TrailRunner

【MAMMUT】アルパイン・パフォーマンスからレーシングトレイルへと進化した 「Aenergy Trail」シリーズ

 

MAMMUT(マムート)が送り出した「Aenergy Trail(エナジー・トレイル)」は、山岳経験で培った保護性能と、現代の競技シーンが求める軽量性を論理的に統合したトレイルランニング専用シリーズです。従来のハイキングの延長線上にあった設計から脱却し、「Fast & Light」から、さらに研ぎ澄まされた「Ultra Light」へと進化。そのコンセプトとテクノロジー、そして新たに展開される3モデルを紹介します。

 

 

 

アルパイン発想からマルチパーパスへ

160年以上の歴史を持つMAMMUTにとって、フットウェア開発の原点は常に「アルパイン」にありました。かつて彼らにとって、山を走るという行為は独立した競技ではなく、登山を効率化するための「アプローチの高速化」という文脈で捉えられてきました。この時期のMAMMUTのフットウェアは、「Alpine Performance(アルパイン・パフォーマンス)」という方向性で語ることができます。山岳環境での機能性を軸に設計されており、走ることも登山の延長として位置づけられていました。

2020年代初頭まで、MAMMUTのトレイル対応シューズの主力であった「Sertig(サーティグ)」や「Saentis(センティス)」は、マルチパーパス(多目的)であることを最大の価値としていました。「Sertig」はハイキングから軽いランニングまでをカバーするモデル、「Saentis」テクニカルな岩稜帯でも走行できる剛性の高いモデルとして設計されていました。

これらのモデルは、登山をベースに最適化されたシューズであり、その堅牢さは高い信頼性を備えていましたが、純粋にスピードを追求するためのシューズではありませんでした。

 

MAMMUTの技術革新が生んだ「Aenergy Trail」

ハイキングの延長線ではない、トレイルランニング専用とも言えるシューズ「Aenergy Trail」シリーズが誕生します。単なる軽量化ではない「高反発」と「推進力」というレーシング要素が本格的に導入されました。

2026年春夏から、MAMMUTは「Fast & Light(ファスト&ライト)」という思想をさらに突き詰め、「Ultra Light(ウルトラライト)」という領域へと到達します。これにより「Aenergy Trail」コレクションは、かつてのオールマイティーな設計から、目的別に最適化された3つの特化型モデルへと再構築されました。

 

(左)Aenergy Trail All Mountain Low(中)Aenergy Trail All Mountain Low(右)Aenergy Trail Speed Low

 

最新の「Aenergy Trail」コレクションが誕生する背景には、MAMMUTのエンジニアたちによる「アイデンティティの再定義」がありました。

開発の出発点にあったのは、ラボ環境で得られる知見を土台にしながら、実際のランニング動作を想定した使用シーンも踏まえ、さまざまな要素が走りの中でどう作用するかを整理していくことでした。その鍵を握っていたのが、特殊なプロセスによって生まれた新素材フォーム、Mammut CORE™でした。

このフォームは、足を受け止めるやさしさと、次の一歩へとつながる反応性を、違和感なく両立します。沈み込みすぎることも、突き返しすぎることもなく、動きの流れを自然に保つ――その感覚は、山のフィールドでこそ生きてきます。

求めたのは、安定感と反応性、そしてストレスの少なさが自然に共存していること。パフォーマンスとコンフォートを切り離さずに設計すること。それこそが、MAMMUTのテクノロジーです。

そこで彼らは、新素材Mammut CORE™フォームの開発において、あえて「路面情報の伝達」を優先しました。着地した瞬間に地面の傾きや硬さを足裏が感知でき、かつ関節への衝撃を最小限に抑える――この硬度設定こそが、MAMMUTが辿り着いた山での一つの最適解でした。

もう一つの大きな革新は、登山靴で評価されてきた金属プレート構造、Flextron®︎をトレイルランニング用にチューニングしたことです。当初は走行において重量面の懸念がありましたが、素材をTPU(熱可塑性ポリウレタン)へと置き換えることで解決。さらに単なるプレートではなく、足の解剖学的な動きに合わせた「うねり」を持たせることで、縦方向にはバネのようなしなりを生み、横方向にはねじれを抑制するFlextron®︎ PROが完成しました。

