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パッキングリストとは?書き方・記載項目を実務で解説

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この国・地域との取引を具体的に検討していますか?

国ごとの規制・関税・物流事情は、年単位で変わります。 「この国からこの商品を運べるか」「費用はどのくらいか」—— 現時点の条件に基づいた個別回答が必要な場合は、お気軽にご相談ください。

輸出する貨物をどのように梱包したのかを示す書類が「パッキングリスト(Packing List / P/L)」です。インボイスとセットで税関に提出される貿易書類であり、輸入時の通関・荷受け・倉庫管理のすべてに関わる重要な書類です。本記事では、パッキングリストの役割・記載項目・フォーマット見本・実務での作成手順までを網羅的に解説します。

パッキングリストとは? ─ インボイスとの違い

輸出者と輸入者の間で「どんな商品を・いくらで・いくつ売買したのか」を示す書類が「インボイス(Invoice)」です。税関は、インボイスを見ることで貿易取引の内容を把握できます。

しかし、インボイスだけでは貨物がどのように梱包されているかがわかりません。

たとえば、インボイスに「10 CARTON」と記載されている場合でも、以下のように複数の梱包パターンが考えられます。

  1. 1カートンにつき1つの商品が入っている(合計10個)
  2. 1カートンにつき10の小箱が入っている(合計100個)
  3. 1カートンに10の小箱が入り、さらに小箱に100個の商品が入っている(合計10,000個)

このように、インボイスの「10カートン」だけでは梱包の中身がまったくわかりません。梱包の内容・個数・重量・寸法を明確にするのがパッキングリストの役割です。

インボイス見本 - 梱包情報が不足している例

▲ インボイスの見本。赤丸部分の「10 CARTON」だけでは梱包の詳細がわからない

Invoice
インボイス(送り状)
貨物の価格・取引条件を証明する書類。売買金額の根拠となり、関税計算の基礎になる。
Packing List
パッキングリスト(梱包明細書)
貨物の梱包内容・重量・容積を示す書類。通関検査や倉庫での荷受け・仕分けに不可欠。

パッキングリストは必ず必要?
必須ではありません。貨物の個数が少ない場合は「インボイス兼パッキングリスト」として1枚にまとめることもあります。ただし、L/C(信用状)決済の場合は、要求書類として指定されることが多く、事実上作成が必要です。また、貨物量が多い輸入では、荷受けと在庫管理の精度を上げるためにも用意すべきです。

パッキングリストの目的と使われ方

パッキングリスト(包装明細書 / P/L)は、包装ごとの荷印(シッピングマーク)、内容品名、正味重量、総重量、容積などを記載する書類です。輸出者が作成し、輸入者に送付します。

輸入者は、パッキングリストとともに以下の書類を一式にして税関に提出します。

書類名 役割
インボイス 商品の価格・取引条件を証明
パッキングリスト 梱包の内容・重量・容積を記載
B/L(船荷証券) 船会社が発行する貨物の受取証・権利書
アライバルノーティス 貨物の到着案内・諸費用の請求書
原産地証明書 EPA/FTA 特恵税率適用のための証明書

パッキングリストのフォーマット見本

▲ パッキングリストのフォーマット見本

パッキングリストの記載項目一覧

パッキングリストに記載される情報は、大きく3つのカテゴリに分かれます。

  1. 当事者情報 ─ 輸出者(Shipper)と輸入者(Consignee)
  2. 輸送情報 ─ 本船名、出港地、入港地、船積日
  3. 貨物明細 ─ シッピングマーク、品名、重量、数量、容積
項目(英語表記) 意味・記載内容 カテゴリ
DATE パッキングリストの作成日 ヘッダー
INVOICE NO. 対応するインボイスの番号 ヘッダー
Shipper 輸出者の名称・住所 当事者
Consignee 輸入者の名称・住所 当事者
VESSEL NAME 本船名(貨物を積み込む船舶名) 輸送
ON BOARD 船積み日(B/Lの日付と一致させる) 輸送
PORT OF LOADING 輸出港(積出港) 輸送
PORT OF DISCHARGE 輸入港(荷揚げ港) 輸送
SHIPPING MARK 荷印(ダンボール外箱に記載するマーク) 貨物明細
DESCRIPTION OF GOODS 品名・商品の詳細情報 貨物明細
QUANTITY 数量(PCS, SETS などの単位付き) 貨物明細
NET WEIGHT(N.W.) 正味重量(商品本体のみの重量) 貨物明細
GROSS WEIGHT(G.W.) 総重量(梱包材を含む重量) 貨物明細
MEASUREMENT(MEAS) 容積(CBM = 立方メートル) 貨物明細
インボイスと大きく異なる記載項目は、シッピングマーク(荷印)・NET WEIGHT・GROSS WEIGHT・MEASUREMENTの4つです。この4項目がパッキングリスト固有の情報であり、通関・荷受けの双方で不可欠なデータとなります。

