【中国】要注目!NMPAが「化粧品の登録登記に関する事項についての公告(意見募集稿)」を発表

目次

発表経緯

2026年3月31日、中国国家薬品監督管理局(NMPA)より「化粧品の登録登記に関する事項についての公告(意見募集稿)」が発表されました。

当該発表は、2025年11月17日にNMPAが発表した「化粧品監督改革の深化と産業高品質発展の推進に関する意見(国薬監粧〔2025〕18号)」を着実に実行し、化粧品の審査・承認改革を継続的に推進し、産業の高品質発展を促進するために行う、化粧品の登録・登記管理の最適化事項とされています。

※2025年11月17日「化粧品監督改革の深化と産業高品質発展の推進に関する意見」は以下参照。

2030年、2035年を見据えた中国の化粧品産業の品質向上・国際化・安全管理の強化推進というスローガンが大々的に掲げられています。

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概要

1.化粧品新製品の中国での初発売の奨励について

国際的な高水準の経済貿易ルールに照らし、中国の化粧品分野における初発売経済を育成するため、国際的化粧品新製品が中国で初めて発売される場合、または中国と他国(地域)で同時発売される場合、登録・登記時において、登録人・登記人は製品処方や製造工程などの革新性についての説明を提出し、かつ中国での初発売に関する誓約書を提出すれば、生産国(地域)で既に販売されていることを証明する資料の提出は免除される


2.化粧品の動物実験資料の免除について

特殊化粧品のうち、パーマ剤、非酸化型染毛剤、および物理的遮蔽効果のみを有する美白・シミ取り製品、ならびに安全監視測定期間中の新原料を使用した普通化粧品および前述の特殊化粧品について、生産企業が所在国(地域)の主管当局が発行した品質管理体制の認証を取得しており、かつ製品の安全性リスク評価により安全性が十分に確認できる場合、登録・登記時に毒性学試験報告書の提出は免除される


3.原料安全関連情報の企業保管への変更について

製品(歯磨き含む)の登録・登記時、登録者・登記者は使用原料の安全情報資料を提出する必要はなく、関連資料は企業が自ら保管し検査に備える。
「化粧品安全技術規範」などで原料の品質規格が求められる場合、安全評価資料提出時に原料の品質規格または検査報告書を併せて提出しなければならない。国家薬品監督管理局は今後、原料安全情報サービスプラットフォームの提供を停止し、原料報告コードに関する情報も公開しない。


4.共通処方体系の類似製品に関する安全性技術資料について

  1. 同一の登録者・登記者が同一ブランドの複数製品(歯磨きを含む)を登録・登記する場合、代表的な1製品を選定し、微生物試験、理化学試験、毒性試験、人体安全性試験および安全性評価を実施できる。
    他の製品はこれらの試験・評価報告を共有できるが、処方体系の類似性説明を提出し、異なる着色料や香料について安全評価を行い、その科学性・合理性を確認する必要がある。
  2. 類似処方製品の製造場所が変更された場合、微生物試験および理化学試験を再実施する必要がある。登録・登記時にはこれらの試験報告を提出し、毒性試験等の報告は共有可能。
  3. 「処方体系が類似する製品」とは、着色料や香料の種類・含有量およびそれに伴う調整部分を除き、基本処方成分の種類・含量が同一で、剤型および使用方法が同一の製品を指す

5.製造場所変更時の登録・登記資料の簡素化について

既に登録・登記済みの輸入化粧品(歯磨きを含む)を国内生産へ移行する場合、または国内製品を海外生産へ移行する場合などで、登録者・登記者、製品名、処方、基準等に変更がない場合、毒性試験・人体試験・安全評価の報告は共有可能とする
ただし、微生物試験および理化学試験は再実施し、その報告書を提出するとともに、元の登録証または登記証明を提出する必要がある。


6.効能評価試験方法の受入範囲の拡大について

シミ取り美白、日焼け止め、抜け毛予防以外の効能については、十分な科学的根拠がある場合、登録者・登記者は国家基準、業界基準、国際基準、技術ガイドライン、または検証済みの企業独自方法などを自主的に選択して評価試験を実施できる。


7.類似処方製品間での効能評価データの共有について

  1. 同一ブランドの複数製品について、代表製品で効能評価試験を実施し、他製品でデータを共有可能。ただし、同等性評価を行い、その科学性・合理性を確認する必要がある。公表時にはデータ共有の状況を明記する。
  2. 評価報告、類似性説明、同等性評価資料は企業が保管する。シミ取り美白、日焼け止め、抜け毛予防効能に関しては、登録時に評価資料および類似性説明を提出する必要がある。
  3. ここでいう類似処方製品とは、防腐剤も含め、着色料・香料・防腐剤の種類・含量などを除き、基本処方成分・剤型・使用方法が同一の製品を指す。

8.境内責任者変更手続きの簡素化について

化粧品(歯磨き含む)の境内責任者を変更する場合、従来必要だった旧責任者の同意書や裁判文書の提出は不要とし、以下のみ提出すればよい。

  1. 変更対象製品のリスト
  2. 新責任者が従来の責任を引き継ぐ旨の誓約書

WWIPより

 中国では2021年1月1日に「化粧品監督管理条例」が施行されました。当該新条例を施行した目的として、第1条に以下のように記されています。

第1条 化粧品の生産事業活動を規範し、化粧品の監督管理を強化し、化粧品の品質・安全性を保証し、消費者の健康を保障し、化粧品産業の健全な発展を促進することを目的とし、本条例を制定するーーーーーー

 新条例施行に伴い、NMPAは企業に対し厳格な品質安全管理体制を敷くよう求め、化粧品中の全原料の安全性情報、効能の科学的根拠、安全性評価等、要求事項を従来より大幅に増やしました。こうした監督管理体制の強化によって、厳しい管理に耐えつつ要求に沿うことのできる企業がふるいにかけられ、おのずと中国国内の化粧品企業の品質安全管理レベル向上に繋がったといえます。一方で、普通化粧品や一部新原料の申請方式としては審査ハードルを下げた“登記手続き”を採り、比較的リスクが緩やかな一部製品に対しては“化粧品安全性評価報告の手元保管”を許容する等、部分的ではあるものの、徐々に中国政府が全製品を厳しく審査・承認する体制から、“企業の自主的な管理に委ねる体制”へと移行しようという動きも見られます。

 しかしながら、NMPA申請における要求事項は非常に複雑かつハードルが高い上、問題が見つかった場合には処罰されるおそれさえあるため、リスク回避を視野に入れた無難な処方と効能訴求にとどめる企業が増えているものと予想されます。このような消極的な姿勢は、前述の第1条に掲げた「化粧品産業の健全な発展を促進すること」に沿っているとはいえません。おそらくこのような問題意識から、昨年11月に「化粧品監督改革の深化と産業高品質発展の推進に関する意見」が発表され、中国の化粧品産業の品質向上・国際化・安全管理の強化推進というスローガンを掲げるに至ったものと予想されます。

今回発表された意見募集稿はより踏み込んだ内容ですが、特に毒理学検査(=動物実験)や効能の評価試験結果の免除条件等、現行法で厳格な管理がなされていた部分に対し緩和する内容は、中国展開を検討する企業にとって参入障壁を大きく下げうるため、日本企業にとっても注目すべき内容です。

<本件に関するお問い合わせ>
株式会社WWIPコンサルティングジャパン
TEL : 03-6206-1723
Email: official@wwip.co.jp

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