いま、
日本の地域が
オモシロイその理由を、確かめに来ませんか

自然に触れたい人も、
誰かを応援したい人も、
そして、働き方を変えたい人も。
その想いの先に、“地域”というフィールドがある。
その一歩を、「地域おこし協力隊全国サミット」で。

「地域おこし協力隊」の話を
聞いてみませんか?

地域を動かすのは、特別な誰かではありません。
あなたの関心と行動が、新しい力になります。

全国から
地域おこし協力隊員が大集合!
ここで得た「学び・つながり」
が、今、ひろがる。

「第9回地域おこし協力隊 全国サミット」は、
盛況のうちに閉幕いたしました。

本サミットでは、全国で活躍する
現役地域おこし協力隊員によるブース出展、
有識者による講演、関係者のみの個別交流会など、
今年もイベントやプログラムが盛りだくさん!

・1月31日 Day1
〜 地域の今を考える! 〜
地域おこし協力隊、自治体関係者交流Day
・2月1日 Day2
広げよう!
地域を考える輪 みんなが集まる交流Day

両日ともに、地域おこし協力隊制度を“制度として
知る”だけでなく、“人を通じて感じる”、
“活動を通じて共鳴する”体験の連続として、参加者の皆さまに楽しんで参加いただけたと思います。

詳細な内容については、下記よりご覧ください。

1/31 Day1 〜 地域の今を考える! 〜 地域おこし協力隊、
自治体関係者交流Day

テーマに関心のある自治体職員や
地域おこし協力隊員の方々が集い、
活動内容の共有や課題解決のヒントを得ることを目的とした交流会を開催します。※こちらは地域おこし協力隊員/自治体関係者のみ参加可能となります。

詳細はコチラ

2/1 Day2 広げよう!地域を考える輪
みんなが集まる交流Dayイベント開催内容

このイベントでは以下の3つをキーワードとして、
全国から現役地域おこし隊員や
地域おこし協力隊関係者、
さらに活動に興味を持った
一般の方々が集まりました。

  • 制度と現場を“知る”

    地域おこし協力隊制度の仕組みや目的、現場で実際に何が行われているのか。
    制度に関わる自治体職員や、リアルな活動を行ってきた隊員の声を通じて、多角的に「いまの地域おこし協力隊」を紹介します。
    「地域に関わることに少し興味がある」「暮らし方を変えてみたい」…そんな思いを持つ一般の方にも、制度の入り口をわかりやすく、親しみやすく伝えます。

  • 人と学びを“深める”

    地域に関わる多様な人々が交わり、学び合う場を創出します。
    現役地域おこし協力隊員、自治体職員、地域おこし協力隊経験者だけでなく、地域や移住に関心のある一般参加者にとっても、実践的な学びや気づきの得られるセッションを展開。
    「何から始めたらいいかわからないけど、誰かの話を聞いてみたい」そんな想いに応える、対話と共感の機会を提供します。

  • 関係を“ひろげる”

    この場での出会いが、次の一歩を生むきっかけとして、地域で挑戦を続ける人々の姿や、多様な交流のなかで広がるネットワークを通じて、「自分にも何かできるかもしれない」と感じられる場を目指します。
    地域おこし協力隊の仕組みや活動は、知ることで終わらず、つながることで未来へと広がっていくことを紹介・発信します。

“地域への思い”を書く
メッセージボードは、
参加者の言葉でいっぱいになりました。

地域おこし協力隊の
未来を語り合う!「対話と共創」ステージ

2026年2月1日、
「知って、学んで、ともにひろがる
~地域の未来、自分の未来~」

をテーマに、「第9回地域おこし協力隊全国サミット」が開催。

全国の地域おこし協力隊員、自治体職員、地域住民、専門家が集い、制度の意義や地域の未来について議論しました。

林芳正総務大臣の挨拶では、地域の活力創出が重要となっている現在、地域おこし協力隊は非常に意義ある取組であることが強調され、全国サミット参加者へ激励の言葉が贈られました。

日本総合研究所の藻谷浩介氏による基調講演では、データに基づいて東京と地方を比較し、一般的に持たれているイメージと事実とのギャップを指摘。地方の可能性と地域に身を投じる人生の価値を力説。

その後、徳島大学大学院の田口太郎教授の進行のもと、協力隊員、地域住民、行政の三者が共に輝く「三方良し」の実現事例が紹介され、地域と隊員、行政が連携して生まれる地域づくりのより良い姿について議論が行われました。

