ジェンダー/人権/性教育などについて、自分なりの視点で綴るエッセイです。
このnoteにも何度か登場しているホストシスターのIちゃん。 彼女はスウェーデンの名門大学の工学科を卒業したのち来日し、かれこれ3年ほど経っている。先日、彼女から「数年間、働いた会社をやめました。」という連絡が届いた。 久しぶりに会ったIちゃんは会社員時代とは別人のように晴れやかな表情になっていた。 今日はそんなIちゃん(とスウェーデンの教育)のお話をしてみたい。 突然、勉強したくなったIちゃん先ほど書いたように彼女はいま仕事をやめている。やめているというか、他にやり
トイレに生理用品を無償でおくようにしてほしいと発言した女性にバッシングが起きたらしい。女性には、殺害予告を含めた誹謗中傷のメールが1万件近くも殺到したという。 * はじめて生理を知ったのは小学5年生だった。 教室に女子生徒だけ残されて。そこで聞いたのは、女性にはあかちゃんを産むために子宮があって、毎月排卵をして、妊娠をしないと生理がおこる。1ヶ月のうち1週間は血がでるんですよって話。 大人の女性にそういう日があることは知っていた。幼い頃、母がたまに一緒にお風呂に入らな
トランプ大統領がダイバーシティを「危険で屈辱的かつ非道徳的」なものとして政府の関連事業の中止を命じた。すると次々と米国企業内でダイバーシティの事業や制度が消えていった。そんな嘘のようなニュースをいま目の前で見ている。 ここ5年間ほど、世界中が自分ではない他者を理解するのに夢中になって努めていたように見えた。ジェンダー平等、LGBTQ+、多様な人種、障害や病気、あらゆるマイノリティに言葉とマイクが与えられ、確かに光が当たりはじめていた。 しかし世は揺れ動く。他者理解よりも自
朝起きてLINEを開くと見たくもないLINEニュースの見出しが目に入る。連日、世を騒がせている某テレビ局の醜態ぶりにまたかと嫌気がさすのに、おおよそ同じ内容が書かれた別タイトルの記事をクリックしてしまう。いやな話だと言いながら、私たちは一体何を見てるのだろう。 ニュースは、社会の写し鏡だと思う。私たちが社会でリスペクトし合いながら生きていく上で足りない視点を学び直し、アップデートするチャンスだ。というか、そう思うようにしないと毎日心がもたない話ばかり。 話が少し遠回りする
写真より文字が多い、旅先の記録です。
旅の前編はこちら ウプサラ駅から列車に乗り込むと感傷に浸るのも束の間、ある違和感に気がついた。車内、めちゃめちゃ暑いかもしれない。夏でも20度前後の日が多かったスウェーデンでは、家庭はおろか公共施設や列車にすらエアコンがついていることは珍しかった。20年前の私はこの国のエアコンにすら関心をもたなかったのだから、地球温暖化は確実に進んでいるのだろう。 窓をあけてなんとか耐えること1時間。風景がビル感を帯びはじめ、いよいよストックホルムの街並みが見えてきた。中央駅には留学時代
2024年8月下旬。うだるような東京の暑さを抜けだし到着したスウェーデンの空港はなぜか寒かった。空調が効きすぎてるのかと思ったら外も寒かった。さすが北欧である。 スウェーデンには特別な思い入れがある。私が9歳の頃、40歳で大学院生をしていた母の研究についてきたのが初めての滞在だった。まだ英語が話せなかった私は何をするにも怯えていたけれど、スウェーデン人は目が合うと必ずニコリとはにかんでくれたので「きっと分かり合えるだろう」と謎の自信をもった。それからスウェーデンのことを知る
とある日の深夜2時。私は飛行機の予約ボタンをポチッと押していた。1週間後。いま高松にいる。 そういえば5年前の3月もこうして高松にいた。瀬戸内のカラッとした空気に電線のない高い空。旅に出る理由は、美味しいうどんが食べたいとか瀬戸内のアートが見たいとかいくつでも思いつくが、ベルトコンベアのように運ばれてくる毎日からちょっとだけ逃げたい、と思っていたのが本当のところだった。 とはいいつつ美味しいものには目がない。今日は胃袋を3倍にして帰ってきた記録を紹介したい。 くいもんや
忘れられない旅行がある。 精神も身体もヘトヘトになった、 あまりたのしくない思い出だ。 きっと二度と行かない場所。 でも人生で出会えてよかった場所。 それが、キューバだ。 「キューバへ行こう」といったのは、 大学生当時、お付き合いしていた人だった。 彼にとっては人生初の海外旅行だというのに、 「みんなが驚くような場所がいい」と言った。 そういうところに、ひかれていた。 いっぽうのわたしは海外旅行には慣れていた。 でもクレジットカード・Wifi・英語があれば なんで
第二のふるさとスウェーデンで気づいた、あれこれのエッセイです。
2024年2月某日。都内で取材をしていた。 「本日の取材を担当させていただきます。よろしくお願いします。」 いつものようにあいさつをし、音声レコーダーのボタンを押す。 ここから取材の本編が始まる──。はずだった。 「記者さん、あなたはどういう人なんですか?」 録音ボタンを押したばかりの私のなかで予定された取材が静かに崩れ始めた。でもって、何を話そう? 取材相手に興味をもった経緯、大学で勉強していたこと、昔は事情あってスウェーデンに住んでいたこと。とりとめもなく話し
スウェーデンの有名な料理はなんですか?ときかれると「IKEAのミートボールでしょうか」くらいしか答えられない。 イタリア料理のピザやパスタ、フランス料理フルコースのような派手さは決してない。 しかしこんな失礼なことをいっておきながら、なぜか無性に食べたくなるときがある。気づけばスーパーでディルをみつけて、鼻呼吸で吸い込もうとしている。 こんなときは無理をせず、レストランにかけこむのが吉でしょう。 本日は、スウェーデンに行ったことがある方もない方も「あれれ、スウェーデン
「日本は大好きだけど、ひとつだけ理解できないことがある」 スウェーデン人の友人とごはんを食べていたときのこと。日本に5年以上住むその人は真剣そうに口にした。 どうやら日本語の会話で受ける「ツッコミ」に、あまりいい気分がしないらしい。 言われてみれば、スウェーデン語の会話にはツッコミが存在しない。とあるTV番組でスウェーデンの隣国フィンランドに行ったお笑い芸人の永野さんも「フィンランドにはツッコミ文化がなくて驚いた」と話していた。 おならに反応しない人々事件は、私が通っ