【第2話】いつもの道しか歩けない
元・野犬ラミとまめが教えてくれたこと
それは・・・
「みんなで歩く道じゃなきゃ、行けない道がある。」
元・野犬だったラミとまめとのお散歩には、それぞれの「心のルール」があります。

このシリーズでは、元・野犬だったラミとまめとの暮らしの中で、私たちが毎日少しずつ“気づき”、育ててきたエピソードを、全10話にわたってお届けします。
▼連載内容▼
第1話:初めての外。動けなかった日
第2話:いつもの道しか歩けない
第3話:お散歩の途中で帰りたがる
第4話:群れの中には静かなルールがある
第5話:1人じゃ歩けないけど、仲間がいれば進める
みんなといっしょなら歩ける「まめ」
まめは、いまだに散歩中はしっぽを下げたまま歩きます。けれど、仲間と一緒なら、どこへでも行けるタイプ。
自分から前に出ることはないけれど、ラミと一緒に、ソナのあとを楽しそうに追いかけていくこともあります。
誰かが来なければ、座って待っていてくれる優しい男子です。でも、1匹だけになると、座り込んで動けなくなってしまいます。
そんなときに活躍するのが、携帯電話。連絡を取り合い、まめを迎えに行くと、走ってくる姿がまるで「待ってたよ」と言っているようで、本当にかわいいんです。

気分がすべての「ラミ」
ラミは、その日の気分で立ち止まり、進まなくなってしまいます。無理にリードを引こうとすると、ぴょんぴょん跳ねて後退し、ダブルリードでも抜けそうになることも…。
そんなときは、ソナとまめが戻ってきて、ラミの歩ける方向にそっと寄り添ってくれます。迎えに来てくれたことが嬉しいラミは、くるくる回りながら、みんなのあとを楽しそうについていきます。
最近では、少し距離が空くと、まめもソナも立ち止まり、ラミが歩き出すのを静かに待ってくれるようになりました。
そのおかげか、ラミだけが進めないことがなくなってきました。
血のつながりはなくても、自然とお互いを思いやる3匹を見ていると、ひとり感動してしまいます。

「安心の道」を選ぶ理由
ラミが頑なになって進まないときは、「この道じゃない」と伝えているのかもしれません。だから我が家は、いつも同じ散歩コース。
ラミにとって散歩は運動ではなく、「心の息抜き」。30分ほど、安心できるルートを一緒に歩き、家に戻ります。
ラミにとって大切なのは、“いつも通り”というルーティーン。それが、ラミの「安心」につながっているのです。

まめとソナの「おかわり散歩」
ラミとの散歩を終えた後、まだ体力の有り余るまめとソナは、ラミが家に戻ったのを確認してから、もう一度2匹でお散歩に出かけます。
我が家では、この2回目の散歩を「おかわり散歩」と呼んでいます。
まめは、ソナがいれば安心してお散歩を楽しめます。同じ“元・野犬”でも、それぞれの個性の違いが本当におもしろいですね。

わたしたちが気づいたこと
ラミもまめも、「ひとりでは無理でも、仲間がいれば進める」という姿を、毎日見せてくれます。
「散歩」はただの運動ではなく、信頼と安心の積み重ね。
その“信頼”という芽は、急には育ちません。
首輪が抜けて脱走してしまったこともありました。動いてくれず困ったこともありました。1匹では進めないこともありました。
そんな日々を積み重ねて、今の散歩スタイルができあがったのです。
もし、あなたが「犬を迎えたい」と思ったとき、「元・野犬」という選択肢も、少しだけ思い出してもらえたら──。
このシリーズが、誰かの心にそっと届いてくれたら嬉しいです。
第3話は「お散歩の途中で帰りたがる」です。
元・野犬の子たちを迎えるための準備や心構えについて、もっと詳しく知りたい方は、こちらのガイドブックもどうぞ▼
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