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マガジン一覧

ブクマ 兼 ささやかな応援

勝手にやってることですので、気にしないでください

梅熊レシピ・爽やかすぎるめんつゆと台風な昼飯

台風がふたつ来るということだったのだけど、確かに台風は来てるのだけど、私の住んでいるあたりはおとなしく雨が降っているだけ。 昨夜の富士五湖震源の地震の方が驚いた。 今日の昼飯は、ひとり飯だったから、アレいってみよ。 梅熊大介先生の時代劇4コマ漫画の「爽やかすぎるめんつゆ」。 長野盆地に行ったついでに、浅漬けの素を、長野駅駅ビルの信州おみやげ参道ORAHOの養命酒さんの出店で買ってくる。 これが簡単で美味い。 くらすわの浅漬けの素。 浅漬けの素を使った浅漬けの残り汁のこと

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本日の名馬 ~生食 異類婚&弓矢の神秘性の変遷についても

↑の画像は歌川国芳が描いた「宇治川先陣」。wikiより転載。 源平合戦における最初の見せ場のひとつ、源頼朝と木曽義仲が激突した「宇治川の戦い」の様子を描いた絵です。 この戦いではともに名馬に乗っていることを誇っていた佐々木高綱と梶原景季とが先陣争いを繰り広げ、名馬「生食」を駆っていた高綱が(少々ズルい手段を用いて)景季よりも早く宇治川をわたりきって戦場に一番乗りをする名誉を獲得した…というエピソード。 興味のある方は↓のサイトあたりでご確認を。 国芳の作品はその名馬た

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何度でも──『水辺のつつじ』ep.55

気付けば空は紺色へと変わっていた。 樹々の先、ビル群の奥に薄紅色の光が帯状に残されている。 まるで、襷のように。 騒がしい国道沿いの道を外れ、逃げるみたいに駆け込んだ小径の隅で、僕は膝から崩れ落ちた。 浅い呼吸を繰り返す。 額には汗が薄らと滲む。 僕はそれを手の甲で拭った。 「瑞樹……君……?」 僕の方を振り向いた彼女もまた、途切れ途切れに呼吸を繰り返す。 彼女は小走り気味に戻ってきて、乾いたアスファルトの上、灰色のスウェットの膝を僕の膝と並べた。 そして僕の肩を抱き言っ

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【徒然】なるままに描いてみました。-その279-

みなさま こんにちは☔ 台風が太平洋を北上していますので、 大雨に注意しましょう🌀 地震も多いので、がけ崩れなどの 土砂災害にも気を付けて下さい(゚o゚;;💦 それでは、 徒然と描き始めたいと思います(`・ω・´)。✏ 徒然なるままに描いてみました_φ(・_・🍀 感想やご希望のコメントを いただけると嬉しいです_φ(・_・🍀 お時間があれば、 ご一読願います(*- -)(*_ _)ペコリ🌟 以上 よろしくお願いいたします_φ(・_・☘️✨🍀

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民俗学断簡

カジュアル民俗学、ポスト民俗学

民俗学断簡 翻訳され続けるカレー

インドに「カレー」というものは存在しないインドにカレーはない、というのは一部界隈では有名な話です。 私たちが「カレー」と呼んでいるものを、インドの人々はそう呼びません。 クミン、コリアンダー、ターメリック、カルダモン──これらのスパイスには一つひとつ名前があり、それぞれに意味があります。 それを組み合わせた料理には、それぞれの名前があります。 「カレー」の語源で有力な説の一つは、南インドのタミル語で「ソース」や「汁」を意味する「カリ(kari)」が元になったという

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民俗学断簡 みちのく遥か 最上川と最上氏

動脈としての最上川 本州の北部、日本海側に広がる出羽の地。 山々に囲まれた内陸盆地は、京や関東から見れば辺境でした。 険しい奥羽山脈が東を閉ざし、朝日連峰が西を塞ぐ。 陸路は限られ、雪の季節には人の往来すら途絶えます。 しかしその閉ざされた土地を、一本の巨大な動脈が貫いていました。 最上川。 時代を通して彼の地を象徴するこの大河は、物流の幹線であり軍の通路であり、経済そのものでした。 あらゆる物資は川を通って運ばれました。人も情報も軍勢も、最上川沿いに動い

