『The Blood of Dawnwalker』は4時間で吸血鬼にも探偵にもなれる 「ウィッチャー3」の元開発者らが贈る新たなRPGを体験

「次に大いに注目すべきRPG」という確信は試遊を経ても揺るがず

『The Blood of Dawnwalker』は4時間で吸血鬼にも探偵にもなれる 「ウィッチャー3」の元開発者らが贈る新たなRPGを体験
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この記事は、『The Blood of Dawnwalker』プレビュー記事の翻訳だ。IGN JAPANでは、日本での試遊イベントでの感触を綴った独自のプレビュー記事も掲載しているので、あわせてチェックしてほしい。


ポーランドのデベロッパーであるRebel Wolvesは、昨年初めに『The Blood of Dawnwalker』を初公開して以来、一貫して自信に満ちた姿勢を見せてきた。最初に公開されたトレーラーでは、凄惨なまでに美しいカットシーン、紛れもなくスラヴ調の楽曲、そして広大な中世のオープンワールドの一端が披露された。『ウィッチャー3 ワイルドハント』のディレクターであるコンラッド・トマシュケイビッチをはじめ、同作を手がけた多くの開発者が制作に携わる本作は、その後公開されてきたあらゆる情報から、この新作ヴァンパイアRPGがCD PROJEKT REDの最高傑作と肩を並べる作品を目指していることを、事実上宣言しているかのようだ。

その意味で、今回のRebel Wolvesへの訪問は、ある種の試金石となった。これまで『The Blood of Dawnwalker』に触れる機会は、自分ではプレイせず開発者によるプレイを視聴するハンズオフ形式に限られていた。しかし今回の試遊では、メインメニューからニューゲームを選択するところから始め、4時間ぶっ通しでプレイした。240分後、私が以前から抱いていた印象は、おおむね裏付けられた。『The Blood of Dawnwalker』には確かに『ウィッチャー3 ワイルドハント』を思わせる魔法がある。しかし、その魔法は本作独自の、同じくらい魅力的なアイデンティティを持つ作品を支える原動力となっている。

ゲームの冒頭からプレイを始めたため、試遊のうちの最初の3時間は、以前のハンズオフ形式のプレビューで見た内容と大部分が重なっていた。主人公のコーエンは、カルパティア山脈に位置するサンゴラ谷の小さな村で暮らしている。この地を支配するヴァンパイアたちは、人々を疫病と税から解放する代わりに、毎月血の貢ぎ物を捧げるよう求めている。次の貢ぎ物の日は今夜に迫っている。そして『The Blood of Dawnwalker』では、時間はクエストを進めるために消費する一種の「通貨」のように扱われるため、不穏な「血のミサ」という儀式が始まるまでに達成できる目的の数には限りがある。しかし、このプロローグを自分の思うままにプレイできたことで、以前よりもコーエンの村を隅々まで探索できただけでなく、プロローグの細かな展開にまで自分の選択を反映できた。

血と愛と

私は、これまでRebel Wolvesが見せてきた内容とはまったく逆の行動を取ることにした。まず向かったのは、ハンズオフのときには誰にも相手にされなかった取り乱した様子の女性のもとだ。彼女はヴァンパイアたちの支配者であるブレンシスを称えるタペストリーの旗を縫っており、その夜の血のミサで掲げられる予定だった。しかし、それが盗まれてしまったという。こうして始まるのは、実質的には村を巡るツアーのようなクエストだ。容疑者に話を聞き、証言を突き合わせ、集中モードを使って足跡や痕跡をたどることで、これまでなら背景に埋もれていたであろう数々の登場人物たちと出会っていく。チュートリアルクエストなので、犯人を絞り込む過程で村人から村人へと導かれる実質一本道の内容だが、それでもコーエンが、ゲラルトと同じように時には探偵役を務めることになるとよくわかる内容になっている。

手がかりを絞り込んだ末、私は犯人を見つけ出した。しかし、かつて『ウィッチャー3 ワイルドハント』を手がけた開発者たちらしいと言うべきか、話はそう単純では終わらない。ヴァンパイアの支配に耐えかねたこの実直な労働者は、反抗の意思を示すために旗を盗んでいたのだ。その布には、かつてなら教会に掲げれば異端とみなされていたであろう図柄が織り込まれている。だが今では、この町の人々はそれを進んで掲げている。彼の大義には同情せずにいられない。しかし、このまま見逃せば、悲惨な罰を受けるのは間違いなくこの旗を縫っていた彼女だ。彼女の命を案じた私は旗を取り戻し、それは教会に掲げられ、支配者との「平和」は保たれた。私は英雄なのか、それとも臆病者なのか。その答えは、ドーンウォーカーが投げかける数々の難しい問いと、それがもたらす結末によって、いずれ明らかになっていくのだろう。