シッピングマーク(荷印)とは? ─ 貨物紛失を防ぐ仕組み

貿易輸送では移動距離が長く、複数の業者が貨物のハンドリングに関わります。そのため、ダンボールの外箱には輸入者情報を含むマークを記載して、貨物の紛失や混載事故を防ぎます。これが「荷印」「Shipping Marks(シッピングマーク)」と呼ばれるものです。

シッピングマークの構成要素

一般的なシッピングマークには、以下の要素が含まれます。

要素 記載例 役割
輸入者名略称 ABC 荷受人の識別
PO番号 / 注文番号 PO12345 発注との紐付け
カートン番号 CTN 1–50 箱単位の追跡・照合
仕向地 TOKYO, JAPAN 輸送先の明示
原産国 MADE IN CHINA 税関検査用

輸入者は、パッキングリスト上のシッピングマークとダンボール外箱の荷印を照合することで、「どのダンボールに、どんな商品が入っているのか」を素早く確認できます。

パッキングリスト上のシッピングマーク例

▲ 緑枠がシッピングマーク。カートン番号ごとに内容品を照合できる

B/Lとダンボールへの表示例

荷印・シッピングマークの表示例

▲ B/L、パッキングリスト、ダンボール外箱に同じ荷印が記載される

検数の様子

▲ 入港後の検数作業。シッピングマークにより効率的に仕分けできる
シッピングマークは英数字のみで構成し、記号や特殊文字は避けましょう。箱の側面2〜3か所に明確に印字し、入港後の倉庫での仕分け効率を考慮して、輸入者側の運用ルールに合わせることが重要です。

ネットウェイト・グロスウェイト・容積の違い

パッキングリストには貨物の重量と容積を記載する欄があります。それぞれの違いを正確に理解しておきましょう。

パッキングリストの重量・容積記載欄

▲ パッキングリストの重量・容積欄の拡大図

ネットウェイト
NET WEIGHT(N.W.)
貨物本体だけの正味重量。梱包材(ダンボール・緩衝材)を含まない。
グロスウェイト
GROSS WEIGHT(G.W.)
貨物本体+梱包材を含む総重量。実際の輸送・料金計算で使用される。
容積(メジャメント)
MEASUREMENT(MEAS)
貨物の縦×横×高さで算出。単位はCBM(立方メートル)。

容積の計算方法

容積は、外箱の寸法をメートル単位で掛け合わせて算出します。

計算例:30cm × 40cm × 100cm の箱が100個の場合
(0.3 × 0.4 × 1.0)× 100 = 12 CBM
1 CBM = 縦1m × 横1m × 高さ1m の大きさ

この容積をもとに「容積重量」を算出し、実重量と比較して重い方が輸送料金の基準重量となります。

容積と重量の計測はどうすればいい?
自社で計測することも可能ですが、一般的には通関業者経由で入手できる「容積重量証明書(CLM)」の数値を使用します。CLMは検数業者が発行する公的な証明書です。自社計測値とCLMの数値が食い違う場合は、CLMの数値に合わせるのが原則です。

パッキングリストの典型フォーマット(見本)

以下のような形式にまとめると、税関・フォワーダー・輸入者の三者すべてが確認しやすい書類になります。

PACKING LIST(パッキングリスト見本)
DATE:January 15, 2026
INVOICE NO.:INV-2026-0015
Shipper:ABC Trading Co., Ltd.(輸出者名・住所)
Consignee:XYZ Import Inc.(輸入者名・住所)
Vessel Name:EVER FORTUNE V.2601E
Port of Loading:SHANGHAI, CHINA
Port of Discharge:TOKYO, JAPAN
Shipping Marks:XYZ / PO12345 / CTN 1–50 / TOKYO, JAPAN

明細部分の記載例

Carton No. Description of Goods Quantity N.W. G.W. MEAS
1–10 ABC TYPE(型番: AB-100) 100 PCS 120 KG 135 KG 0.45 CBM
11–20 DEF TYPE(型番: DE-200) 200 PCS 180 KG 205 KG 0.72 CBM
TOTAL 300 PCS 300 KG 340 KG 1.17 CBM
複数品目がある場合は品目ごとに行を分けて記載し、最終行にTOTAL(合計)を入れるのが一般的です。合計行があることで、税関・フォワーダーが全体の数量と重量を瞬時に把握できます。

パッキングリストの作成手順(実務者向け)

パッキングリストは、インボイスの品名・数量を基礎にしながら、実際の梱包単位(カートン単位・パレット単位)へ細かく落とし込む形で作成します。以下の6ステップで進めましょう。