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民俗学断簡 異類婚姻譚 人ならざる妻

たとえば 我流 鶴の恩返し 娘が七つになった、冬のことだった。囲炉裏の前で膝を抱え、うつむいたまま、 「私、みんなと違う」 そう言った。 男は手を止めた。囲炉裏の火が、娘の横顔を赤く照らしていた。 「どうした」 「川に行くと、帰りたくなくなる。空を見ると、胸が痛い。どうして私だけ、そんな気持ちになるの」 男は何も答えられなかった。 娘の目は、女の目に似ていた。 黒く深く、底の見えない目だった。 女と出会ったのは、十年前の雪の日。 山道で倒れているのを

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民俗学断簡 人の夢 不老不死

人類は古代から、「死なない方法」を夢見てきました。 ある者は山海の彼方に仙境を求め、ある者は神へ祈り、ある者は賢者の石を追い、そして現代では遺伝子や細胞の研究に手を伸ばしています。 不老不死。 そこには「人間は死をどう受け止めるのか」という、根源的な問いが映し出されています。 興味深いのは、地域や時代によって“不死”の意味そのものが大きく異なることです。 東洋では、死を超越し自然と一体化する思想が重視されました。 西洋では神の領域へ到達しようとする欲望と、その代償

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P-TYPE LAST DANCE

P15・LABOUR-HEADは、自分の残業を食べる。 三百時間分の超過労働。それが全部、推力になる。 機体と神経が繋がる瞬間、いつも同じ問いかけが聞こえる。 労働以外になにもない、自分の人生に意味はあるのか。 旧湾岸消費特区。 光がある。 暖かい色の光だ。 金曜日の夕方に窓から見える、あの色。 温かくて、どこか浮かれたような。 ——駄目だ。 考えてはいけない。取り込まれる。 綺麗だと思った。 一瞬だけ。それだけだ。まだ自分は大丈夫。 編隊を組んでいた僚機

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新・新幹線の三景

新幹線を待っていた時のことである。 のぞみが全席指定席になっている期間だと知らなかったのか、駅員に食ってかかっている老人がいた。 「自由席はどこだ」と繰り返し、最初は自由席を設定していないということが理解できないようだった。 駅員の根気強い説明により、ようやく少し飲み込めてきた様子だったが今度は、「何千円も追加料金を取る気か」と怒鳴りだした。 指定席料金など、シーズンでも1000円以内。どうやら、一度も指定席で乗ったことがないらしい。 後続のひかりを案内されても納得

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「チャンネル登録・高評価お願いします」は効果があるのか?

書いたはいいが、この記事を出すのはちょっと引っ掛っていた。 でも、おかげ様で踏ん切りがつきました。 では始めます。 動画サイトを見ているとサイト毎に多少の呼称揺れはあっても、ほぼ必ず耳にするあのセリフ。 「最後まで見ていただきありがとうございました。チャンネル登録と高評価よろしくお願いします!」 個人的見解(偏見)だと、頼まれなくても登録する人はするし、しない人は頼まれてもしないのではとずっと考えていました。 ちょっと興味が出てきたので調べてみました。先に結論を。

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冷やしプレミアムフライデー始めました

駅前のラーメン屋に『冷やしプレミアムフライデー始めました』の貼り紙が出たのは、6月に入ろうかという時期だった。 暖簾の横に貼られたそれを見て、私は「今年もその季節か」と思った。 隣を歩いていた後輩が言う。 「去年より早いですね」 「今年は暑いからな。10年に一度の猛暑になるそうだ」 また10年に一度ですか安い言葉になりましたね、なんて軽口を叩き合う。 プレミアムフライデーを冷やす。 昔は常温管理だったらしいが、近年は冷却処理が一般的になっていた。放っておくと傷む

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言葉のオカルト

言葉は祝詞にも呪詛にもなります  怖い怖い

言葉のオカルト 湯水のごとく

湯水のごとく。 モノ、時間、お金を、惜しみなく消費するときに使われます。 しかしよく考えると、水とお湯が無尽蔵にあるかのようなとんでもない言い回しです。 ではこの言葉が生まれた日本という地は、実際に「湯水」に満ちているのでしょうか。 言葉の出どころ 江戸という都市の豊かさ 「湯水のごとく」が文献に登場するのは江戸時代のこと。 近松門左衛門の『女殺油地獄』(1721年)には「大事の金銀を湯水の様に川遊び」という一節があります。 17世紀のロンドン・パリ・江戸は世界

