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マガジン一覧

gate, by sentence

ライティングを学び合うコミュニティ「sentence」の会員が運営する共同マガジンです。

36 本

“二畳半カフェ” はじめました

はじめに「趣味」という言葉を前に、眉間にシワを寄せる。 自己紹介をするとき、初対面の人と話すとき、話題が見つからないとき、履歴書を書くとき——これまで幾度と目にしてきた、馴染みの深いワードだが、25歳になった今、改めて「趣味」を捉え直す必要に迫られていた。 事の発端は、2週間ほど前だっただろうか。 夫の実家が近い、とある城下町の商店街を訪れ、いかにもオシャレなカフェに足を踏み入れた。白と茶色をベースにした店内装飾が、心地良さを演出し、1Kアパートくらいの広さが、ほど良い

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こんな自分なら大丈夫。コーピングレパートリー、書き出しのススメ

今月のgate,by sentence、テーマは#みんなのコーピング。コーピングとは、簡単に言うと「ストレス対処法」のこと。Twitterで、ストレス対処法をリスト化する「コーピングレパートリー」の書き出しが流行っているらしいのです。 「自分はどんなコーピングを行なっているだろうか?そんな言うほどのことって、無くない?どうしよう〜何書こう〜」 と、ちょっと悩みながら、私は職場のトイレで、手を洗っていました。 * * * * * * ある時期から、トイレの手洗い場でお湯が

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頑張るために、頑張らない

痛みで目が覚めた。 右手が頭の下敷きになっていたからか、指先は冷たく、掌がピリリと痺れている。頭が働かないまま、体の感覚で「寝すぎたかも」と思った。 片足だけ布団から出してみる。ひんやりとした空気に触れた部分が気持ちいい。 小さく息を吐いて、目を閉じて、今日やるべきことを一つ、またひとつと思い浮かべる。 リビングから聞こえる、秒針の音。 ああ。 心は焦るのに、体はちっとも動かない。 . フリーランスに定時はない。 満員電車の息苦し

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【追記あり】「飲みニケーション」じゃなくて、「パンケキニケーション」でもいいよねって話。

こんにちは、まさよふです。 「飲み」に行かなくても、コミュニケーションできるよ!と伝えたいだけのnoteです。じゃん! 「あたりまえ」に加われないさびしさ「新しい人が来たから歓迎会やりまーす!調整さんの日程ください」 「今度〇〇さんたちと飲むので、まさよふさんも来ませんか?」 ごくあたりまえに、投げかけられる、あたたかい呼びかけに、胸の奥をちくんと痛ませながら、今日もお断りをする。 「お誘いありがとうございます。でも、ごめんなさい。夜は家族の時間なので、またランチでも行

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ふたりの暮らし

だいすきな夫との、ゆるい生活日記。

出産予定日まで1週間。今、正直に思うこと

近所の喫茶店で、ホットのカフェラテを頼む時期になった。丁寧に泡立てられたフォームミルクは柔らかく繊細で、一口飲むと、まろやかな苦味が体の奥深くにゆっくりと染み渡る。 隣に座る夫が頼んだホットコーヒーからは、か細く湯気が立ちのぼる。その様子を眺めながら、深まりゆく秋寒にこわばる体と心が、しゅるしゅるとほぐれていくのを感じた。 ひと息ついた瞬間、ぽっこりと膨らんだお腹の内側がぐーんと押される。視線を向けると、お臍の右側に現れたのは小さな丘。手を添えると、小高い丘は自由に動き回

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ポップコーンの“推し変”をした話

先人の知恵や勇気に、両手を合わせて感謝する瞬間がある。 例えば、納豆。「煮豆を藁に包んで、長年放置しておく」という発想に至ることが(まぐれだとしても)すごいし、あれだけの粘り気、異臭がするものを「食べてみようじゃないか」と腹を括って最初に食べたひとは勇者だ。 私は「納豆は食べられるものだ」と知っているからこそ、勇気を出さずとも美味しく納豆を食べられる。見たことも、嗅いだこともなければ、味の想像がまったくつかないものを口に入れる肝は、到底、持ち合わせていない。 醤油も、味

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夫婦で「交換日記」をはじめたら、夫をもっと好きになった話

小学生の頃、一番仲のいい友達と、ふたりで交換日記をしていた。 その子は、どちらかと言えばクールな性格で、いつも落ち着いていて、中学校に上がる前からファッション誌の『CanCam』(モデルの山田優さん、押切もえさん、えびちゃんが大人気だった頃)を読んでいるような、大人っぽい女の子だった。 学校にいるときも、プライベートで遊んでいるときも、一貫してその印象が強かったから、彼女が突如、交換日記で「う○この歌を作りました」と発表して、自作の「う○この歌」を書いて回してきたときは、

