波打際外伝26話 エピソード零(ゼロ)なぜ、龍だったのですか Episode Zero: The Question of the Dragon Sculpture
セオリは、文化祭に出展する作品に彫刻を提案した後、球場で言った
「やったことがないからやるのよ」

ホームセンターで、木材を買いながら
「龍を彫りたい」

だいぶ後になって、セオリの語りはこのようなことだった。

「私は、水の流れのようなもの。」

「その静けさは今の私、そして、荒れ狂う奔流としての私は龍。」

「その両方が同じ私であることを、忘れないために龍を彫ってみたい。」

前に、セオリとは瀬織津姫から名前を取ったのだと記した。

瀬織津姫は、祓いと水の奔流を司る存在。

その力が極まるとき、古い伝承では龍の姿を取るとされている。

瀬織津姫は、罪や穢れを川の瀬に流す神。

その流れを象徴するのが龍。

「おそらく・・・・・人の穢れは、思っているより重いのだと思う。」

「それを運ぶには、私の内に棲む龍の力を使うしかない。」

「私は・・・・その姿を木から彫りだしてみたい。」

「龍は、私でありながら、私ではない・・・・」

「その境界に・・・・」

「この龍はいる・・・・」

【限定公開】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~ 文化祭
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