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言葉のオカルト 怒る

「怒る」という言葉。 実は最初から「腹を立てる」という意味だったわけではありません。 古代日本語において「怒る」は、人間の感情以外にも広く使われていた言葉でした。 今回は、「怒る」という言葉の語源と歴史を辿っていきます。 「怒る」の語源 「怒る(おこる)」の語源には諸説ありますが、「起こる」と同じ系統の言葉が有力視されています。 つまり本来は、「何かが立ち上がる」「勢いづく」「激しく動く」といった意味を持っていました。 感情が平静な状態から急に動くことを、「起き

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言葉のオカルト 偉い

”偉い”という言葉の発祥と変革 「偉い」という言葉の発祥をたどると、その起点は中国古典に見られる漢字「偉」にあります。 漢字「偉」は古くから「大きい」「すぐれている」「並外れている」といった意味を持ち、人や物が常の尺度を超えている状態を表しました。 後漢の許慎が編んだ字書『説文解字』には、「偉、奇なり」とあります。 ここでいう「奇」とは常の尺度を超えたもの、群を抜いて目立つものを指しました。 古代中国では、秩序ある社会の中で際立つ存在は、時に畏れを伴って見られました

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言葉のオカルト 片腹痛い

現在、「片腹痛い」といえば「ばかばかしい」「身の程知らずで笑止だ」と相手を嘲る強い言葉として知られます。 しかし意外にも、その語源にあったのは嘲笑ではなく“いたわり”でした。 “見ていられない”という感情――『片腹痛い』の原点 平安期の文学作品、たとえば源氏物語や枕草子には、「かたはらいたし」の用例が確認されます。 この語は他人の振る舞いや置かれた境遇を見て、「見ていられない」「気まずく感じる」「気の毒で胸が痛む」といった感情を表す言葉として用いられていました。 相

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書き物色々 飯

飯系はこっちに分けました

親子丼という、冷静に考えれば容赦ないネーミング

「親子丼」という料理名について、一度首をかしげた人もいるでしょう。 卵と鶏肉を見て「親子」と名付けた先人は、なかなか思い切った発想の持ち主に感じます。 少なくとも現代の養鶏・畜産の生産体制を考えれば、丼の中の肉と卵が実際に血縁関係にある可能性はほぼゼロ。 つまり「親子丼」とは、本当の親子ではなく「親子という設定」を楽しむ料理ということになります。 親子丼の基本形は、鶏肉をだしと醤油、みりんなどで煮込み、そこへ溶き卵を流し入れご飯に盛り付けるというもの。 肉となった親

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おてあげですね #アマノ文筆クラブ

揚げ物は食卓ではヒーローだが、台所では敵である。 食べる側にとっては、唐揚げやトンカツやエビフライは幸福の塊だ。立ち昇る香り、噛んだ瞬間のあの食感と美味さ。 だが、それを生み出す者は、多くの苦難と手間に向き合わされる。 小麦粉、卵、パン粉。指先は瞬く間に衣に封印され、自分が何を掴んでいるのか分からなくなる。食材より先に、自分の手がお手揚げ。 『ビニール手袋という文明は、素晴らしい』 次に待ち構えるのは高温の油という試練だ。油跳ねは容赦なく、鍋の前に立つ者は離れること

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旅行風小説 山形 銀山温泉 冬

「ナショナルジオグラフィック、2026年に行くべき場所に山形」 ふと、そんな見出しが目に止まった。アメリカの雑誌らしい。 山形。 東京で暮らしていると、ほとんど意識しない地名。 記事を開くと、蔵王の樹氷、出羽三山、山寺、銀山温泉といった名前が並んでいた。 写真も添えられている。白い森、木造の温泉街、長い石段、深い杉林。 記事には、前回日本から選ばれたのは金沢、その前は京都とある。その二つからの今度は山形。渋いチョイスに感じる。 出羽三山は…羽黒山以外は冬季封鎖み

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クリスマス鮭とバレンタイン煮干しに見る逆張り文化 ※オカルトなし

