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新人コンサルタントがファーストアサインで全社改革案件に参加してみた
入社して3カ月で戦略・人事・業務・ITやら全てをカバーしなければならない案件に参画し、AIを過信して痛い目を見た話
目次
はじめに
当サイト運営会社(コダワリ・ビジネス・コンサルティング)に第二新卒で入社した社会人2年目の、まだピカピカのコンサルタントである私が初めてプロジェクトに参画した体験について書きます。
今の時代、新人コンサルタントにとってAIを活用しながらリモート環境で働くのは当たり前かもしれませんが、テクノロジーに頼りすぎて盛大に空回りした失敗談をお伝えします。読者の皆様にとって、反面教師として少しでも参考になれば幸いです。
案件基本情報
- クライアント: 再生可能エネルギー企業
- プロジェクト概要: 全社改革(企画フェーズ)
- ポジション: メンバー(新人ですので当たり前ですが)
- 体制: 他3名は全員M upレベル
ご覧の通り、新人1人に対して百戦錬磨のマネ以上が3名という、取り組み難度とプレッシャーの高さを示す凄まじい布陣でプロジェクトがスタートしました。
クライアントとのやりとりは基本リモート…
私のイメージする“コンサル”というと、クライアント先に常駐、もしくはオフィスを行き来しながらホワイトボードを囲んで喧々諤々とするイメージだったのですが、企業によっては現在もリモートワークが標準。今回のプロジェクトでは、クライアントとのやり取りも基本的に画面越しで行われると聞き、参画前から ( ゚д゚) ←こんな顔になりました。画面越しでベテラン勢のスピード感についていけるのか、一抹の不安を抱えながらの滑り出しでした。
会議内容を「わかったつもり」になって絶句
案件参画の2日前、お勉強がてらということで、まずはプロジェクトの週次定例ミーティングに参加させてもらいました。
最初はお客様の言っている専門用語が理解できず、
「MVV?」「UFOや中継って何?」「ワークフォースマネジメント?」
と頭の中はハテナだらけ。しかし、現代には生成AIという強い味方がいます。私は裏でAIを使ってリアルタイムに専門用語を検索させ、会議全体の要約をディスプレイに表示させていました。
会議直後は、「よし、AIのおかげで全て理解できたぞ」とホッと胸をなでおろしていたのです。しかし、ミーティング直後のラップアップで、シニアマネージャ(シニマネ)から不意にこう問われました。
シニマネ: 「で、君。今の議論を踏まえて、クライアントの本質的な課題は何だと思う?」
私: 「……えっ(絶句)」
私は、AIが生成した表面的な要約のテキストを眺めていただけで、クライアントが言葉の裏ににじませていた本当の悩みや、文脈を全く汲み取れていなかったのです。
上司からは「AIの結果をただ眺めているだけなら、君が会議に出る必要はないよ」と厳しく指摘されました。「会議で発言してバリューを出す」なんてことはもってのほか、会議内容を自分の頭で解釈することすらできていなかったと痛感しました。
それ以降は、AIはあくまで補助ツールであると認識を改め、一般的なビジネス用語はもちろん、クライアント独特の語彙や言い回しを必死にノートに書き留め、自力でキャッチアップしていきました。2週間ほど経つと、不思議なことにそれらの言葉が自分に定着し、自然に会話ができるようになっていきました。
タスク1:AIが作ったスライドの「中身」は空っぽ
プロジェクトに入って2週間程経った頃、クライアントとの会議で使う資料の作成をお手伝いすることになりました。
上司からの指示はこうでした。
「今回の取り組みでは、現場の視点、経営層の視点、第三者としての我々コンサルタントの視点の3つを踏まえ、会社としての課題を抽出した、ということを伝えるスライドを1枚作ってほしい」
明確な目的をもらった私は、内心「目的さえ明確ならAIにプロンプトを投げれば余裕だぜ、ヒッヒッヒッw」と澄まし顔で一人取り組んでみました。瞬時にAIが生成してくれた、見栄えの良い小綺麗な構成案と図解をそのままスライドに落とし込み、自信満々で提出したのです。
ところが、上司の反応は冷ややかなものでした。
「形は綺麗だけど、中身が空っぽだね。これじゃ何も伝わらない」と一蹴されてしまったのです。
AIが吐き出したのは、どこかの教科書に載っているような一般論だけで、今回のクライアントが抱える生々しく泥臭い課題が一切反映されていませんでした。どんな絵を描けば本当の意味で伝わるのか分からず、私は情けなくギブアップすることになりました。
