6月1日(月)視聴。2025年5月から6月にかけて全国四都市で行われた単独ライブより、東京・草月ホールで開催された公演を収録。日常的な風景の中で起こりうる事件を大きな笑いへと昇華することに全力を注いだ結果、最大限に磨き上げられた脚本と洗練された演技力のとてつもなさを改めて実感。遅刻した先輩店員が更に遅刻した後輩店員に遅刻したことを隠し通そうとする『遅刻』、悪質なクレーマーに絡まれた靴屋の店員が思わぬ方法で撃退を試みる『小さな男大きな男』、会社の後輩の恋愛相談に乗っている二人の先輩社員には隠された事情が……『告白』など、どのコントも素晴らしいのだけれど、特にラストの『エキストラ』には文字通り感動させられた。笑えるけれど、しんみり泣ける。何かを目指し、チャンスを掴みかけた瞬間を経験したことがある人なら、きっと誰もが心を揺さぶられることになるだろう。いやー、良かった。
6月2日(火)、特典映像を視聴。2025年12月24日に東京芸術劇場プレイハウスで行われたコントライブ『PLAYHOUSE1224』を収録。副題は【かが屋の!コント16本! 3】。かが屋が過去にテレビ番組や賞レースで披露してきたコントをひたすら16本演じ続けるという、アーカイブマニアにはとっても有り難いコンセプトのライブ。既に同ライブの映像の大半はYouTubeの公式チャンネルで無料配信されているのだが、こうしてソフトとして所有できるのが嬉しい。一気に代表作を駆け抜けていくと、かが屋が客席からの見られ方に異常なこだわりのあるコンビだということがよく分かる。スマホの中でくるくると回る木野花、大きな音で鍵が開く自転車、恐怖のあまり揺れる両手の中でカタカタと音を立てるコーヒーカップ、占い師の耳で大きく揺れる耳飾り、そのすべてが最小限でありながらコントの中で輝いている。好きなネタは『吉田』。名字になぞらえた一発ギャグを多数持っている学生がピンチに陥る様子を描いたコントで、後半の展開にはプロ意識のようなものを感じて、ちょっと胸が熱くなってしまった。そういうネタではないぞ、たぶん。
6月4日(木)、前半のみ視聴。オープニングの大人数による合唱シーンを久しぶりに見たくなったので、収納棚から引っ張り出してきた。格好良いんだよなあ、アレ。1998年の公演。ゲストに中村有志・いとうせいこう。最後に本作を視聴したのはいつだったか、まったく思い出せない。シティボーイズのライブは定期的に見直しているような気がするので、そこまで昔ではないような気がするのだが。大竹演じる刑事・エレクトリックソウルマンが懐かしい。決め台詞のように意味のない言葉を発するくだりは未だに色褪せない。「まったく!はんだごては冷めないと仕舞えないから厄介だぜ!」。わくわくしながらパレードがやってくるのを待ち構えている大人たちを描いている『パレード』、ありとあらゆる物事を妥協する兄弟を三人が実況する『妥協兄弟』、リバーシブルのジャンパーを揃えるだけのグループ『リバーシブルジャンパーズ』など、すっかり記憶の奥底に片付けられていた名作コントが懐かしい。セクシービデオに使われているBGMを収録したCDがまったくエロくなくて落胆する男たちのコントを見終えたところで中断。
6月6日(土)、後半を視聴。前半の内容から展開するようなやり取りが多く、後半だけで語ることが出来る部分は少なめ。オリジナルといえば、コントのオチを意味する効果音が次のネタのシチュエーションとして繋がっていくショートコントぐらいか。……冷静に考えてみると、この音で繋ぐ構成もなかなかに格好良い。列車で隣に座ってきた男が臭いというだけのコントがたまらなく懐かしい。男が臭い。弁当が臭い。ガムが臭い。演技が一番臭い。また、前回の公演で演じられて好評だった、五人の男たちが長い廊下をひたすらに走るコントの再演も懐かしい。しばらく見ていないと、こういった印象的なくだりですら、うっかり忘れてしまう。最後は満を持しての大パレード。生でライブを見られた人は楽しかっただろうな。

6月8日(水)、配信を視聴。細かい感想はこちらで書いた。SNSでフォローしてくれている芸人のネタについて批判するのは難しい。嫌われたくないからだ。誰とでも繋がりやすいSNSならではの弊害である。とはいえ、こちらもネタの感想を書き続けて20年の実績がある身なので、甘ったれたことを書きたくはない。この葛藤の結果、先のような感想になった次第である。……今、改めて思い返してみると、人間的に欠落した部分がある人物を中心に据えたコントに比べて、設定と構成を軸にしたタイプのコントが弱かったような気もする。その辺りも次回以降で改善されると嬉しい。
