メインコンテンツへスキップ
 

マガジン一覧

素浪人わたり放浪奇

江戸時代末期とSNSの世界を模して融合した世界に、妖怪が現れる妖怪奇譚活劇。

素浪人わたり放浪奇(二十六) 白鷺森の妖怪組合〜光と影の邂逅《二の巻》

二の巻 化け猫襲われる ツツジ通りの宿に着いたときは、すでに亥の刻(午後9時〜午後11時頃)で、あたりは真っ暗だった。  玄関で草履を脱いでいると、宿の番頭に声をかけられた。番頭の男は背が高いうえに目が悪いらしく、背中を丸めて俺の顔を覗き込んだ。 「お客さん、すみません。お一人って聞いてやしたが、どうやらお連れ様がいるようで、宿代を二人分頂戴したいのですが、構わねぇでございますか」 「いや、あいつは人間じゃ...(今は人間になってるのか。ややこしい)」 「なんです?」 「なん

4

素浪人わたり放浪奇(二十五) 白鷺森の妖怪組合〜光と影の邂逅《一の巻》

【素浪人わたり放浪奇について】 江戸時代末期とSNSの世界を模して融合した世界に妖怪が現れる妖怪奇譚活劇。第3章『雨葉村の妖怪寺〜役者絵と、水と油の恋心』までは、note創作大賞2025に応募。これは、その続きの物語。そして、素浪人わたり放浪奇の最終章、全22巻の完結編です。 ※名称の一部を変更しました。これまでのポストした記事も随時変更する予定です。 一の巻  師匠の手がかり 俺は素浪人のわたり。三ヶ月ほど前に白鷺森にやってきた。これまでいろんな森を旅してきた。梟森から始

17

初めての小説が長編小説になった話|リライト版

ふーっ。 ひとまず、去年のnote創作大賞2025の応募作品のリライトが終わりました。 リライトと言いながら、正解がわからずやはり悩み悩み。 ここは地の文だけど、心の声。頭をひとマス開けた方がいいの? (ネットの小説のひとマス目の考え方がいろいろのよう) そんなことから悩みます。 自分でルールを決めるといいんだろうなぁ。 物語の発端は、ちょうど1年前の6月30日、noteで初めて書いた1000文字のショートショートでした。 SNSをやっていて、フォローしてくれた

59

素浪人わたり放浪奇(二十四) あめーば村の妖怪寺〜役者絵と、水と油の恋心【最後の巻】|リライト版

最後の巻 脱稿と微かな手がかり 俺はあめーば村で出会った油すましとろくろっ首の話を、のーと森の宿で書き上げた。  三吉が子泣き爺と入れ替わったことやシャオが中国の妖怪画皮だったことには触れずに。 「思わぬ大作になっちまったな」 俺は筆を置くと、外を眺めた。空はまだ明るい。まもなくお天道様も沈むだろう。 「ーーこの森にいるんだろうか」 気を取り直して、出来上がった原稿を風呂敷で包んだ。 「おい、たま!この原稿を版元に持っていってくれ!」 寝ていた化け猫をたたき起こすと、人間の姿

21
もっとみる

わたりあめの短歌

最近作り始めた短歌をまとめてみました。

【短歌】雨宿り(#シロクマ文芸部)

雨宿り 大きな蕗の 傘揺らし 雫と遊ぶ コロボックル #シロクマ文芸部の企画に参加しています。 二つ目です。小牧様、よろしくお願いします。 子どもの頃、佐藤さとるのコロボックルシリーズが大好きでした。 コロボックルがいると信じて、学校の帰り道に畦道や草むらを探していました。 私の心にいたのなら、本当にいたんじゃないかと大人になった私は思うのです。 ※表記はコロポックルとコロボックルのどちらでもいいようです。

56

【短歌】水を飲む(#シロクマ文芸部)

