「NTT、辞めました。」ー退職ブームに沸くNTTを中の人が考察してみたー
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最終更新日:2026年1月15日
記事公開日:2018年12月17日
- 本記事の構成
- ・メリット1:いい人が多く、クビにならない
・メリット2:「ホワイト企業」の代名詞
・メリット3:世間で言う安定性は抜群(と思われる) -
「なぜ、辞めるのか」ーNTTで働くデメリットー
・デメリット1:効率性・スピード感の欠如
・デメリット2:給与には満足していない社員も一定数いる
・デメリット3:夢ある仕事?でも実際は... - 優秀な人が日系大企業を抜けているのは、何もNTTに限った話ではない
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退職エントリーを読む際に注意すべきこと
・注意点1:退職しない人は退職エントリーは書かない
・注意点2:そもそも、NTTグループ各企業を "NTT" と一括りにして考えることが間違っている
・注意点3:「大企業に勤める=スキルが身につかない=自身の市場価値が下がる」とは思って欲しくない - 最後に:NTT退職エントリーブームが就活生に示唆しているものは何か
メリット1:いい人が多く、クビにならない
総じてすげーいい人が多いです。コミュ力重視の採用を長年続けていることもあり、日本語が適切に通じて、かつ人もいい人が多い気がします。
良く言えば草食男子、悪く言えばキレが無い、ガツガツしていないという...
場合によっては「成果なんて出したことがない!」と思う人もいるかもしれません。
メリット2:「ホワイト企業」の代名詞
就職活動の場で "NTT" と言われると、ホワイト企業のイメージをまず真っ先に抱く方も多いと思います。『「裁量が大きい」「風通しのいい」会社とは何か?就活界の5つのマジックワードを徹底解説』でも述べ...
○実際に学生時代に取り組んできたことや志望動機につながるきっかけとなった出来事
○どんなことをしたいのか、自分が入社することによって会社にとってどんな風に役に立つのか
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。志望動機は、HPに書いてあることや会社説明会で人事が言っていたことをただ言うのでは薄っぺらいですし なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○○会社訪問などであった印象的な出来事
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。
メリット3:世間で言う安定性は抜群(と思われる)
「ホワイト企業」と並んで就活生が話題に挙げる話として、その企業の安定性、すなわち潰れにくいかを気にするケースは多い印象です。元々は三公社の一つの国策企業として発足したNTT。長年日本の通信インフラを...
それに対して学生のほとんどは「いえいえ全然待ってません。」「私も55分に着いたので大丈夫です。(実際の面接開始の5分前)」、人事の人に気遣う人もいると思いますが、それは罠だと思っていただいて結構です。人事が予備に来た時から面接は始まっています。 大手企業になってくると面接の際、大きな部屋に何十人も待たされ、人事の方が呼びに来ることがあります。皆さんはどうしますか?
いきなり言われるので緊張のあまり、人事の人に気遣う人もいると思いますが、
「なぜ、辞めるのか」ーNTTで働くデメリットー

このように、NTTで働くうえでは様々なメリットがある一方で、当然これだけの退職エントリーが出ている分デメリットも存在します。
デメリット1:効率性・スピード感の欠如
NTTの社内システムは非常に使いづらい印象を受けます。末端までセキュリティ施策を推し進めるのは結構ですが、全体最適化のために推し進められた施策が個々の部署の生産性を大きく押し下げているケースが多々あ...
また私の個人的な意見としては報道だけでなく、実際に自分の足を使って社員と会い、社風や企業の方向性感じとっていくことが重要だということを述べておきたいと思います。 かつては総合商社を滑り止めにしてメガバンクを目指す学生が多かったように。
実際に自分の足を使って社員と会い、社風や企業の方向性感じとっていくことが重要だということを述べておきたいと思います。
デメリット2:給与には満足していない社員も一定数いる
就職活動におけるNTTグループの代名詞として挙げられるのが、「まったり高給」という言葉。しかし、「NTTコミュニケーションズの社員が伝えたい6つの真実」でも触れた通り、「まったり高給」とは「まったり...
場合によっては「成果なんて出したことがない!」と思う人もいるかもしれません。
デメリット3:夢ある仕事?でも実際は...
