仕事で「心が疲れない人」の3つの思考習慣。「心が疲れやすい人」の考え方とは “ここ” が違う。

ショートボブの女性の顔アップ。明るい背景で笑顔のポートレート

些細な物事にストレスを感じる……。
悩みをクヨクヨと引きずりやすい……。

そんな「心の疲れ」に関するお悩みは、ものの考え方・とらえ方を少し改めるだけで改善できるかもしれません。

今回は「心が疲れない人」になれる3つの思考法をご紹介します。日常的なストレスへの正しい対処法を身につけ、仕事のパフォーマンス向上につなげましょう。

心が疲れない人は、嫌なことの半分の数だけ「いいこと」を探す

心療内科医の村上正人氏は、些細な出来事や人間関係にストレスを感じやすい人は、物事を0か100かで考える傾向があると指摘しています。

ちょっとしたことで「あの人を許せない」「私はダメだ」と全否定的に考えるため、必要以上に大きなストレスを感じることになってしまうのです。

心が疲れない人になるためには、この「0か100か思考」を改め、「物事にはいい面も悪い面もあるよね」と、中立的かつ多面的なものの見方をすることが大切です。

そこで取り入れたいのが、村上氏が提唱する「2:1」で物事をとらえる思考法ネガティブなことが「2」あった場合、その半分にあたる「1」くらいの割合で、ポジティブな部分を探してみる――こうすると、ストレスを緩和することができるそうです。

たとえば、上司のAさんに対して感じる不満が10個ほどあるなら、その半分にあたる5個、いいところを探してみてください。「Aさんにはたしかに厳しい面もあるが、的確なフィードバックをくれる面もある」と多面的な認識が可能になり、気持ちが楽になるはずです。

物事を極端に考えがちな方は、ぜひこの「2:1」で考える癖をつけてみましょう。

スーツ姿の男性が腕を組み、ビルと緑を背景に屋外で笑顔で立つ

心が疲れない人は、「問題の解決策」を考える

心の疲れをため込まないためには、ストレスの原因になっている問題の解決策を、その場ですぐ考える習慣も大切です。

精神科医の樺沢紫苑氏によると、そもそも「悩み」とは、問題に対処・解決する方法がわからず、「どうすればいいんだろう?」と堂々めぐりしてしまう状態のこと。

ではどうすれば「悩み」を解決できるかというと、答えはシンプルです。問題の解決策を見いだし、それを実行するだけ。そうするための手順として、樺沢氏は次の6ステップを提唱しています。

  1. 悩みを書く
    (例)プレゼン資料に毎回ダメ出しをする先輩がいる。どう接すればいいんだろう……。

  2. 対処法を調べる
    (例)コミュニケーションに関する本を読む

  3. やってみる(最低でも1~2週間は継続する)
    (例)「笑顔でさらりとかわす」という方法で対処する

  4. うまくいっていない点を3つ書く
    (例)
    • まだ笑顔がぎこちない気がする
    • 嫌味を "かわす" 言葉の語彙が少ない
    • 怒りを隠しきれないときがある

  5. うまくいっている点を3つ書く
    (例)
    • 嫌味を言われる頻度が減った
    • 嫌味を言われても、それほどストレスに感じなくなった
    • ギスギスした関係が緩和された

  6. 次のToDoを3つ書く
    (例)
    • もう少しゆとりをもった言い方で "かわす" ようにする
    • 怒りを感じたときは、ゆっくり息をして心を落ち着ける
    • 返答のセリフをあらかじめ考えておく

「どうしよう……」と悶々と悩んでいる状態を我慢し、問題を放置し続けると、心の疲れはたまる一方です。

ですが上記の手順で「こうすれば解決しそうだ」ということが見えてくれば、心の "霧" は晴れると樺沢氏は述べています。

ストレスを感じたときは、「何か有効な解決策はないか」と一考する癖をつけましょう。いい方法が見つかれば、悩みは消え、心を疲れさせずにすむはずです。

名札を下げた女性がホワイトボード横で資料を持ち、説明している

心が疲れない人は、「いまこの瞬間」に専念する

それでも解決できない悩みがある場合は、「いまこの瞬間」の物事に全神経を傾けることをおすすめします。その悩みについて考えないようにするのです。

精神科医で禅僧の川野泰周氏は、「つらい」「苦しい」といった負の感情を抱えているときには、脳や身体にある「疲労を促進する因子」が活発に働きやすくなると解説しています。

つまり悩みをクヨクヨと頭のなかで反芻していると、それだけでエネルギーロスが大きくなり、心(脳)の疲労がさらに膨らんでしまうのです。

さらに川野氏は、複数の情報を同時処理する「マルチタスク」も、脳を疲れさせると指摘しています。「何かについて悩みながら、仕事などの別のことをする」という状態が続けば、それだけで脳に負荷がかかり、疲労感や知的パフォーマンスの低下などにつながる恐れがあるのです。

つまり、いまこの瞬間にやっていること・感じていることに集中すれば、上記の2要因(ネガティブ感情による疲労、マルチタスクによる疲労)が解消され、心の疲労感を楽にできると言えます。

スーツ姿の男性2人がオフィスでノートPCの前に並び、笑顔でこちらを見る

では、どうすれば「いまこの瞬間」に集中できるようになるのでしょうか?

ひとつのアプローチとして川野氏は「目の前の物事を楽しみ、じっくり味わう」ということを提唱しています。

◆「いまこの瞬間」に集中する例 (ビジネスシーン)

  • ランチをスマホを見ずに、じっくり時間をかけて味わう
  • コーヒーブレイクで香りや味を意識的に楽しむ
  • ひとつのタスクだけに没頭する時間をつくる
  • 通勤中、窓の外の景色をぼんやり眺める
  • 会議の前に1分間、深呼吸に集中する(簡易マインドフルネス)

このようにして目の前にあるひとつのことを「楽しむ」ことで、自然と「いまこの瞬間」に意識が傾き、心の疲れから自由になることができますよ。

***

心が疲れやすいと感じる方は、以上3つの思考法を参考にしながら、ストレスを適切に処理しましょう。

FAQ(よくある質問)

Q 心が疲れない人になるための思考法とは?

A 嫌なことの半分の数だけ「いいこと」を探す、問題の解決策をその場で考える、「いまこの瞬間」に専念するの3つです。

Q 「2:1」で物事をとらえる思考法とは?

A ネガティブなことが「2」あった場合、その半分にあたる「1」くらいの割合でポジティブな部分を探す方法です。0か100かの極端な考え方を改め、多面的にとらえることでストレスを緩和できます。

Q 悩みを解決する6ステップとは?

A 「悩みを書く」「対処法を調べる」「やってみる」「うまくいっていない点を3つ書く」「うまくいっている点を3つ書く」「次のToDoを3つ書く」の6つです。

Q マルチタスクが脳を疲れさせるのはなぜ?

A 複数の情報を同時処理すると脳に負荷がかかり、疲労感や知的パフォーマンスの低下につながるためです。悩みを抱えながら別の作業をすることも、マルチタスク状態になります。

Q 「いまこの瞬間」に集中する方法は?

A ランチをじっくり味わう、ひとつのタスクだけに没頭する時間をつくる、会議前に1分間深呼吸するなど、目の前のことを意識的に楽しむことで集中できます。

(参考)

NIKKEI STYLE|心身がラクになる、「考え方のクセ」の直し方
ダイヤモンド・オンライン|精神科医が知っている「悩みがまったくない人の考え方」
川野泰周(2018),『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』, ディスカヴァー・トゥエンティワン.

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部

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