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5社中4社が当期増益へ。三菱ケミカル・住友化学…総合化学が収益回復段階に、トランプ関税の影響は?
総合化学5社の2026年3月期連結業績予想は、4社が当期増益の見通しだ。医薬品や石油化学など課題事業の構造改革が一段落し、収益回復段階に入る。ただ、トランプ米政権の関税政策がここに来て二転三転する中、景気悪化などの間接的な影響は各社業績予想にほぼ織り込んでいない。自動車やスマートフォン、家電などの消費減退は成長軌道への回帰を妨げかねない。
住友化学が14日発表した26年3月期連結業績予想(国際会計基準)は構造改革を行った石油化学と医薬品事業の損益が大きく改善する。石化中心の「エッセンシャル&グリーンマテリアルズ」部門のコア営業損失予想(非経常的な損益を除いた営業損失)は前期比485億円改善の100億円と赤字幅が縮小する。サウジアラビアの石化合弁会社「ペトロ・ラービグ」の持ち分低下に伴う損失減少が寄与する。
水戸信彰社長は米国関税の間接影響について「『ICT&モビリティ』を中心に25年3月期に前倒しの出荷があった。その影響額のみコア営業利益ベースで100億円程度を織り込んでいる」と語った。
三菱ケミカルグループは非中核事業の整理・売却で目標の売上高4000億円相当に対して、すでに約2900億円を意思決定済みとする。筑本学社長は「順調という言い方が適切かは分からないが、我々はちゃんと進めているし、4000億円にこだわらずにやっていきたい」と述べ、追加の合理化も視野に入れる。
唯一当期減益を見込む旭化成も、その要因は新たな構造改革だ。堀江俊保専務は「一部事業構造改善のアイテムを想定しており、そのため26年3月期は当期減益となる」と説明し、主要事業は堅調ながら特別損失の発生が利益を押し下げる。
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日刊工業新聞 2025年05月15日
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