また、その後のセッションでは、現役地域おこし協力隊員や協力隊経験者たちが自身の生き方や働き方を再発見するまでの道のりを共有し、挑戦することの意義を伝えました。

イベントを通じて、地域おこし協力隊が多岐にわたる役割を担い、地域社会の活力が益々必要になる現代社会で重要な存在となっていること、隊員自身にとっても地域と深く関わる中で自身のキャリア形成や人生の転機となる可能性を秘めていることが強調され、本サミットは、参加者に次の「未来」を見出すきっかけを提供しました。

タイムスケジュール

Hall A サミットエリア
タイムスケジュール
13:00〜オープニングセレモニー主催者林 芳正 総務大臣

林総務大臣は「地域おこし協力隊全国サミット」で、人口減少・少子高齢化が進む日本において、地域おこし協力隊が地域の活力創出に不可欠であると強調。

地域おこし協力隊は平成21年度の創設以来順調に増加し、令和6年度には約8,000名が約1,180の自治体で活動し、任期終了者の約7割が定住。

地域内で起業、就業して地域の担い手として活躍しているとし、隊員数を10,000名に増やす目標の実現に向け、総務省は情報発信強化や隊員・自治体へのサポートを推進していくと述べました。

令和8年度からは、地場産業等に従事し任期終了後に起業・事業承継する隊員の活動期間を最大5年に延長する特例を新設。また、起業・事業承継支援の特別交付税措置も拡充。さらに、地域おこし協力隊全国ネットワークを通じた交流促進とノウハウ共有も図るなど、様々な支援策が言及されました。

大臣は、サミットが協力隊の活躍と地域発展に繋がることを期待し、総務省として地域の担い手育成に引き続き取り組む姿勢を示すとともに、本サミットを通じて、関係者同士のつながりが深まり、有意義な活動紹介の場となることを祈念し、挨拶を締めくくられました。

当日の様子
13:10〜基調講演2026年のこの日本で、
地域に身を投じる
意味と価値~あなたはその場所で、
何を未来と次世代に遺すのか?~

日本総合研究所の藻谷浩介氏は、地域おこし協力隊全国サミットにおいて、「2026年のこの日本で、地域に身を投じる意味と価値」と題し講演しました。

藻谷氏は、参加者へのクイズ形式で世間の認識と実態との乖離を指摘。例えば、殺人事件の件数は昭和時代より近年の方が大幅に少ないことや、日本の国際収支は多くの主要国に対して黒字であることなどを挙げ、国際競争に関する世間の認識が事実と異なることを解説しました。特に国際収支については、イタリアやスイスに対して日本が収支赤字であることについて一般的に知られていないことを示し、イタリアのブランド製品、スイスの小規模町村に分散する国際企業、域内調達へのこだわりといった例を挙げ、地産地消や地方への分散により強い経済が生まれることを示唆。日本で地域おこし協力隊員が果たす役割に対して期待を込めました。

また、東京の人口動態についても言及。東京の44歳以下の若年層は減少している現状を提示。国立社会保障・人口問題研究所による予測でも、25年後の東京の人口増加は高齢者のみであり、医療・介護サービスの逼迫が深刻化することを指摘。例えとして藻谷氏が暮らす熊本での医療・介護サービスの安定性と比較し、警鐘を鳴らしました。

過疎地が消滅に向かい都会が栄えているという論調に対しては、過疎地の中には子どもの数が増加している地域も存在すると反論し、地方から再生する可能性を強調。

藻谷氏は、国際連合の中位推計に基づき、今後25年間で中国、東南アジア、インド、ヨーロッパ、南北アメリカ等の地域では乳幼児の増加は期待できないと述べ、外部から若い人を呼んできたとしても、それが乳幼児の増加につながるわけではないため、構造そのものを理解することの重要性を強調しました。

世界的に少子高齢化が進む中で、日本の地方は世界に先駆けて高齢者が減少し、一部は子どもが再び増加して再生に向かうことを予測。

また、藻谷氏は中国、ASEAN、インドでは75歳以上が大幅に増加し、若年層が減少するため、医療・介護体制は逼迫すると予測し、ヨーロッパや南北アメリカでも高齢者は増加傾向にあり、特に医療保険制度が不十分な地域では深刻な状況になると指摘しました。

一方、日本については、団塊の世代が70歳を超え、次に続く団塊ジュニア世代が少ないため、75歳以上の高齢者が増え続けることはないと説明しました。

特に秋田県では、団塊ジュニア世代が少ないことから、高齢化率という数字に惑わされず、実際の75歳以上の高齢者数が減少に転じることで、医療・福祉の負担が最初に減る地域になる可能性が高いと強調。

