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マガジン一覧

UI/UXから学ぶDAW論

DAWの構造と操作をUI/UXデザインの観点から解説します。「なぜDAWは難しいのか?」という疑問の解決から始まり、後半はDAW同士の設計思想の違いの比較もしていきます。 この連載は、かつて「Soundmain Blog」に2021-2022年にかけて寄稿したものです。当該サービスの終了に伴い、許可を得てこちらに再掲しています。

UI/UXから学ぶDAW論 ⑧ミキサーとルーティング

コンピューターのUIは様々な場面で、そのデザインに現実の【メタファー(比喩)】を用いています。例えばパソコンでは「ファイル」を「フォルダ」にまとめて管理し、要らなくなったら「ゴミ箱」に捨てます。 改めて考えるとこれは、紙の世界の言葉使いを電子の世界に持ち込んでいますよね。パソコン世界を現実とリンクさせることで直感的に扱えるようにする。メタファーはUIにおいて重要な役割を果たすのです。 DAWの世界でも、ツールとしてエンピツ・消しゴム・ハサミなどを使うのはメタファーの一種と言

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UI/UXから学ぶDAW論 ⑦プラグインとウィンドウ

パソコンのウェブブラウザには「タブ」機能があって、ひとつのウィンドウの中で複数のページを切り替えることができますよね。 当然の機能に思えますが、実はこちら割と歴史の浅い存在です。Windowsの標準ブラウザにタブ機能が採用されたのは、2006年の「Internet Explorer 7」から。それ以前は、ページをそれぞれ別のウィンドウで開くことが普通でした。今では考えられない使い方ですが、当時はウィンドウをたくさん開くのは当たり前の動作で、疑問を抱きもしませんでした。 20

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UI/UXから学ぶDAW論 ⑥パターン式と“分身”

UI/UXデザインにおいて、ユーザーが製品を使う姿を具体的に想定することは重要です。場合によっては、典型的な顧客ターゲットを明確化するために、年齢や性別、趣味や性格まで作りこんだ【ペルソナ】と呼ばれる架空の人物像を用意することも。あるいはユーザーの具体的な行動や操作を順序立てて書き起こした【シナリオ】と呼ばれる文書を作成することで、UIの問題点を洗い出したりします。 前回見たDAWごとの「ハコ」の働きの違いには、まさに想定するユーザーの差、ユーザーの曲作りのシナリオの差が映

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UI/UXから学ぶDAW論 ⑤イベント式とクリップ式

iPhoneの生みの親、Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏は、次のような言葉を残しています。 「デザインとは単に見た目や感じ方のことではなくて、どう機能するかなのだ」というような意味ですね。デザインの意匠は、外見だけでなくその挙動にも込められているのです。 第2回では、DAWでの作曲に際して、楽譜を書くための“空箱”をまず作るという話をしました。音符を格納する「ハコ」は、ほとんど全てのDAWに共通したシステムです。 一見全く同じように見える「ハコ」ですが、実

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FM/PDシンセシスの仕組み

YAMAHA DX7で採用された「FM合成」と、CASIO CZシリーズで採用された「PD合成」の仕組みを、基本から解説していく記事群です。

FM/PD合成の仕組み ❶三角関数とラジアン

先日FM Anthemというu-he HIVE用のプリセット/ウェイブテーブル集をリリースしました。 UHMというウェイブテーブル生成言語を用いて、FMシンセのアルゴリズムそのものをウェイブテーブル内で再現するというプロダクトです。 製品を作るにあたって、YAMAHA DX7のFMシンセシス、およびCASIO CZ-1000のPDシンセシスが具体的にどのような演算をして波形を作り出しているかというのを学習しましたので、それを解説しようと思います。 この記事ではまず、基本

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FM/PD合成の仕組み ❷位相への演算

前回は、そもそもsin・cosが何であるか、そして円周で角度を表す「弧度法」について説明しました。 FMもPDも、サイン波/コサイン波を変形させて新しい波形を作ります。そしてその「変形」というのは、フィルターを通すとかエフェクターを通すとかいうことではなく、数式を変形させるものです。 FM/PDが行う演算はそれなりに難しいものですので、この記事ではまず「数式と連動してグラフが動く」ことを、感覚的に身体に落とし込みます。 二次関数の平行移動手始めに準備運動として、二次関数

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PD合成の演算 ❶基本設計を知る

前回は、サイン波の「位相」に演算を施して波形を変形させる基本を解説しました。 今回ようやく、PD合成の本論に入ります。FMより先にPDから始めるのは、こちらの方がやや仕組みとしてシンプルで、理解しやすいだろうからです。FMにしか興味がないという人も、頭の準備運動としてちょうどよいはずです。 PDシンセについてPD(フェイズ・ディストーション)は、CASIO CZシリーズで導入された波形の生成方法です。 一聴して分かるとおり、デジタルらしい明るさに加え流動性を感じるペコ

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PD合成の演算 ❷波形を生成する

おさらい前回は、波形生成のパーツを「位相グラフ」と「波形グラフ」に分けるという基本コンセプトを説明しました。 「位相グラフ」は平たく言えば、波形を描くスピードを司る存在であります。その傾きが急になればなるほど、それに応じて波形を描くスピードも上がるため、位相グラフ次第でいくらでも波形を伸縮させることができるというシステム。 そしてもし位相グラフの傾きがカクカクと折り曲がれば、波形も面白い風に曲がるはずです。 “位相”を“歪ませる”から、フェイズ・ディストーション・シンセ

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