ほかに使えたはずの時間を費やしてまで、恋人候補との関係を深める価値はあるのだろうか

『The Blood of Dawnwalker』では、「メインクエスト」と「サイドクエスト」は区別されていない。しかしプロローグには、それらの中でも特に重要に感じられるストーリーラインがひとつある。病に伏せるコーエンの母のための薬草を探すクエストで、私は地元の魔女アンカの家を訪れる。彼女は、ドーンウォーカーにおける恋愛対象のひとりになりそうな人物だ。今回の試遊全体を通してシナリオの質は高いが、コーエンとアンカのやり取りはとりわけ秀逸だ。2人の間には確かな愛情が感じられ、それは安っぽい演出や鼻につくような露骨な恋愛描写に陥ることなく表現されている。会話をさらに掘り下げると、アンカは30歳にも満たないような見た目にもかかわらず、自らを何度も「老女」と呼ぶ。そのさりげない描写には、キャラクター性と世界観の両方が表れている。疫病と過酷な暮らしのため、この地では誰も長く生きられないのだ。そして治療師として生きてきたアンカもまた、年齢以上の知恵を身につけている。

突然の嵐に見舞われ、私たちは屋内へ避難することになる。そこで私は、アンカの蔵書を調べながら彼女ともう少し長く過ごすという選択肢を与えられる。その夜の血に行われるミサに遅れるわけにはいかないため、用事を済ませられるのは日中だけだ。時間は8つブロックに区切られたバー型のHUDで管理されている。プロローグのクエストの大半はブロックをひとつ消費するが、アンカと過ごす時間を延ばせば、このクエストのコストは実質2倍になる。私はすでに本作の「時間をリソースとして扱う」システムに魅了されていたが、この場面で、それがいかに興味深い選択をプレイヤーへ突きつけるのかを実感した。ほかに使えたはずの時間を費やしてまで、恋人候補との関係を深める価値はあるのだろうか。私はひとまずコーエンのぎこちない恋心を後押しし、アンカを誘って少々きわどい本を一緒に読むことにした。そのせいで、その日の後半により価値の高い報酬を得られるクエストに挑む時間がなくなるかもしれない。それでも、恋に犠牲はつきものだ。

薬草をポケットいっぱいに詰め込み、恋に胸を躍らせながら、私は嵐に打たれた彼女の小屋をあとにし、母に薬を届けるため家へ戻る。このクエストを終えると、プロローグには大きな変化が生まれる。物語が分岐するわけではないものの、私が体験した展開は、これまでのハンズオフで目にしたものとは明らかに異なっていた。詳しくはネタバレになるので伏せるが、Rebel Wolvesは、『The Blood of Dawnwalker』の根幹となるプロットを書き換えることなく、物語の受け止め方や、コーエンがそれに抱く感情を変化させる仕組みを実現したようだ。プレイヤーによっては、本当の意味で影響を及ぼさない物語上の小細工だと受け取るかもしれない。そう判断するかどうかは、このクエストの結果がキャンペーン全体へどのように波及していくのかを見届けてからにしたい。だが現時点で私は、プレイヤーの選択がもたらす結果の扱いには、かなり好感を抱いている。

死の谷にて

プロローグの終盤、コーエンはタイトルにもなっているドーンウォーカーとなる。昼は人間、夜はヴァンパイアという存在だ。そして、最初のアクションや能力がアンロックされると、私はサンゴラ谷のオープンワールドへと放り出される。見た限りでは、この谷は広大でありながら、圧倒されるほどの規模ではない。探索すべき場所は数多くあり、昼間は魔法で移動速度を上げ、夜は狼へと変身して駆け回れる。しかし、その広さは『The Elder Scrolls V: Skyrim』のように、何年にもわたって何百時間も探索し続けるような規模ではなさそうだ。

プロローグの終盤、コーエンはタイトルにもなっているドーンウォーカーとなる。昼は人間、夜はヴァンパイアという存在だ。そして、最初のアクションや能力がアンロックされると、私はサンゴラ谷のオープンワールドへと放り出される。見た限りでは、この谷は広大でありながら、圧倒されるほどの規模ではない。探索すべき場所は数多くあり、昼間は魔法で移動速度を上げ、夜は狼へと変身して駆け回れる。しかし、その広さは『The Elder Scrolls V: Skyrim』のように、何年にもわたって何百時間も探索し続けるような規模ではなさそうだ。

雰囲気やゲーム全体の方向性という点では、やはりもっとも近い比較対象は『ウィッチャー3 ワイルドハント』だ。しかし、この世界を1時間ほどプレイした限りでは、そのゲームプレイは少し異なるものになっていそうだ。私が最初に向かったのは、崩れかけたレンガ造りの塔だった。頂上へたどり着くには、簡単なクライミングパズルをこなす必要がある。頂上からは遠くまで見渡すことができ、周囲の探索先となる場所を見つけられる。これは少しユービーアイソフト作品を思わせる仕組みだ。ただ、それがお決まりのオープンワールドだと言いたいわけではない。とはいえ、『The Blood of Dawnwalker』の世界を探索する流れには、そうした実績ある定番の探索サイクルが少なからず取り入れられている。

