
毎日、会社と自宅を往復するだけで1日が終わる。帰宅後は何かしようと思っても、ソファから動けない。「自分はなんて怠惰なんだ」と自己嫌悪に陥る。
でも、ちょっと待ってください。それは性格や意志の問題ではなく、脳が疲弊しているだけかもしれません。脳のコンディションが落ちれば、やる気が出ないのは当然のこと。逆に言えば、脳を適切にケアすれば、同じ生活のなかでも見える景色は変わります。
ここでは、多忙なビジネスパーソンでも平日に無理なく実践できる「脳のメンテナンス習慣」を4つお伝えします。
- 1. 休憩時間に「昼寝」をする→慢性疲労を解消!
- 2. 帰宅後の「心地よい時間」|枯渇したセロトニンを補充する
- 3. 5〜15分ランニングをする→脳の活性化やストレス解消に!
- 4. 目の血流改善→脳の疲れに直結する眼精疲労を解消!
1. 休憩時間に「昼寝」をする→慢性疲労を解消!
医師・脳生理学者で東邦大学医学部名誉教授の有田秀穂氏は、昼寝の習慣をすすめています。睡眠不足による疲労の蓄積を解消するのに、昼寝はぴったりなのだとか。
「昼寝をすると夜眠れなくなってしまうのでは?」と、心配する方もいるかもしれませんね。しかし昼間は、よく眠るためのホルモンである「メラトニン」が出ていません。夜間のようにぐっすり眠ってしまうことはないため、心配する必要はないのだと有田氏は言います。
もしも夜眠れなくなることが心配なら、朝は眠くてもさっと起きて太陽を浴びるようにしましょう。というのも、朝にきちんと日光を浴びなければ、夜のメラトニン分泌が阻害されてしまうから。睡眠不足を補うには、朝はしっかりと起床し、昼間に仮眠をとるのがよいのです。
実際に、NASAやGoogleといったトップ企業では、従業員にシエスタ(昼寝)をすすめています。体が昼食を消化しているあいだに睡眠をとる企業文化が、生まれているのだそう。午後に20分ほど睡眠をとると、生産性が下がりがちな1日の後半に向けて、エネルギーチャージできるのだとか。
「ランチを食べたあとは眠くてやる気がしない」という人や、「いつも寝不足で疲れている」という人は、ぜひ昼休憩に昼寝を取り入れてみてください。
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2. 帰宅後の「心地よい時間」|枯渇したセロトニンを補充する
在宅ワークが増え、人との関わりが減ると、私たちの脳内には大きな変化が訪れるそうです。
前述の有田氏によると、人との交流が減ったことで、働く人たちのストレスが増加している可能性があるのだそう。その理由は、「セロトニン」不足を解消できないからです。
セロトニンとは、幸せホルモンとも呼ばれる脳内ホルモンで、精神の安定やストレスの軽減を促してくれる神経伝達物質です。パソコンを1日中使うことや、ストレスフルな人間関係によって、仕事が終わる頃には、脳はセロトニンが不足した状態になってしまうのだとか。
そんな欠乏状態のセロトニンを補うために有効だと有田氏が言うのが「心地よいスキンシップ」です。親しい人とのおしゃべりでも同様の効果が得られるのだそう。心地よくおしゃべりをすることで、「オキシトシン」という疲れを癒してくれる脳内物質の分泌が促され、それによってセロトニンも活性化する効果があるのです。
仕事が終わるとへとへとになって何もできないという人は、ぜひ、有田氏がすすめる以下のグルーミングを実践してみましょう。「心地よい」という感覚を得ることが大切ですよ。
- 気心の知れた友人と電話で話す
- ペットと遊ぶ
- 家族との団らん
- ゆっくりお風呂に入る
- 読書をする
ぜひ、自分にとっての「心地よい」行動を取り入れてみてください。
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3. 5〜15分ランニングをする→脳の活性化やストレス解消に!