 

Aenergy Trailのコアテクノロジー

2026年モデルの「Aenergy Trail」シリーズには、MAMMUTが160年の歴史で培ってきた山岳エンジニアリングが凝縮されています。単なるパーツの組み合わせではなく、足の解剖学的構造と山地での動態解析に基づいたテクノロジーが採用されています。

 

ミッドソール
MAMMUTのトレイルランニングシューズには3種類のミッドソールが採用されています。これは素材の違いにとどまらず、走行効率を段階的に高める役割分担として設計されています。Mammut CORE™︎ Plusは反発とクッションのバランスに優れた基盤フォームで、中距離まで幅広く対応。Mammut CORE™ PLUSはそれをベースに軽量化と反発性を高め、プレートと連動して推進力を引き出すランニング特化型へと進化しています。さらにMammut CORE™︎ Ultraは前足部の反発を強化する上位フォームとして組み合わせで使用され、長距離での効率的な走りをサポートします。フォーム単体ではなく、プレートや構造と一体で機能するのが特徴です。

 

 

 

プレート
足の骨格に合わせて「うねり」を持たせた形状に成型されています。これにより縦方向にはバネのようにしなり、前方への推進力を生み出す一方で、横方向のねじれに対しては高い剛性を発揮します。岩場やガレ場でもソールが不必要に歪まず、安定したエッジングを可能にします。「Aenergy Trail Speed Low」にはAvalon Reflex TPUを採用し、強い推進力を発揮します。「Aenergy Trail Endurance Ultra Low」にはTPUやEVAよりもエネルギーリターンが高いPEBAXポリマーを採用し、プレート形状と組み合わせることで最大の推進力を生み出します。

 

 

アウトソール
アウトソールは、世界最高峰のソールメーカーであるビブラム社との密接な協力により設計されています。
・メガグリップ:濡れた岩場、乾いた土、泥濘地など、あらゆるコンディションで高い摩擦力を発揮するコンパウンド。
・ライトベース:ソールの厚みを約50%削減し、全体の重量を約30%軽量化。グリップ性能や耐久性を損なうことなく軽快な足運びを可能にします。
・トラクションラグ:ラグ側面に微細なテクスチャを設けることで表面積を最大25%増加させ、推進力と制動力を向上させています。

 

 

 

アスリートが実戦で証明したパフォーマンス

 

「第18回 ハセツネ30K」総合2位の鈴木嵩一朗選手。 Photo:オールスポーツ

 

MAMMUTは「日本山岳耐久レース(24時間以内)~長谷川恒男Cup」に続き、2026年から「第18回 ハセツネ30K」のオフィシャル・メインパートナーとして本大会をサポート。大会でもその性能が実証されました。前日の雨によりぬかるみが残る過酷なコンディションの中、MAMMUTのアスリートである鈴木嵩一朗選手(17歳)が、総合2位という結果を残しました。また、アフリカ・エリトリア出身のケセテ選手も男子総合6位と、MAMMUT・アスリートが2名そろってのトップランク入りを果たしました。2選手とも着用シューズは、「Aenergy Trail Speed Low」でした。この結果は、MAMMUTのシューズが日本のテクニカルな路面においても高いパフォーマンスを発揮することを示しています。

 

(左)鈴木嵩一朗選手。(右)ケセテ・ハブテシオン選手。 Photo:Arinobu Watanabe

 

鈴木嵩一朗選手は「Aenergy Trail Speed Low」について、以下のように語ります。

コメント
とてもグリップ性能が高く、岩場や木の根など滑りやすい路面にも安定して対応できます。急な登りや下りでも不安なく着地できるため、テクニカルトレイルへの適性を感じます。

また、平坦なロードや林道、緩やかな傾斜の上り下りでも走りやすく、幅広いシーンで扱いやすい印象です。前足部で接地すると、自然と前へ転がっていくような感覚があり、スムーズに推進へつながります。

