
「計画を立てなければ勉強の効率が悪くなる」とわかっていても、計画を立てることに苦手意識がある……そんな方は多いのではないでしょうか。
計画は、期間ごとの目標数値を適切に定めるのが大切。それなら「計算して数値化する」ことが得意な生成AIに任せれば、効率的に勉強計画を立てられるのではないでしょうか。
今回は、ChatGPTを使いながら勉強計画を立ててみました。ぜひ、ご一読ください。
勉強計画を立てる際のポイント
ビジネス書作家、時間管理の専門家である石川和男氏は、STUDY HACKERのインタビューで、勉強を続けるためにはまず「目的」「期限」を明確にすること——そして、具体的な数字を使ってやるべきことを明確にするのが肝心だ、と語ります。*1
ビジネスパーソンは常に多忙ですから、具体的な期限がなければ「いまは繁忙期で疲れるから来週にしようかな」などと先延ばししてしまうこともよくあるでしょう。そこで、「〇日までに問題集を2章分終わらせよう!」と決めれば、目先の目標が明確であるため、目先のモチベーションに影響を受けにくくなります。
そのうえで、期限や目標の数値を設定する際には注意が必要です。なぜなら、「緩すぎる目標」では却って先延ばしの理由になってしまいかねないから。
法律系オンライン学習サービスを提供する資格スクエア創業者、弁護士である鬼頭政人氏は、計画自体が「緩い」となかなかプレッシャーがかからないと指摘します。*2 緩い目標だと焦りを感じないため、計画倒れになってしまうわけですね。
とはいえ、プレッシャーのかかる目標数値を掲げても、タイトすぎても未達成が増え、挫折感を味わいかねません。効率的に計画を立てるには、「逆から考える」ことが大切です。
教育事業を展開する(株)カルペ・ディエム講師であり、『東大式時間術』(扶桑社)の著者、布施川天馬氏は、「願望が先行したスケジュールをこなすことは、ほぼ不可能」だと指摘します。*3
未来の自分を過大評価するのはよくあること。だからといって、試験までの期間が短いのに「問題集を5周やり遂げる!」と厳しい目標を立てても、不調や家庭の事情など予想外の出来事が重なると、達成することはできません。
そうではなく理想的な計画は、以下のように 「逆算する」 のが好ましいとのこと。*3
目標からさかのぼるようにして、どんどん逆算していくのです。すると、目標を1日あたりのノルマまで分割することができます。*3
試験日まで3か月あるのなら、1か月で〇ページ、1週間でその1/4、だとしたら1日の量は……と、逆から考えて日割りのノルマを出すのです。もし、月単位の目標が高すぎたのなら、逆から計算した1日のノルマを見れば「さすがに欲張りすぎたかも……」と気づくはず。
上記をまとめると、勉強計画を成功させるためには——
- 「目的・目標・期限」を数値化する
- プレッシャーのかかる目標数値にする
- 逆算して計画を立てる
この3点を守ることが大切と言えるでしょう。

生成AIに勉強計画をサポートしてもらった
実際に筆者がChatGPTを使いながら、計画を立ててみました。そのプロセスを紹介しましょう。
1.「目的」「目標」「期限」の設定
まず最初に、前出の石川氏が述べていた「目的」「目標」「期限」の設定です。筆者は11月中旬のTOEICの試験に臨むため、下記のように決めました。


前回3か月弱で30点スコアを上げたので、さらに20点上乗せした50点であるなら、よいプレッシャーになりそうです。
2.「取りかかるべきタスクを逆算してもらう」
次にタスクを整理します。取りかかる勉強タスクは次のとおり。
- 単語の暗記
- 問題集を解く
- 英語のビジネス動画の視聴
- 英文記事を読む
試験まで残り3か月。上記のタスクでChatGPTに逆算して3か月の計画を立ててもらいましょう。

現在取り組んでいるのは、・単語(350ページ) ・問題集 (430ページ) ・ビジネス系動画リスニング (10分程度 ) ・ビジネス系記事リーディング (5分程度) を逆算して計画を立ててください
回答:11月中旬のTOEIC試験に向けて、 逆算した勉強計画を立てます。 現在9月初旬であることを考慮し、約10週間 (70日) で完了するプランです。
「問題集/単語帳の総ページ数」を入力し、ChatGPTに計算してもらうと——



