
「生産性を上げて、仕事に追われる毎日から抜け出したい」
「新しいスキルを学ぶための時間がほしい」
このようにお悩みの人にぴったりのタスクの管理方法があります。それは、「やるべきことを迷いなく選択し、1つのことに100%集中」できるようになる方法です。*1
この記事ではその方法について、筆者の実践を交えて紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
なぜ仕事に追われてしまうのか
「やることが多すぎて、頭がパンクしそう」
「マルチタスクでこなそうとするけど、結局すべてが中途半端だ」
このように悩んでしまうのは、抱えるタスクを正しく把握せず、やるべきことを整理しないまま作業に着手しているからかもしれません。その結果、ひとつのことに集中できずに生産性が低下している可能性があります。
「自分が置かれている状況、いま、そして次にやるべきことを明白にし、それに集中できてこそ、仕事における成果も上がっていくのだ」と話すのは、一般社団法人タスクシュート協会理事の佐々木正悟氏。*2
たとえば、「なにから手をつけよう?」と考えるのに時間を消費したり、会議の資料をつくっている最中に、「そういえば後輩からレビュー依頼が来ていたけど、そっちを先にやったほうがいいだろうか」と悩んだりしては生産性が下がってしまいます。そのような事態を避けるためにも、抱えているタスクの「把握」と「整理」が必要なのです。

とはいえ、「やるべきことを明確にしているのに、タスクが一向に減らない」とお悩みの人もいるでしょう。その場合は、タスクが「細分化」されているかを振り返るといいかもしれません。
株式会社ワンキャリアで取締役執行役員を務める北野唯我氏は、「計画自体をもっとも効率的に、最短でこなせるようになるための方法」は「『分解すること』に尽きる」と言います。*3
たとえば、システム開発のタスクを細分化してみましょう。
担当システムにプログラムを実装する
仕様の確認
仕様で不明な点を確認する
設計書の確認
設計書で不明な点を確認する
プログラミング
テスト
このように、すぐに行動に移せるレベルにまでタスクを細分化するのです。
そうすれば「なにから始めよう」と悩んで初動が遅れたり、「テスト段階で仕様の確認不足が露呈した」という手戻りが発生する無駄を省けます。
このように、抱えているタスクを明確にして細分化することが、タスク管理のポイントなのです。
GTDとは
抱えているタスクを明確にし、細分化して整理するのにぴったりなのがGTD®(Getting Things Done)です。
GTDとは、生産性向上コンサルタントのデビッド・アレン氏が開発した「個人と組織の生産性の向上を助けるメソッド」。気になっているタスクをすべて書き出し、やるべきことを明確にして、ひとつのことに集中できるようにする方法です。*1
GTDを実践すれば、たとえば以下のような状況を回避できるでしょう。
- 突発的に発生したタスクが多すぎて、抱えているタスクを把握しきれなくなってしまった
- なにをどのようにやるかイメージできず、いつも初動が遅れがち
- 気になるタスクが頭のなかでちらつき、集中力が低下する
GTDでは以下の流れを踏んで、このような生産性を低下させる問題を解決していきます。
- 気になるタスクを「頭の外に置く」
- 「その仕事の最初の具体的な作業とゴールイメージを考える」
- 抱えているタスクを把握・整理し、行動に移せるような仕組みをつくる *1
次に、具体的なやりかたを見ていきましょう。
GTDでタスクを管理してみた
それでは、筆者の実践を交えて紹介していきます。
前項でお伝えした流れを具体的にしたのが、以下の「5つのステップ」です。*1
「把握する」
タスクの重要度や大小にかかわらず、「気になっているものすべて」を書き出します。
あとで整理しやすいように、筆者は付箋で色分けをして書き出してみました。
公私にかかわらず書き出していいので、プライベートや勉強、ピラティス講師としての仕事のことも付箋に書いて貼っていきます。

筆者は付箋に書き出しましたが、紙のノートや、パソコン・スマートフォンのアプリなど、自分が管理しやすいものを使うといいでしょう。
「見極める」
ステップ1で把握したタスクを本当にやるべきかを見極め、「行動が必要でないことは、ゴミ箱に捨てるか、資料としてファイリング」していきます。
筆者は、“ほかの人に頼めること”や”いまでなくてもいいこと”を「資料」として別の紙に移動しました。

見極めた結果、行動が必要なものを具体化したものがこちら。

そして、「2分かからずにできることであればすぐに実行し」ます。
メールやLINEの返信、ピラティス体験のお客様についての申し送りは2分以内でできるので、すぐに対応しました。

「整理する」
見極めたものを、「実施する状況ごとに」分け、いくつもの工程が必要であれば「プロジェクト」として整理します。
筆者の場合は、勉強・仕事・プライベートで付箋を色分けしたものをそのまま使うことに。仕事のうち、毎月決まったタイミングで行なうタスクとそれ以外のタスクで印をつけてカテゴリ分けをしました。

「更新する」
定期的に時間をとり、状況に合わせて「把握する」「見極める」「整理する」常に最新にします。
筆者は、資格試験が終われば資格の勉強をリストから外し、解剖学や中医学の本を読むことを追加するなどしていきます。
「選択する」
実際に行動を選択する際は、以下の観点を考慮して決定するといいそうです。
- 「使える時間はどれくらいか」
- 「何ができる状況か」
- 「自分自身の使えるエネルギーはどれくらいか」
- 「優先順位」
たとえば、残業が続いて心身ともにつらいときは最優先事項のみ対応するなど、ひとつでも確実に実行できればOKです。無理のない選択を心がけましょう。*1
仕事に追われずに集中できるようになった
GTDを実践してみて実感したのは、主にふたつ。
ひとつめに、仕事に追われる感覚が軽減しました。仕事が多くて余裕がないと感じ、なにから手をつけようか悩むときはGTDで言う「プロジェクト」にあたるものが多かったのですが、タスクを具体化すれば“いますべきこと”のほかに、“どこまで完了できたか”も視覚的に明確になったからです。
先が見えず八方塞がりに感じていたのが、どこまでできてなにが残っているのかが明確になり、ゴールを見据えることができたのです。
ふたつめに、目の前のタスクに集中して取り組めるようになりました。
やるべきことをすべて書き出すと、「今は目の前のタスクに集中して、ほかに書き出したものはあとで考えればいい」と思えるようになり、ほかのタスクが気になって集中力が切れることがなくなったのです。
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「自分なりにタスク管理をしているのに、いつも仕事に追われている」と感じる人は、この記事を参考にGTDを試してみてはいかがでしょうか。
※引用部分の太字は筆者が施した
*1 gtd®Japan|GTD®とは
*2 STUDY HACKER|あなたもきっとしている「タスク管理の誤解」2つ。「予定」と「タスク」はまったくの別物だった
*3 プレジデントオンライン|頭のよさは関係ない…周囲から「仕事が速い」と驚かれる人がこっそり意識している3つの法則
澤田みのり
大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。