十年点検で見えてくる設備更新の現実——エアコンと給湯器に備える住まいの維持

先日、竣工から十年の節目を迎えた住まいの定期点検でお伺いしました。振り返るとあっという間の十年ですが、その間にはお子さまの成長に合わせて、2階ホールに個室を設けるご相談もありました。暮らしの変化に応じて手を入れながら、この日を迎えています。私たちフラグシップでは、引き渡し後半年・一年・二年・五年・十年の計五回、定期点検の機会を設けています。なかでも二年と五年は季節をずらして訪問するようにしており、...続きを読む >

「いい窓」はどう決まるか——設計者が大切にする3つの型

砺波市/千保の家では、サッシが搬入され、取り付けと外壁下地工事が進んでいます。これまで外形だけだった建物に窓が入りはじめると、のっぺりとした印象が一変し、家に表情が生まれてきます。ひとつひとつ窓が納まっていく様子は、設計者としてもやはり嬉しい瞬間です。窓は「通す」と「閉じる」を両立できる、住まいの中でも特異な建材です。光や風、視線を取り込む一方で、それらを遮ることもできる。この相反する役割を、住ま...続きを読む >

瓦の美しさを残しながら、屋根を軽くする工法

2024年元旦に発生した能登半島地震では、富山県内でも多くの住宅に被害が見られました。なかでも印象的だったのは、桟葺き瓦の棟瓦が崩れ、屋根の頂部にブルーシートが掛けられた光景が各地に広がっていたことです。現在は多くの住宅で補修が進み、落ち着きを取り戻しつつありますが、今回の被害から学ぶべき点は少なくありません。かつての瓦屋根は、銅線で桟木と瓦を結びながら葺く工法が一般的でした。しかし約20年前からは施工...続きを読む >

既存住宅の確認申請と設計実務 ― 大規模リフォーム実例セミナーでの講演より

工務店団体JBN主催、YKK AP性能向上リノベの会共催による「大規模リフォーム実例セミナー」が京橋で開催され、講師の一人として参加してきました。会場参加は約30名、オンライン視聴は400名を超え、このテーマへの関心の高さを感じる機会となりました。今回のセミナーでは、法改正後に既存住宅の確認申請を行い、検査済証の交付まで至った事例を、共有することが目的とされていました。茨城県、福岡県、そして私たちの3者が登壇し...続きを読む >

耐震補強の現場から考える、リノベーションの価値とつくり手の役割

砺波市/千保の家では、大工の手による耐震補強工事が着実に進んでいます。設計段階で行った構造計算に基づき、必要な位置に耐力壁を配置し、それに伴って柱に生じる引き抜き力に対して、柱頭・柱脚へ適切な金物を設置しています。昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた建物は、継手や仕口に金物が使われていないケースが多く見られます。昭和46年築のこの建物も同様で、接合部の多くは木組みのままでした。そのため、既存の構造を...続きを読む >

不透明な時代の家づくり――住まい手とつくり手が共有しておきたい三つのこと

東日本大震災のあと、合板の生産工場が被災し、建築用の合板が市場から姿を消した時期がありました。さらにコロナ禍では半導体不足の影響を受け、トイレや給湯器といった住宅設備が長く入荷しない状況も続きました。木材価格が急騰したいわゆるウッドショック、そして現在も続く物価高騰による建築資材の値上がり。振り返れば、この十数年のあいだ、家づくりは社会情勢の影響を強く受け続けてきたと言えるでしょう。いまも世界情勢...続きを読む >