何を書けばいいかわからない場合はどうすればいいですか?

A. まずは「理解できたこと」「わからなかったこと」「後で確認したいこと」の3つを書くだけで十分です。慣れてきたら、「この知識はどこで使えそうか」「どんな問題で間違えそうか」といった気づきも加えていくと、より実践的なノートになります。

※引用の太字は編集部が施した

【ライタープロフィール】
藤真唯

大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいて分かりやすく伝えることを得意とする。