秋田県は「地方消滅」という言説が流布されていますが、藻谷氏は25年後も秋田県には半数以上の子どもが残るとし、むしろ子ども一人ひとりの価値が高まっていると指摘します。秋田県の経済成長率が人口当たりで日本全国2番目であることにも言及し、食料生産や自然エネルギーが豊富であるため、人口減少に伴い一人当たりの経済成長が進んでいると述べました。これは、人口が減っても一人ひとりの価値が高まり、少ない負担で地域社会を維持しつつ、食料自給率が200%を超えるような豊かな地域を創り出せる可能性を示していると述べます。対照的に、東京は全国47都道府県で38位であり、自然エネルギーも食料生産もなく、伸びている産業もないと指摘し、地方と都会で逆の現象が起きていることを示しました。

最後に藻谷氏は、秋田県とアメリカやニュージーランド、イタリアなど世界の数か国の可住地人口密度を比較して、多くの国より秋田県の方が可住地人口密度が高いことを示しました。イタリアが秋田県とちょうど同等であり、秋田県はイタリアのようになれると述べました。一般的に東京の人口密度が基準として認識されてしまっている点を指摘し、世界の標準は異なっていることを明らかにしました。

これらを通じて、藻谷氏は日本の地方が持つ可能性を明らかにし、藻谷氏は「名を残すな、やったことを残せ」と述べました。地方には「やったことが未来に残る」機会が豊富にあると訴え、地域に身を投じる人生の価値を力説し、講演を締めくくりました。

  • 藻谷浩介日本総合研究所 調査部主席研究員
当日の様子
13:55~ 地域おこし協力隊三方良し
取組事例紹介・
パネルディスカッション
「地域おこし協力隊“三方良し”の取組事例紹介」

地域おこし協力隊制度が目指す「三方良し」の取り組みへの理解を深めることを目的に、
2団体による事例紹介と、コーディネーター・パネリストによるディスカッションが行われました。

取組自治体の事例紹介プレゼンテーション
  • ・滋賀県守山市
  • ・兵庫県丹波篠山市
パネルディスカッション

登壇者

  • コーディネーター
    田口 太郎徳島大学大学院
    教授
  • パネリスト
    鍋島 悠弥地域おこし協力隊
    サポートデスク専門相談員
  • パネリスト
    山田 吏依子福島県地域おこし協力隊
    サポーターズクラブ
    コーディネーター

事例紹介①

滋賀県守山市モリヤマメロンでつなぐ地域の輪〜 守山モデルの三方良し 〜
  • 木下 真元 氏滋賀県守山市 農政課
  • 山田 千晶 氏受入農家
  • 小島 伯斗 氏地域おこし協力隊員

事例紹介②

兵庫県丹波篠山市丹波篠山市における“5方良し!?”
の地域おこし協力隊制度と
空き家活用がもたらした地域の変化
  • 大西 恒輝 氏丹波篠山市 企画総務部
    創造都市課
  • 江坂 道雄 氏カウンターパート
  • 加藤 俊希 氏地域おこし協力隊経験者
当日の様子

本プログラムは、徳島大学大学院の田口太郎教授をコーディネーターに迎え、地域おこし協力隊制度が目指す「三方良し」(地域おこし協力隊員、地域住民、行政の三者が共に輝く状態)の実現に向けた取り組み事例を紹介しました。

田口教授は、協力隊員の増加とともに生じている地域との関わりの希薄化という課題に対し、協力隊員のみが成功しているというだけでなく、地域住民の意識変革や前向きな行動が生まれている事例に焦点を当てることの重要性を強調。

最初の事例として、滋賀県守山市の「モリヤマメロンでつなぐ地域の輪―守山モデルの三方よし―」が、守山市農政課の木下真元氏、地域おこし協力隊の小島伯斗氏、受け入れ農家の山田千晶氏によって紹介されました。

小島さんの活動内容は、メロン栽培技術の習得、地域の農家やJAとの人脈構築、SNSや就農フェアを通じた積極的な情報発信。

行政側の木下さんは、「市町村の職員がしっかり責任をもって関係者を先導する、いわゆる旗振り役を全うすべき」と述べました。隊員の人生を預かる気持ちで伴走し、共に学び成長する「共育」を心掛けているとし、具体的な取組として頻繁な面談や活動予定の共有、県やJA、「しがまるごと協力隊ネットワーク」との連携などで隊員をサポートしていると取組の内容を紹介しました。