6月11日(木)視聴。2022年2月に下北沢・本多劇場で開催されたライブの模様を収録。幕間映像を挟み込まずに次から次へと打ち出される怒涛のコント10連発。どのネタも無駄がなくて、それでいてしっかりと面白い。好きなネタは、注文したイチゴのジュースがなかなか出来上がらなくてやきもきさせられるサラリーマンを岡部が熱演した『フルーツジュース』、仕事が出来そうなのにドジなウェイターを演じる岡部のコメディアンとしての演技力が光る『レストラン』。今回はボケとしての秋山がちょっと控えめだったか。あと、クラスのボケをすべて拾い上げるツッコミポジションを担っていた友人が転校してしまう『転校』が、ちょっと感動路線の内容で……不覚にも見ていて少し目頭が熱くなってしまった。これまで築き上げられてきたであろうクラス内でのボケとツッコミの信頼関係が、転校というカタチで終わってしまう切なさを勝手に噛み締めてしまった。それを抜きにしても、芸人の原風景のような美しくて素敵なコントだった。
6月12日(金)視聴。2025年11月28日に東京・銀座の時事通信ホールで行われたライブの模様を収録。「この模様は『ダウンタウン+』で独占配信されます」という威勢の良いツカミを皮切りに、2025年の出来事を次から次へと漫才に昇華。「ライブの二日前に国分太一が記者会見」「2025年で爆笑問題も還暦に」「ワールドシリーズ大盛り上がり(ホームランの約束)」「海外で日本の大相撲が大人気(大豊時代)」「熊の出没(生活圏が入れ替わる)」「今年の流行語」「チャッピー(恋愛相談・自動運転・調理用ロボット)」「二季」「国宝観た(8番出口・鬼滅の刃・ゴジラ-1.0)」「働いて働いて働いて働いて働いてまいります(台湾有事・水産物輸入停止)」「日米首脳会談」「二人の日本人がノーベル賞受賞」「ぬい活(ぬいぐるみ専門医・ラブブ)」「キャッシュレスの時代(新札・お年玉に電子マネー)」「ランドセル症候群」「戦隊ヒーローもの50年の歴史に幕(ライダーごっこ・心霊写真・口裂け女)」「MBTI診断(血液型という概念)」「サイバー攻撃」「コンプライアンス(部下のことをさん付けに)」「退職代行サービス」「フジテレビ問題(物言う株主・102回目のプロポーズ・コード・ブルー復活希望)」「ネットフリックスオリジナルドラマ」……などなど。還暦過ぎで2時間近いライブを繰り広げる様はまさに圧巻。特に後半、およそ一時間にわたって繰り広げられた太田の大芝居による『田中裕二大爆破』は、その内容のバカバカしさが突き抜けていて、もう笑わずにはいられなかった。恐るべき内輪ネタ、驚くべき中身の無さ。良くも悪くも爆笑問題らしさの炸裂している作品だった。特典映像は漫才終了後のトークコーナー。シティホテル3号室の進行の元、観客からのアンケートに受け答え。疲れが残ってヘトヘトな太田、明日の競馬番組のために体力を温存している田中。
6月14日(日)視聴。2022年7月にシアターサンモールで開催された公演を収録。好きなミュージシャンの結婚に落ち込んでいるだろう同僚に対して一方的に感情移入して号泣する『わかる女』、ゴルフ場でマナーの悪い客を相手にしているキャディーにはとある秘密が……『キャディーさん』、デモの後に彼氏の両親の元へ結婚の挨拶にやってきた女が信頼を勝ち取るまでの物語『結婚の挨拶』などなど、なかなかにとんでもない女性たちが次々に。R-1決勝でも披露された『結婚の挨拶』は、けっこう話の内容が違っていてビックリしたな。その中でも笑ったのは『忘れる女』。自分の彼氏が会社の部下と不倫をしていたことを知るも、その部下にいなくなられると業務上困ることになるので、不倫したという事実を忘れると宣言する女社長。そして文字通り、この女社長は不倫のことをさっぱり忘れてしまうのだが……というところからの二転三転がバカバカしくてたまらなかった。ブッ飛んだ女性を演じる上手さを再認識。ただ正直なところ、心の底から楽しめたとは言い切れず。でも、それはきっと、女性芸人が大衆に無理矢理に迎合しようとせずに自己表現できるようになった結果だからなのではないか、という気もしている。それはそれでいいのだ。
あわよくば下旬へと続く。
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