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Founder`s Message#10「しあわせになる」資産形成ガイド~お金を育てることは、自分の人生を育てること~

インフレ時代には投資が大事」という言葉をニュースなどでよく耳にするかもしれません。しかし、いざ投資を始めてみても、急な相場の下落などで、自分の大切なお金が減ってしまうのを見るのは怖いものですし、人によってはその恐怖から投資をやめてしまう人も多くいます。

では、なぜ多くの人が途中で資産運用を挫折してしまうのか、そしてどうすれば「自分のしあわせ」のために投資を続けられるのか、今日は一緒に考えてみましょう。

筆者:廣瀬 朋由 株式会社お金のデザイン 取締役副会長
1982年に横浜国立大学経済学部を卒業後、三井信託銀行(現三井住友信託銀行)に入社。受託資産運用部の運用統括責任者を経て、1999年に世界最大の運用会社バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現ブラック・ロック・ジャパン)にて、営業統括本部営業企画部長として、営業全般を統括。2009年ブラックロックと合併後、営業部門(ジャパン) COOに就任。2013年に株式会社お金のデザインを創業。


1. なぜ投資は「途中でやめたくなる」のか?

多くの専門家は「市場の動きを気にせず、淡々と積み立てなさい」とアドバイスします 。しかし、実際にはそう簡単なものではありません。

普段は、日々忙しく生活をしているとマーケットの状況はそこまで情報として入ってきませんが、暴落などの大きなニュースは嫌でも耳に入ってきます 。
日頃からマーケットの動きに触れていないと、急な暴落でパニックになり、「これ以上損をしたくない!」という衝動に負けて、せっかく貯めた資産を解約してしまいがちです 。
これを防ぐには、単なる「我慢」という精神論ではなく、「何のためにこのお金を育てているのか?」という明確な目的意識が必要です 。

2. 「合格」を目指す勉強と同じように考える

投資を「試験勉強」に例えてみるとすこし分かりやすくなります。

目標設定
入試や資格試験に向けて、苦しくても勉強を続けるのは、その先に「合格」という目標があるからです 。若い時は投資に対して目標や目的を持てない方が多いのではないかと思いますが、年齢を重ねていき、自分や周囲の環境が変わると、その中で自然と投資の目標や目的が見えてくるかもしれません。

一度の失敗は終わりではない
もし一度試験に落ちても、目標があれば次の機会を目指して再挑戦すると思います。投資においても、一時的な損が出ても、積み立てを続けたり、余裕がある時に追加したりすることが大切です 。

「しあわせ」がゴール
試験に合格すること自体がゴールではなく、入学したあと、資格をとったあと、それをどのようにその後の人生に生かすことができるかが大切だと思います。

投資においても同じで、一番大切なことは資産を増やすことそのものではなく、増えた資産をどう使って「自分がしあわせになるか」ということなのです 。

3. 「自分にとってのしあわせ」を再定義する

投資を「自分のためのもの」にするには、まず「自分にとってのしあわせとは何か?」ということを考えてみる必要があります 。 まずは、京都大学の出口教授との共同研究※に基づき、以下の4つの視点で、自分が「大切にしたい場面」を整理してみましょう 。

①生活の守り
困った時、自分の力だけで解決したい(自助)か、周囲の助けを借りたい(共助)か 。

②毎日の充実感
自分のやりたいことに挑戦したいか、周りの人の希望を叶えてあげたいか 。

③自分らしい生き方
周囲に流されない「自分らしさ」を貫きたいか、環境にうまく馴染んでいきたいか 。

④社会とのつながり
他人から高い評価を得たいか、誰かと深くつながっている実感を持ちたいか 。
自分が「わたし(個人)」と「みんな(集団)」のどちらを重視するタイプかを知ることで、「何にお金を使いたいか=どのような投資をすべきか」が見えてきます 。

※京都大学大学院文学研究科哲学専修 出口康夫教授との第1・2期共同研究(2021/7~25/3)で「ひとが投資をするとはどういうことか」を「しあわせ」の実現のためと捉え、個人が将来目指す価値実現をサポートする金融サービスのあるべき姿を研究課題としました。
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2023-01-30-2
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-03-31-0

4.「自分のしあわせ」と「みんなのしあわせ」で迷ったら?

「自分のやりたいことを優先したいけれど、周りのことも大切にしたい」
そんな風に、自分(わたし)と周囲(みんな)の間で板挟みになって「自分にとってのしあわせ」の形がわからなくなったら「今」と「将来」の時間軸をわけて考えてみましょう。

1. 「わたし」と「みんな」を分けて考える
まず、私たちが大切にしたい「しあわせ」には2つの方向性があります。

わたしの幸せ: 自分の夢、キャリア、趣味など、個人の充足感
みんなの幸せ: 家族、チーム、社会など、誰かと共有する幸福感

多くの人は、この両方を大切にしたいと考えています。だからこそ、どちらを優先すべきか悩んでしまうのです。

2. 「いつ」大切にしたいかを決める
ここで魔法のツールになるのが「時間軸」です。どちらを優先すべきか、その悩みを取り除くために「今」と「将来」に切り分けて考えてみましょう。

今の幸せ:今日、この瞬間に大切にしたいのはどっち?
将来の幸せ:数年後、人生の終盤に大切にしていたいのはどっち?

例えば、「今はスキルアップのために『わたし』を優先したいけれど、将来的には家族や仲間と『みんな』の幸せを築きたい」というパターン。 こうして整理すると、あなたの本質的な志向は「長期的には『みんな』を大切にしたい人であると分かります。

3. 時間軸を分ければ、今すべきことが見えてくる
「今は自分のことばかりでいいのだろうか?」という罪悪感も、「将来『みんな』を大切にするための、今の準備期間なんだ」と捉えることができれば、迷いは消えます。

短期的(今): 自分のために時間を使う(自己投資)
長期的(将来): 周りに還元していく(貢献)

このように時間軸で役割を分けることで、今の行動が「将来の幸せ」につながる具体的なステップとして整理されると思います。

5. まとめ:人生と資産は「自転車の両輪」

資産形成は、それ単体で存在するものではありません。あなたの「人生形成」を支える重要なパーツです 。

人生形成の車輪:自分がどう生きたいか、どう学びたいか 。
資産形成の車輪:それを実現するための経済的な土台 。

この2つは、自転車のようにセットで動くものです 。 投資とは、自分のお金を社会に「委ねる」行為であり、それは「自分」と「社会」をつなぐ橋でもあります 。

「自分のしあわせ」を軸に据えた資産形成ができれば、市場の荒波に振り回されることなく、前向きに未来を切り拓いていけるはずです。



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