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マガジン一覧

『エッセイのまち』の仲間で作る共同運営マガジン

メンバーシップ『エッセイのまち』の仲間が見つけたステキなエッセイを保存しています。メンバーの方は、他の方、もしくはご自身のエッセイを自由に追加してください。(エッセイ以外は掲示板の方にお願いします)。どなたがマガジンに追加してくださったのか気になる方は、ともきちまでお問い合わせください。

4,635 本

「また10年後」が叶わなかった、わたしたちへ

中学の卒業アルバムに、わたしはこう書いた。 「みんなの10年後が楽しみ」って。 あのころは、未来がぜんぶ明るい方角に開けている気がしていた。 10年後なんて、あっという間にやってきて、 再会したらみんな、それぞれの夢の続きに立っている。 そんな物語を、疑いもしなかった。 二十歳の成人式。 わたしは「約束を守らねば」と思って、飲み会の幹事を引き受けた。 中学生の自分が書いた言葉に、責任を取りに行くみたいに。 “みんな”を集めて、同じ場所に並べて、 「ほら、未来ってちゃんと来

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【司書メモ】同じエリアで育つ、にぎわいと安心

児童室のドアがない図書館では、 子どもの声は、すぐとなりの静けさに届く。 絵本コーナーの笑い声。 走り出しそうな足音。 「これ読んで!」の高い声。 その数メートル先では、 仕事の資料を開く人がいて、 目を閉じて休む人がいて、 静かに小説に沈む人がいる。 同じ空気の中に、生活と静寂が同居している。 それは、とても豊かなことでもあり、 ときどき、少し難しいことでもある。 境界がない場所は、気持ちの境界もゆれやすいエリアが続いていると、 「ここは子どもがいていい場所」 「

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終わっているパン屋の話

僕の地元に終わっているパン屋があった。 商店街の一角、踏切の目の前に佇むそのパン屋は、一見すると廃屋と見間違えそうな古びた建物の一階で営業していた。かつては透明だったはずの入り口のサッシは煤とも土ぼこりともつかない汚れで薄茶色に濁り、錆びついた屋根の下には店名の文字が消えかかった看板が掲げてあった。 店の前に白雪姫に出てくる7人のこびとの置物がぞろぞろと並べてあるかと思えば、なぜかその隣には信楽焼の狸が立っていた。さらに店で不要になったものであろう、錆びついた金属の什器や大

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「書いても届かない」から始まった、わたしのnote

幼いころから、わたしは本の虫。 小学生のときには、学習ノートに詩を書いていて、先生に褒められて、すっかりいい気に。 でもその一方で、小説は最後まで書ききれない。 何度も途中で止まってしまうし、ようやく書けたのは、とても陳腐な文章。 「わたしには向いてないのかも」 それでも、書くことを完全に手放せなかったのは、 本を読むたびに「わたしもことばで何か残したい」という気持ちが消えなかったからです。 もともとnoteを始めたのは、YouTubeを開設する前段階のつもりでした。

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第29回毎月短歌【テーマ詠み:白】ケムニマキコ選

 ごきげんよう皆さま。今月もテーマ詠の選評を務めさせていただいております、どうぞよろしくお願いします。今月のテーマ詠は谷たにしさんと私だけなんですよ、プレッシャー感じちゃうね……とりあえず白い曲を貼っておきますね、私の最近のお気に入りです。山小屋でライブしたりするんだそうです。  さてテーマ詠「白」ということですが、改めて見るとこの世は白いものだらけですね。いま私の目の前にあるだけでも体操服、体操マット、床の白線、壁、パーテーションのフレーム、championのもこもこアウ

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第一回おはぎ杯 結果発表

第一回おはぎ杯にご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。 ただの短歌好きの思いつきの企画でしたが、なんと、約150人、約300首の応募がありました。 こんなにたくさんの方に参加していただけると思っていなかったので、驚きとともに、とても嬉しく思っております。 今回の企画は、ご参加いただいた皆さんの作品の中から、私、おはぎの主観による選考を行うものとなっています。 客観的に、短歌としての優劣を決める公募等とは異なる性質を持つ、ゆるいコンテストであることをまずお断りしてお

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秋の星々(140字小説コンテスト2025)一次選考通過作

