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知識ゼロからのハンドキャリー(旅具通関)の始め方

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この国・地域との取引を具体的に検討していますか?

国ごとの規制・関税・物流事情は、年単位で変わります。 「この国からこの商品を運べるか」「費用はどのくらいか」—— 現時点の条件に基づいた個別回答が必要な場合は、お気軽にご相談ください。

海外の市場で仕入れた商品をスーツケースに詰めて日本へ持ち帰る――このやり方を「ハンドキャリー(旅具通関)」と言います。

外国の商品を日本へ持ち込むときは、個人用・商売用を問わず、すべて税関に申告する必要があります。空港で言えば、入国管理局を通過した後の「税関検査場」がその場所です。そこで携帯品・別送品申告書を提出し、必要であれば関税・消費税を納付します。これが旅具通関です。

この記事では、次の3つの悩みをまとめて解決します。

  1. 旅具通関(ハンドキャリー)の基本的な仕組みを知りたい
  2. 商売目的で輸入するときの手続きを具体的に知りたい
  3. 東南アジアの市場などでレシートがもらえないとき、価格をどう証明すればいいかわからない

輸出のハンドキャリー(旅具通関)については「旅具通関で輸出するときに覚えておくべきポイント 空港での手続き方法は?」をご覧ください。

ハンドキャリー(旅具通関)とは?基本の仕組み

ハンドキャリー(旅具通関)を一言で言えば、手荷物による輸入です。通常の輸入では税関へ書類を提出し、審査を経て貨物を引き取る必要があります。しかし、この手続きを海外旅行者全員に適用するのは現実的ではありません。そこで設けられた簡易的な輸入手続きが旅具通関です。

実は、海外旅行の経験がある方なら、すでに旅具通関を体験しています。入国審査の後、税関職員から「カバンを見せてもらっても良いですか?」「渡航目的は?」と聞かれた経験はありませんか?あの行為がまさに通関なのです。

あなたが携帯しているバッグについて税関職員のチェックを受けている=旅具通関

なぜ関税を払った記憶がないの?「免税枠」の存在

多くの方が旅具通関を意識しない最大の理由は「免税枠」の存在です。個人使用目的であれば、海外小売価格の合計20万円分まで関税がかかりません。日常的な旅行の持ち帰り品であれば、この枠に収まることがほとんどです。

一方、商売目的の場合は免税枠がなく、全量に対して課税されます。

免税枠 課税対象
個人使用目的 〇 合計20万円まで 免税枠を超える部分のみ
商売目的 ×(一品目の合計が1万円以下は免税) 全量

関連法令:入国者の免税制度(税関公式)

ハンドキャリーは違法?

「ハンドキャリーは違法だ!」は誤りです。旅具通関は「関税法基本通達67-4-9・67-4-10」に規定された正式な輸入方法です。適正に申告・納税する限り、何ら問題ありません。

個人使用目的と商売目的の違いを理解する

旅具通関の最大のポイントは、荷物の目的が「商売目的か、個人目的か」です。どちらであるかによって、免税枠の有無・課税価格の計算方法・必要書類がまったく異なります。

免税枠 課税価格 税率
商売目的 なし(品目合計1万円以下は免税) 購入金額全額+運賃(IATAレート)+保険料 簡易税率15%(希望すれば一般税率も可)
個人使用目的 あり(酒・たばこ・香水の他、海外小売価格合計20万円分) 海外小売価格×0.6 のうち、免税枠を超える部分 簡易税率15%(希望すれば一般税率も可)

個人使用目的で旅具通関するときの3つの免税ポイント

  1. お酒・たばこ・香水に関する免税
  2. 一品目ごとの海外市価の合計が1万円以下は無条件免税
  3. 海外小売価格の合計20万円までの免税枠

ただし、革製品・ニット製品・一部の食品など、免税対象外となる貨物もあります。また、一つで20万円を超える物(高級バッグなど)は、その全額が課税対象となる点にご注意ください。

少額貨物の無条件免税 一万円以下免税ルールの対象品

商売目的の課税価格の計算式

課税価格 = 商品の合計価格 + IATAの公示レート + 保険代金

この合計額に対して、関税率15%が適用されます。さらに、この課税価格が30万円を超える場合は旅具通関が使えず、通常の業務通関(一般輸入申告)が必要になります。

旅具通関の上限=課税価格の合計が日本円換算で30万円以下。超過分は保税地域(ボンド)への蔵置を経た一般輸入申告が必要。
ハンドキャリーは少量仕入れやサンプルには有効ですが、継続的な仕入れや一定量以上の商材には通常の商用輸送が必要です。→ 商用輸送の費用・ルートを概算する

商売目的でハンドキャリー輸入する3つのステップ

海外市場などで商品を仕入れ、スーツケースに詰めて輸入する場合を想定して、現地調達・荷詰め・帰国時のポイントを順番に解説します。

ステップ1:現地調達時のポイント

商売目的の商品をハンドキャリー通関するときは、必ずその価格を示す書類が必要です。一般的なお店ならレシートで問題ありません。

しかし、東南アジアなどのマーケットでは、レシートをもらえないことが多いです。この点について、実際に税関職員に確認した内容が次の通りです。

筆者の質問:「海外の市場などで購入した商品は、レシートなどを入手できません。ハンドキャリー通関では、どのように価格を証明すればよいですか。」

税関職員の回答:「レシートなどの書類が発行されない場合は、おおよその情報で構いませんので、購入したときの情報を一枚の紙にまとめてください。

筆者:「情報とは具体的に何ですか?」

税関職員:購入した日時・場所・商品名・価格などです。」

さらに、東南アジアの市場では値札すらないケースもあります。そのような場合について追加で確認しました。

筆者:「値札が提示されていない市場で購入した場合はどうすればよいですか。」

税関職員:「その場合は、輸入者さんの申告に委ねるようにしています。できるだけ正確な内容を申告していただくために、購入時にメモ帳などに商品と価格を記録するようにしてください。

