
写真家 ぺ・吉本(yuya yoshimoto)による、1泊2日の南伊豆ロングトレイル。
海岸線と山道を行き来する約50kmを、テント泊で歩いた記録を、フィールドのリアルな様子、これから歩く人へのヒントとともに、伊豆のトレイルの魅力を写真でお届けします。(2026年1月・テント「ZERO1 PRO」)
Photos&Text:ぺ・吉本(yuya yoshimoto)
■南伊豆ロングトレイルとコース
1月中旬、1泊2日で南伊豆ロングトレイルを歩いてきた。
南伊豆ロングトレイルは、松崎から石廊崎まで続く全長およそ50kmのトレイル。海岸線と山道、そして港町を交互に通り抜けていくルートで、海と山の景色を同時に楽しめるのが特徴だ。
ここを歩く多くの人は、途中の港町にある民宿を利用するらしい。新鮮な海鮮料理や温泉を楽しめる宿も多いそうだ。それでも今回は、あえてテント泊を選んだ。6〜9月を除けば海岸などでテントを張れるという情報と、「砂浜で眠る」という響きに惹かれたからだ。
2日間のコースは次のとおり。
【1日目】
松崎 → 烏帽子山 → 雲見 → 高通山 → 波勝崎 → 子浦
【2日目】
子浦 → 入間 → 千畳敷 → 中木 → 石廊崎 → 弓ヶ浜 → 下田駅

さて、実際に歩いてみると、想像していた以上にアップダウンが多い。決して楽な道ではないが、トレイルの途中で何度も現れる海の景色が、その疲れを忘れさせてくれる。海沿いの道、山の稜線、そして小さな集落。景色が次々と変わるので、長い距離を歩いていても飽きることがない。

今回の2日間は雲ひとつない快晴だった。1月とは思えないほど暖かく、道端には菜の花が咲いている。南伊豆の穏やかな空気の中を歩いていると、少しだけ春を先取りしたような気分になる。

トレイルの途中では、稜線から伊豆の海を見下ろす場面が何度も現れる。カメラを持って歩いていると、つい足を止めてしまうポイントばかりだ。冬の澄んだ空気と柔らかな太陽光のおかげで、海の色もとてもクリアに見える。写真を撮るには、かなり良いコンディションだった。

今回持っていったテントは 「ZERO1 PRO」。トレッキングポールを2本使い、さらに外側のDACポールによって自立型テントのような安定性を確保できるシェルターだ。本体重量はDACポール込みで約760g。ザックの中でも場所を取らず、ロングトレイルとの相性はかなりいい。ロングトレイルでは持久力も安全性も重要になる。トレッキングポールは基本的に2本使うし、テントは軽いに越したことはない。そう考えると、ULスタイルのトレッキングポールシェルターである ZERO1 PRO は、今回のような山と海をつなぐロングトレイルには相性のいい装備だったと思う。

初日は松崎をスタートし、約25km歩いた先の子浦海岸で設営することにした。砂浜はペグが効きにくいため、少し高くなった草地を探してテントを張る。日没ぎりぎりの設営だったが、設営はシンプルで短時間で拠点を作ることができた。

夕暮れ時の海岸は、昼とはまったく違う表情を見せる。太陽が海に沈んでいく時間帯、空の色も海の色も刻々と変わっていく。カメラを構えながら夕食を食べる時間は、ロングトレイルの中でも特に好きな瞬間だ。
夜になると海風が横から吹き付け続けたが、「ZERO1 PRO」は形を崩すことなく朝まで耐えてくれた。

朝、シェルターの内側に触れるとわずかな結露はあったものの、床が濡れることもなく、不快さは感じない。朝食を済ませて手早く撤収し、ゴールの石廊崎へ向けて再び歩き出す。

南伊豆ロングトレイルには立ち寄りたくなる絶景スポットが本当に多い。ルートから少し外れる場所もあるが、行けばきっと後悔しない景色ばかりだ。全部書いてしまうと長くなるので、そこは写真に任せたい。

歩き終えて思ったのは、南伊豆ロングトレイルは1泊2日よりも、2泊3日くらいでゆったり味わう方がきっと楽しい、ということ。次はもう少し余裕のある計画で、伊豆の海と向き合いながら歩いてみたい。
■南伊豆ロングトレイルを歩く人へのメモ
いくつか気づいた点もあったので、これから歩く人の参考までに書いておきたい。
●水や食事の補給
1日目の子浦までは途中に自動販売機があり、水の補充は比較的しやすい。ただし2日目の子浦以降は、各集落に自販機があるものの電気が落ちているものも多く、今回は一台も使うことができなかった。子浦を出る前に、十分に水を補充しておくことをおすすめしたい。子浦海岸周辺には自販機がある。今回は、2リットルのソフトボトルと500mlのボトルに水を入れて歩いたが、ちょうどよい量だった。
また、集落には商店がある場所もあるが、今回歩いた土日はすべて閉まっていた。行動食や食事は少し多めに持っていくと安心だと思う。
●熱中症対策
ロード区間や開けた場所では太陽を遮るものが少ないため、春〜夏に歩く場合は熱中症対策も万全にしておきたい。
●海岸でのテント泊
海岸でテント泊をする場合は、海に対してできるだけ直角方向にテントを設営した方が風の影響を受けにくい。夜の海岸は想像以上に風が強く、風音も大きいので、その点も含めて設営場所を選ぶとよいと思う。
「ZERO1 Pro」とは?
日本の山岳環境を考慮した前室一体型のトレッキングポールシェルター。本体550gと最軽量クラスでありながら対候性(耐風性と結露対策)と居住性に優れ、軽量性を重視するハイカーのロングハイクやバイク旅、登山などのアドベンチャーにおすすめ。
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