季節ごとの課題の文字を使ったコンテストです(春・夏・秋・冬の年4回開催)。 秋の文字 「後」 選考 ほしおさなえ(小説家)・季節の星々選考委員会 140字小説コンテスト「季節の星々」 一次選考を通過した109編を発表します(応募総数1092編)。ご応募いただきありがとうございました。 受賞作(入選4編+佳作6編)は12月下旬に発表予定です。 優秀作(入選〜二次選考通過の全作品)は雑誌「星々」(年2回発行)に掲載されます。 また、年間グランプリ受賞者は「星々の新人」とし

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短歌アンソロジー『星のうた』 (左右社)

❇ わたしの一首 ❇ 耳たぶに収まるならば許されるピアスの星が側転してる あなたに贈る100個の星。 脇田あすかさんによるシックな美しい装幀です。黒い細布を貼ったクロス装の表紙に、夜空の星々は金色の箔押し。 クリスマスプレゼントにもおすすめの一冊です🎁 ページをめくるたび、きっとユニークな星の光があなたを照らします🌠 ❇ 以下 左右社HPより抜粋 ❇ 同時代の歌人100人がうたった 100首の〈星〉の短歌アンソロジー どこから開いても〈星〉が降りそそぐ、はじめて

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言葉が物語になるときを待っているそんなショートショート。

カフカとか蜘蛛の糸とか赤ずきんちゃんなど、二次創作含めた短い小説発表しています。

【掌編小説】走馬灯の監督って結局自分でしょ。

 絶景って人が最期にみる走馬灯みたいな景色のことやろ?  走馬灯を見て、その走馬灯が極彩色で手に触れたら毒されてしまうぐらい美しくても、もうそのことを誰にも話せないことに絶望したりするんかなって、そんな話を山下としたのは数日前だった。イントロのようにその言葉が鳴っている。音楽も言葉もうちらのなかではイントロに近い。いつか消えてゆく。  今日、学校の最上階の階段途中の立ち入り禁止の鎖をまたいで山下が屋上に向かったって聞いた気がしてわたしはそこへ向かっていた。なんとなく「トビウ

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【ピリカ文庫】紙飛行機を聴いている。

きりんが深夜のビル街を沙漠のように歩いていた。 ひとり取り残された終電の後、駅の照明がひとつずつドミノ倒しのように消えていくのを栞は、深夜喫茶の大きな鈍い光の窓から見ていた。 彼らは水をもとめてひたすら彷徨う。 都会のオアシスなんてもはやどこにもないことを知ったかのようにゆっくり歩く。 ペットボトルの底に残った雫を長い舌で掬おうとしてあきらめる。 酔っぱらった誰かがきりんを見上げながら、残りのペットボトルを差し出す。 いらない。あなたのはいらないですというように、その場

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村上心、若干縮んだ。

コンビニで燻製チーズを買った。 燻製にすると食べ物たちは若干縮む。縮むんだ。伸びはしない。この真理、嫌いじゃない。少し笑える。いきなりチーズが年取ったみたいで。 たとえば、こういうことだ。縮むという字を燻製にしたら、宿になるようなもんだと、心は思う。 自分の名前の村上心という名前も、いっそ燻製にしてしまいたい。村上という苗字を持ちながらモノを書いていると、それだけですみませんという気持ちになるからだ。レジはいつものパートのおばさんだった。 燻製チーズ食べたことありますか?って

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【秋ピリカ】わたしを束ねないでください。

ちいさな紙の束をたばねる。 ちいさな会社のちいさな資料だ。 失くしてしまったとして誰も困らないような そんなささやかな紙の束だ。 はじっこを出来るだけあわせて、ばらばらにならないようにカキンとやる。 紙がすこし分厚い時。 あの指にかかる微かなステープラーの圧力の中には、みえないぐらいの罪悪感が潜んでいる気がする。 紙を束ねているのにいつからかじぶんを束ねているように思ってしまう。 紙谷栞は、名の如くもはや紙なのだ。 名も知れぬ紙だから平気で誰かに束ねられてしまう。 佐伯

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ちいさな言葉の欠片たち(エッセイ)

あの日のあの言葉って、納得いかないんだけどとか。誰かが言ったちょっといいなって言葉を紹介しながら、まるで日常なエッセイや日記書いています。

お花を贈ってもらった夜のこと。

人生では節目節目に花が誰かの前に現われて その今までの生きてきた時間を寿いでくれる 瞬間がある。 誕生した時、入学したとき、卒業したとき 結婚したときや、子供が生まれたときや 退職した時などなど。 そして亡くなった時も。 わたしはふつうの人が歩んできた道を ほとんど何処かで踏み外して生きてきたようなところもある人間なので。 雨の降ってる日に傘を持っていなくて。 傘もささずに雨の中を歩くのも慣れっこで。 なんなら傘のないふりしても歩けるような 大人になってしまったけれど

