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創作 140字の物語 by 神田澪
@miokanda
140字の物語を日々お届け🌱 | 作家・作詞家 | 著書『最後は会ってさよならをしよう』『最後は笑ってさよならをしよう』『私達は、月が綺麗だねと囁き合うことさえできない』『すべての季節に君がいて』『恋はいつも少し足りない』| TikTokで動画配信中 | 詳細はHPへ
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Joined February 2015
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    覆面バンドのギターを担当していた。出した曲は売れに売れた。けれど人気絶頂の中、まさかの余命宣告を受けた。今は別のギタリストが僕の仮面を被って演奏している。ファンは誰一人気づかなかった。静かすぎる病室でスマホを眺める夜。しつこかったアンチの一人が、弾き方が違うとネットに書いていた。
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    「別れたい時は一ヶ月以上前に報告してね」「会社かよ」変な彼女だ。心の準備が要るらしい。笑い飛ばしていたのに、他に好きな人ができてしまった。二年目の冬。別れようと言ってから、僕らは懐かしい場所を巡った。大切な話もした。一ヶ月後、彼女はさよならと手を振った。僕とは違い吹っ切れた顔で。
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    初デートでファミレスに行ったら振られた。金銭感覚が合うか試したかったが、やはり駄目か。「はあ。結局カネか」僕の呟きに、職場の後輩はムッとしていた。「人によりますよ。試しに私とデートしてみますか?」疑う僕は再びファミレスに連れていった。後輩は言った。「普通に話がつまんなかったです」
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    同棲中の彼はほとんど家事をしない。ありがとうと一言伝えてくれるならまだしも、それすらない。脱ぎっぱなしの服を見てため息が出た。離れるべきか。そんな時、偶然SNSで彼の裏アカを見つけた。「いつも彼女が家事やってくれてて感謝」それを見て私は決心した。別れよう。私に言わなきゃ意味がない。
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    たばこはやめたんだ、と君は飲み会の席で言った。新しい彼女の影響らしい。私や友人達が何度禁煙を勧めても駄目だったけれど、ようやく重い腰を上げたようだ。「やるじゃん」と褒める私に君は「ごめんね」と小声で言った。その声の温度で、このままやめないなら別れると泣いた夜を思い出してしまった。
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    今夜別れようと告げるから、夕飯はいつもより時間をかけて作った。最後に感謝の気持ちを形にしたくて。玄関のチャイムが鳴る。靴を脱ぎネクタイを緩めた彼は「俺の好物ばっかりじゃん」と目を輝かせた。「そうなの。それでね」何も言えていないのに涙で前が見えなくなった。もっと上手に別れたかった。
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    「絶対開けないでね」彼女は僕に封筒を渡して言った。「私のどこが好きか分からなくなるまで」春、彼女は地元を離れた。お互い初めての遠距離恋愛。新鮮だった夜の通話は、すぐ物足りなくなった。僕は冬が来る前にあの封筒を開けた。中のカードにはこう書かれていた。『最後は会ってさよならをしよう』
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    「奥さん、浮気してなかったですよ」探偵事務所に来た男性は、私の言葉を聞いて安堵の表情を浮かべた。「よかった。僕の思い過ごしだったんですね」調査費を払い、男性は帰っていった。事務所の窓から彼の嬉しそうな後ろ姿が見える。奥さん、本当にいい人でしたよ。あなたの倍、出してくれましたから。
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    『あと少しで家に着く』彼からのLINEを受け取り、私は料理の手を止めた。今日はスイーツが欲しい気分だ。『プリン買ってきて。かための』そうメッセージを送ると、すぐに返事が来た。『もう玄関の前だわ。付き合いたての頃なら、戻って買ってたかも笑』帰宅した彼はプリンが入ったレジ袋を持っていた。
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    彼氏と別れてスッキリした。何度も泣いて喧嘩をして、けれど最後は離れる覚悟を決めた。彼好みの長い髪を切って一人旅へ。旅立ちの朝、昔のように濃いメイクをしようとして、手が止まった。ナチュラルな色のコスメしかない。使い慣れた桜色のリップを伸ばす。鏡に映る私は、まだ彼の色に染まっていた。
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    ラブレターの代筆をした。手紙で告白したいが文章に自信がないという友人のため、便箋三枚を文字で埋めた。本当は代筆なんて良くないかもしれない。けれど家族と同じくらい大切な友人だから断れなかった。告白は成功。「一途な思いが伝わった」と言われたらしい。当然だ、私も同じ人を想っているから。
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    最近彼が冷たい。いつも私に隠れるようにスマホを見ているのが、気になって仕方なかった。雨音の聞こえる夜。気がつくと、彼が置き忘れたスマホに手を伸ばしていた。検索履歴には「彼女が喜ぶ旅行」の文字が。外出から帰ってきた彼は、私を抱きしめながら言った。「そういえば、来週友達と旅行なんだ」
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    好きだけど別れることになった。いつものカフェで、いつもの料理を頼んで、お互いにプレゼントを返した。君からは鍵を。僕からは腕時計を。最後に君が渡したのは、ボロボロの紙切れだった。貧乏な頃に作った、何でも願いを叶える券。「友達に戻ろう」君をそんな風に泣かせるための券じゃなかったのに。
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    彼氏との初デート。私は思いきって長年の夢を語った。「私、彼氏ができたら一緒にボートに乗りたいと思ってたの」夕焼けに染まる湖の上に二人。ベタだなあと呆れられるかと思ったのに、彼はぱあっと目を輝かせた。「俺もすごい興味あったんだよね!」週末、彼と私は荒れ狂う急流を小型ボートで下った。