貴社がこれまでに築いたネットワーク技術や膨大な顧客基盤を活かして、今よりも人のつながりが強い社会を実現したい。私の強みである【組織の足りない部分に気づく力とそれを埋めるための行動力】を活かして、隠れ...
○実際に学生時代に取り組んできたことや志望動機につながるきっかけとなった出来事
○どんなことをしたいのか、自分が入社することによって会社にとってどんな風に役に立つのか
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。志望動機は、HPに書いてあることや会社説明会で人事が言っていたことをただ言うのでは薄っぺらいですし なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○○会社訪問などであった印象的な出来事
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。
優秀な人が日系大企業を抜けているのは、何もNTTに限った話ではない

これまでの内容から、「安定した日系大企業」の典型例とも言えるNTTグループにも、実際に働くとなると様々なメリット/デメリットがあることは認識していただけたかと思います。
しかし、NTT退職エントリーブームである現在では、あたかもNTTグループだけで人材流出が加速しているかのように思われるかもしれませんが、このことは日本社会全体にある程度共通している傾向だと考えています。
この記事のように、現在新卒就活の最人気業界と言ってもいい総合商社でさえ、優秀な若手の離職率増加に危機感を覚えているということです。
先ほど「解雇規制が強く、会社に所属しているだけでそれなりに役職が上がったりする→相対的に雇用が安定していて良い」といった話をしましたが、裏を返せばこれは優秀な若手にとって画一化された報酬・雇用体系による大きな機会損失となる可能性を含んでいると考えることもできるでしょう。
新卒一括採用・終身雇用といった日本型雇用慣行が徐々に薄れていく現代において、優秀な若手社員にも雇用の流動化の波が少しずつ押し寄せてきているように感じます。
ある意味日系企業の縮図とも言えるNTTグループでそれが顕在化するというのも不思議な話ではなく、今回はたまたまNTTグループで退職エントリーとして連続したからブームのように語られているだけだと考えています。
意思決定の遅さ・非効率性・解雇規制といった先述した話の多くは多くの日系大企業にも当てはまるものでしょう。
NTTを特に志望していない方でも、現代のキャリア論のある種一つの象徴として今回の一件を捉えていただければと思います。
退職エントリーを読む際に注意すべきこと

さて、今回のような退職エントリーブームとなると、何だかNTTグループ(もしくはそれに代表されるような大企業全般)は辞めることこそが正義であり、残る側の人間=能力が無く企業にしがみつくことしかできない人のような見方をする方も中にはいるかもしれません。
しかし、特に就活生の皆さんにとっては、このような考え方については注意が必要です。
注意点1:退職しない人は退職エントリーは書かない
至極当たり前ですが、案外見落としがちな観点だと思います。
退職せずに企業に残る人は、退職エントリーに限らずわざわざ自身のキャリアについてWeb上であれこれ語る割合がぐんと下がります。
世界史の分野でも「歴史上のほとんどは成功者の体験により出来ている」といった指摘がありますが、Web上の世界では「大企業を辞めた人」の方が自身のキャリアについて語る割合は高いと言えます。
「ひとまず大企業に就職して長期間勤め上げる」というキャリアがまだまだ一般的なモデルケースとしてみなされている現在では、"普通ではない"(と多くの人に思われている)キャリアを歩む人の声が多く発信されるのは自然なことだと考えています。
また、実際にNTTグループ・大企業を退職した人の中でも、退職したことに後悔している人が退職エントリーを書くケースは稀だと考えられます。
就活生の皆さんには、退職エントリーには生存者バイアスだけでなく、"退職者バイアス" のようなものがかかっていることをくれぐれも忘れないでいただきたいと思います。
もちろん、この方のように「残った側の人間」が情報発信をするケースはゼロではないのですが...。
注意点2:そもそも、NTTグループ各企業を "NTT" と一括りにして考えることが間違っている
巷で出回るNTTグループの退職エントリーですが、そのほとんどは辞めた先を "NTT" と表記するだけで、NTTグループのどの企業を辞めたか明記されていないケースは多い印象です。