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観る前のじぶんには戻れなかった、映画『正欲』。

映画館の光と闇のように。 あの闇の中でスクリーンのなかの光をみているように。 真夜中はわたしにとって、唯一自分を修復させる時間の始まりだと思っている。夜は闇なのだけど。その闇の中でみる光は、わたしにとって今や「Netflix」かもしれない。 今年の5月ぐらいに見た朝井リョウ原作の『正欲』 台詞に惹かれるなって思って、何度も書き留めるためにスマホの画面をポーズにしていた。 ふつうでありたい。ふつうであることで正気を保ちたい。もはやふつうにはたどり着けないと信じている広島の

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誰かの空がわたしの星空になってゆく。

夏にスラッシュが入ったみたいに秋の風を感じていた二日前。 夏の背中を見送りながら、かなり嫌わていたけど でも好きだったよ夏。 そんな気持ちにもなっていた。 毎年悪口いっては秋の始まりに夏に ずっとすきだったんだよ♪ って心の中で歌ってる。 わたしは野放図でずぼらなので、日々の決まり事 みたいなものに翻弄されながらも逸脱して 生きているのだけど。 最近は洗濯物を夜に干すという民になってしまって いる。 でもこれが、怪我の功名っていうのかなかなか よくって。 星空があまりにも

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美味しいの記憶の向こう側。

誰かの書いた文章は、その人の呼吸でなりたっているから。 そこに自分だけの呼吸をあわせていくのは、ほんとうは 難しい。 だけど時折、読んでいるだけでこちらの呼吸の癖と馴染みが よくて。読むたびに、柔らかく呼吸が整ってくるようなそんな 優しさに満ちた小説と出会うことがある。 創作大賞の応募作の感想文には間に合わなかったけれど。 わたなべますみさんのお仕事小説部門に応募された 『今夜オフィスでごはんを食べよう 』はわたしにとって まさにそんな風が吹いている小説だった。 大手

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【良い小説良い哲学】~「良い小説」と「いい話」を峻別しよう党

いい話が世の中溢れています。それはとても良いことだと思います。でもいい話と良い小説は違うのです。いい話は勧善懲悪の水戸黄門です。小説とは美を表現するもの。きれいな小説でもない。じゃあなんだ。それを追求するマガジンです。

982 本

【詩】大好きな死んだばあちゃんのアパートの富士山

般若心経をいつも唱えていたばあちゃん死んだ 俺たちがいくら一緒に住もうと言っても ただなぜだか優しくやさしく笑って 首を振っていたばあちゃん 覗いたら難しい漢字がいっぱいあって分からなかったから 「これどいういみなのばーちゃん」ってこどもだった俺が聞いてみたら 「そんなむずかしいことあたしゃ一生わからん無学やから」 自信満々にそう言っていたその自信が眩しかった 何も知らなくてもこんな風に何かを信じられるんだね こういう風に自分もなりたいな そしたら死にたいくらいの毎日がも

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弱いから強くなれると教えてくれた。

強いと弱い。 強くなくていいよと誰かに言って欲しくて ずっと生きてきたようなところがあった。 弱いと強いなら、わたしの担当は断然「弱い」にあると 思っていた。  だから、『強さの磨き方』という格闘技ドクターで いらっしゃる二重作拓也先生のご著書のタイトルに 出会った時に、すこし遠くから眺めていた。 じぶんにとって対岸にある書だと思っていた。 そもそもわたしは「弱い」のだから「強さ」にたどり つくまで百万年かかってもむりだって。  でもそれなりに生きてきて薄々感じてい

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ゆく河の流れ【『方丈記』に学ぶ】

と言ったのは鴨長明ですが、この時、彼はどのような河の流れを考えていたのでしょうか。というのも、日本の「川」は「河」ではなく、「滝」であると言う学者がいるからです。  三千メートル級の山脈から短い距離で海に流れこむ河の流れは、落差が激しく急流でせまいものです。船の安全な航行などはありえません。急流の川下りならいざしらず、日常生活で川の流れを利用している光景は思い描きにくいものです。ヨーロッパのライン河にせよドナウ河にせよ、国際河川とよばれるものはゆったりとした静かな水面を交易