協力隊を受け入れたことによる変化について、受入れ地域の山田さんは、小島さんが来て、生産者や地域住民がわいわいと議論をできる機会を作ったことで、閉塞感のあった地域に一体感が生まれ、地域をよりよくしようという前向きな動きにつながっていると話しました。守山市としても新規就農のPRがうまくいっているだけでなく行政と住民のコミュニケーションも活発化しており、小島隊員自身も「人生が180度変わった」と述べるなど、地域おこし協力隊の活動を通じて多くの経験を積み、大きく成長しているとのことでした。

小島隊員を育てようという気持ちが生まれたことで関係者全員の距離が縮まり、現場発のアイデアが飛び交うようにようになったことなどを挙げ、地域全体を巻き込んでまち全体が元気になっていくためこれからも行政と地域で小島さんの挑戦を応援していくと発表しました。

次に、兵庫県丹波篠山市の「五方良し!?の地域おこし協力隊制度」と「空き家活用がもたらした地域の変化」が、創造都市課の大西恒輝氏、地域おこし協力隊経験者の加藤俊希氏、カウンターパート(地域住民)の江坂道雄さんから発表されました。

丹波篠山市は京阪神から1時間圏内の農村地域で、移住者が増える一方で一部地域は過疎指定を受けています。同市の協力隊制度は、神戸大学との連携による独自のコーディネーター制度と、起業・継業を支援する篠山イノベーターズスクールが特徴です。ミスマッチ防止のため、募集段階からコーディネーターが地域と隊員候補者の丁寧なマッチングを行い、双方の合意が必須とされています。また、移住者である隊員への理解を広げ、信頼関係づくりを支える役割を「カウンターパート」とされる地域住民が担います。行政(市とコーディネーター)、地域おこし協力隊員、地域(まちづくり協議会とカウンターパート)が役割を分担する「五方良し」の体制で制度を運用しています。

加藤さんは、空き家問題が深刻な大芋地区で空き家対策に取り組みました。加藤さんの取り組みは、所有者、移住希望者それぞれにメリットをもたらす仕組みを実現しました。卒隊後も加藤さんは、大芋地区独自の空き家相談窓口「YAMORI」を立ち上げ、市が設ける空き家バンクと役割分担して能動的に空き家活用を推進。その結果、若い移住者が増加したり、ある村人から「加藤さんが来るまでは今日をどう生きるかしか考えていなかった。でも、加藤さんが来てくれたから明日を考えられるようになった」と話されるなど、地域に大きな変化が生まれたと述べました。

カウンターパートの江坂さんも、それまで20代~30代の住民がいなかった集落に加藤さんが来たことで、「古民家を改修する大工さんや左官屋さんの話し声、また仕事の音が村の人々には心地良い響きとなりました」と述べました。さらに、25年ぶりに集落に誕生した赤ちゃんのため地域で未来が語られるようになったと、地域に大きな変化が起きていることを話しました。

加藤さんは開業した産前産後ケア施設を起点に、子どもとママの笑顔あふれる集落を目指すと今後の展望を語りました。

パネルディスカッションでは、えひめ暮らしネットワーク副代表の鍋島悠弥氏と福島県地域おこし協力隊サポーターズクラブコーディネーターの山田吏依子氏が加わり、両事例の共通点として、行政の仕組みや隊員のビジネス成功だけでなく、「地域がどう変わったか」「意識変革」に焦点が当てられた点が評価されました。

地域おこし協力隊員に求められる資質として、鍋島さんは理不尽なことでも柔軟に乗り越える能力や、人と関わる中で培われてきた能力、例えば傾聴力や関係性を大事にできることを挙げ、山田さんは「完璧ではない方」「伸び代がある方」が地域住民との信頼関係を築きやすいと述べました。

地域との関係構築については、行政側も完璧を求めすぎずリラックスした姿勢でコミュニケーションを取ること、地域おこし協力隊員は日常の生活を大切にし、散歩や挨拶など小さなことから地域との接点を作っていくことの重要性が語られました。また、地域の変化を捉えるためには、定量的な評価だけでなく、地域住民の「ぽろっとした一言」や楽しそうな雰囲気といった定性的な変化を重視し、地域おこし協力隊員が孤独にならないよう壁打ち相手を見つけることの必要性が強調されました。