つまり、手書きのメモでも認められます。東南アジアなどで仕入れる方は、購入のたびに日時・場所・商品・価格をメモしておく習慣をつけましょう。

また、現地調達時は「VATの還付手続き」も忘れずに。VATとは付加価値税(日本の消費税に相当)です。輸出品や出国者が購入する物はVAT免税ですが、現地購入時にはVATが含まれているため、出国時に還付手続きが必要です。

ステップ2:荷詰めのポイント

ハンドキャリー通関では、税関窓口でカバンの中を開けられることを前提に荷造りします。

「税関職員がチェックしやすい環境」を整えておくことが大切です。
  • 個人用の荷物と商売用の荷物を分けて梱包する(混在すると説明が複雑になる)
  • インボイス・レシートなどと対応する商品の保管場所を覚えておく
  • 商売目的の商品が複数品目あれば、品目ごとに分けてまとめておくと申告がスムーズ

ステップ3:帰国時のポイント・必要書類一覧

税関への申告は、入国管理局の審査が終わった後に行います。商売目的のハンドキャリーで必要な書類は以下の通りです。

  1. 携帯品・別送品申告書(C-5360式)
  2. インボイス(または手書きのリスト)
  3. IATAの公示レートのメモ

①携帯品・別送品申告書の書き方

申告書にはA面とB面があります。商業目的の貨物を輸入するときは、A面の「商業貨物・商品サンプル」の「はい」にチェックを入れます。

なお、B面の「別送品」は個人使用目的にのみ認められる制度です。商業目的の別送品は通常の輸入品と同じ扱い(免税なし)となるため、混同しないよう注意しましょう。

携帯品・別送品申告書A面
携帯品・別送品申告書記載例1
携帯品・別送品申告書記載例2

②インボイス(価格証明書類)の書き方

レシートがある場合はそのまま提出。レシートがない場合は、自分で簡易的なリストを作成してください。手書きでも認められます。

記載すべき最低限の情報:

  • 購入日時・場所(国・都市・店名や市場名)
  • 商品名(わかりやすく)
  • 数量
  • 単価・合計金額(現地通貨)

正確な価格を申告できない場合、税関職員による「賦課課税(ふかかぜい)」が行われ、実際の購入金額より高く査定される可能性があります。事前に資料を用意しておくことが得策です。

こんな手書きの紙でも認めてくれます!

手書きインボイスの例

③IATAの公示レートの調べ方

旅具通関の課税価格には、商品代金に加えてIATAの公示レート(航空運賃の標準レート)を加算する必要があります。IATAの価格は一般には非公開ですが、「エキスパートフライヤー(Expert Flyer)」というサイトで概算を確認できます。

調べ方は以下の通りです。

  1. 画面左の「Fare Information」をクリック
  2. 出発空港・到着空港・日付・通貨を入力して検索
  3. 表示された料金を商品代金に加算する(あくまで参考値)

ExpertFlyer操作画面1
ExpertFlyer操作画面2
ExpertFlyer操作画面3

旅具通関とATAカルネの違い

旅具通関と似た制度として「ATAカルネ」があります。ATAカルネとは、商品見本を海外へ持参するときに、出国する前提で免税輸入が認められる制度です。

例えば、日本の会社員AさんがZ国の取引先に商品見本を見せるために持参する場合、Aさんは商品見本をZ国へ輸入しますが、見せた後は日本に持ち帰ります。このように「持ち出すこと」を事前に約束することで免税輸入できるのがATAカルネです。

イメージとしては、旅具通関の中に「ATAカルネ」という免税輸入の仕組みがある、と考えるとわかりやすいです。

ハンドキャリー(旅具通関)まとめチェックリスト

【基本ルール】

  • ✅ 課税価格の合計が30万円以下なら旅具通関が使える
  • ✅ 各品目ごとの合計が1万円以下は免税(無条件免税)
  • ✅ 関税率は一律15%(希望すれば一般税率も可)
  • ✅ 課税方式は税関が決める「賦課課税方式
  • ✅ 商売目的の課税価格=商品代金+IATAレート+保険料

【現地調達チェック】

  • ✅ レシートを必ずもらう(ない場合はメモ帳に日時・場所・商品・価格を記録)
  • ✅ VATの還付手続きを忘れずに
  • ✅ 売り場の写真を撮っておく(価格証明の補助資料として有効)

【荷詰めチェック】

  • ✅ 個人用と商売用は別々に梱包する
  • ✅ どこに何があるか把握しておく

【帰国時チェック】

  • ✅ 携帯品・別送品申告書(C-5360式)に記入
  • ✅ 「商業貨物・商品サンプル」の「はい」にチェック
  • ✅ インボイスまたは手書きリストを用意
  • ✅ IATAの公示レートをエキスパートフライヤーで事前確認

✈️ ハンドキャリーの通関、商売目的での手続きを確認したい方へ

個人使用と商売目的では、ハンドキャリーの通関手続きは別物です。数量・金額・品目によっては旅具通関が使えず別途輸入申告が必要になるケースがあり、事前確認なしで空港に持ち込んでトラブルになる事例は実際に起きています。

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※ヒアリング内容:品目・数量・金額帯・目的(サンプル/仕入れ/展示会等)。回答2営業日以内。


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