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『存在と時間』を読む Part.1

 ご存じ、ハイデガーの『存在と時間』は20世紀最大の哲学書と言われるだけあって、これまで日本でも多くの訳本が出版されており、比較的簡単に手に取ることができる書物です。一般的に難解だというイメージがありますが、訳本も解説書もわかりやすいものがでていますし、読むことのハードルも下がっているように思います。  しかし、原文を読んでみる機会はなかなかないのではないでしょうか。ドイツ語だし、文章量も多く、読み通すのはちょっと大変...。さすがにそれは遠慮しようかな、という方もいらっし

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【WACK】ノートガルドの街【コラボ、PR、学びの場所】

街の説明はこちら。 https://note.com/wady0416/n/n82a39e37c248#HNGFa この街では、アカウントという船の大きさは関係ありません。全員船を降りてます。 誰もが気になる人に気兼ねなく話しかけ、気軽にコラボできる場所。 あなたもWACKの世界に遊びに来てください。 この町では、あなたが主人公。 あなたの色と、誰かの色を混ぜて、今まで見たことのない色を作りましょう。

343 本

朝露を弾きてけふの登校日

二学期だ。 いろいろな思いでこの日を迎える子どもたち、そして、先生。保護者の皆さんだって、思うところあるよね。 願わくば、全てのみんなに優しい一日でありますように。

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明日でnoteのつぶやき機能が終わります。 つぶやきといえばフリーザスタイル…

明日でnoteのつぶやき機能が終わります。 つぶやきといえばフリーザスタイル。 発起人の彼は今元気にしているだろうか。 https://note.com/doggie4020/n/n671cc05415d2

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フリスタが

できなくなる日が来るとはな

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サラリーマンクエストIII〜そして転職へ〜

現実という世界で、サラリーマンとして戦う、エンジニアの成長記録です。 1.レベル50になった〜敵が弱いと感じ、飽きてきた〜 同じ村に住み、同じダンジョンで戦い、なんだか最近飽きてきた。 仲間に不満があるわけではない、自分の成長を感じられないわけでもない、ただふと仕事が終わった時、このままでいいのか?と、急に虚しいキモチになることがある。 そんな時、頭によぎった言葉は、”転職”だった。 2.ビズリーチしてみた〜レベル50で別のパーティに誘われる〜 この島には、いくつ

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【いい話いい考え】~「良い小説」と「いい話」を峻別しよう党

「いい話」というのは、聞いていて本当に心温まるものです。そして「いい考え」とはある日突然日常生活の中にポッと浮かぶ生活の知恵が人生観にまで高まったもの。そんな珠玉の瞬間をコレクションするマガジンです。

290 本

◆朗読動画のご紹介・157本目〜村山籌子『いぬさん と おねこさん』

こんにちは♬  朗読家・朗読講師の小島香奈子です。 このページでは わたしの YouTubeチャンネル 『小島香奈子の朗読ライブラリー』   こちらに投稿した 朗読動画を、ご紹介しています♬ 🍀(๑❛ᴗ❛๑)🍀 今日 ご紹介するのは 昨年 2020年10月15日に投稿した 村山籌子の 親子で楽しめる作品 『 いぬさん と おねこさん 』の 朗読動画です♬ 🌸\(*´︶`*)/🌸 この作品は 青空文庫で、読むことができます…🍀 先日は 村山籌子の詩 《 あかい、

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『枕草子』の犬と猫を、令和の世で愛でて!涙を流した「翁丸」と天皇の愛猫「命婦のおとど」のぬいぐるみ

史実を暗喩しているという噂もある平安の犬と猫を、しがらみない令和の世で、心ゆくまで愛でるためのぬいぐるみを作ってみました。 みなさま、こんにちは! 歴史と読書が好きな、フェリシモ「ミュージアム部」プランナーのささのはです。 みなさまに質問です! 平安時代における超有名な文学作品と言われたら、何を思い浮かべますか? おそらく、紫式部の『源氏物語』と並び、清少納言の『枕草子』を挙げる方も多いのではないでしょうか? 以前ミュージアム部のグッズ「枕草子 四季のカーテンクロス」