脳研究者の池谷裕二氏によると、ランニングをすると、神経細胞に情報伝達をするシナプスが増えるのだそう。脳の細胞同士をつなぐ配線の数が増えて緻密になることで、全体のボリュームが大きくなり、記憶力に関係する「海馬」の体積も増えるのだとか。
池谷氏いわく、海馬を活性化させるためには、たった5分のランニングでOKだとのこと。これを1〜3カ月続けることで、上記の効果が見られるそうです。
また、脳科学者の茂木健一郎氏は、記憶の整理・ストレス解消・脳のメンテナンスなどのために、日々の習慣にランニングを取り入れているそう。「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という神経回路の働きによって、走っているあいだに考えが整理されるのだと言います。
DMNは、意識的な活動をしていないとき、すなわち頭が空っぽになったときに活動する神経回路。主な役割のひとつが「脳内の情報や記憶の整理」です。ランニングをしているときは、スマホを見たり作業をしたりできないため、結果として頭が空っぽの状態をつくりだすことができます。よって、記憶が整理され、ストレスが解消される効果があるのです。
茂木氏によると、DMNはゆったり15分程度走ることで働き始めるそう。期待する効果に応じて、ランニング時間を決めるのがよさそうですね。
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4. 目の血流改善→脳の疲れに直結する眼精疲労を解消!
デスクワーカーにとって、パソコン画面との長時間のにらめっこは避けられない日常です。しかし、そこに脳疲労の最大の落とし穴があります。
のべ5,000人以上の睡眠に関する悩みを解決してきた睡眠セラピストの松本美栄氏によると、「眼精疲労」が脳疲労の原因のひとつなのだそう。
松本氏いわく、眼精疲労とは目からくる脳と神経の疲れのこと。「目は脳の一部」と言えるほど、目は脳と強くつながっているもの。デスクワークでパソコン作業を長時間行なった場合、目だけでなく、脳までもが疲れてしまうのだと言います。
脳が疲れた状態が続くと、交感神経が優位になって緊張状態が続き、リラックスできずに睡眠の質が下がってしまいます。そして睡眠の質が下がることで、さらに脳が疲れてしまうという悪循環を招くことも……。
だからこそ、デスクワーク中心のビジネスパーソンは、眼精疲労を上手に取り除く習慣をもっておきましょう。
松本氏によれば、眼精疲労を癒すには、目を温めて血流を改善させることが大切だとか。おすすめは厚手のフェイスタオルを蒸しタオルにして目を温めること。後頭部の髪の生え際にタオルをあてて温め、充分にリラックスしてから、両目の上にタオルを置くとよいのだそう。
ぜひ、脳の疲れを溜めないためにも、1日の終わりに目をいたわってあげてください。
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いつも疲れていたり、やる気が出ないという人は脳の疲れやストレスが溜まっているのかもしれません。平日に小さな習慣を重ねて、ぜひ改善していってください。
FAQ(よくある質問)
Q. 昼寝は何分くらいがベストですか? 長く寝すぎると逆効果になりませんか?
A. 目安は20分です。30分以上だと目覚めが悪くなることがあるので、アラームをセットして20分前後に抑えるのがおすすめです。横になると深い眠りに入りやすいため、椅子に座ったままデスクに突っ伏すスタイルが効果的です。
Q. 帰宅後はひとりで過ごすことが多いのですが、セロトニンを補う方法はありますか?
A. 会話に限らず、入浴・読書・ペットとのふれあいなど「心地よい」と感じる行動でOKです。大切なのはリラックス感を得ることです。
Q. ランニングが苦手なのですが、ウォーキングでも同じ効果はありますか?
A. 有酸素運動なので一定の効果は期待できます。まずは早歩きから始め、無理のないペースで習慣化するのがおすすめです。15分程度続けることでDMNが働き始め、記憶整理やストレス解消の効果も期待できます。
Q. 蒸しタオルで目を温める以外に、手軽にできる眼精疲労のケア方法はありますか?
A. 市販のホットアイマスクも同様の効果が期待できます。また、1時間に一度は画面から目を離して遠くを見る「20-20-20ルール」(20分ごとに20フィート=約6m先を20秒間見る)も眼精疲労の予防に効果的です。
*1|有田秀穂(2020)|『医者が教える疲れない人の脳』三笠書房
*2|labroots|Video: Would You Like to Use a Sleep Pod at Work?
*3|NEWS PICKS|脳を活性化し、パフォーマンスを上げるランニングとは
*4|NHKラジオ深夜便マガジン|走ると気分がすっきりするのはなぜ!? 脳科学者 茂木健一郎さん
*5|NIKKEI STYLE|いつもスマホが招く脳過労 物忘れが増えたら要注意
*6|Biz Spa|1日数分の「寝る前ヨガ」。脳疲労の回復にも効果アリ
*7|LEON|「3時間睡眠でも毎日元気な人」の超簡単な習慣とは?
STUDY HACKER 編集部
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