田口教授は、両事例とも色々な仕組みが出来ているものの、大事なのは仕組みそのものではなく、地域おこし協力隊が地域を選んで入ってくることでその地域にいいことがあると気づき、様々な活動を通じて地域住民の気持ちが将来に向くことが重要であると総括しました。大きな成功ではなく、小さなことの積み重ねが地域住民の意識を前向きに変え、自発的な行動を促すきっかけとなることを示唆し、パネルディスカッションを締めくくりました。

15:30〜ストーリーテリングセッション私が選んだ地域との未来

地域おこし協力隊経験者によるライフストーリー型のプレゼンテーションが行われました。
成功体験だけでなく、失敗や試行錯誤も率直に共有され、参加者にとって学びの多い内容となりました。

  • スピーカー
    塚井 穂乃佳つかい ほのか宮崎県川南町
    現役地域おこし協力隊員/移住定住
  • スピーカー
    伊藤 友樹いとう ゆうき群馬県みどり市
    地域おこし協力隊経験者/林業振興
  • スピーカー
    江藤 誠洋えとう まさひろ北海道長沼町
    現役地域おこし協力隊員/移住定住
当日の様子
  • 現役地域おこし協力隊員 塚井 穂乃佳 氏

    「ケアすることを通じて、
    地域と自分の生き方を見つめ直した物語」

    宮崎県川南町の地域おこし協力隊員である塚井穂乃佳氏は、幼少期から田舎に親しみを感じており、高校の進路選択時には看護師と地域活性化に携わる仕事で迷ったものの、資格取得を優先し看護師の道を選択。大学時代には離島巡りを趣味とするなど地方への関心は高く、就職活動でも地域に携わる仕事を志望しましたが、コロナ禍の影響で再び看護の道へ進むことになったと述べました。その中で最初に配属されたコロナ病棟での過酷な日々や、挫折を経験し、自身の進む道を再び見つめ直すようになったと言います。そんな時、大学時代の先輩が地域おこし協力隊として夢を実現したことを知り、そこから地域おこし協力隊について関心をもち始めます。「このチャンスを逃したら後がない」という思いから、親やパートナーの看護師をやめるという反対を押し切り、川南町への移住を決意しました。

    地域おこし協力隊に着任後、塚井氏は、移住・定住促進をミッションとして活動を開始。しかし、川南町の協力隊には明確な業務がなく、自ら地域の課題を発見し事業を展開するスタイルであったため、ビジネス経験のなかった塚井氏にとって、事業計画書の作成や企画の実行は困難を極めました。

    それでも、「この3年間で頑張らなければ元に戻ってしまう」という強い思いから、関係人口創出に焦点を当てた活動を展開。 具体的には、前職の経験を活かした看護師向けの事業や、住民が主体となって大学生を受け入れる事業を企画し、継続性を持たせる工夫を凝らすなど、自身の能力を最大限に活かして活動しました。これらの経験を通じて、塚井氏は自身の成長を実感し、地域の未来を築くことに喜びを感じるようになりました。そして、この道で進んでいく決断を下し、県内の自治体に就職するという具体的な目標を見出すことができたと述べました。

    この決断は、多くの人々の支えがあってこそだと感謝を述べ、協力隊を迷う人々へ向けて、「自分でレールを作っていく」「今からでも遅過ぎることはないが、今やらないともう遅いかもしれない」というメッセージを贈り、挑戦と自分を信じて前に進もうとすることの重要性を訴えました。

  • 地域おこし協力隊経験者 伊藤 友樹 氏

    「森の中で働くことを選び、
    “地域資源”を仕事に変えた物語」

    群馬県みどり市で林業とエッセンシャルオイル製造販売を手がける伊藤友樹氏は、35歳で地域おこし協力隊になりました。

    大学卒業後、個別指導塾やパチンコ店勤務を経て、勤め先の買収を機に「一次産業で、ものづくりがしたい」という直感から林業の道へ。しかし、着任直後に崖から滑落し、左足を複雑骨折する最悪のスタートを切ります。

    リハビリの合間、伊藤氏は林業に関する勉強に取り組み、そこで直面したのは、丸太が安価に取引され、需要のない大径木が行き場を失っていること、林業従事者が激減しているという林業が抱える厳しい現実でした。この状況下で自身に何ができるのかを模索する中で、伊藤氏は「重くて安い丸太を、小さく軽く価値ある香りに変える」エッセンシャルオイルの可能性に気付いたと述べました。足が完治してからは、平日は林業研修、休日はオイル製造の研究に没頭するという、まさに二足のわらじを履く生活を送っていたと言います。

