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マガジン一覧

短編小説(ショートショート)まとめ

1000〜3000字ほどの短めの小説(ショートショート)。スキを多く頂いたり、そうじゃなくても個人的に読んでみてほしいもの集めてます。

短編小説『別れの計算』

雑居ビルの地下、薄暗い純喫茶。 奥のテーブル席に向かい合って座る男女。 品の良い濃紺のセットアップに黒いタートルネックの男は裕一郎。長く細い足を組み、正面の女を見る。 女は美紀。背筋を伸ばし無表情に座っている。 裕一郎は横に置いたカバンから長4サイズの茶封筒を取り出し、テーブルに置く。茶封筒には厚みがある。 「何これ?」と美紀。 「うん、損害賠償」 「損害賠償……?」 目を細める美紀。 何もおかしなことはない、という感じの裕一郎。 「損害って……私の損害、ってこと?

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短編小説『未練ロードサービス』

広がる新緑の水田。遠くには低い山並み。鈍色の雲が空を覆っている。 田んぼ沿いに伸びる車道、走る車はない。 静かな春の田園地帯の中、ぽつんと一台のコンパクトカーが停まっている。 いや、停まっているのではない。 大きく左に傾いた車体。左前輪が田んぼの側溝に深くはまり込んでいて、簡単に抜け出せそうにない。周囲を見るにひとり相撲の事故らしい。 車の近く、田んぼ脇の短い雑草の上にしゃがみこむ男がいる。 彼の名は黒瀬。若くがっちりした体格だが、今は弱々しく背中を丸め、水面を動くア

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短編小説『マッチング不成立』

*17:45* 都内の大きな駅。石畳の広い駅前広場には多くの人が行き交う。 広場の内周に並んだベンチのひとつに、若い男が座っている。 男の名は深町。ジャケットは真新しいがサイズが合わずダボついていて、髪は整髪剤で不自然にテカっている。ファッションへの疎さゆえに努力が空回りしている、という感じ。 深町はスマホを取り出してマッチングアプリを開く。小型犬を抱いて笑う女性の写真、その下には丁寧に書かれたプロフィール情報。 メッセージ画面からメッセージを打つ。 『南口のベンチに

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短編小説『コーヒーの海と夜』

9歳の葉介が、パジャマ姿でダイニングに入ってくる。風呂上がりで髪は濡れ、頬が火照っている。 「お風呂あがったー」 大きな声を出すが、返事はない。 隣のリビングを覗くが、誰もいない。 「兄ちゃんトイレかな」 葉介は冷蔵庫を覗く。めぼしいものがなく、不満げに扉を雑に閉める。 ダイニングを見回す。テーブルの上にマグカップがひとつ。 覗き込むと、中には真っ黒な液体。 「……コーラ?」 カップを手に取り、周囲を見回す。 「兄ちゃん!ちょっと貰っていい?!」 家のどこか

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スキをたくさん頂いた文章

ありがたくもたくさんのスキを頂いた文章です。ありがたや。

創作のための映画分析『トイ・ストーリー』

脚本スクールに通いはじめて約1年、物語術を知識として勉強するようになり、映画やドラマを観る視点も変わってきました。 具体的には、ストーリーを構造で捉えて、「この映画が面白い理由(あるいはつまらない理由)」を論理で考えようと試みる習慣がついてきました。 まだまだ粗い分析ですが、それでも過去観た映画なんかを改めて今観てみると、「なるほどそういう仕組みだったか」と新たに気づくことも増えた。 そんな中、トイ・ストーリーを最近久しぶりに観返してみたんです。 で、圧倒されました。

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【コラム】美術館にいるときの感覚が外に持ち出せたら

「誰かがアートって言ってしまえば何でもアートじゃねぇか!」というツッコミをたまに見ます。 たしかに現代アートの中には「なんだこれ」っていうものが良くありますよね。 これはメロンらしいです。ミゲル・バルセロさんという世界的アーティストの作品です。 これは金氏徹平さんという方の作品。岩にカーブミラー、不思議なアートです。 そういう作品をここ数年いろいろ見てきました。 その上で、最初のツッコミに対する個人的な考えですが、「何でもアートじゃねぇか!」は、マジでその通りだと思い

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【コラム】文学部の逆襲がはじまる

文学部卒という肩書きが優越感を運んできてくれた記憶は、ほとんどありませんでした。 文学部の進路といえば出版や新聞などがよく挙げられます。でもそれらの狭き門に入るのはごく一部で、僕含めて多くの学部生は、学問とは関係のない仕事に就きました。 広告はまだ遠からずだからいいかもしれない。それでも、「大学で事業戦略を学んだ」「広告論を学んだ」という人なんか会うと、人生の全種目で勝てる気がしなくなりました。 僕が大学の勉強で覚えているのは、先人たちの性の奔放さを古事記や源氏物語で力説