悔しさに打ちひしがれていると、シニマネが「こんなんできて当たり前でしょ」と言わんばかりの速度でホワイトボードの前に立ち、サッと描くべき図の構造と、なぜこの形で表現するべきかという理由まで踏まえて教えてくれました。ベテランコンサルの「思考を構造化して伝える力」は本当に圧倒的で、短時間でチャピーンっと理解できました。その時の教えは、今でも資料作成をする際の大きな土台となっています。
タスク2:AIの推奨ツール vs 最強のエクセル
次は、クライアントからの要望を受け、リモート環境下で有用なプロジェクトの日程計画・進捗管理ツール(WBSツール)の候補を選定するタスクを貰ったときの話です。
ブランニューな私は、ここでも生成AIをフル活用し、「最も効率的で革新的」とAIが太鼓判を押した最新のSaaSツールをピックアップしました。AIのロジックに裏打ちされた完璧な比較表を作り、「高スペック!最新技術!デザインが秀逸!」という基準でドヤ顔の提案をしたのです。
しかし、その資料を見たシニマネに、冷徹なトーンで言われました。
「運用を見据えた選定ができていないねぇ……」
私はその一言で完全に沈没しました。実は、WBSの実行・運用開始までにスケジュールは「1ヶ月」しか残されていませんでした。私はその前提条件を完全に軽視していたのです。
時間が限られている中でのツール導入において、最も大事なことは「最新かどうか」ではなく、「現場の人が迷わず使えて、すぐに導入できるか」です。どんなに優れたツールであろうと、プロジェクト開始までに現場に浸透しなければ何の意味もありません。導入工数や、クライアント企業の社員への研修コストなどを踏まえると、結局「それなら使い慣れたエクセルでやりましょう」という結論になりました。
学生目線や最新トレンドへの憧れが抜けていなかった私は、感情論で「今さら古臭いエクセルなんて使いたくないな」と思ってしまっていた節がありました。しかし、実運用を見据えたビジネスライクな考え方を学ぶと、エクセルというツールが如何にパワフルで、汎用性が高く、現場にとって優しいものなのかを思い知らされました。(ちなみに、AIの比較評価ではエクセルは低評価でした。AIの正論が、現場の最適解とは限らないのですね。)
なんとか企画フェーズを乗り切った!
このように、毎日ついていくのでやっとでしたが、超豪華なM up体制のおかげもあり、プロジェクトは無事に企画フェーズを終え、実行フェーズへと移ることができました。
私は最終的に、実施計画書やWBSの枠組みの一部を作らせていただきました。自分が作った枠組みに従って、ベテランの方々とクライアントが協力して中身を埋めていき、実際にプロジェクトが動き出していく。この過程を新人のうちから生で体験できたことは、大きなモチベーションになりました。と同時に、自分の作ったものが実際に運用されるということは、それだけ責任が重いのだということを身をもって実感しました。
リモートにおけるコミュニケーションとまとめ
デジタルネイティブとしてリモート環境には慣れているつもりでしたが、ビジネスにおけるリモートはやはり独特の難しさがあります。
対面ならデスク越しに30秒で聞けるような些細な疑問も、テキスト化してチャットを送り、相手のスケジュールを確認してオンライン会議を設定しなければならないのは、想像以上にエネルギーが必要でした。
とは言え、私以外の方々はリモートだろうが何だろうが当然のようにプロジェクトを成功に導いており、「リモートだからやりにくい」と言い訳しているのは、単に自分のスキルが足りていないからだと自問自答する日々です。
ただ、本音を言うと、お客様やチームの皆様とのリアルな飲み会なども楽しみにしていたので、それが少ない現状は心理的距離を感じて純粋に寂しくもあります。本来、私は対面のコミュニケーションや飲み会の席で真のパフォーマンスを発揮するタイプ(自称)ですので、それは今後のプロジェクトの秘密兵器として、温めておこうと思います。
初アサインでAIの限界とコンサルの泥臭さを知り、日々さまざまなことを吸収している、伸び代しかない私でした。
[v114]
執筆者
- コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
-
20卒ブランニュー、無駄な発言が多い、的を外した発言に定評がある。ドMでシバかれるのが好き。
好きな言葉は「大体OK」。大体OKと言ってシバかれるのがここ数カ月のトレンド。
執筆者
- コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社
-
20卒ブランニュー、無駄な発言が多い、的を外した発言に定評がある。ドMでシバかれるのが好き。
好きな言葉は「大体OK」。大体OKと言ってシバかれるのがここ数カ月のトレンド。



