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2023年 ~曼珠沙華~

#西沢千晶 #写真家  #ほりべえ #華道家 お陰様で毎日何とか過ごしております。m(__)m いつも給食をあげに行く「ハチローの森」にも、曼珠沙華が咲いていました。 大好きな曼珠沙華を撮影したいっ!!!の一念で カメラのシャッターを押すことが出来るようになりました。\(^O^)/ \(^O^)/ ほりべいの愛機は #SIGMAfp です。 では、どうぞご覧下さい。<(_ _)> これは、別の秘密の場所に咲いている珍しい曼珠沙華 晴れた日にまた撮影に行きました。

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胆力を鍛える!!グラウンディング力〜!!! YOGAをする事36

日々の思考はあらゆるメディアから流れてるく情報の渦に翻弄されていく。ネットを見る時間も増え続けている。 または、無意識の世界、高次元、情報空間などに意識を向ける時間が増えている人も多いであろう(ぼくも含めて)。 さて、頭でっかちにならないために 意識だけを見えない世界に持っていかれないように、鍛えるべきところがある。 (てつろーさんの記事、とても重要なので再掲💫💫💫) 丹田 臍下三寸。ヨガで言えば第一チャクラから第三チャクラの領域。 丹田を鍛えることで胆力が増す。 てつ

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誰かの美味しいを知るって嬉しい、東京駅グルメツアー。

美味しいって、ひとりでも嬉しいけれど リフレインしてくれる人がいると やっぱりその想いはふくらんでゆく。 それは他愛ない日常をそっと照らして くれる。 ほんとに照らしてくれるんです。 ということで、先週の土曜日にわたしは みずのけいすけさんのポストで知った グルメツアーに参加して参りました。 なんすか! このワクワクするお誘いは。 わたしは大阪人やさかいに、食い倒れ というこの一言にめっぽう弱い。 そして同時にこの人の顔が浮かぶ。 それは行かんとあかんやろ、行っ

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さびしくならないサラダを探して<第一話>

屋上植物園のようになった<天神屋デパート>の屋上には、半円型の舞台があって、その前にはベンチがいくつか置かれている。それは3列並んでいて背もたれに描かれたペコちゃんマークはすでに錆びていて、すごく末枯れた風情を醸し出していた。  雨ざらしのせいか、さびさびでペコちゃんはもうペコ姐さんって感じで、傷だらけの舌をたらりと垂らしたまま、ずっと屋上のベンチの背もたれにいた。  わたしはここに居るペコちゃんのことが嫌いになれない。ここで年老いていくペコちゃんのことが、まるでじぶんのよ

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ふたりになれない、ひとりとひとり。

ふたり。 ふたりは世界でいちばん最強だと 思っていた頃知ったフレーズがあった。 二人のためという言葉に酔っていた。 みんなとうまくいかなくても ふたりならうまくいくと思っていたわたしに とってふたりという単位は、最強だった。 寺山修司のこの言葉の中に甘いふたりを 傘の下にあてがって、にこにこしていた。 そこにじぶんを入れていたかもしれない。 でもそれがもろくも崩れてしまうのは それからほどなくしてだったけど。 たしかに最強だ。 上手くいっている時は、

175

瞬間の幸せを、つかの間の永遠にして。#創作大賞感想

幸せという言葉をどこか敬遠しながら暮らしてきた ところがあった。 偽善じゃなくて、好きな人は幸せでいてほしい。 ほんとうにそう思う。 悩みなんかから解き放たれてけらけらと笑って いてほしい。 身勝手だけどそう願ってる。 でもじぶんはどうだと訊ねてみれば、よくわからない。 幸せとは? えっと途方に暮れてます。 そうとしか答えられない気がしていた。 どれが幸せの形なのかわからないのだけど、近頃年齢を たっぷりと重ねて思うのは、幸せは瞬間でいいのだと。 永遠の幸せなんてあ

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さびしくならないサラダを探して<第一話>

屋上植物園のようになった<天神屋デパート>の屋上には、半円型の舞台があって、その前にはベンチがいくつか置かれている。それは3列並んでいて背もたれに描かれたペコちゃんマークはすでに錆びていて、すごく末枯れた風情を醸し出していた。  雨ざらしのせいか、さびさびでペコちゃんはもうペコ姐さんって感じで、傷だらけの舌をたらりと垂らしたまま、ずっと屋上のベンチの背もたれにいた。  わたしはここに居るペコちゃんのことが嫌いになれない。ここで年老いていくペコちゃんのことが、まるでじぶんのよ