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【エッセイ】免許センターで誕生日会をすればいい

少し前に、免許更新のため江東区の免許センターに行きました。 大学生のとき免許を取ってから更新は3回目。でも免許センターのあの雰囲気、どうも好きになれなくて。 普段交わらない領域の人たちが、境界を超えて集まってきて、自由に出ていくこともできずに滞留してる感じ。ずもずもする。 そこにいる人たちがあまりにも読めなくて落ち着かないんです。鼻をすすっただけで怒り狂う人がいるかもしれない。急に大声で電話し出す人がいるかもしれない。長く待たされているという状況もあって、どんより濁ったよ

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映画に関して

創作の参考に、いろんな映画について考察や分析をしています

できるだけやさしい、マトリックス世界設定解説

※この記事はネタバレしかないので、注意してください。 たまにはショートショートではなく、コラムを投稿したいと思います。 いよいよ公開となる最新作「マトリックスリザレクションズ」。実は僕マトリックスの大ファンで、あの複雑怪奇なマトリックスの世界設定と真面目に向き合ってきた稀有な人類なのです(自称)。 そんなこともあり1年半前、自分なりにマトリックスを解説してみるという慣れない試みをnote上にしていたのですが、その時は需要があまりなく・・ しかし今、新作公開で世の中もマ

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マトリックスの美しすぎるストーリー構成から、「物語」を学ぶ

先日、マトリックスの世界設定に関する記事をアップしたところ、たくさんのスキをいただきました! 「ようやく分かった!」というお声なんかもいただき、「俺はもしかしてもっと自己評価を上げていいのかも…」とホクホクしています。ありがとうございます! しかし僕がマトリックスを溺愛している理由は、前回書いた「世界設定」のほかに、もう一つあるんです。 それが、「美しいストーリー構成」。つまり脚本です。 前記事の反響に気を良くして、というわけではないですが、せっかくなので、それもお伝

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創作のための映画分析『トイ・ストーリー』

脚本スクールに通いはじめて約1年、物語術を知識として勉強するようになり、映画やドラマを観る視点も変わってきました。 具体的には、ストーリーを構造で捉えて、「この映画が面白い理由(あるいはつまらない理由)」を論理で考えようと試みる習慣がついてきました。 まだまだ粗い分析ですが、それでも過去観た映画なんかを改めて今観てみると、「なるほどそういう仕組みだったか」と新たに気づくことも増えた。 そんな中、トイ・ストーリーを最近久しぶりに観返してみたんです。 で、圧倒されました。

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創作のための映画分析『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

先日アップした記事「トイ・ストーリーの面白さを、構造化して考えてみた」に、たくさんのスキをいただきました、ありがとうございます。 さらに、noteさんの『今日の注目記事』にも久々に選んでいただきました。 いやもう、こんなんでよければいくらでも書きますよってに。 実は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(以下BTF)でもストーリーの構造化分析をしてみてたので、こちらもぜひ見ていただければと思います。 すごいですよ、この映画も。 個人的にですが、「災難巻き込まれ系ストーリー

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美術鑑賞・アートに関して

知識なし、センスなしでゆるゆる楽しむアート鑑賞について語った記事をまとめています。

東京国立博物館を2周したら、日本って意外とカラフルな国なんだと今さら気づいた

上の写真は、鎧下着萌黄紗綾地獅子牡丹模様というもの。よろしいたぎ もえぎさやじ ししぼたんもよう、と読むが、3行先には忘れてると思う。 鮮やかな緑地に、金の牡丹と獅子。 鎧下着だから、鎧の下にこれを着ていたということ。ヤンキーが学ランの下に赤シャツ着るような発想だろうか。 世界の中でも、武具や衣装にこんなに明るい色を使う文化は少ないのだそうで。たしかに日本の鎧や着物は派手な気がする。 続いてこれは花鳥図屏風という屏風絵。 さきほどの鎧下着に比べるとだいぶ落ち着いて

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【コラム】ガサツ人間のための、ゆるゆる美術鑑賞のススメ

毎月1回は美術館に足を運ぶようになって3年、ようやく「趣味は美術館巡り」と言えるくらいになってきました。 しかし3年前までアートには全く興味がありませんでした。ゴッホとピカソは「ゴッホ・ピカソさん」という一人の画家とすら思っていたような門外漢でした。 そんな僕でも美術館を趣味として楽しめ続けているのは、自分の中で鑑賞のハードルをぐんと下げて楽しめるようになったからです。鑑賞に、特別な知識も感性も使っていません。マジでゆるゆる観て楽しんでます。 そんな感じでも長く続けてい