    地域おこし協力隊2年目の春、伊藤氏は試作したエッセンシャルオイルが地元祭りで好評を得たことを機に、事業化を決意。3年目の1月に屋号「緑之枝」、ブランド「森の香。foreal」を立ち上げました。

    また、伐採技術の研鑽を続ける中で、市場価値の低いバイオマス材を薪として活用する「木の駅プロジェクト」へ参画し、協力隊退任間際には、研修先からの伐採師としての継続依頼を受け、3年間で技術だけでなく「信頼」という貴重な資産を築いたことを実感。 現在、伊藤氏は「森の香。foreal」エッセンシャルオイルの製造・販売、「木の駅プロジェクト」での薪生産・現場管理、そして林業フリーランスという三つの事業を柱としています。

    これらの事業は夫婦で協力しながら運営されており、今後はAIを活用した海外販路開拓、サウナ文化へのプロダクト提供、そして香りを通じた森林教育による次世代の林業従事者育成といった新たな展開も視野に入れていると述べました。

    最後に伊藤氏は、「為せば成る。まずは動く」というメッセージを贈り、自身の経験から「アイデアも仲間も、行動した後からついてくる。挑戦を受け入れてくれるのが地域おこし協力隊で、失敗を糧にできる成功の余白が地方にはある」と、挑戦の重要性を強調しました。

  • 現役地域おこし協力隊員 江藤 誠洋 氏

    「25歳の会社員が移住した話」

    北海道長沼町で移住コーディネーターを務める江藤誠洋氏は、自身の移住と協力隊活動を決めるまでの過程を語りました。新卒で住宅メーカーの設計職に就きましたが、平日の多忙さの反動から、休日はキャンプや自然の中での活動に楽しさを見出すようになったことで、「自然が身近な場所で生き生きと暮らしたい」という思いが募り、移住を検討。1年半かけて「土地勘」、「実家へのアクセス」、「直感」を重視し、長沼町を選びました。

    江藤氏は「この人がいるからこのまちに住み続けたい」「この人に恩返ししたい」といった、人との温かい繋がりこそが、人をその地域に留める最も重要な要素であると考え、 地域おこし協力隊として地域に入れば、自然と地域の人々との繋がりを築きやすいという利点があり、また、起業も移住も全くのゼロからの挑戦であった自分にとって、3年間という期間をかけて生活基盤を整えられる協力隊制度は、非常に魅力的な選択肢であったため、地域おこし協力隊の道を選択したと述べました。

    安定志向で心配性の性格から、当初はミッションに悩んだものの、「自分と同じように移住に踏み出せない人に寄り添える」と考え、移住コーディネーターのミッションを選択。

    江藤氏は長沼町を、空港や近隣都市への好アクセスながら、のどかな田園風景が広がる農業が盛んな町であるだけでなく、近年では、化粧品ブランドSHIROによる宿泊施設や、元プロ野球選手・斎藤佑樹氏による野球場プロジェクトなど、外部からも新たな動きが活気を生み出している町であると紹介しました。江藤氏は「単なる人口減少対策ではなく、長沼町を盛り上げる仲間づくり」を意識して活動。移住相談対応、イベント企画、空き家活用など多岐にわたる活動に加え、町民と移住検討者が交流できる「協力隊居酒屋」も開催し、地域とのつながりを深めることに尽力しています。

    今後は、長沼町への愛着とより多くの人に町の魅力を知ってもらいたいという思いから、「町の魅力を体験できる宿の開業」を目指しており、自身の経験を通じて「チャレンジしたい気持ちがあれば、一歩踏み出すことで、地域や仲間に支えられながら実現できる。」とし、そして考え方が大きく変化することを強調。自身の経験を踏まえて聴衆にエールを送り締めくくりました。

16:05〜フィナーレセッションつながる未来、
つなげる私たち

ファシリテーターとパネリスト3名によるクロストークが行われ、地域おこし協力隊を志したきっかけや活動を通じた気づき、これから地域おこし協力隊を目指す人へのアドバイスなどが語られました。

  • ファシリテーター
    平林 和樹地域力創造アドバイザー

内閣府地域活性化伝道師・内閣府地方創生SDGs課題解決モデル都市専門家・ふじよしだ定住促進センター理事。
ヤフー株式会社、カナダ留学、株式会社 CRAZY を経て、株式会社WHERE創業。約2万人の会員を持つ地域コミュニティメディア「LOCAL LETTER」、産学官民の起業家70名以上が登壇する地域経済サミット「SHARE by WHERE」など地域、業界を超えた共創を創出。
長野県根羽村で一棟貸し宿を立上げ事業譲渡など独自の事業作りで活動中。

