Google Keepの「リマインダー」が最強の復習ツールだった。記憶が定着する"思い出し"の自動化術

スマートフォンのリマインダー通知で復習のタイミングを思い出すビジネスパーソン

仕事のために本を読み、最新のニュースを追い、自己研鑽に励む。
そんなまじめな努力を重ねているのに、いざという場面で「あれ、何だっけ?」と知識が出てこない……

そんなもどかしさを感じたことはありませんか?

せっかくの学びが身につかないのは、記憶力が悪いからではありません。
「思い出す仕組み」をデザインできていないだけなのです。

人は思い出すことで記憶を定着させます。

今回は、Google Keepのような身近なツールを使い、忙しい日々のなかでも着実に「思い出し」、知性を積み上げていく記憶定着の自動化の方法をご紹介します。

なぜ「勉強したはず」の知識は消えてしまうのか?

学んだはずの知識を思い出せず困っているビジネスパーソン

私たちは、新しい情報をインプットした瞬間が最も「わかった!」という満足度が高くなります。
しかし、心理学のエビングハウスの忘却曲線が示す通り、人間の脳は放っておけば数日でその大半を忘れるようにできています。

米国内科専門医の安川康介氏は、記憶を定着させる鍵は「思い出す作業(想起)」にあると指摘します。

「何かを記憶するためには、それを積極的に思い出す作業や、脳みそから頑張って取り出す作業こそが、決定的に重要だということが明らかになってい」る。*1

つまり、「きれいにノートをまとめる時間」を少し削ってでも、「あえて思い出す時間」を確保するのが、大人の勉強の正攻法なのです。

記憶定着の切り札——「分散学習」で復習タイミングを最適化する

そこでおすすめしたいのが、学習の間隔をあけて繰り返す「分散学習」です。
日本女子大学の竹内龍人教授によれば、同じ時間をかけて勉強するなら、一度にまとめて行なう「集中学習」よりも、間隔をあけた「分散学習」のほうが高い学習効果が得られることが研究で示されています。*2

分散学習を応用し、思い出す作業を短い時間に分けて行えば、記憶の定着率も上がります。
そして、この「思い出すタイミング」の管理をデジタルツールにまかせてしまえば、もっと簡単に進められます。

明日・数日後・1週間後といった復習の予定をあらかじめ入れておけば、「通知が来たら思い出す」というサイクルをつくれます。

筆者はGoogle Keepを使って実践してみました。その様子とやり方のコツを紹介します。

Google Keepでつくる「1日15分」の復習ルーティン

コツ1:メモした瞬間に「未来の自分」へ予約を入れる

まず、記憶するべき内容を整理するよりも、「いつそのメモを読み返すか」を予約することを優先します。

✓ タイミングを設定する
 Google Keepに、復習のタイミングをリマインド設定する
【明日の同じ時間】【3日後】【1週間後】など選択肢を固定しておくと楽です。

✓ 記憶したいポイントはメモだけでOK
 勉強が終わったら、覚えておきたいポイントを3つだけGoogle Keepにメモ

Google Keepでリマインダーの日時を設定している画面のスクリーンショット

「あとでやろう」は、結局やらないことと同じです。
その場で通知を予約することで、意識しなくても「復習の機会」が向こうからやってくる仕組みを作ります。

コツ2:「思い出し方」を固定化する

リマインドが来たときに、漠然と「復習する」だけでは記憶の定着には不十分です。
どう思い出すのかを、あらかじめ決めておくことが大切です。

✓ 「どう思い出すか」の指示も書いておく
 ただ想起する(「思い出す」)だけでなく、具体的なアクションを決める

たとえば――

「この本の要点を30秒で独り言で説明してみる」

「この用語を、中学生にもわかる言葉で言い換えるなら?」

Google Keepに復習メモとアクション指示を書き込んだ画面のスクリーンショット

このように出力の型を決めておくと、迷う時間がなくなります。

また、あえて「自分の言葉で説明する」という負荷をかけることも重要です。
これは「アクティブリコール(想起練習)」と呼ばれる手法で、ただ読み返すよりも記憶の定着を大幅に高めることが研究で示されています。

「通知を無視してしまいそう」な時は?

リマインドが届いた瞬間に仕事で手が離せないこともあるでしょう。
そんな時は無理をせず、通知を「1時間後」や「夜の自由時間」にスヌーズ(再設定)してください。

Google Keepのよいところは、完璧主義を捨てられる手軽さにあります。
もし数日分溜まってしまったら、週末のカフェタイムに「整理ラベル」をつけて仕分けするだけでも、立派な復習になります。

***

学びを自動化し、日常化する。自分の言葉に置き換えていく。

今回のメソッドは、分散学習・アクティブリコール(想起練習)・符号化といった認知科学のエッセンスを、デジタルツールで手軽に実践できるようにしたものです。
ツールはGoogle Keep以外でも構いません。

まずは今日学んだことを一つだけ、明日の朝にリマインド設定するところから始めてみてください。
その繰り返しで、記憶が定着し、いつでも取り出せる「使える知識」として育っていきます。

よくある質問(FAQ)

Q.「分散学習」とは何ですか? なぜ記憶定着に有効なのですか?

学習内容を一度に詰め込まず、数日〜数週間の間隔をあけて復習する手法です。日本女子大学の竹内龍人教授によれば、同じ学習時間でも間隔をあけた「分散学習」のほうが「集中学習」より高い記憶維持効果が得られることが研究で示されています。

Q.Google Keepで復習を習慣化するコツはありますか?

メモを作成した瞬間にリマインダー機能で復習タイミングを予約することです。【明日】【3日後】【1週間後】など選択肢を固定しておくと、意志の力に頼らず復習を自動化できます。通知が届いたら「要点を30秒で声に出して説明する」などアクションも決めておくと効果的です。

Q.記憶定着率を上げる「思い出し方」の具体例を教えてください。

「要点を30秒で独り言で説明する」「中学生にもわかる言葉で言い換える」など、自分の言葉でアウトプットする方法が有効です。これは「アクティブリコール(想起練習)」と呼ばれる手法で、ただ読み返すよりも記憶の定着を高めることが研究で示されています。

【ライタープロフィール】
柴田香織

大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。

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