1か月のノルマのみではなく、週単位、一日のノルマまで計算してくれました。応答したものを確認すると、11月は復習にあて、9月はタイトに、10月はやや緩いノルマ……と、月ごとに分量を調整してくれている模様。復習時間も考慮して計画を立ててくれるとは意外です。
3.「復習頻度を指定して計画してもらう」
とはいえ、11月の残り2週間で集中的に復習するのは、記憶に定着しにくいかもしれません。できるなら、3か月の間で3回復習したい……と考えた筆者は、ChatGPTに次のように指示しました。

回答:単語帳 (350ページ) と問題集 (430ページ) を11月中旬までに3回復習するためのプランを立てます。 今から11月中旬まで約10週間 (70日) あることを考慮し、 初回学習と復習を計画的に進めていきます。
ところが、3回の復習を頼んだはずですが……

3回の復習ではなく、2回の復習です。こちらの意図をChatGPTが汲んでもらえなかった様子。再び3回の復習を逆算してもらうことも考えましたが、2回の復習でも1日で問題集20ページをやり通すのは困難です。次項で調整しましょう。
4.「ノルマを現実的な数値に調整する」
前項で割り出した1日のノルマが達成困難だと感じたため、筆者はさらにChatGPTに「ノルマを30%減少」させることを指示しました。

回答:1日のノルマを30%減らして、より現実的なプランを立てます。 各フェーズの1日あたりのページ数を減らし、遂行しやす いスケジュールを提案します。
新しいノルマがこちら。

まだノルマが多い気もしますが……前出の鬼頭氏が述べたとおり、プレッシャーをかけるにはちょうどよい数値なのかもしれません。
5.「一週間のスケジュールを組む」
では、これまでの計算から1週間のスケジュールを組んでみましょう。1日の予備日と飽きずに勉強できるよう、バランスよくタスクを1週間に割り振ってもらいます。
優先するのは単語帳と問題集だと伝えて——

スケジュールを組んでもらったものがこちら。動画視聴と英文記事の読み込みはランダムで、入れてくれましたよ。

なお、休息日は日曜です。万が一、勉強できない日があれば、休息日の日曜に勉強をあてることもできますね。

最後にChatGPTのやりとりをもとに、スケジュール帳に落とし込んでみましたよ。

計画を逆算するには生成AIのサポートが役立つ
ChatGPTを利用して一番意外だったことは、単純に逆算してスケジュールを出すのではなく、その月ごとにタスク量を調整してくれるところ。自分で計算して割り出すよりも、試験月とほかの月のメリハリをつけられるのが大きなメリットだと感じました。
もちろん、こちらの指示に必ずしも適切に応答してくれるわけではありません。たとえば、「復習頻度」では筆者の望む答えが得られませんでした。この場合は、指示を繰り返す必要があります。
しかし、計画をあいまいにしてしまう筆者にとっては「1か月の目標」「1日あたりのノルマ」「1週間のスケジュール」を簡単に数値化できるため、非常に有用でした。スケジュール帳に書き込む前に生成AIのサポートを借りれば、効率的に計画を立てられるでしょう。
関連記事:短期間でTOEICスコアを上げる勉強スケジュールの立て方!社会人や学生のスケジュール例や勉強法も紹介
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勉強計画に苦手意識のある人は、一度生成AIを利用してみましょう。不得意なことはAIに外注して、本来の勉強に集中すればいいのです。
*1 STUDY HACKER|全然勉強しない社会人の末路。AIでもできる仕事を低賃金で請け負うことしかできなくなる……。
*2 東洋経済 ONLINE|その「勉強計画」が君にとって無意味なワケ
*3 PRESIDENT Online|頭のいい子は「夏休みの過ごし方」が違う…東大生が「勉強計画はコンビニのチェーン展開と同じ」と説くワケ【2024夏のイチオシ】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。