AIアニメが"なんか平坦"に見える理由
強調設計という視点
こんにちは、よかっぱです。
AIアニメを作ってみたけど、なんか平坦に見える。
なんか伝わらない気がする。
そういう経験、ありませんか?
ぼくは Studio VIBE というチームで AIアニメ制作 に携わっています。
音響担当から始まり、今は助監督として、音から映像まで幅広く担当しています。
その中で感じたのは、「全部に均等に力を入れると、何も伝わらなくなる」ということです。
これは、「何を強調するか」を意識せずに作ってしまうことが原因です。
そこで強調を5つの層で考えるようにしました。
① 監督のビジョン
② シリーズ全体の流れ
③ 1話の構成
④ 担当シーン
⑤ 1カット
この順番に、一つずつ解説していきます。
① 監督のビジョンから「強調の基準」を知る
まず一番遠いところから見ます。監督が何を大切にしているか、です。
現在ぼくが参加しているのは、イケハヤさんが監督の Studio VIBE のチーム制作。
作っているアニメは「ニンジャ犯科帳」というシリーズです。
このアニメは、クリプトニンジャというキャラクターが登場する物語。
イケハヤさんは「クリプトニンジャを、1000年先まで愛されるキャラクターにする」と話しています。
だから、アニメを通してキャラの魅力が伝わることが大事になります。
仮に「YouTubeの再生数を伸ばすため」だったら、制作の方向性が大きく変わってきますよね。
あらかじめ監督が「何を目的にアニメを作るのか」を把握しておくことが重要です。
② シリーズ全体の中で「今の話の位置」を意識する
「ニンジャ犯科帳」は1話完結のスタイルですが、シリーズ全体を通しての流れも意識しておきたいところです。
正直、この情報は監督の頭の中にあるので、
完全にはわかりません。
でも、イケハヤさんが「長編アニメも作りたい」とおっしゃっていたり、
「このキャラとあのキャラは、実はこういう関係性で考えている」などの発言を手がかりに、
「今作っているものが、その土台になるかもしれない」という視点を持ちながら作っています。
はっきりとはわからなくても、意識するかどうかでキャラの動きは変わってきます。
③ 1話の中で「ラストシーンをどう生かすか」を考える
1話の中で一番強調すべきは、ラストのオチです。
それ以前のシーンはすべてオチへの伏線として機能させる、というのがぼくの考え方です。
ここで気をつけたいのは、ラストシーンを超えるような派手な演出を前半に入れないこと。
前半が強すぎると、オチが弱く見えてしまいます。
「このシーンはいい感じに作れた」と思っても、全体の流れで見たときに浮いてしまうことがあります。
だから、自分が担当するシーンを作り始める前に、全体の脚本を一通り読むようにしています。
前後のシーンとの繋ぎも確認しながら、自分のシーンの「役割」を把握する。
それだけで、作るものがぐっと変わります。
④ 担当シーンの中で「一番見せたいカット」を決める
自分のシーンを把握したら、今度はそのシーンの中で何を一番見せたいかを決めます。
今回、ぼくは石舟斎(せきしゅうさい)というキャラクターが刀について語るシーンを担当しました。
このシーンの後半では、いい刀の条件を熱弁するカットが入ります。この熱弁カットが一番目立たせたい部分であることが、脚本からわかりました。
でも前半でも刀について描写するシーンがあって、そこでかっこいい仕上がりのカットができちゃったんです。
最初、それをシーンの前半に入れていました。
でも、繋げて見てみると、一番目立たせるべき後半の熱弁カットが弱くなっていたんです。
「あ、これは順番が逆だ」と気づいて、かっこいいカットを後ろに差し替えました。
それだけで、シーン全体のメリハリが出て、伝えたいことが際立ちました。
1カット単位では「いい」と感じても、繋げると本当は一番強調するべきだったカットをダメにすることがあります。
全体を見ながら、「どこが一番見せたいか」を常に意識しておく必要があります。
⑤ 1カットの中でも「伝えることは一つ」に絞る
さらに細かく、1カットの単位でも同じことが言えます。3秒とかの短いカットですね。
例えば、刀について語るシーンで、キャラクターにズームアップするとします。
このとき、「キャラを見せたいのか」「刀を見せたいのか」が曖昧だと、どちらも中途半端になります。
1カットで伝えることは、一つだけ。
これを意識するだけで、カットの意図がはっきりします。
音響担当として「全体を見る目」を育てた
ここまで話してきた「全体を見ながら作る」という視点、ぼくは音響担当から学びました。
チーム制作の初期、ぼくは全シーンの音を担当していたので、必然的に全体の流れを把握していました。
そのとき気づいたのが、BGMや効果音を全部のシーンに入れると、何も伝わらなくなるということ。
ずっと音が鳴り続けると、耳が慣れてしまう。
逆に、静かな場面があるからこそ、音が入った瞬間に印象に残る。
映像も同じです。
全部に力を入れると、全部が弱くなる。
強調するとは、何かを目立たせること。
そのためには、目立たせないものを決めることが大切です。
まとめ:マトリョーシカ式に考える
強調設計は、大きなところから小さなところへ、順番に考えていくものです。
① 監督のビジョン(キャラの魅力が伝わっているか)
② シリーズ全体(今の話の位置付け)
③ 1話の構成(ラストシーンへの伏線として機能しているか)
④ 担当シーン(一番見せたいカットはどれか)
⑤ 1カット(伝えることは一つ)
それぞれの層で「何を強調するか」を考えながら作る。
それだけで、作るものが変わります。
ではでは〜。






ただ焦がしただけのチクワ。
ChatGPTのおかげで、あえて焦がしたかのようにできました。
今朝の朝食です。
めちゃくちゃ学びになりました!!
確かに。伝えたいことはいつも1つだけ。
シーン作る前に、読ませていただき、助かりました。
踏まえて、制作してみます。