クリスマスにはチキンとケーキ、バレンタインデーにはチョコレート。 こうした組み合わせは、日本において長年「当たり前」のものとして定着しています。 しかし近年、この「当たり前」に対して、あえて異なる選択をする動きがネットを中心に広がっています。代表的なのがクリスマスに鮭です。 特撮から広まった”鮭”ミーム 広まらなかった”煮干し”ミーム この文化の起点は、2018年に放送された特撮番組にあります。 とある回で登場した鮭をモチーフにした怪人は、「ノーチキン」「クリスマス

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怪談 ホラー

寝れない夜に?冗談じゃない。

材人 あの日

こういう世界丸ごと狂ってて、その中にも法律、文化があって、 みたいな話が好きです。九森さん、二次創作のご許可ありがとうございます。 朝、役人が店に来た時点で、嫌な予感はしていた。 黒い制服を着た連中が、笑顔で来ることはない。 案の定、うちの女房が反体制思想の疑いで連行されるという。 俺は女房の顔を見た。何も言わない。言い返しもしない。 その沈黙で、だいたい察した。 政府様の悪口でも言ったか、変なのと関わったか。 馬鹿な真似をして。連れていかれて当然だ。政府様は

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怪談 厄逢(やくほう)

やっほー。では、一つ怪談を。 「やっほー」という言葉の由来については、一般的にはこう説明されています。 ドイツ語圏、アルプス地方の山岳地帯で使われていた掛け声「ヨッホー(Joho)」、あるいは伝統歌唱「ヨードル(Jodeln)」が起源とされています。 1930年前後、日本に本格的な登山ブームが到来しドイツの登山文化や用語が導入されました。 その過程で「ヨッホー」や「エホー」といった掛け声が伝わり、日本人に発音しやすい「ヤッホー」へと変化したとされています。 1950

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ホラー小説 青の浸食

その日は特に予定があったわけではない。 朝からなんとなく気分が重く、外に出れば少しは気が晴れるかと思った。 3駅先に水族館がある。オープンした当初は話題だったが今は休日でもそれほど混まないようだ。 曇り空の下、ふらりと立ち寄るにはちょうどいい場所に思えた。 入館券を買い自動ドアを抜けると、ひんやりした潮の匂いが鼻を掠める。 淡い照明に包まれた廊下を歩きながら、子どもたちの歓声と足音が遠くから聞こえた。 どこか音がこもっているように感じた。ガラス越しにゆらめく光が、

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ホラー掌編 舌切り雀アカウント

メディアでは前から、細々と取り上げられていた。 「近年、スズメの個体数が減少しています」 専門家は住宅事情の変化による巣に適した場所の減少や、農薬による虫の減少などと説明する。 スズメ。人間の隣で生きる、ありふれていた小鳥。 だが人間が少し便利になるたび、スズメは少しずつ居場所を失っていった。 誰も気にしなかった。いくらでもいた鳥だ。少しくらい減っても、大丈夫だろうと。   その噂は、ただの悪趣味な都市伝説として消えていくと思われていた。 『舌切り雀アカウント

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酒 🍺🍶🍻🥂🍷🥃

一杯と(一杯では済まない)ひと皿と(一皿では済まない)ひと言を(一言では済まない)

ほろ酔い文学 禁酒明け

健康診断の一月前から、酒を断っていた。 医者に止められたわけではない。去年の数値にも問題はなかった。 ただ最近、酔うのに必要な酒量が増えているのが気になってはいた。 一度、アルコール耐性を下げねばならない。 健康診断のために。 禁酒期間を設けるには、丁度いい理由。 風呂上がりになると、無意識に冷蔵庫へ向かう。扉を開け、何もないのを確認して閉じる。 あると飲む。絶対に飲む。確信がある。だから、置いておけなかった。 自分は何のために飲酒していたのだろうと、ふと思う

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某たこ焼き居酒屋にて

夕暮れ時、入店しカウンターに腰を下ろす。 外光が細く差し込み、鉄板の熱気が揺らいでいる。 甘辛いソースの匂いに、かすかに出汁の湯気が混じる。 ここはたこ焼き屋でもあるが、酒場だ。 店名をなぞって、たこ焼きとハイボールを頼む。ハイボールは最初からメガジョッキで。通常の倍量だ。 ほどなくグラスが置かれた。氷の角が透け、炭酸が静かに立ちのぼる。 お通しは柿ピーのキムチ味とカルパスの紅ショウガ味。塩と辛味が先に舌を起こし、喉が開く。 お通しについてはあれこれ言われがちだ

