AIポン出しでこんなゲーム作れました! の先を考える
ポン出しでこんなの作りました!で面白そうなゲームってほとんどない件
どうも、わいへいです!
この話のポッドキャスト版はこちら↓
最近、「Codexのプロンプトだけでこんなゲームできちゃったよ!!すげえ!!」みたいな投稿、めっちゃ流れてきますよね?
僕もCodex×UniCLIでゲーム開発の大半を委譲している人間なので、流れてくる気持ちはすごくよく分かるんです。
が、ここ2〜3週間ボス戦を作り込んでいて、「AIで作れた、で?」っていう感想を本気で持つようになりました。
正直AIで開発した「後」のほうが重要で、AIだけで面白いゲームってのは全く作れないんですよね。。。
Xでもおなじようなことを思っている人がたくさんいる模様↓
AIで「8割」までは本当に作れるようになった
とはいえAIでゲーム制作がかなり楽になったのは事実。
直近2週間、僕は『VLCNP物語』というゲームで「闇堕ちVLミタマ」というボスを実装していたのですが、ほぼUnity Editorを触っていません。
やっていることはこの3つだけ。
GitHubのIssueに「こういう挙動にしたい」と書く
CodexにそのIssueをPlanモードで読ませて実装させる
UniCLIでUnity側のオブジェクト配置・コンポーネント設定までCodexに任せる
テレポート、鬼火発射、ゴースト召喚みたいなアクション類を、ほぼ雑命令だけで仕上げてもらいました。
地味に大きいのが、性能改善まで委譲できること。
5/3に「ボスが少し重い、改善点ある?」とCodexに投げたら完璧に直って返ってきました。
体感、機能の8割くらいまでは「指示する人」になっていれば形になります。「プログラマーの僕は要らないんじゃないか」と本気で思う瞬間もある。ここまではかなり気持ちよく進むんですよね。
残り2割、磨き込みフェーズで景色が変わる
ところが、ボスがひと通り動くようになって、ここから「面白くする」フェーズに入ると、急にAIが効かなくなります。
例えば、ここ数日でやった調整はこんなやつ。
VLミタマの鬼火発射アクションは、最初「詠唱したらいきなり鬼火が出現してプレイヤーが理不尽に被弾する」状態でした。
それを、
詠唱モーションのあと、数秒置いてミタマの体から徐々に円形に鬼火が広がっていく
ギリギリまで攻撃するとダメージが高くなる
でも被弾のリスクも上がる
という展開に変えたんですよね。
文字にすると地味なんですが、1個直すたびに「あ、面白くなった」が来る。この辺の調整、CodexやClaudeはやってくれない。
ここで効いてくるのが、桜井政博さんのYouTubeチャンネル『桜井政博のゲーム作るには』で繰り返し語られている「リスクとリターン」の考え方です。
ゲーム性の根っこは「リスクを取ってリターンを得る」構造で、その設計が雑だとプレイしてて面白くならない、という話。
さっきの鬼火展開の例で言うと、
リスク:詠唱中はミタマが隙だらけ。攻め放題だが、やりすぎると鬼火で被弾する
リターン:詠唱から鬼火発射までのギリギリまで攻撃すると高ダメージ
この比率が崩れると、理不尽(リスク過大)か、退屈(リターン過大)になっちゃうんですよね。
そしてこれは、仕様書の文字情報だけでは絶対チューニングできない領域です。プレイヤーの体感時間、画面の見やすさ、SEの聞こえ方、攻撃の届く範囲、全部「触ってみないと分からない」要素。
AIがやれるのは、せいぜいリスクとリターンの言語化を手伝うところまで。実際にプレイして「リスクが過大か」を判断するのは人間の仕事です。
ということで、今後インディー開発者として強化すべきスキルは、プログラミングでも3Dモデリングでもドット絵でもなく、ゲームデザインと、実機で触ってひたすらチューニングする能力だなと感じています。
具体的に下記のようなことをやっています
桜井さんのチャンネルを定期的に見る:特に「ゲーム性」カテゴリ。リスクとリターンの考え方は本当にどこにでも応用できる
キャラ単位でリスクとリターンを言語化する:主人公が複数いるゲームを作っているので、「このキャラじゃないと困る場面」「このキャラだと不利な場面」を文章で書き出してから設計する
他のゲームを意識して触る:ボスのテンポ、SE、被弾時の挙動、こういう細部だけ見るプレイをする。最近だと『星のカービィ ディスカバリー』と『ドラクエ1』のSwitchリメイクが、リスクとリターンの教科書みたいに刺さりました
逆に、AIに完全委譲していい領域はもっと振り切る。プログラミング、性能改善、雑実装はもうCodexで全部いい。そのぶん浮いた時間を、磨き込みとゲームデザインに投下する運用に切り替えています。
ということで、AIでゲーム制作の8割は自動化できる時代に来たけど、残り2割の磨き込みは人がプレイしてがんばるしかない、という話でした!
「AIでゲーム開発が民主化される」と言われがちですが、半分本当で、半分嘘だと思います。設計する力・磨き込む力は、プログラミングやモデリングとは別にあるので、ここを今のうちから鍛えておくと強いはずです。
AIで楽できた分の時間で、人間にしかできない磨き込みに投資する。そんな運用を一緒に作っていきましょう!
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