特定技能 事前ガイダンスの進め方│説明内容・実施タイミング・注意点を解説
特定技能制度における「事前ガイダンス」の具体的な内容や実施時の注意点をご紹介します。

目次
事前ガイダンスとは
事前ガイダンスとは、特定技能1号外国人が日本で就労を開始する前に、雇用契約の詳細、日本での活動内容、入国時の注意点などを説明する、義務的支援の1つです。
事前ガイダンスは、特定技能外国人が日本の生活や仕事に関する基本的なルールや文化を理解し、社会や職場へのスムーズな適応を促すことを目的としています。
ガイダンスは対面やテレビ電話、ウェブビデオ通話などを通じて、本人確認をした上で行います。また、特定技能外国人を海外から日本へ招く際は、在留資格認定証明書の交付申請前に行い、国内で雇用する際は在留資格変更申請前に実施します。
支援については、「義務的支援」と「任意的支援」の2つの種類が存在し、「義務的支援」に関してはその名の通り、特定技能外国人の受け入れ後、必ず実施しなければなりません。
主に、「特定技能雇用契約の内容」や「日本において行うことができる活動内容」、「入国するにあたって注意するべき事項」などを説明します。
「事前ガイダンス」と「生活オリエンテーション」は別物になっていますので、ご留意ください。
目的
事前ガイダンスの実施は、特定技能外国人が日本での生活や仕事にスムーズに適応するために不可欠です。このガイダンスを通じて、雇用契約の内容や入国手続き、日本での活動内容について正確な情報を提供し、外国人材の不安を軽減します。実施の目的は、理解を深めることで、適切な支援が受けられるようにすることです。
実施方法
「事前ガイダンス」は、対面又はテレビ電話などにより、必ず本人であることの確認を行った上で実施することが求められています。
「事前ガイダンス」で伝える項目を資料に落とし込み、郵送又はメールで送付するのみで実施することは認められていません。
もちろん、本人がしっかりと理解できる言語で実施する必要があるため、必要に応じて母国語対応できる体制構築も必要となります。
実施時間
「事前ガイダンス」の内容を本人が十分に理解するために、3時間程度の時間をかけて実施することが求められています。
「留学生」や「技能実習2号を良好に修了した者」を同一機関で引き続き特定技能として雇用する場合であっても、1時間に満たない場合は、事前ガイダンスを適切に行ったとは判断されませんので、ご注意ください。
特定技能外国人が他社へ転職したような場合であったとしても、新しい受入機関側で「事前ガイダンス」を実施しなければなりません。
事前ガイダンスの「義務的支援」
まずは事前ガイダンスの中で、必ず対応しなければならない「義務的支援」の内容から確認していきましょう。
入国在留管理庁ホームページの「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」を参考に、解説していきます。
業務内容・報酬額に関する説明
特定技能外国人に対する事前ガイダンスでは、業務内容や報酬額に関する詳細な説明が必要です。ここでは、雇用契約の具体的な条件や期待される業務の内容を明確にし、外国人材が日本での仕事に対する理解を深めることを目的としています。
特定技能外国人の雇用契約については下記のコラムを参照ください。
活動内容範囲の説明
日本で行える活動内容について、特定技能外国人が取得した在留資格に基づいて行うことができる業務を説明します。特定技能のカテゴリーに該当する業務には、外食業、飲食料品製造、介護、農業、宿泊業などがあります。
これらの分野に関して、分野別運用要領に定められている内容、法令に従い正しく活動することが求められます。また、許可されていない業務を行うと不法就労となり、企業や本人に罰則が課せられる可能性がありますので、十分に理解することが重要です。
新規入国の手続きに関する説明
新規入国手続きには、特定技能外国人が日本に入国する際に必要な一連の手続きが含まれます。この手続きには、在留資格認定証明書交付申請やビザの取得、入国時の書類提出が含まれ、円滑な入国を図るために十分な理解が求められます。
保証金・違約金に関する説明
保証金や違約金に関する説明では、特定技能外国人が契約において保証金や違約金に関するルールを理解することが重要です。特に、現在および将来にわたってこれらの契約が禁止されていることを明確に説明し、誤解を避けるための確認が必要です。これにより、雇用者と外国人材との間でのトラブルを未然に防ぎます。
入社準備費用とその有無の確認
特定技能外国人が日本で就労を開始する際には、入社準備費用が必要です。この費用には、必要な手続きや物品購入に関連する金額が含まれます。
事前にこれらの費用について確認を行い、外国人が理解し納得できるようにすることが重要です。入社に伴う経済的負担を明確にすることで、安心して新しい環境に適応できるよう支援します。
支援に係る費用負担の説明