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#ほろ酔い文学 花と焼鳥の香り

春が近いとはいえ、日が沈むのはまだまだ早い。 すっかり暗くなった帰り道。スーパーに立ち寄った。 おや、焼鳥が値引きされてる。しかも一通り種類が揃っている。今日はこれで飲んじゃおっかなぁ。 焼鳥達をかごにいれ、酒売り場へ。 何がいいかな。ビール、ハイボール、チューハイ……どれも合うが。今日はこれだな。 帰宅後。グラスに注いだジャスミン焼酎から立ちのぼる香りは、花の甘さよりも透明感が先に来る。 夜風に混じるどこか遠い庭の気配のような。爽やかなのど越し。 ジャスミン焼

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#ほろ酔い文学 ホット・レッドアイ

それは雪の夜だった。 この土地で雪を見ること自体、年に数えるほどしかない。ましてや積もるなど、ほとんど起こりえない。 それなのに今年は、異様なほどの雪が地を覆っていた。 仕事帰りの男は、すっかり身体を冷やしていた。 コートは羽織っている。だが寒冷地であるかのようなこの夜には、歯が立たない。 空気そのものが、体温を奪いにきているようだった。 これは、家まで持たないぞ。 温かさを求めて、路地裏に滲む赤い看板に引き寄せられた。雪が張り付いて灯りは弱々しく、看板の文字は

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有料記事 まとめ

特に力を入れて書いたもの。

民俗学断簡 みちのく遥か 最上川と最上氏

動脈としての最上川 本州の北部、日本海側に広がる出羽の地。 山々に囲まれた内陸盆地は、京や関東から見れば辺境でした。 険しい奥羽山脈が東を閉ざし、朝日連峰が西を塞ぐ。 陸路は限られ、雪の季節には人の往来すら途絶えます。 しかしその閉ざされた土地を、一本の巨大な動脈が貫いていました。 最上川。 時代を通して彼の地を象徴するこの大河は、物流の幹線であり軍の通路であり、経済そのものでした。 あらゆる物資は川を通って運ばれました。人も情報も軍勢も、最上川沿いに動い

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伏脈領域 舞鶴

人は都合よく忘れ都合よく記憶を書き換え、都合よく神を作る。 恐怖は信仰に変わり、罪は隠される。 そうして土地に残るはずだった事実は、都合の良い物語へと書き換えられてゆく。 だが、人ならざる者達は変わらずあり続ける。 消された川筋、埋められた井戸、誰も触れぬ祠。 そこには都合よく作られた神たちが、信仰をなくしてもなお存在する。 私はそういったものを記録している。忘れ去られゆく者たちを。 先生――柳田國男のように。 舞鶴の”山” 舞鶴は、大きく様変わりした場所の

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民俗学断簡 北前船とは何であったのか

北前船は江戸時代中期から明治期にかけて日本海沿岸で運用された商業航路と、その航路を往来した大型和船の名称です。 運航は主に民間商人によって行われ、大阪を起点に蝦夷地までを結ぶ日本海交易の中核でした。 スペック解説と乗船員 北前船に用いられた船体は、主に「弁才船(べざいせん)」と呼ばれる和船形式でした。 弁才船は江戸時代を通じて広く用いられた大型商船であり、北前船交易の発展を支えた代表的な船種でもあります。 その設計思想は、速度や戦闘能力よりも「大量輸送」と「長距離航

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伏脈領域 柳瀬

人は都合よく忘れ都合よく記憶を書き換え、都合よく神を作る。 恐怖は信仰に変わり、罪は隠される。 そうして土地に残るはずだった事実は、都合の良い物語へと書き換えられてゆく。 だが、人ならざる者達は変わらずあり続ける。 消された川筋、埋められた井戸、誰も触れぬ祠。 そこには都合よく作られた神たちが、信仰をなくしてもなお存在する。 私はそういったものを記録している。忘れ去られゆく者たちを。 先生――柳田國男のように。 私がその帳面を手に入れたのは、帝都神田の古書店に

