【商船三井の特徴を解説】業績や社風から見る就活対策・企業研究
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最終更新日:2025年11月14日
記事公開日:2016年10月19日
セグメント別収益と事業内容
下の表では、商船三井のセグメント別収益を紹介しています。
近年では、海運市況の低迷によって海運指数で運賃の上下動が激しいコンテナ船の売上高を、徐々に不定期船の売上高へとシフトさせています。不定期船では複数年契約や、長期契約の案件が多く、特定の場所から特定の場所へと何度も荷物を往復させる形態のビジネスです。
また、商船三井とは日本のライバル他社と比較しても「海運分野」での売上割合が高く、総合海運企業としての呼び声も高いです。特に船舶数に関しては世界でも最大の規模を誇っています。
| 売上高(億円) | 経常利益(億円) | |
| 不定期専用船事業 | 8388 | 548 |
| コンテナ船事業 | 7191 | -298 |
| フェリー・内航事業 | 496 | 44 |
| 関連事業 | 966 | 101 |
不定期船
不定期船の中で大きく種類をわけると、ドライバルク船・油送船・LNG船・海洋事業・自動車船が存在します。以下の折れ線グラフは、不定期船・定期船事業の年度別売上高の推移です。

ドライバルク船
商船三井のドライバルク船(ばら積み船)サービスでは、大量の乾貨物(ドライカーゴ)のそれぞれに異なる特性と、積み地および揚げ地の状況を考慮して設計・建造された各種専用船で、さまざまな顧客ニーズに応えた安定輸送を行っています。大型化が進む鉄鉱石船、各港の規模に合わせた石炭船、比重の軽い木材チップを運ぶチップ船など、各種の専用船を運航しています。
このドライバルク船では、乾貨物と呼ばれる「乾いた資源(石炭、鉄鉱石、飼料用穀物)」を送り届けています。近年では、中国の需要低下・原油価格の下落・英国のEU離脱決定などの要因による海運指数の低下から、こうしたバラ積み船の運賃が暴落して苦しい状況が続いています。
LNG船
LNGはクリーンなエネルギー・石油に代わる新たな資源として世界の注目を集めており、海運業のセグメントの中でも比較的順調に売上を伸ばしています。
特に、商船三井ではLNG船事業を通じて新たな事業領域に手を伸ばしています。以下を参考にしてみてください。
2014年には、北極海航路を切り拓くロシアのヤマルLNGプロジェクトへの参画を決めたことに加え、インド・リライアンス社との戦略的提携により世界初の大型液化エタン専用船による輸送事業に参入、エネルギー輸送の最先端を走る取り組みを行っています。商船三井は、LNG船の所有・管理・運航において、LNG輸送のトップシェアラーとして、船隊の拡充と安全運航の徹底による安定輸送の堅持で応えていきます。
海洋事業
商船三井では、「形を変えながら海運業をリードしていく」という理念のもと、現在は海洋事業の中でもFSRUに注力しています。これは、浮体式LNG貯蔵再ガス化設備の略称です。洋上でLNGを貯蔵し、気化して陸上パイプラインへ払い出す設備のことで、日本企業としては初めて単独参画しました。
こうしてモノを運ぶ仲介者としての仕事だけでなく、自ら海上に施設を作り、事業の川上分野にも進出することによって業界をリードしています。
参考:商船三井の挑戦
自動車船
日本の海運会社では、20世紀から日本の基幹産業であった自動車を効率よく輸出するために自動車専用船という船種を導入しています。近年では、自動車を海外に輸出した上で内陸部に効率よく製品を届けるために海外企業との合弁企業を設立するなど、進化が続いています。
日本郵船は、世界初のLNGを燃料として動く自動車船を導入しました。
定期船(主にコンテナ船事業)
海運業界比較でも紹介させていただきましたが、コンテナ船は路線バスのように決められた国・港に停泊して積み荷を積み下ろしします。ですが、不況の現在は、積み荷が思うように集まらないために運賃を切り下げて運航しており、船を動かすだけで損益を計上するという状況です。
このような状況では、各社がコンテナ船数を減らした上で「アライアンス」を組みます。アライアンスとは、コンテナ船を各会社で共有し、過度な競争を抑えることによって需要と供給を満たすために行う協定です。
事業内容から考える商船三井が求める人材
商船三井は、陸海運にわたる輸送形態で製品・資源を輸送することによって、世界中の生産者と消費者の生活を繋ぎ、支える仕事です。(海運業の仕事はいずれもそのような仕事です。)
つまり、顧客が手塩にかけて造り上げた製品を預かり、それを必要としている消費者のもとに滞り無く責任を持って届けるということが主な仕事です。商船三井はその企業理念としてMOL CHARTを掲げています。CHARTとは、Challenge、Honesty、Accountability、Reliability、Teamworkの5つです。
流動的な社会・顧客のニーズに応えるために新たなモノを生み出すチャレンジ精神・生産者の気持ちが乗った製品を、丁寧に消費者へと送り届ける誠実さ・難題に直面しても主体的に取り組む自律性・丁寧で効率の良い輸送によって得られる信頼関係・営業、オペレーション、船隊整備など、職種が違う中で発揮されるべきチームワークが必要とされている要素と言えるかもしれません。
