Claude Coworkで給与明細を一括ダウンロード・整理してみた
目次
はじめに
こんにちは、CloudBuildersのsugawaraです。
最近は生成AIの進化が非常に速く、新しいツールや機能が次々と登場しており、キャッチアップするだけでも大変だと感じています。なかでも、AIが実際の作業を代行してくれる「AIエージェント」と呼ばれるツールが増えてきました。
今回は、そんなAIエージェントの一つであるClaude Coworkを使って、ブラウザからPDFを一括ダウンロードし、整理するところまでやってみました。
具体的には、MoneyForwardから在籍期間中の全給与明細PDFをダウンロードし、デスクトップのフォルダにリネームして保存するまでです。「AIエージェントに仕事を任せてみたい」と思っているバックオフィスの方や、プログラミングは難しいけど業務は自動化したいという方に読んでいただけると幸いです。
Claudeとは
Claudeは、Anthropic社が開発したAIアシスタントです。ChatGPTのようにチャット形式で使える生成AIで、文章の作成・要約・翻訳・質問への回答など、日常のさまざまな場面で活用できます。
無料プランでも基本的な機能は利用できますが、今回紹介するCoworkを使うには有料プランが必要となります。以下は2026年3月現在の料金プランです。

Claude Coworkとは
Claude Coworkは、2026年1月にAnthropicがリリースした、Claude Desktopアプリ上で動作するタスク実行型のAIエージェント機能です。Claudeが人間の代わりに自律的にデスクトップ作業やブラウザ操作を行う機能になります。
もともとClaude Codeというエンジニア向けのAIコーディングツールがありましたが、Coworkはそのエージェント機能をベースに、ターミナルやプログラミングが不要で誰でも使えるように設計された機能です。したがって、「コードを書く仕事はClaude Code、それ以外の日常的なPC業務はCowork」という使い分けになります。
通常のClaudeとの大きな違いは、「回答を返してくれるだけ」から「実際に作業をやってくれる」に変わっているという点です。
Claudeチャットでは:
「MoneyForwardで給与明細をダウンロードする手順を教えて」
↓
手順を文章で返してくれる
↓
自分で操作するClaude Coworkでは:
「MoneyForwardから給与明細をダウンロードして保存して」
↓
Claudeが実際に操作して完了させてくれるCoworkでできること
Coworkでできるのは、主に以下のような操作です。
- ファイル操作
指定したフォルダ内のファイルの読み取り・整理・作成・リネームを自動でやってくれます。「ダウンロードフォルダを種類別に整理して」といった指示が通ります。 - ブラウザ操作
Webサイトへのアクセス・クリック・フォーム入力を代行してくれます。ログイン済みのサイトであればそのセッションをそのまま使えるのがポイントです。 - ドキュメント作成
複数ファイルの内容を読み取ってレポートやExcel・PowerPointにまとめる、といった作業も可能です。
以下は、実際のClaude Coworkの画面になります。

実際にやってみた
では、実際にClaude Coworkを使って給与明細のダウンロードから保存までをやってみます。
事前準備
予めClaude Desktopアプリのインストールと、Claude in Chrome拡張機能の有効化が必要です。Claude in Chromeとは、ClaudeがChromeブラウザを直接操作し、サイトへのアクセスやボタンのクリック、フォームの入力まで代行してくれる拡張機能です。
今回は拡張機能の有効化からやっていきます。
まずClaude Desktopのサイドバーから設定画面を開きます。

