不透明な時代の家づくり――住まい手とつくり手が共有しておきたい三つのこと

東日本大震災のあと、合板の生産工場が被災し、建築用の合板が市場から姿を消した時期がありました。さらにコロナ禍では半導体不足の影響を受け、トイレや給湯器といった住宅設備が長く入荷しない状況も続きました。木材価格が急騰したいわゆるウッドショック、そして現在も続く物価高騰による建築資材の値上がり。振り返れば、この十数年のあいだ、家づくりは社会情勢の影響を強く受け続けてきたと言えるでしょう。いまも世界情勢...続きを読む >

建築確認看板――法令表示、建築主と地域社会との関係性

建築現場の前を通ると、白い板に文字が並んだ看板を目にすることがあります。多くの方が一度は見かけたことのある「建築確認表示看板」です。この看板は、確認済証が交付された建築物について、工事に着手する前に掲げることが建築基準法で定められています。確認番号をはじめ、建築主や設計者、工事に関わる情報を現場に明らかにし、地域社会に広く知らせることが目的です。工事が始まる前には、近隣の方へ挨拶に伺うことが一般的...続きを読む >

新築とリノベーション。なぜ、予算の考え方が変わるのか

「同じくらいの住まいを考えていて、新築だと4000万円、リノベーションだと1500万円くらいで考えています」そんな話を聞くことがあります。どちらも“自分たちの家”をつくることに変わりはないのに、どうしてここまで意識に差が出るのでしょうか。その背景には、人が「家」に求める物理的な価値と情緒的な価値の違いがあると思います。新築には、最新性能や保証といった物理的な安心に加え、まっさらな始まりという情緒的な満足感が...続きを読む >

新築とリノベーション、どちらが自分たちに合うのか

「これからの暮らしに合う住まいは、新築とリノベーションのどちらがいいのか」。そんなご相談をよく受けます。多くの方が、建物の“形”や“見た目”で判断しようとされていますが、実はそこに本質があるわけではありません。はっきり言えば、私はどちらかを選ぶなら「新築」をおすすめすることが多いです。理由はシンプルで、自由度が高く、一から新しいものをつくれるからです。建物の制約がなく、構造や断熱など目に見えない部分の...続きを読む >

床面積に縛られない — 数字よりも暮らし方を起点に設計する重要性

・ 数字に縛られない家づくりのすすめ家づくりを考え始めると、「延床面積は◯坪くらいが良い」と、まず数字から決めようとすることがあります。でも、少し立ち止まって考えてみてください。家は、ただの「数字の箱」ではなく、家族の暮らしを受け止める器です。床面積を先に決めてしまうと、暮らしの本当の姿を見逃してしまうかもしれません。大切なのは、どんな暮らしを描きたいかを起点にして、自然に広さを導き出すことです。数...続きを読む >

住まい手が困らない照明とは?器具一体型LEDの現在地

LED照明が一般的になって、もう何年も経ちました。長寿命で省エネ、電球交換の手間がない――その魅力から、住まいの照明はLEDが当たり前になりました。特に小型でデザインの自由度が高い「器具一体型LED」は、意匠を大切にする私たち設計者にも好まれてきました。でも実は今、その“普及の陰”に、見過ごせない問題が出てきています。かつての白熱電球や蛍光灯は、光源が切れたら新しい電球に交換すれば済む、シンプルなものでした。...続きを読む >