反発はロードのトップカーボンシューズに近く、プレートによる推進力をしっかりと感じられ、スピードに乗った走りが可能です。一方で、アウトソールのラグは過度に深くないため、ロード区間でも違和感なく走ることができます。

履き口は足首にフィットし、小石などの侵入を防げる点も好印象です。走りやすいトレイルから本格的な山岳地帯まで対応できる、汎用性の高い一足といえます。

VK(バーティカル)や20〜40km程度のショートレースでは、スピードに乗って走る楽しさを強く感じられます。ロードシューズに近い感覚で履けるため、これからトレイルランを始めるロードランナーにも適したモデルです。

 

 

2026 SS LINE UP

Aenergy Trail Speed Low
(エナジートレイル スピード ロー)

2026年3月のハセツネ30Kで鈴木選手が着用したウルトラライトモデル。余分なクッションを削ぎ落とし、Flextron® PROによる「弾み」を最大限に引き出した設計。バーティカルレース、スカイランニング、あるいはショート〜ミドルのスピードレース。足裏の感覚を最優先し、テクニカルなセクションで一瞬の迷いもなく足を置ける、精密機械のような一足です。

・価格:31,900円(税込)
・サイズ:MEN’S:UK7 – UK10 WOMEN’S:UK4.5 – UK6.5
・カラー:white-black、nebla-mammut red、holunder-acacia

 

 

 

Aenergy Trail All Mountain Low
(エナジートレイル オールマウンテン ロー)

様々な地形でのミッドディスタンス・トレイルランニング向けに設計されています。耐摩耗性に優れた360°TPU補強ランドとポリエステルアッパーが、岩や破片から足を守り、険しい上り坂や起伏の多い下り坂にも対応します。ダイナミックミッドソールには、クッション性、反発性、衝撃吸収性の理想的なバランスを実現する軽量Mammut CORE™︎ Plusフォームを採用。軽量インソールとの組み合わせにより、反発力が向上し、快適性が高まり、走行距離が増えるにつれて必要な推進力を得られます。

・価格: 26,400円(税込)
・サイズ:MEN’S:UK7 – UK10 WOMEN’S:UK4.5 – UK6.5
・カラー:white-black、nebla-mammut red(Menのみ)、alpine calamint-white(Womenのみ)

 

 

 

Aenergy Trail Endurance Ultra Low
(エナジートレイル エンデュランス ウルトラ ロー)

中長距離トレイルランニング向けに設計されたこのシューズは、FLEXTRON®︎ PRO推進プレートにより、パワフルなエネルギーリターン、ダイナミックな前足部の屈曲性、そしてねじれ安定性を実現します。軽量なMammut CORE™︎ UltraフォームとMammut CORE™︎ Plusフォームの組み合わせにより、優れた反発性とクッション性、そして一日中快適な履き心地を提供します。Traction Lug™を備えたVibram Megagrip Litebaseアウトソールは、起伏の多い地形でも優れたトラクションを発揮します。

・価格:36,300(税込)
・サイズ:MEN’S:UK7 – UK10 WOMEN’S:UK4.5 – UK6.5
・カラー:white-black、alpine calamint-white

 

 

 

SPEC

Aenergy Trail
Speed Low
Aenergy Trail
All Mountain Low
Aenergy Trail
Endurance Ultra Low
重量(UK8.5) 250g 300g 320g
スタック
ハイト
30 / 24mm 34 / 26mm 38 / 30mm
ドロップ 6mm 8mm 8mm
ラグの高さ 3.5mm 4mm 4mm
アウト
ソール
Vibram®
ライトベース
メガグリップ
Mammut Rubber™️ Vibram®
ライトベース
メガグリップ™️
トラクションラグ™️
ミッド
ソール

Mammut
CORE™︎ PLUS :
Super critical EVA

Mammut
CORE™︎ PLUS :
Super critical
EVA
Mammut
CORE™︎ Plus

MAMMUT
CORE™︎ Ultra
プレート Flextron® PRO Flextron® PRO

 

 

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