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夫の好きなところを100個書いてみた

ノースリーブのルームワンピースを着て、夜の深い住宅街を歩く。少し前まで、夜の外出には薄手のカーディガンが手放せなかったのに、微かに吹く風の温もりは、すっかり夏だった。 右側、半歩先を歩くのは、私よりも幾分ラフな格好をしている夫。伸びた髪をわしゃわしゃと弄んでは、たまにこちらのほうを見て、それとはなしに歩調を緩ませる。二人のほどよい距離感の裏には、いつだって彼の努力がある。 ・ 夫と結婚して、一年が経った。 付き合って6年目の朝にプロポーズされ、私の誕生日である6月9日

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きょうの台所

小さな台所から生まれる、ちょっとした幸せをコラムと共に。

無印良品と叶える“自家製のナン”で、おうちカレーをもっと楽しく|きょうの台所#7

GW初日を迎えました。洗濯物を干すためにベランダに出ると、じわっと肌を照りつけるお日さまの気持ちいいことなんの。本来なら、電車や車に乗ってどこか遠くへおでかけしたいところですが、今は我慢のとき。 「せっかくの晴天なのになあ……」と卑屈になりそうな気持ちをそっと押し込めて、リビングにある大型のクッションに思いっきりダイブします。スマホのカメラロールを親指でさかのぼると、昨年のGWの写真がいくつか。 当時はまだ“彼氏”だった夫と、広島県の厳島神社や山口県の秋芳洞、大分県は別府

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ご機嫌な朝に食べたい、ズボラ美味しいフレンチトースト|きょうの台所#6

朝、8時半。夫の携帯アラームが、鳴り始める時間です。 もそもそっと動く布団。長い腕がそろぉっと伸びて、甲高い音を止めます。束の間の沈黙を破る、ふぅっという夫の息。次の瞬間、聞こえてくるのは、寝室のガラス戸を控えめに引く音。張りのある、ニュースキャスターの声。 ぼんやりとした意識のなかで、いつもと変わらない朝の音が聞こえます。 あ、嘘。“いつもと変わらない”と言いましたが、大きな変化がひとつだけ。今週から、夫がおうちで仕事をするようになりました。テレワークです。 「仕事

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甘すぎるくらいがちょうどいい、ほっぺた落ちるダルゴナコーヒー|きょうの台所#6

冷たい牛乳のうえに贅沢に盛る、ふわっふわのコーヒークリーム。最近、SNSで話題になっていた「ダルゴナコーヒー」に初挑戦しました! 韓国からじわじわと流行り出した新感覚のドリンク。「ダルゴナ」は、韓国語で「カルメ焼き」を意味するそう。レシピ自体は昔からあったものの、2020年に入って韓国の人気俳優が番組内で紹介したこと、YouTubeでその超簡単なレシピが公開されたことから、人気が爆発したと言います。 おでかけするのが難しい今、おうちで簡単にカフェクオリティ並のドリンクを作

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おこもりな朝を幸せにする、豆苗えのきのペペロンチーノ|きょうの台所#5

外出を控えるようになって、数週間が経ちました。もともと在宅ワークがメインだったので、生活スタイルに大きな変化はありませんが、外に出る機会はぐっと減ったように思います。 そんなにアウドドア派ではない私。それでも、1週間のうち外出できるのが食料調達の数時間となれば、さすがに気分がへこたれると気づきました。 過去にこの連載で紹介した92歳の現役料理家、桧山タミ先生は著書のなかでこんなことを教えてくれています。 朝の光ってほんとにすごいんです。野菜や草花も、朝陽で植物ホルモンを

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なかがわ文庫

気まぐれで、物語を書いていきます。 とびっきり、ささやかなやつを。

夏を越せない想い

足の先を、こつんと突かれた。 重たい瞼を少しずつ開けると、目が乾燥していることに気づく。コンタクトを外さずに寝てしまったようだ。 湿った暑さのなか、扇風機の優しい羽音だけが涼しさを演出している。鎖骨のあたりをそっと触ると、ほんのりと汗で濡れているのが分かった。 すぅうう。 大きく息を吸い込む音がする。静かに隣を向くと、さらさらとした短い黒髪が、扇風機の風に揺らめいてるのが見えた。 しなやかな筋肉のついた肩が、ゆっくりと上下する。 (男の人の背中って、こんなに大きい

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