特定技能外国人に対する支援に関わる費用の負担については、企業がその全てを負担する必要があります。ここでは、どのような費用が発生するか、そしてその負担が特定技能外国人に転嫁されてはいけないことを明確に伝えることが重要です。これにより、外国人材が安心して働く環境を整える役割を果たします。
Q79支援の費用は誰が負担するのですか。
受入れ機関が実施しなければならない支援については受入れ機関が負担しなければなりません。
Q80支援に要する費用について、受入れ機関が負担しなければならない範囲を教えてください。
法務省令に規定されている各支援事項については、1号特定技能外国人支援計画に盛り込まなければいけない義務的な支援であり、これらの支援を実施するに当たり要する費用については受入れ機関が負担しなければなりません。
入国時送迎サポートの説明
日本に入国する際には、入国時の送迎サポートが提供されます。この支援により、空港や港から居住地または職場までの移動がスムーズに行えることが保証されるため、初めての環境でも安心してスタートを切ることができます。企業は、この送迎の内容を十分に説明し、外国人材の不安を軽減することが求められます。
1号特定技能外国人に対する支援内容は下記を参考してください。
受入機関への相談・苦情の申し出方法
受入機関への相談や苦情の申し出方法については、特定技能外国人が問題や不安を抱えた際に、どのようにして迅速かつ適切にサポートを受けられるかが鍵となります。企業は、相談窓口の設置や連絡手段を明確に示し、外国人材が安心して苦情を申し出られる環境を整えることが重要です。具体的な手続きや連絡先を事前に説明することで、円滑なコミュニケーションを促進し、信頼関係を築くことができます。
事前ガイダンスの「任意的支援」
日本の気候や適切な服装の説明
日本は四季があり、季節によって服装が大きく異なります。
一方で、ミャンマーをはじめベトナムやインドネシアなどは、熱帯気候が中心で一年中温暖な地域がほとんどです。そのため、特定技能外国人には日本の気候、住居地域の気候に合った服装を選ぶための具体的なアドバイスを提供し、快適な生活のスタートをサポートする必要があります。
持参物に関する説明
特定技能外国人が日本に入国する際には、持参可能な物と持参すべきでない物についての理解が重要です。特に、日本の法律や文化において持ち込みが禁止されている物があり、入国時のトラブルを避けるためにも事前に確認しておくことが大切です。
必要となる費用とその用途
特定技能外国人が日本にて安心して生活を始めるためには、当面必要となる費用の見積もりが重要です。これには、住居費や生活費、交通費などが含まれます。
実際に、来日後の日本での物価水準や生活費が月間でどの程度必要なのかをイメージできておらず、友人から借金をしてしまい、結果として金銭トラブルが発生する等の揉め事が起こりうる可能性がありますので、特に注意が必要です。
受入機関からの貸与品・支給物について
特定技能外国人が日本での生活を始める際、受入機関からどのような支給物が提供されるかを理解することは重要です。支給物には、生活に必要な基本的な品物(家具家電~自転車など)や、仕事に必要な道具などが含まれます。
事前ガイダンス実施上の注意点
事前ガイダンスを実施する際には、いくつかの重要な注意点があります。
理解しやすい言語での説明
特定技能外国人に対する事前ガイダンスでは、理解しやすい言語での説明が非常に重要です。これは事前ガイダンスでは、雇用契約や入国後に活動できる内容など、特定技能として就労する上で欠かせない情報を提供することとなります。
そのため、特定技能外国人本人が理解できる言語で実施することが求められています。
入社後のトラブルを未然に防ぐという観点から、母国語でしっかりと伝えておくことをおすすめします。
実施時間の目安と要件
事前ガイダンスの実施にあたっては、時間の目安を設定することが重要です。一般的には、外国人材がしっかりと理解できるよう、3時間以上の時間を確保することが推奨されます。
また事前ガイダンスは一度行っただけで終了というわけではなく、実際の就業が開始した後でも、当該外国人の要望があれば適宜必要事項の情報提供を実施することが求められます。
新規入国者と日本在住者への説明の違い
海外から入国する外国人と日本に既に住んでいる外国人への説明は、内容やアプローチが異なります。新規入国者は入国手続きや初めての生活環境に関する具体的な情報が必要である一方、日本在住者には既存の生活基盤に基づいたサポートが求められます。この理解をもとに、適切な情報提供を行うことが重要です。
まとめ
今回は特定技能制度における支援業務の中から、「事前ガイダンス」についてお話してきました。
事前ガイダンスは最も早い段階で実施する支援であり、特定技能外国人に十分に理解してもらうまで丁寧に実施していく必要があります。
そのため提供する情報に不足がないことは勿論のこと、わかりやすい日本語で実施したり、当該外国人の母国語などを用いたり、といった対応の必要性も出てくるでしょう。
自社だけで実施することが難しいと思われた方は、M-VISION10までぜひご相談ください。



