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当店オリジナルレザーが生まれた時のお話、またこの革の経年変化

当店オリジナルレザーが生まれた時のお話、またこの革の経年変化

2026/04/16

当店ウェブで

”オリジナルレザー”と呼ぶのは、
当店だけの品質の牛革のこと。
他所にはありません。

 

これは栃木レザー(株)さんと

共同開発した革で、

求める品質になるまでに

10年ほどかかりました。

 

お店を始めて3年ほど経った頃

(1984~5年くらい)、

”ある出来事”があったことから

栃木レザー(株)さんを訪れ、

独自品質の革を作っていただける、

という話を頂きました。

 

なんとラッキーなことでしょう!

 

今の栃木さんでは、

うちのような小さなお店

(少量生産の店)のために、

オリジナルレザーを研究し

作ってくださる時間はありません。

 

 

*地が仕様前のネイビー
財布が22年ほど使用後

 

当時、栃木さんの革販売は

数社の問屋が請け負っていて、

 

その頃の問屋の主流は、

それぞれが加工工場を持ち

(もちろん彼らも、自分たちの

革を作っていました)、

 

そのほか必要に応じて、

仕入れ品の革に

自社工場で”最終仕上げ”を

して販売することが

当たり前に行われていました。

 

今では考えられないシステムです。
こんなことができたのは、

30年近く前まで、

荒川沿いを中心に

たくさんの革工場が

当たり前のようにあったからです。

 

それまでそういう工場は

原皮から革を作っていましたから、

最終加工として

色を整える、油を足す、などは

お手のものでした。

 

そういう問屋の中には、

依頼された革の色がない場合、

あらかじめ多めに取り寄せた

在庫のベージュ色の革に、

上からネイビー色を載せる

(使用後、ネイビー色は削れ

下のベージュ色が出てくる革)、

などどいうこともする

不埒な輩もいて、

私(デザイナー)はまず、

そういうことをしない、

信頼できる

革好きの問屋さんを見極め、

そこだけと

密な相談をするようにしました。

 

 

*地は未使用ネイビー
財布は5~6年ほど使用後

 

”ある出来事”というのは、
私からすると

”許せない品質の革”が

届けられたことを指しています。

 

それまでは

多少のばらつきがありこそすれ

それなりの革が来ていましたから

2度ほど

”あんまり”な革が来た時に

問屋さんに文句を言ったところ、

「そういう内容だったら

直接栃木さんに相談したら?」

と言われて、

素直にそれを実行したわけです。

 

 

*地は未使用ワイン

財布は20年ほどの使用後

 

そんなわけで

製作チームにお会いして、

「どうしてこんな革が来たの?」と

革をお見せして問い詰めたところ、

「それじゃ、あなたの求める品質を

作りましょうか!」

と言っていただけたのは、

若気の至りで、好き放題

革への愛を伝えたからだと思います。

 

革を作っているチームの人たちも

革が好きで、

自分たちの作っている革が

どう受け止められているかを、

また、喜んでもらっているのかを

知りたかった、という気がします。

 

彼らにストレートにお伝えした

”私の欲しい革”がどんな革か、

完成した今だから判断できますが

 

製作中の10年ほどの間は、

できた革を3か月ほど使いこんで

ひとつ一つの細かい点を

修正していく

地道な作業の連続でした。

 

結果として

レシピの決まったこの革は、

使い手にとっては、手触り良く

エイジングが楽しめて、

 

作り手にとっては、

どんな製品も

うつくしく作ることのできる

”魔法の革”となりました。

 

 

*地は未使用ブラック

財布は8年ほどの使用後

 

この革を完成させるにあたって

前出の”信頼する問屋さん”は、

非常に重要な位置を

占めていました。

 

なぜなら、

”革づくりは科学”だからです。

この問屋さんが革づくりに

精通していたので、

私が望む革にするためには

どのように

栃木さんに伝えればわかるのか、

を、取り持ってくれていました。

今思うと、この方は

革製作における

私のコンサルタントでした。

その世界に精通したプロだけが

きちんとできる仕事です。

 

使った方からは

「もう他の革は使えません。」

「触っていると気持ち良くて

眠たくなります。」

「無理やりたくさん入れても

きれいに入っています。」などなど

ご感想を頂いています。

 

「革の制作スクール」の

生徒さんからは、

「ここのオリジナルレザーだと

他で買った革で作るよりも

扱いが楽で

きれいにできるから、満足します。

それに自分の腕が

上がったような気がます。」

(シビアですねw)

とよく言われます。

 

この革が

当店の原点であることに

間違いありません。

 

そして、一緒に仕事をする、

あるいは

仕事を頼む人を選ぶ時に

重要なのは、

その道の”オタク”であることだ

と思います。

 

前出の”信頼できる問屋さん”は

2年前にご逝去されました。

人であるにも関わらず

”虎は死して皮を留め”と

すばらしい革を残したこの方を

時に思い出します。

 

 

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