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Ippei Oshida
@ippei_oshida
MIMIGURI所属のファシリテーター|越境コミュニティ運営|横浜在住|関心:組織開発、オープンダイアローグ、当事者研究、ナラティヴ・アプローチ、パフォーマンス心理学、コ・デザイン、生活史、人類学、哲学対話、男性学、発達障害など。映画好き。
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    2月5日から7日、青山スパイラルにて、『 と、 と、 と展  Hondaと考える“人と技術の関係性”』というイベントを開催します。 Honda社員の展示や発表を中心に、トークセッションにワークショップなど、コンテンツが盛りだくさんなので、興味のある方はぜひ遊びにください。
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    息子が小さかった頃、「は」に点々をつけると「ば」になるということが、何度教えても理解できなかった。「か→が」や「た→だ」の対応関係はきちんと理解しているのに、なぜか「は→ば」だけが理解できない。「『は』に点々をつけると何になるかな?」「う〜ん、わかんない」の繰り返しだった。
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    みんな本が崩れたと言っていますが、うちはなんとか大丈夫でした。やっぱり本棚は天井つっぱり型が安全だと思います。あとおすすめなのは、図書館でも使われている3Mの落下抑制のすべり止めテープ。これ貼っておくと本当にびくともしません。自分は腰より上の棚には全て貼ってます。
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    今回の話はこちらの本から学ばせて頂きました。他にも、「かににさされてちががでた」や「これ食べたら死む?」といった子供によくある言い間違いが分析の対象になっています。むちゃくちゃ面白いのでぜひ読んでみてください。
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    我々大人は、子供の合理的思考能力をあまりに甘く見すぎているのかもしれない。彼らは彼らの意味の世界で、彼らなりの合理性を駆使して生きている。「子供だから間違えたのだろう」と大人はすぐに判断してしまうが、今回のケースのように、大人の世界の矛盾に子供だけが気づいていることも多い。
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    これはぜひ自分で順番に発音しながら口の中の動きを確かめてもらいたいんだけど、「か→が」「さ→ざ」「た→だ」と発音する時に口の中で起こっている動きと、「は→ば」と発音する時に口の中で起こっている動きが、まったく異なることがわかると思う。
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    数年後、たまたま読んでいた言語学の本に、この謎の答えがすべて書いてあった。結論から言うと、間違っているのは大人の方だったのだ。
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    しかし、「は→ば」だけは、「無声音→有声音」という対応関係が成立しない。ここはまた発音しながら確かめて欲しいんだけど、「は→ば」の切り替えは、喉の奥の震えの有無ではなく、唇の動かし方の変化によって行われている。つまり音声学的には、「は→ば」の発音だけまったくルールが異なるのだ!
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    よって、音声学的な観点で言えば、「『は』に点々をつけると何になるかな?」という質問の答えは、「わからない(そんな音は存在しない)」が正解になる。つまり息子の答えは正しかったのだ。
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    ちなみに「ば」と対応関係にあるのは「ぱ」らしいです。つまり音声学的には「ぱ→ば」が正しい対応関係になるということ。こんなのたぶんほとんどの大人が知らないし、気づけないですよね。
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    息子はきっと「か→が」や「さ→ざ」の時に使った「無声音→有声音」の切り替えの法則をきちんと理解しており、その法則を「は」にも当てはめた。しかし、「は」を濁音化することができなかったため、「わからない」と答える、という推論の仕方をしたのだろう。そう考えると完璧に合理的な回答である。
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    大人達は「は→ば」という日本語のルールを前提として生きているため、そこに発音的な差異があるなんてことにもう気づくことができない。知識を習得するということを、我々はなんとなく知が増えることだと信じているが、一つのルールに順応することは、同時に何か別の知を失うことなのかもしれない。
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    音声学的には、点々をつけることは「濁音化」と呼ばれており、「無声音(喉の奥を震わせずにする発音)」を「有声音(喉の奥を震わせながらする発音)」に切り替えることを言うらしい。つまり、「か→が」「さ→ざ」「た→だ」はそれぞれ「無声音→有声音」という同じ対応関係が成立している。
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    「それってあなたの主観でしょ?」なんて言われるように、主観は劣ったものであり、客観は優れたものだと一般的に思われているが、どうして主観の地位はここまで堕ちてしまったのだろうか。今どんな気分なのか、私は何に意味を感じるのか、そうした自分自身の主観にもっと自信を持った方がいいと思う。