水を飲む 古の人の 水分子 今のカラダに docking 海の水をコップ1杯掬うと、昔の人の水分子が数個混ざっていると聞いたことがあります。 もし原子や分子に記憶があるなら、私たちは地球を旅した記憶を覚えているのかなという想像を膨らませて詠んでみました。 #シロクマ文芸部の企画「水を飲む」に参加しています。 小牧さま、よろしくお願いします。

74

【短歌】洗濯機|#シロクマ文芸部

洗濯機 私も中で ぐるぐるり 消せない染みも 落ちるだろうか #シロクマ文芸部のお題で書き始める企画「洗濯機」に参加しています。 小牧さん、よろしくお願いします。

71

【短歌】サンダルで(#シロクマ文芸部)

サンダルで 家を飛び出して サンパウロ ムーンサルトで 神の箱庭 #シロクマ文芸部のお題「サンダルで」で始まるnote企画に参加しています。 小牧さん、よろしくお願いします。

66
もっとみる

100文字ショート・ショート

オールジャンルの100文字のショート・ショートです♪

彼女は官能小説家(#100文字ショート・ショート)

官能小説家になった同級生をnoteで見つけた。 声をかけてみようか、戸惑った。 美しいピアノを弾く人。長い髪が揺れる。 「最終選考に残るのはいつものこと」 最後に話した時にそう言っていた。 僕はまた彼女のnoteを開いた。 (106字) 【わたりあめの100文字ショート・ショート】

38

酸っぱくて苦くてシュワシュワで(100文字ショート・ショート)

炭酸の中で好きなのはコーラ。 彼は友人を通して会いたいと言ってきた。 駅近の古い喫茶店でコーラを飲んだ。 会った時から俺様な彼。 付き合ってもいないのに、もう会わないとメールをくれた。 20年経って、レモンが入っていたことに気がついた。 (112字) #シロクマ文芸部の企画「炭酸の」に参加しています。 小牧さん、よろしくお願いします。

92

バディはプロパティ(100文字ショート・ショート)

「プロトコル通りにやったのに上手くいかない」 三咲は実験書を片手にフラスコの沈殿を見つめた。 「はやく、あなたを元に戻してあげないと」 「フローを見せて。ーー溶媒の比率を変えたほうがいいな」 「やってみる」 (ぼくは結構この体が気に入ってるんだけどな) (122字) #なんのはなしですか イラストから想像を広げて、(約)100文字ショートショートを書いてみました。 「謎の研究所の薬で蛇になってしまった恋人をバディに、科学ミステリーを解決していくリケジョの物語

68

金髪とギター|#せりふ三題噺|100文字ショート・ショート

「金髪やめた?」 校庭のデッキに座っていた佐藤が、不思議そうに俺の顔を見た。 「就活さ。佐藤の牛丼?うまそー。うちの牛丼はネギ多めでさ、しかも牛じゃなくて豚だし」 「バンドは?」 「金髪じゃなくてもギターは弾ける。金髪は諦めても、夢は諦めてない」 (119文字) #せりふ三題噺に参加しています。 はらとけいさん、よろしくお願いします。

52
もっとみる

読書1000冊読んでみたら。

興味の赴くままに、いろんな分野の本を読んでいます。漫画もあるかもしれません。

ミヒャエル・エンデ『モモ』|童心読書|読書1000冊チャレンジ|残988

ゲド戦記とナルニア物語が大好きだった少女時代。 ミヒャエル・エンデの『モモ』と『はてしない物語』は、読み進めることができないでいた。 それは大人になってからもだ。 思い出したように図書館で借りて読もうとするけど、やっぱり挫折。 しかし、書いている小説の中で『モモ』をモチーフにしたような本が出てくるので、やっとこさっとこ『モモ』を読み始めた。 この先を読み進めるのは大変そうだと思った序盤。 エンデが演劇を学び、舞台監督だったことを知る。 「そうか。舞台だと思えばい