もちろん、NTT本体(=日本電信電話)について述べた退職エントリーもありますし、中の人からすればどの企業について言っているかほぼ特定できるものも存在します。
しかし一方で、先述したメリット/デメリットはNTTグループの全体的な傾向ではあるでしょうが、結局は各個別企業ごとに、更にはその中の部署ごとによって実態は異なります。
私自身、先述したメリット/デメリットは6つ全て基本的に共感できる内容ですが、隣の部署の同期は連日残業続き・向かいの部署の同期は短い期間で案件を回すスピード感のある(ありそうな)事業に従事といったように、結局は行き先次第で待遇や仕事内容は大きく異なります。
そのため、900社超の企業を含むNTTグループを一括りにして「NTTの退職ブーム」とされるのは個人的には若干の疑問が残ります。
注意点3:「大企業に勤める=スキルが身につかない=自身の市場価値が下がる」とは思って欲しくない
先ほど「他企業では通用できない狭い世界のスキルが評価される」と述べたように、NTTグループの企業に勤めていると社内でしか通用しない知識で評価されるケースも多く、その後のキャリアの選択肢を広げるには適切とは言えない環境に遭遇する確率が高いのは事実だと思っています。
こういった話をすると、「スキルが身につかないような上から降ってくる仕事をただただこなすだけだから大企業はダメなんだ。やっぱり今の時代ベンチャーに就職すべき。」といった論調を時おり耳にしますが、就活生の皆さんは本件については慎重に考えるべきです。
「大企業」や「ベンチャー」をそれぞれ一括りに語るべきではないというのは前提に、ではベンチャーだったら本当にスキルが身につく可能性が高いと言えるのでしょうか。
例えば企業体力がないベンチャー企業では単純に一人当たりがこなすべき業務量が多く、目先の業務を終わらせることに集中してしまう一方、稼働に余裕がある大企業の方が手厚い研修や業務外の時間を活用したスキルアップの機会が多いという考え方もできるでしょう。
また、大企業の場合は最悪身動きが取れなくなっても「居続ける」という選択肢が取れる可能性が高いことは現実問題として優位性の一つでしょう。特にNTTグループの場合はジョブチャレンジというグループ他社への転職という機会も設けられています。
もちろん、転職市場では「年齢」というのも一つの重要な評価指標になりますので、数十年同じ企業に勤めた後でのキャリアチェンジは困難であることが多いのは事実です。
一方で、伊藤忠商事を退職し起業という典型的な大企業を「辞めた側」の人間であるunistyle創業者の樋口も、新卒では大企業に就職したことが結果的に自身の市場価値を高めた一要素となったことを指摘しています。
転職活動では日系大企業もいくつか受けて、起業して売却までたどり着いた経験ももちろん評価されたんだけど、同様に新卒で伊藤忠という大企業で3年半過ごしたことも評価されてるように感じた。大企業の組織、仕事の進め方に対するある程度の理解を求めているんだろうと思う。
— Kotaro Higuchi (@happytarou0228) 2018年6月28日
最後に:NTT退職エントリーブームが就活生に示唆しているものは何か
長々と書いてきましたが、結局この記事で言いたいことは「
「自分のモノサシでキャリアを考えろ」という話は直近の記事で何度もしており、「またか」と思った方もいらっしゃるでしょうが、それだけ繰り返すほど今の時代では大切なことです。
もちろん株価や業績が、説明会開催などの採用にかける費用に影響するためという考え方も出来ますが、世の中の「空気感」といったものを感じ取っているように思います。
トヨタがリコールの対象になるといった話がでると反射的に人気ランキングが低下するといったことが起きています。
世の中の空気に敏感というと聞こえはいいのですが、自分自身の企業選びやキャリアに対する考え方がしっかりしていないために世の中の流れに翻弄されてしまっているとも言えます。
参考:10年前は東電・シャープに入社した人は勝ち組だった
東京電力やシャープといった大企業でも大きく業績を下げた時期がありました。就活生の最人気業界である総合商社でさえ、「商社の冬の時代」と呼ばれる時期を乗り越え現在の地位まで上り詰めました。
いつかは、NTTグループにもこういった苦しい時代が訪れるのかもしれません。
人生一度しか使うことができない "新卒カード" 。
『あなたは』それをどのように使い、どのようなキャリアを歩んでいく将来を描きますか。







