有益な少子化議論のために、「巨人の肩」に乗ろう
はじめまして、人口学者の茂木良平です。
これまでイギリスのオックスフォード大学をはじめ、5カ国の研究機関に所属し、少子化を専門に研究してきました。現在はスペインを拠点に、研究を続けています。
大学での研究だけでなく、自治体の政策アドバイザーや企業との協働を通じて、「研究 × 政策 × 発信」を軸に、少子化課題の理解と改善に取り組んでいます。

なぜ、少子化の議論はいつも「混乱」しているのか
少子化や人口減少課題は、広く認知されているものの、議論が混乱しやすいです。その理由の一つは、人によって前提となる知識や問題設定が大きく異なることです。たとえば、
少子化=人口が減ること、だと思っている
若者の価値観の問題だ、と考えている
地方に残らないことが悪い、と感じている
このように基礎知識が足らない、あるいは前提がズレたままでは、どれだけ議論しても、政策を考えても、有益な方向には進めません。
もう一つの理由は専門知の軽視です。少子化や人口減少は、誰もが当事者であり、誰もが意見を持てるテーマです。だからこそ、経験論や感情論が先にきてしまうことが多々あります。
個人の経験や意見はもちろん重要ですが、データ分析からしかわからないことも多々あります。データ分析に基づく社会の全体像を把握した上で、個人的な体験や理解を上乗せすることで、事象の理解が深まります。
これに拍車をかけるように、非専門家が専門家然として、少子化・人口減少課題を語ることも少なくありません。だからこそ、正確な基礎知識の土台作りが今強く求められていると感じています。
「巨人の肩」に乗って、議論の解像度を上げる
そこで、少子化や人口減少という課題について、社会が同じ方向を向いて議論するための「知識の土台」を整えることが必要だと考えます。
ここで言う「知識の土台」とは、私自身の意見や持論のことではなく、データに基づいて蓄積された研究知見のことを指します。研究知見を参照することを「巨人の肩に乗る(Stand on the shoulders of giants)」といいます。
これはニュートンの有名な言葉「私が遠くを見渡せたのだとすれば、それは巨人の肩に乗っていたからだ」からきていると言われています。私たちは、ゼロから考える必要はありません。すでに存在する膨大な研究成果=つまり「巨人の肩」の上に立つことが大事です。
そこで、私のnoteでは、
何が「事実」で
どこに「誤解」があり
どこから先が「価値判断」なのか
を、できるだけ丁寧に切り分けることを重視します。
あわせて、次の3つの立場を大切にしています。
1.人口学者として
私が専門とする人口学は、出生・死亡・移動というデータから社会を記述する学問です。
経済学が経済的な視点から社会を見るように、各学問それぞれ固定・固有の視点というのが存在します。しかし、人口学はそうした視点がなく、フラットにニュートラルに社会を記述します。
2.専門家として
「マクロ」と「ミクロ」: 誰でも見られる全体統計(マクロ)だけでなく、研究者しか扱えない個人の詳細データ(ミクロ)を分析。
学術知の通訳: 閉じた世界で蓄積されている学術研究を、誰でもわかりやすい形で紹介します。
3.「批評家」ではなく「実践者」として
現状批判で終わらせず、実際にどうすれば改善につながるのかを考えます。
自治体政策や社会実装につながる視点を常に意識しています。
まず、この3本から。少子化の「解像度」が変わる記事
何から読めばいいか迷った方は、まず以下の3本に目を通してみてください。読み終える頃には、ニュースの見え方が変わっているはずです。
① 日本の人口減~北欧から考える(連載まとめ)
日経グローカル誌での連載記事のまとめです。雑誌の購読者が行政職員に多いということもあり、行政職員の方向けに書いたものですが、それ以外の方にもわかりやすいものになっていると思います。世界、日本の少子化の要因紹介から、考えられるアクションまでをまとめてます。
② 数字で簡単にわかるニッポンの少子化問題
デジタル庁の樫田光さんとデータサイエンティストの木村さんと共著させていただいた記事。樫田さんのインフォグラフィックスの力により、必要な基礎知識が圧倒的にわかりやすくまとまっています。
③ 日本の少子化、改めていま何をすべき?5つの提案
少子化になって、50年。少子化対策が始まって、35年。今後何をすればいいんだろう?データからわかることを5つの提案としてまとめました。少子化の基礎知識や現状理解は既にしている方におすすめ。
(※いずれも無料で読めます)
基礎知識という土台を作って、適切な議論をしよう
このnoteは、少子化に関する研究知見を、行政・メディア・一般の方向けにわかりやすくまとめる場所です。いわば、少子化を考えるための講義資料や教科書のような位置付けを目指しています。
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議論のために必要な基礎知識が手に入ります
自分や周囲の人生、また社会の仕組みを、少し構造的に考えられるようになります
まずは、こうした基礎知識をしっかり発信していきますので、一緒に知識の土台を作りましょう。
それらを共通の土台として、「どういう社会を目指すのか」「どういうアクションが必要そうか、できそうか」などをみなさんと一緒に考えていければ嬉しいです。
ぜひ、noteをフォローしてこれからの記事をお待ちください。
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