左側よりコネクタを選択し、下部にあるClaude in Chromeの設定をクリックします。

もしClaude in Chromeが有効になっていない場合は有効化し、インストールをクリックします。

Chromeのタブが新規で開くので、Add to Chromeをクリックします。

画面遷移後、再びAdd to Chromeをクリックします。

承認するをクリックします。

Claude in Chrome拡張機能の設定はこれで完了です。あくまでβ版のため、色々なところで注意書きが出ます。

また、デスクトップにはPDFを保存するための給与明細というフォルダを予め作成しておきます。
これで事前準備は完了です。
タスク指示
以下の指示をClaude Coworkのプロンプトに入力します。なお、下記のプロンプトは、今回やりたいことをClaudeチャットに伝えてCowork用に出力してもらったものです。
マネーフォワードの給与明細と賞与明細をすべてダウンロードして整理してください。
【ログイン状況】
Chromeですでにマネーフォワードにログイン済みです。
URL: https://payroll.moneyforward.com/v2/employees/home
【フォルダ構成】
~/Desktop/給与明細 の中に年ごとのサブフォルダを作成(例:2023年、2024年)
【ファイル名のルール】
給与明細:2024年4月_給与明細.pdf
賞与明細:2024年12月_賞与明細.pdf
【実装方針】
VMにはネットワークアクセスがないため、ブラウザのFile System Access API(showDirectoryPicker)と同一オリジンfetchを組み合わせて保存すること
ダウンロードは並列処理で効率的に実行すること(逐次処理は不可)
【作業手順】
まず作業計画を提示してください
私の承認後に実行してください
ダウンロード前に既存ファイルの有無を確認し、同名ファイルが存在する場合は上書きせずスキップしてください
完了後、ダウンロードした件数・スキップした件数・所要時間を報告してください権限を付与するフォルダを指定し、上記のプロンプトを貼り付けます。

ブラウザで開いているMoneyForwardの操作権限を求められるため、このウェブサイトを許可をクリックします。

計画の立案
まずは状況把握をします。

自律的にダウンロード対象を整理してくれています。

どのように実行するかの計画の説明後、承認を求められます。

OKと入力すると、上記の計画を実行し始めます。
明細のダウンロード
常に状況を報告してくれるため、どこまで進んでいるのかがわかりやすいです。逆に、失敗している場合にはどこでつまづいているかも明確になります。

showDirectoryPickerを利用しているため、途中で保存先フォルダの選択ダイアログが表示されます。今回用に作成したデスクトップの給与明細フォルダを選択します。
結果の確認
実際に給与明細フォルダの中身を確認してみます。ちゃんと年ごとにサブフォルダが作成されています。

また、各サブフォルダに給与明細と賞与明細が正しくリネームされて保存されています。
(MoneyForwardで手動ダウンロードすると、2026_02_25_給与明細.pdfのような名称になります。)

試行錯誤
うまくいくまでに、いくつか試行錯誤がありました。
PDFダウンロード方法
最初はダウンロード方法を指定せずに実行したところ、Claudeがさまざまな方法を自律的に試しては失敗するループに陥り、完了までに非常に時間がかかりました。具体的には以下のような壁にぶつかっていました。
- Linux VM内はネットワークが完全に分離されているため、VMから直接PDFをダウンロードできない
これについてはClaudeに相談してみると、、「ブラウザのFile System Access API(showDirectoryPicker)と同一オリジンfetchを組み合わせて保存する」という方法を提案してもらいました。この方法をプロンプトに明示的に指定することで、ダウンロードの失敗ループに陥らずにスムーズにダウンロードできるようになりました。
※このため、ダウンロード先フォルダを選択するダイアログが途中で表示されます。完全自動ではないです。。。
逐次処理
ダウンロード方法が解決した後も、逐次処理で実行していたため全件のダウンロードにおよそ15分ほどかかっていました。これについては、プロンプトに「並列処理で実行すること(逐次処理は不可)」と一言加えるだけで、同じ件数の実行が約3分まで短縮されました。プロンプトで方法を明示的に指定することで、Claudeの試行錯誤を減らし、作業を効率化できるということですね。
注意
今回は給与明細という個人情報を扱うタスクで試してみましたが、AIエージェントがログインセッションにアクセスできる性質上、セキュリティリスクがゼロとは言い切れません。試す場合には、リスクを理解した上でご利用ください。また、まだCoworkはβ版のため、業務の重要データなどには使用しないことをおすすめします。
おわりに
今回はClaude Coworkを使ってPDFファイルの一括ダウンロードとリネームをしてみました。
手動でやったらなかなか大変な作業ですが、プロンプトを入力して実行するだけで自動でやってくれるのは素晴らしいですね。エンジニアよりもバックオフィスの方に刺さるツールかもしれません。
一方で、まだβ版ということもあり、セキュリティ面での不安はあります。そういった懸念が払拭されて、広く普及したら、働き方がけっこう変わりそうだなと感じました。