フィナーレセッションを株式会社WHERE様のLOCAL LETTERにて取り上げていただきました!
※4月中頃に公開予定となります。
https://localletter.jp/articles/chiikiokoshitai_summit2026/

  • 池内 柊平いけうち しゅうへい岡山県久米南町
    現役地域おこし協力隊員/IT活用
  • 中桐 由起子なかぎり ゆきこ岐阜県下呂市
    地域おこし協力隊経験者/
    ソラノイエ農村滞在型の宿
  • 黒田 香菜子くろだかなこ京都府南丹市
    地域おこし協力隊経験者/
    わざどころPON
当日の様子

このフィナーレセッションは、現役地域おこし協力隊員と地域おこし協力隊経験者が、制度のリアルな側面や地域との関わり方、未来の地域社会像について語り合う場となりました。

登壇者は、京都府南丹市の黒田香菜子氏(デザイナーから転身し、工芸品を扱う「わざどころPON」を設立)、岐阜県下呂市の中桐由起子氏(海外・東京での経験を経て、古民家を改修した農村滞在型宿「ソラノイエ」を運営)、岡山県久米南町の池内柊平氏(IT会社を退職後、IT活用分野の協力隊として地域住民のデジタル支援や農業に従事)の3名。

最初のトークテーマは「どうやって地域を決めたのか」でした。 中桐氏は、下呂市の協力隊募集が「地域資源を活用して地域おこしをしたいので、あなたの力を貸してください」という自由度の高いミッションであったことに魅力を感じたと言います。地域の人々と共に何かを創り出せる可能性に惹かれ、また、岐阜県が地元であったことも地域選びの理由の一つであったと述べました。

黒田氏は、大学進学で京都に移り住み、地域住民との活動が心に残ったこと、グラフィックデザイナーとして働く中で、窓のないオフィスでの生活に物足りなさを感じ、週末に訪れていた南丹市の豊かな自然環境に惹かれ、「ものづくりのまち」である部分にも興味を持ち、応募したのがきっかけだと語りました。

池内氏は新卒で入社したIT企業を退職し、精神的に落ち込んでいた際に、高校時代の恩師から「田舎に行って地域の人と関わってこい」と助言を受けたことがきっかけだと述べました。その後、久米南町の移住体験ツアーに参加し、地域の人々や現在の職場の上司との交流を通じて、1ヶ月間ほど町に滞在する中で、たまたまIT分野の協力隊募集があることを知り、応募に至ったと語りました。

地域選びのアドバイスについて、登壇者は「1ヶ月間程度の長期滞在で地域を深く知ること」、「活動テーマが自分に合っているか」を確認すること、「地域おこし協力隊インターン」といったお試し制度の活用の重要性を強調しました。

次のテーマは「地域おこし協力隊活動のリアル」についてでした。

黒田氏は、一般的にイメージされる「田舎のスローライフ」とは異なり、地域おこし協力隊の活動は少し忙しめであることを語りました。協力隊の認知度を高めるためのイベント参加や、地域活動への積極的な参加が求められ、時間的な余裕は少なかったと言います。しかし、地域活動を通じて仕事以外の人間関係が築け、地域の人々との交流から新たな仕事の依頼や顧客獲得に繋がることもあったと語りました。

中桐氏も、下呂市初の地域おこし協力隊として、当初は地域住民が「地域おこし協力隊とは何か」「何をするのか」を理解していない状況に直面したことがあったと述べ、地域住民との間に温度差を感じ、1年半ほどは自身の活動を理解してもらうための期間だったと振り返ります。この期間は、地域のお掃除や集まりに積極的に参加し、地域の人々と対話を重ねることで乗り越えたといいます。特に、各家庭を訪れて話を聞く中で、地域が抱える課題や魅力、そして住民の「こんなことをしてみたい」という本音に触れることができたと述べました。

池内氏は、地域おこし協力隊の活動において「地域」「行政」「隊員本人」の三者間のコミュニケーションの重要性を強調。IT分野での活動であるため、地域住民からは「何でもできる魔法使い」のような期待を寄せられることが多く、自身の役割やできること・できないことを明確にすることが重要だったと言います。行政との間でも、活動の目的や3年後の目標、任期終了後の継続性について定期的に話し合い、認識を合わせておくことが大切だと述べました。

登壇者たちは続けて、自身の立場から、協力隊の魅力についても言及しました。

黒田氏は、「地域おこし協力隊という名刺があれば、どこへでも入り込める」と述べ、活動の幅が広がることを強調しました。地域の人々からの紹介で、新たな出会いや活動の機会が生まれることが多かったと言います。