56

【読書1000冊チャレンジ】身辺整理/森永卓郎/残989

経済アナリストの森永卓郎さんは、65歳でガンを患い、余命宣告を受け身辺整理を始めた。 TVをあまり見ない私が、ほぼかかさず見ている番組が、日曜日の朝に放送されるTBS「がっちりマンデー!!」。森永さんはレギュラーとして、馴染みが深い。 この本を読んで、経済アナリストという肩書きが、森永さんのために生まれた言葉ということ知った。そして、社会の軋轢と闘い続けた戦士だ。 森永さんは、モノだけでなく株や投信は躊躇せず処分しようと言ってるが、まだ健康なシニアにはそのタイミングが難

49

【読書1000冊チャレンジ】しょぼい起業で生きていく/えらいてんちょう/残990冊

「あぁ、仕事を探さなきゃ。好きじゃない仕事で働きたくない。だけど、居住エリアでは好きな仕事がないかもしれない。どうしよう」そんなことを考えていて、思わず手に取ってしまったタイトルだ(なくはないが残業必至)。 「しょぼい起業なら出来るかもしれない……」 著者の基本スペックしかし、この手の本は著者の基本スペックをまずチェック。 慶應義塾大学経済学部卒業とあった。なるほど。こういう本の著者は社会不適合者的なイントロで始まるのだが、自分とのギャップを確認しておかないと著者が「で

24

【読書1000冊チャレンジ】三千円の使いかた/原田ひ香/残992冊

「人は三千円の使いかたで人生が決まるのよ」 祖母・琴子が孫の美穂の幼い頃に言った言葉だ。 一家3世代4人の女性のお金との向き合い方が核になるストーリー。図書館になくて、久しぶりに書店で紙の本を購入した。 金銭感覚は年相応の20代の美帆、節約に励む既婚の姉・真帆、バブル期を過ごした母・智子、夫が亡くなって年金が減額され、働き始める祖母・琴子と、女性は誰かには自分が当てはまるんじゃないだろうか。 ドラマ化されたので知っている人も多いだろう。 私のお気に入りの登場人物は小

12
もっとみる

50代からの『TOEIC L&Rテスト』

50代からの『TOEIC L&Rテスト』の道程をまとめています。

やる気スイッチより、切り替えスイッチ〜韓ドラ視聴からTOEIC勉強&noteへ

結論から先に言うと、韓ドラ視聴の集中力を切り替えスイッチで変換させた結果が、TOEICの勉強と、このnoteである(なんと)。 以前、だらだらスマホを見ている時間をnoteを書く時間に当てたと書いたが、実はその間にワンステップあって、私は韓ドラに夢中になっていたのだ。 それは遡ること、去年の11月、突然韓ドラにハマった。友達のおすすめのアマゾンプライム限定配信「損するのは嫌だから」を観て、ジウク役のキム・ヨンデにすっかり魅了されてしまった。それで、彼の他のドラマを観たいと

36

50代からの『TOEIC L&Rテスト』132日目〜5月18日受験(1)

ちょうどTOEIC試験の勉強についてもnoteに書いていこうかと思った時に、note公式からお題をもらったので記録して行こうと思う。 今日がnoteに書くのは1日目だが、この再挑戦は2025年1月1日から始まっていた。ChatGPTに聞いたところ、今日が本格的にTOEICの勉強を始めてから132日目ということだった。途中頓挫したりもしたので、学習は毎日ではない。 ちなみに私の英語力はというと・・・ 日本英語検定2級(20代の時) TOEIC L&Rテスト 420点(2

12

50代からの『TOEIC L&Rテスト』165日目〜キクタンKindle版を購入(7)