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よく知らん芸術家の展覧会に行こう!ー「ミケル・バルセロ展」

以前、「ゆるゆる美術鑑賞のススメ」という記事を書きました。「知識やセンスはなくていい。ゆるーく美術館を楽しみましょうよ」というご提案と、その具体的な楽しみ方をお伝えする内容でした。 この記事に対して、多くの方からスキや共感コメントをいただきました。描いてよかった……ありがとうございました! そして今回は、「ゆるゆる美術鑑賞」の実践編として、実際に訪れた展覧会について書いてみたいと思います。 訪れたのが、東京オペラシティアートギャラリーで開催中の『ミケル・バルセロ展』です

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【コラム】美術館にいるときの感覚が外に持ち出せたら

「誰かがアートって言ってしまえば何でもアートじゃねぇか!」というツッコミをたまに見ます。 たしかに現代アートの中には「なんだこれ」っていうものが良くありますよね。 これはメロンらしいです。ミゲル・バルセロさんという世界的アーティストの作品です。 これは金氏徹平さんという方の作品。岩にカーブミラー、不思議なアートです。 そういう作品をここ数年いろいろ見てきました。 その上で、最初のツッコミに対する個人的な考えですが、「何でもアートじゃねぇか!」は、マジでその通りだと思い

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いろんなきもち

虫でも動物でも家電でも、人間以外であっても何でも主人公にします。ピクサー好きなので。お気に入りの主人公が見つかれば幸いです

【短編小説】配膳ロボの一生

広島と山口の県境付近、南北に伸びる県道から少し逸れたところに、ロボットが暮らす村がある。 人間のいない、16体のロボットたちが生活する小さな村。 かつて盛り上がったAI産業は、「技術より倫理」という世論の強まりに押されて、2030年頃をピークに下降していった。 そして2100年現在、人の手を借りずに自生するAIロボットは、世界でもこの村の16体のみとなる。 欲を持たず、村から出ることもなく、自然を愛して過ごす優しいロボットたち。 その村と彼らのルーツは、一体の配膳ロ

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【短編小説】ばあちゃん、鳩になる

鳩になったばあちゃんがベランダにやってきたのは、妻が家を出ていって2週間ほど経った頃だった。 結婚して3年。1LDKの賃貸マンションでの妻とのふたり暮らし。すぐに子どもはつくらず夫婦の時間をしばらく楽しもう、と言ったのは妻。悪くない新婚生活だった。 ずれ始めたのはいつからか。 「たまには、しょうちゃんも凝った料理を作ってよ」と、ある日妻が言った。 負担が偏らないように料理は交互につくっていた。妻に比べると、たしかに俺の料理は幅が狭かった。だいたい見た目は茶色いし、ソース

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【短編小説】校庭の犬

朝起きたら、犬になっていた。 小麦色の、痩せた柴犬になっていた。 しばらく困惑して、いったん諦めて、その後にあることを思いつく。 「そうだ、授業中の小学校の校庭に紛れ込んでみよう」 犬になる前の僕は、地味で目立たない三十路男だった。 地味な服を着て、地味な髪型をして、地味な表情を保った。両親と歯医者さん以外に、自分の身の上について語った記憶もない。 どこかで軌道修正しようと思ってはいたけれど、「行けたら行く」くらいの薄っぺらい決心が行動に移されることなんて当然なく、

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【短編小説】新解釈・ウサギと亀

ある日、ウサギが亀に向かって言った。 「亀くん、僕と競争しないか?あの丘のてっぺんに先に着いたほうが勝ちだ」 亀にはウサギの考えが理解できなかった。 丘まで競争は分かる。しかしそれに何の意味があるのか。体のつくりが根本的に違うふたりが速さで競い、それで勝ったとして何になる。そんなくだらない勝利を、ウサギはなぜこうも興奮気味に求めるのか。 亀は、頭に浮かんだ疑問をしっかりと認識しながらも、その大部分を奥にしまいこんで、ひと言ウサギに聞いた。 「どうして?」 予想外の反

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コラムまとめ

マーケティング、人間心理、物語づくりなどに関するコラムの中で、とくに読んでほしい記事をまとめています。

できるだけやさしい、マトリックス世界設定解説

※この記事はネタバレしかないので、注意してください。 たまにはショートショートではなく、コラムを投稿したいと思います。 いよいよ公開となる最新作「マトリックスリザレクションズ」。実は僕マトリックスの大ファンで、あの複雑怪奇なマトリックスの世界設定と真面目に向き合ってきた稀有な人類なのです(自称)。 そんなこともあり1年半前、自分なりにマトリックスを解説してみるという慣れない試みをnote上にしていたのですが、その時は需要があまりなく・・ しかし今、新作公開で世の中もマ