池内氏は、地域おこし協力隊を「地域へのパスポート」と表現。単なる移住者として地域に入ろうとすると「誰?」という反応になりがちだが、地域おこし協力隊という肩書きがあることで、行政や地域住民との繋がりがスムーズになり、多様な活動に挑戦できると語りました。

セッションの最後に、登壇者たちは今後の展望について語りました。

中桐氏は、「持続」をキーワードに挙げ、現在運営している宿「ソラノイエ」を持続させることが、地域への入り口となり、地域の魅力を伝える手段であると述べました。また、自身のキャリアだけでなく、集落そのものが持続していくために何ができるかを常に考え、活動していきたいと語り、新しいことを始めるだけでなく、今あるものを大切に育んでいくことの重要性を強調しました。

池内氏は、エンジニアという職種は都会に集中しがちだが、仕事をする場所は関係ないという考えのもと、農村で複数の役割を担う人材として定住し、活躍したいと述べました。地域には豊富なリソース、人脈、そして昔からの知恵が残されており、それらを活かしながら、自身のやりたいこと、できること、そして地域から求められていることを結びつけたいと述べました。

黒田氏は、育休後の活動として「工芸と養生」を組み合わせた取り組みを構想していると言います。移住前の過酷な働き方で体調を崩した経験から、暮らしを変えることで心身ともに健康になった自身の経験を踏まえ、「暮らしを変えて自分らしく生きたい」と願う人々を工芸と養生を通じて応援したいと述べました。

ファシリテーターの平林氏は、本セッションが「地域おこし協力隊」という漠然とした言葉の裏にあるリアルな声を聞く貴重な機会であったと総括しました。地域をしっかりと見極めること、そして3年間という期間を活かして地域に溶け込み、自身のなりわいを築くことの重要性を改めて強調。

地域おこし協力隊は、地域に貢献しながら自身のキャリアを形成できるメリットがあり、気になる地域があれば積極的に足を運び、関係者と交流する一歩を踏み出すことの重要性を参加者に呼びかけ、セッションを締めくくりました。

クロージング

会場は立ち見が出る時間帯もあるほど盛況で、最後まで多くの方に聞いていただきました。
今後も様々な形で、参加者の皆様がご活躍されることを祈念し閉会とさせていただきました。

主催
総務省
地域力創造グループ地域自立応援課
出展事務局
第9回地域おこし協力隊
全国サミット事務局
平日:10:00~12:00/
13:00~17:00
(※土日祝、年末年始休)
TEL:080-5812-3707
E-mail:
chiikiokoshi.summit@jtbcom.co.jp
実施運営
株式会社JTBコミュニケーション
デザイン

最初の一歩は、「知ること」から。

“地域おこし協力隊”って、
どんな活動?

地域おこし協力隊は、
「地域を元気にしたい」「地域の課題を解決したい」
そんな思いを持つ人たちを、
総務省が応援する制度です。

古民家カフェを立ち上げる人、観光を盛り上げる人、
伝統を守る人。その活動は十人十色。
任期を終えた多くの隊員が今もその地に暮らし、
自分の手で“地域の物語”をつくり続けています。

  • 大自然の中で
    生活したい
  • 働き方を
    変えてみたい
  • 新しい事に
    チャレンジしたい
  • 地域社会に
    貢献したい
  • 人との繋がりを
    大切にしたい

そんなあなた、地域おこし協力隊全国サミットに
参加してみませんか?!

それぞれの地域で、
想いを形にする人たちがいます。

第9回地域おこし協力隊全国サミット

知って、学んで、ともにひろがる~ 地域の未来、自分の未来 ~

総務省 地域おこし協力隊
2026年131日(土)/21日(日)開催
参加無料
事前予約が必要です
東京ミッドタウンホール

全国で活躍する現役地域おこし協力隊員や
地域おこし協力隊経験者の
ブース出展、有識者による講演、
個別交流会などイベントが盛りだくさん!
詳細は随時更新していきます!

関連情報

このページでは皆さんに“地域おこし協力隊”に
興味を持ってもらう、
そのための疑問質問に答える
イベント開催に向け内容を更新していきます。

「それまで待てない」という方は活動内容などを
紹介する以下のサイトの情報もご覧ください。

  • 地域おこし協力隊 ニッポン移住・交流ナビJOIN
  • 地域と人をつなぐ、協力隊の入り口 地域おこし協力隊ナビ