また、本作にはクエストとは別に、オープンワールド上で楽しめるさまざまな「アクティビティ」も用意されているようだ。たとえば光を放つウィスプを追っていくと、丘の上へとたどり着く。そこを縄張りにする熊を倒すと、恋人たちが命を落とした場所に残された小さな物語が、環境ストーリーテリングによって語られる。また、街道ではヴァンパイアの支配者たちへ樽を運んでいた兵士たちを倒し、補給を妨害した。沼地の奥深くでは、飛び跳ねながら襲いかかり、叫び声による遠距離攻撃を放つアンデッドの強敵とも戦った。こうした要素はいずれも、プロローグで体験した物語主導のストーリーほど強く心を惹かれるものではなかった。しかし、それは決して出来が悪いという意味ではない。こうしたアイデアが各エリアで過度に使い回されなければ、探索中にこなすアクティビティへほどよい変化を与えてくれそうだ。

戦闘は習得するまで少々手強く、高い集中力も求められる

これらのアクティビティではいずれも、本作独自の戦闘システムを体験することになった。このシステムは、『フォーオナー』や『Kingdom Come: Deliverance』のように、攻撃や防御の方向を細かく指定する方式を採用している。敵が左から剣を振ってきたら、右アナログスティックを操作して自分の刃を相手の剣に合わせる。敵が下段に構えているなら、武器を頭上に振りかぶり、上段から斬り下ろす。このシステムは習得するまで少々手強く、高い集中力も求められる。しかし幸いなことに、要素ごとに段階を踏みながら覚えていけるようになっている。最初は防御や攻撃のボタンを押すだけでも、スタミナを多く消費する代わりに、コーエンはあらゆる方向への攻撃や防御を行える。そこから慣れてきたら方向入力を取り入れ、最終的にはぎりぎりのタイミングで防御のボタンを押して、非常に爽快なパーフェクトパリィを決められるようになる。

すべてがうまく噛み合ったとき、戦闘には確かなリズムが生まれる。特に一対一の戦いでは、その魅力が際立っていた。しかし、不意の一撃を受けたり、新たな敵が乱戦に加わったりすると、そのリズムはあっという間に崩され、その代償としてコーエンの死が待っている。戦闘中に回復するのは非常に難しい。私は夜に探索していたため、ヴァンパイアとしての能力を使えたものの、首に噛みつく吸血で回復できるコーエンの体力はほんのわずかしかなく、生死の境をさまようような状況では、そのクールダウンは永遠にも感じられるほど長い。さらに、どの敵もあと1~2割ほど体力が低ければちょうどいいと思えるほどに硬く、5~6人の兵士を一度に相手にする戦闘が何度も繰り返される。結果、しっかりとした土台を持つこの戦闘システムも、次第に骨の折れるものに感じられるようになった。この点については9月の発売までに多少のバランス調整が必要かもしれない。もちろん、ゲーム後半で手に入るインベントリアイテムやアンロック要素によって、この問題は十分に改善される可能性があるし、経験を積めばプレイヤー自身の腕前も上がっていくだろう。それでも、オープンワールドで1時間を過ごし終えたころには、『The Blood of Dawnwalker』の剣戟にはかなり疲れを感じてしまっていた。

状況によっては、むやみに殺し合いをせずに済む選択肢も用意されている。試遊の最後に訪れたのは、要塞化された大規模な野営地だった。門を守るのは、頑として私を中へ入れようとしない夜勤の兵士だった。そこで私は彼の首元を切り裂いたのだが、結果として歯が立たないほどの連戦を強いられることになった。別の方法を探そうと、コーエンのシャドウステップを使って中庭の建物の屋根へテレポートし、衛兵をやり過ごそうとしたものの、結局は戦闘が始まるだけだった。本作はステルスゲームではないので、こっそり潜入したり、気づかれずに背後から暗殺したりといったプレイは期待しないほうがいい。しかし、その後開発者から、野営地には気づかれずに入れる裏口があると教えられた。さらに、翌朝に出直していれば、日勤の衛兵が中へ通してくれた可能性もあったという。4時間という制限時間なしで『The Blood of Dawnwalker』をプレイできるようになったら、こうした選択肢を自分で見つけていくのが今から楽しみだ。

だからといって、戦闘を完全に避けたいわけではない。戦闘の土台はしっかりしており、今回の試遊の終盤では体力があと1~2割ほど低ければちょうどいいと思えるほどに硬い敵が大勢登場したことで、戦闘が長引くように感じられたものの、バランス調整やシステムへの習熟が進めば、そうした懸念は十分に解消される可能性がある。それに、たとえ戦闘に多少不安が残るとしても……まあ、それは『ウィッチャー3 ワイルドハント』も抱えていた課題ではある。だからこそ、私がもっとも期待しているのは、クエストの質や物語描写、そして「時間をリソースとして扱う」ゲームデザインだ。そして、そのすべてを実際に体験した今もなお、『The Blood of Dawnwalker』は次に大いに注目すべきRPGだという確信は揺らいでいない。


『The Blood of Dawnwalker』は、2026年9月3日にPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売予定。関連リンクは以下のとおり。

※本記事はIGNの英語記事にもとづいて作成されています。

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