  1. インボイス記載の品名・数量を確認
    品名、個数、型番、ロットがある場合はロット別の数量もすべて確認します。
  2. 実際の梱包仕様を確認
    1カートンに何個入れるか(内装箱の有無も含む)、パレットに積む場合は1パレットあたりのカートン数、危険品・割れ物の場合は梱包強度を確認します。
  3. カートン番号(Carton No.)を決定
    1から連番で付番。パレットを組む場合は「P1-1〜P1-40」のようにパレット番号+カートン番号で管理すると混乱が少なくなります。
  4. シッピングマーク(荷印)を決定
    輸入者名略称 + PO番号 + カートン番号の組み合わせが一般的です。例:ABC / PO12345 / CTN 1–50
  5. 重量・容積を計測
    N.W.(正味重量)、G.W.(総重量)、MEAS(寸法 → 容積)をそれぞれ計測。パレット貨物はパレット単位の寸法も必要です。
  6. 一覧表に落とし込む
    Carton No / Description / Qty / N.W. / G.W. / MEAS / Shipping Marks を表形式にまとめて完成です。

実務担当者が迷いやすいポイント

カートン番号の付け方

  • 番号飛びは輸入時の照合ミスにつながるため、必ず連番にする
  • 複数品目が混在する場合は「1カートン=1品目」を基本とする(混載カートンにすると輸入検査が煩雑に)

重量・容積の精度

  • CLM(容積重量証明書)がある場合は、必ずその数値に統一する
  • 社内計測との差がある場合でも、税関はCLM基準を正とするため、CLMに合わせるのが原則

シッピングマークの運用

  • 英数字のみで構成する(記号・特殊文字は避ける)
  • 箱の側面2〜3か所に明確に印字する
  • 入港後の倉庫での仕分け効率に直結するため、輸入者側の運用ルールとすり合わせる

パッキングリスト作成に必要なツール

ツール 用途 選び方のポイント
計量器(スケール) N.W. と G.W. の計測 小型デジタルスケール(小型製品向け)、床置き台はかり(カートン・パレット単位)を使い分ける。校正済みのものを使用
巻き尺・レーザー距離計 縦・横・高さの測定 ダンボールは巻き尺、パレットはレーザー距離計が効率的。寸法ミスは容積計算全体に影響する
表計算ソフト パッキングリスト作成 ExcelまたはGoogleスプレッドシート。複数品目の場合は「商品別シート」と「全体シート」を分けると計算ミスを防げる
CLM取得サービス 公的な容積重量の証明 検数業者に依頼。計測結果はPDFで送付されるため、その数値をパッキングリストに転記する

作成時の品質チェックリスト

パッキングリストの誤記は、荷受け混乱・通関遅延・輸入検査強化の原因になります。提出前に以下の項目を必ず確認してください。
  • インボイスの品名・数量との整合性が取れているか
  • カートン番号に欠番がないか(連番になっているか)
  • シッピングマークの記載がすべて統一されているか
  • 重量の単位(KG)と寸法の単位(CM / CBM)が統一されているか
  • パレット貨物の場合、パレット単位のMEASが正しいか
  • 合計行(TOTAL)の各数値が正しく集計されているか

輸入者が特に重視する3つのポイント

輸入側の倉庫現場では、パッキングリストの以下の3点が最も重要視されます。ここが不十分だと、倉庫での仕分け時間・コストが増え、クレームにつながりやすくなります。

  1. Carton No. が連番であること
    番号の欠番や重複があると、入荷検品の時点で「不足か?」「過剰か?」の確認作業が発生し、大幅な時間ロスになります。
  2. Shipping Marks が明瞭であること
    荷印がかすれていたり、パッキングリストと外箱の表記が不一致だと、仕分け作業がストップします。
  3. 品名(Description)と入数(Qty)がカートンごとに明確であること
    1カートンの中身が不明確だと、全箱開梱して確認する手間が発生し、コストと時間の両面で損失が生じます。

まとめ

パッキングリストの要点

  • パッキングリストは、貨物の梱包内容・重量・容積を示す貿易書類
  • インボイスが「価格」を示す書類なのに対し、パッキングリストは「梱包の中身」を示す書類
  • 通関時にインボイスとセットで税関に提出する(輸入検査の際に参照される)
  • シッピングマーク(荷印)により、ダンボールごとの内容品を効率的に照合できる
  • N.W.(正味重量)・G.W.(総重量)・MEAS(容積)の3つが重量関連の主要項目
  • 作成時はインボイスとの整合性チェック、カートン番号の連番確認、CLM数値への統一が重要
  • 輸入者の倉庫現場では「連番」「明瞭な荷印」「カートンごとの品名と入数」が最重要

海外からコンテナが届くと、大量のダンボールの整理と格闘することになります。このとき「どのダンボールに、何の商品が入っているのか」をできるだけ素早く判断することが、物流コストの削減と業務効率化に直結します。正確なパッキングリストとシッピングマークの照合によって、そのような判断がスムーズに行えるのです。

海外から到着した貨物の荷卸しや、国内倉庫での整理をより効率的に行うためには、アストロラボ株式会社が提供するサービス(備品管理クラウド)などを活用し、スマートフォンやQRコードを用いたリアルタイムの在庫管理へと発展させることが有効です。

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