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【コラム】文学部の逆襲がはじまる

文学部卒という肩書きが優越感を運んできてくれた記憶は、ほとんどありませんでした。 文学部の進路といえば出版や新聞などがよく挙げられます。でもそれらの狭き門に入るのはごく一部で、僕含めて多くの学部生は、学問とは関係のない仕事に就きました。 広告はまだ遠からずだからいいかもしれない。それでも、「大学で事業戦略を学んだ」「広告論を学んだ」という人なんか会うと、人生の全種目で勝てる気がしなくなりました。 僕が大学の勉強で覚えているのは、先人たちの性の奔放さを古事記や源氏物語で力説

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「他人の心に対する無知」を自覚しないと、メッセージは届かない

ある問題をつきつめていくと、理系学問は最終的に自然法則に行き着いて、文系学問は人間心理に行き着く、ということをどこかで読みました。(はて、どこだったか) 僕は、学歴も仕事も思考もどっぷり文系人間です。だから日々直面する課題も、人の心に核心があることが多い。 売上が下がったなぁ、とか、noteの記事のスキが伸びないよぉ、とか、突き詰めると、他人の心理を捉えきれてないことが根本原因だったりします。 もちろんそこにはいろんな影響があります。環境や文化、感染状況だって市場を引っ

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【コラム】美術館にいるときの感覚が外に持ち出せたら

「誰かがアートって言ってしまえば何でもアートじゃねぇか!」というツッコミをたまに見ます。 たしかに現代アートの中には「なんだこれ」っていうものが良くありますよね。 これはメロンらしいです。ミゲル・バルセロさんという世界的アーティストの作品です。 これは金氏徹平さんという方の作品。岩にカーブミラー、不思議なアートです。 そういう作品をここ数年いろいろ見てきました。 その上で、最初のツッコミに対する個人的な考えですが、「何でもアートじゃねぇか!」は、マジでその通りだと思い

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エッセイまとめ

エッセイは書きたいこと書いてます。エッセイですから。ここでは「気持ち良く書けたかな」ってやつ集めてます。

【エッセイ】20代の自分へ。その「遠回り」が ”自分の色” だと思えるときが、ちゃんと来ますよ。

◆27歳での上京5年前、27歳で僕は上京した。 東京に引っ越したことは、ほとんどの知人に伝えなかった。「いまさら上京?」とか思われるかもなんて考えて、少し恥ずかしかったから。 その頃の貯金は本当にゼロだった。引越代と、詐欺のように高い東京の敷金は親から借金をして払った。奨学金の残債も200万くらい。 20代後半にもなって、「失業保険 もらい方」や「生活保護 条件」なんてググることになるとは思いもしなかった。 東京でようやく見つけた仕事も、契約社員での雇用だった。 会社

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【エッセイ】ずっと、誰かの人生に惹かれていた

なぜかよく思い出す子どもの頃の情景ってありませんか。旅行とかイベント事でもない、どうしてそればかり思い出すのか分からないような情景。 僕がよく思い出すのは、風邪で学校を休んで「フォレスト・ガンプ」を観たとき。 たぶん小学生高学年の頃です。 朝から熱が出て寝込んでいました。昼過ぎに目を覚ますとぐっしょり寝汗をかいていて、体温を測ってみると熱は冷めている。 元気になってしまった。でも今さら学校に行く気もない。リビングに入ると、両親は仕事に出ていて、しんと静かな平日の家の中。い

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【エッセイ】そういえば僕ら、漂流民をやめたんだった

ここ数週間、引っ越しを考えていました。 上京して墨田区に越してきたのが6年前。金もなく、東京のことも分からずに選んだマンションに、結局6年以上も住み続けました。築40年以上でオートロックもない、くたびれた昭和のマンションです。 この家は嫌いではなかったけど、あの頃より東京も詳しくなったし、何より給料もきもち増えたので、そろそろ少しいい家に越すのもいいかな、と。 そうやって新天地を探し出したんですが、 結論、引越しはまだいいや、と思い至りました。 わかっちゃいたけど、東

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「学歴」は「学校歴」でしかないという噺

故・立川談志師匠のある枕の一節です。 (枕とは、落語の本編前に話す導入みたいなもの) (自分は)学歴がないんじゃない、 学校歴がねえだけなんだよ。 学歴は落語学っていうちゃんとしたもんがある。 あなたがたも、主婦学でありね、やれ経営学であり、よいしょ学であり、なんかひとつもってりゃそれで良いよ。 何年か前に聞いたとき、脳みそを背負い投げされたみたいな衝撃があって、何度も動画をリピートして一字一句メモした言葉。 それを急に思い出しました。世の中に伝えたくなりました。き

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