132

共感って、ずっとわからないまま生きてきた。

ほんとうのことを言うのはちょっと こわいから。 みんなほんとうのことよりちょっと ずらしてほんとうのふりして 言ってみたりする。 それはある意味、世の中を生きる術の ように言われるけれど。 そういう一面もあるしわたしも時々 やっているとは思う。 でも 時々、自分の中でもここは線を引いて おきたいとか。 ここはこの線の付近にいても安全かも しれないとか、いろいろ考えることが ある。 どっぷりと何かに浸かるのが怖いって いうか。 去年の3月ぐらい

283

不器用な、自分とずっとつきあってる。

不器用だなって思う。 カッターナイフの使い方がどうも みていて危なっかしいとか、 お箸の持ち方がどことなく変とか そういうことじゃなくて。 人とひととの付き合い方みたいなもの。 昔短歌を書いていた時、ある編集者の方に 言われた。 あなたはなにか新しいことがあるごとに、 そのことに戸惑いを覚えて、戸惑っている ことさえ、その想いが表現できないところが あるでしょう。 それは悪いことじゃないけど。 私生活ではたぶんきっとあなたはずいぶん 損をしている。 そうじゃな

156

屋台のおじさんに、店番を彼とふたりで頼まれたときの話。

夏が終わって、秋も真ん中あたりになると 温かいものが欲しくなる。 今はほとんどいかないけれど。 昔、涼しくなると屋台のおでん屋さんで 少しおでんを食べてから、居酒屋さんに 移動するっていう、仕事帰りの夕食の ルーティンがあった。 大阪のミナミと呼ばれるオフィス街の一角が おじさんのおでんの屋台の定位置だった。 その時、付き合っている人に連れて行って もらったのだけど。 屋台は初めてだったから、屋台デビューの時 とても緊張していたのを覚えている。 コー

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言ノ葉

ゼロの紙さんとこれでも母の共同マガジン。 『言葉』について、気付きや感じたことを書いて、集めてみました。

61 本

できること💗

大みそかは毎年、 『0655-2355』のスペシャルを子どもとみています。 今年も安定の面白さでニコニコしながらお正月を迎えていました。 『たなくじ』もめっちゃいい引きでした(ヘッダー参照)。 まさかその元旦に、 実家のある北陸地方で大幅な地震があるとは。 翌日の羽田空港の飛行機事故も胸が痛みました。 お願いがあります。 心が滅入ってつらい時は、 無理してショッキングな映像はみないようにしてください。 つらい思いで心がつぶれないように、 まずは、自分で自分を守って下さ

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現実とか心とかすきとかきらいとか、でもありがとうの2023年でした!

今年もおわってゆきますね。 公私ともに色々ありました。 とくに下半期はなんだんねんって いうぐらい試されました。 紅白にちょうどAdoさんが登場してます。 ほんとうにうっせーうっせーうっせーわ みたいなこともあったのですが。 でも沈みそうになるそのたびに色々な方に支えてもらいながら今日大晦日を迎えることができました。 ありがとうございます。 今日の朝書いた記事でもひとつの言葉を紹介 してますが。 ありがとうと言ってる時は不安は遠のくんですね。 今年はnoteで言え

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忘れられない言葉~「不安と感謝は同時に感じられない」。

じぶんの中に降り積もった言葉はいつのまにか、降り積もっていたことさえ、忘れてしまって、心の底で眠ったままだったりする。 でも、こんな忘れっぽいわたしでも一度聴いたら、忘れられない言葉というのが幾つかあってそのトップにあがるフレーズを今年は何度も思い出していた。 わたしは瞬間的にしょっちゅう不安になっておろおろするタイプなのだけど。 不安な時って、やってくるかどうかもわからない不安のことばかりに気持ちが注がれている。 そのことを止めたいと思っていた頃。 『ほぼ日』の糸

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いちばんすきな花、すきなものを言葉にすることの難しさ。

ショートケーキのてっぺんのいちごは 一番最後に残しておいて、土台にも載って いないいちごを食べるのが好きだった。 後からいちごを食べることをすきな、 わたしのことを知っている弟に、 それちょうだいって言われてダメって 言えなくて、すきだったいちごを 食べられなかったことも たくさんあったけど。 わたしのなかでは、わたしのいちごが 待っていた。 そんなショートケーキみたいにいつも 好きなものにはたどたどしくても言葉を 尽くしたいなんて思うから、つい後回しに なってしまう。

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