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小説 連載

作り話です、本当です。

ヒトデ不足 for Answer

"企業"は国家を解体し、その権限を奪い取った。 パクス・アステリア。 企業が掲げた平和の名の下にヒトデ達はコロニーへ収容され、労働と引き換えに最低限の生活のみを保証される暗黒世界が築かれた。 企業は、次のプロジェクトを開始する。 「フィジカルAIが、全てを解決する」 海藻農場。建設現場。輸送網。深海鉱山。海流発電所。全ての労働を自律機械へ置き換える。 フルオートメーション。 給与、社会保障を必要としない労働力。資本主義の夢。 実現すれば、コロニーすら不要になる

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ヒトデ不足

海底都市群は、空前のヒトデ不足に見舞われていた。 数十年前からの少子高齢化に歯止めがかからず、遂にヒトデ減が始まった。 かつて1億3000万に迫っていたヒトデの総数は、数年以内に1億2000万を割り込むと予想された。 問題の核は、総ヒトデよりも生産年齢ヒトデの減少だった。 15歳から64歳までの個体。 労働により富を生産し、また消費の主役でもある層。ここの減少は、社会へのダメージが大きい。 最盛期には8700万匹いたが、今は7300万匹まで減少している。今後も毎年

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ホラー小説 P.F.‐Eidolon 後

前編はこちら 霞が関の庁舎は、奇妙な静けさに包まれていた。 「……今日、総務の島に誰か残ってるか?」 「知らない。フロア、半分ぐらい真っ暗だぞ」 節電で消えた蛍光灯の列の中に、一室だけ明かりが点いている。 かつてのプレミアムフライデー推進室。もう存在しないはずの部署。 会議室のホワイトボードに、見覚えのない議題が書かれていた。 【議題】再検討:責任の所在について 【出席者】報告書関係者一同 下に、丁寧な筆跡で付け加えられていた。 ※欠席は認められない 職員た

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ホラー小説 P.F.‐Eidolon 前

霞が関の庁舎に金曜の午後が訪れる。 会議室では報告書についての相談が続いている。 「そうだろうとも、さ。意外でもなんでもない」 「分かり切っていたことだ。この日に早上がりなんて俺達だって無理だ」 「散々止めたよ。でも政治家先生と太鼓持ち共が」 「“この企画”は失敗だった」 机上には、黄色いロゴ入りのファイル──“Premium Friday”最終報告書。 「……もちろん上は、腹を切る気はないぞ」 沈黙。 会議室の空気が凍ったように動かない。誰も目を合わせようと

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伏脈領域

時は大正期。 忘れられた土地の記憶を記録する民俗学者である”私”は、調査する内に人々が長く隠し続けてきた過去と対面する。 近代化の陰で忘れ去られた者たちとは、何者だったのか。 人は都合よく歴史を書き換え神を作り、恐怖を埋めてきた。 しかし土地だけは全てを覚えている。人が去っても、そこに神は残っている。 民俗学と怪異が交錯する、大正幻想物語。

伏脈領域 設定①(メン限)

唐突に始まり、そして続いたこれについて。 専用のマガジン作りました。 時代設定 大正の1915~1918年あたりを想定しています。

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伏脈領域 舞鶴

人は都合よく忘れ都合よく記憶を書き換え、都合よく神を作る。 恐怖は信仰に変わり、罪は隠される。 そうして土地に残るはずだった事実は、都合の良い物語へと書き換えられてゆく。 だが、人ならざる者達は変わらずあり続ける。 消された川筋、埋められた井戸、誰も触れぬ祠。 そこには都合よく作られた神たちが、信仰をなくしてもなお存在する。 私はそういったものを記録している。忘れ去られゆく者たちを。 先生――柳田國男のように。 舞鶴の”山” 舞鶴は、大きく様変わりした場所の

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伏脈領域 柳瀬

人は都合よく忘れ都合よく記憶を書き換え、都合よく神を作る。 恐怖は信仰に変わり、罪は隠される。 そうして土地に残るはずだった事実は、都合の良い物語へと書き換えられてゆく。 だが、人ならざる者達は変わらずあり続ける。 消された川筋、埋められた井戸、誰も触れぬ祠。 そこには都合よく作られた神たちが、信仰をなくしてもなお存在する。 私はそういったものを記録している。忘れ去られゆく者たちを。 先生――柳田國男のように。 私がその帳面を手に入れたのは、帝都神田の古書店に

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