20代でTOEIC試験を受験して以来、この30年間何度も英語の勉強に挫折した。2025年元旦から本気でTOEICの勉強を再開し、30年ぶりに受験したTOEIC試験の結果は、スコア530だった。当時のスコア420獲得を目指していたので、この結果は私にとって予想以上だった。 心の中ではスコア500取れたら、もう30年前のリベンジは果たしたと思って、TOEICの勉強はやめるてもいいと思っていた。しかし、30年ぶりのTOEICの勉強はとても楽しかったし、物忘れがひどくなって記憶力の

11

50代からの『TOEIC L&Rテスト』154日目〜5月18日受験結果と自己分析(6)

てっきり6月5日の木曜日に発表だと思っていたので、今日発表になって驚いた。20代に受験した時のTOEIC L&Rテストのスコアは420点。今回が30年ぶりの試験だった。この30年間、英語の勉強しようと思ったことは何度もあったが挫折を繰り返していた。 詳しくはこちらの記事に。 30年ぶりの試験の結果は・・・・ 結果は530点⁉︎びっくりした〜 5という数字が目に飛び込んできた時、まさかと思った。思わず拍手した。30年前の420点に届けばいいと考えていたので、私的には優勝

5
もっとみる

ママの恋バナ(ショート・ショート)シリーズ

ママの恋バナをショート・ショート(1000字から2500字)でお送りします。

ママの恋バナ リカの章「TOEICフレンズ」(ショート・ショート)

心地よい秋の週末に、素敵なママの恋バナ✖️TOEICストーリーはいかがですか?(約2200字) 「斉藤さん、小出部長の退職パーティは欠席するの?」 「はい。その次の日がTOEICの試験で、今回の試験は絶対外せないんです」 先輩の倉本亘さんが出欠確認で私に話しかけた。倉本さんは一つ上の先輩で、密かに女子社員の間では国民的イケメン俳優に似てると人気の社員だ。 「小出部長が東北出身で、どうしても芋煮会をしたいっていうんだよね。手配だけ、斉藤さんに頼めるかな?」 「私も地元が仙台で

27

ママの恋バナ 真希の章「パパはカツカレー」(ショート・ショート)

 連休最終日の穏やかな日に、ふんわり甘くて、ハッピーな家族のショート・ショートはいかがですか?(約1300字) 「何、このメモ?」 「ーー真希がくれたラブレターじゃん」  日曜日、穏やかな秋の日差しがリビングに差し込む昼下がり。慶太が断捨離をしようと言い出した。もうすぐ念願だったマイホームが完成する。その前に荷物を整理しようという話になったのだ。  私は真希。高校の同級生だった慶太と結婚したのは5年前。それから、娘のつむぎが生まれ、つむぎは今年で4歳。今は2LDKの賃

60

ママの恋バナ番外編「パパは、ムヒカ大佐」(ショート・ショート)

疲れた月曜日の夜に、平和なファミリーの日常のひとコマはいかがですか。 夕ご飯のあと、リビングのソファでパパと一緒に座ってくつろいでいた。パパは三人がけのソファの端に座って新聞を読んでいて、私は反対の端でスマホをいじる。ママは持ち帰りの仕事で、ダイニングテーブルでノートパソコンに向かっていた。リビングでは、ファンヒーターのボーッとした音とTVの音が混ざって聞こえている。 「アンナ、スマホは9時までよ」 ママがパソコンの画面をみながら、私に声をかけた。 「はーい」 ママ

47

ママの恋バナ マイの章 (ショート・ショート)

疲れたあなたに、ふわふわのわたあめのように甘いショート・ショートはいかがですか。(約1900字) 「ねぇ、ママの卒アルみせてよ」 土曜日の午後、陽だまりの中でお昼ご飯にナポリタンを食べた後、中学生の娘が言い出した。パパは仕事で今週末も家にいない。 「断捨離ブームのときに処分して、高校のアルバムしかとってないのよ」 「あーね。じゃあ、高校のアルバム見せてよ」 「待っててね」 私は2階の寝室にある卒アルを取りに階段を登った。 (だって、高校の卒業アルバムは、パパとマ

27
もっとみる