この5つの要素を持つ人材とはどのような人材であるか考えてみようと思います。
unistyleの記事で紹介した「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」であれば、特に以下の3点が求められると言えるでしょう。
- 2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行える(Honesty、Reliability)
- 3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる(Challenge、Acountability)
- 4.価値観や立場を異なる人と協力して成果をあげることができる(teamwork)
上記の要素を商船三井の採用ページ・社員座談会と照らしあわせて考えてみましょう。
私も(一年目で)運航管理を任され重責を感じましたが、逆に「これは期待の裏返しである」と考え、「この好機を成長の場としよう!」と思って頑張りました。
私の場合は、ロッテルダム駐在時代が成長の時期です。ロジスティクスの統括者として、多くのスタッフの意見を苦労してとりまとめたことが大変大きな経験です。みんな本気モードゆえ、自己主張のオンパレードとなる、そんな収集がつかない会議の場を取り仕切るのは大変です。でも、ファシリテーターとなって、決議へと導かなければならない。そして合意したことを実行してもらわなければならない。ここでの奮闘の経験が、今の私のネゴシエーション力の礎となっています。
参考:社員座談
上の一文でインタビューに応えている社員は、自分が予想より早い段階で裁量の大きい仕事を任せられたことで、重責と同時に期待を感じたと述べています。これは、会社側が若手社員に「チャレンジ精神を持つ自律自責型の社会人」として活躍して欲しいと願うがゆえに任された仕事だったのかもしれません。
商船三井の社風とは
商船三井の採用ホームページには、「世界の海に価値を刻む」と記載されています。海運業は、海を通じてモノを届けることによって、その製品に更なる価値を付与する仕事であるということを示しています。
商船三井は、「いかにして質の高い海上輸送サービスを提供すべきか」を考え、進化を続ける総合海運企業です。新たな挑戦のフィールドを見つけ、挑んでゆける自律自責型の人材育成を掲げ、皆が当事者意識を持って変革に挑むことを目指しています。
具体的には、上にも記載したとおり商船三井では、1年目2年目の内から1人で船のオペレーションを任せられる事も多く、人に教わるのではなく自分で考えることを求められる場面が多くあるようです。その中では、個々が意見を言いやすい自由闊達な社風が生まれるのかもしれません。
以下は「自律自責型の人材」として備えるべき資質に関して述べられている、役員インタビューの抜粋です。
商船三井では、人材像に加えて、4つの備えるべき資質を掲げています。それは「タフネス」「コミュニケーション力」「ファイティングスピリット」「リーダーシップ」。これら4つの資質はいずれも大切なものですが、特に重要なのが「コミュニケーション力」です。コミュニケーションは、自分の言いたいことを相手に伝える、相手の言いたいことを理解する、ことだけではありません。仕事上でのコミュニケーションには少なくとも目的があって、私たちの意図に沿うかたちで、相手に行動をおこしてもらうことにあります。
この目的を意識しつつ論理的に説明することに加え、時には正直に自分の思いを伝えたり、まずは相手の話に深く同意するなど様々なプロセスを経て、自らの主張に共感してもらい、相手の行動に影響を与えることで、コミュニケーションは力を産み出すのです。
商船三井は自律自責型の素養とこれら4つの資質を兼ね備えたグローバル人材を必要としています。当社の考えるグローバル人材とは、地球を宇宙から眺めるごとく俯瞰し、世界と世界を結ぶ橋渡しの役割を果たし、グローバルマーケットで新しい価値を創造できる“ブリッジ・パーソン”です。私たちはこの“ブリッジ・パーソン”の育成に注力しています。
「自分の想いを伝え、相手に理解してもらう」人材育成を目指している商船三井では、若手であっても根拠を示せば意見を受け入れられる社風もあるようで、風通しの良い社風と言われています。
他にも、商船三井での仕事のフィールドは世界各地にわたり、共に仕事をするグループの人材も多種多様です。世界中に散らばるグループ社員を統括して現地で仕事を進めるためには、様々な資質が求められるのかもしれません。
内定者・書類通過者のES解説
日本郵船と比較して、商船三井の方がESの質問事項が多く、形態もwebでの提出です。※本記事で紹介しているES設問は、2016年卒本選考レポートの情報を基にしています。
①卒業論文テーマ及び概要(25...
場合によっては「成果なんて出したことがない!」と思う人もいるかもしれません。
選考について

◆選考プロセス
ES&オリジナルwebテスト
→グループディスカッション(1対7)
→一次面接(1対1個人面接)
→二次面接(1対2個人面接)
→最終面接(1対4個人面接)
参考:2017年度本選考情報
商船三井も他の二社と同様に、陸上職・海上職・技術職の全てが別枠採用で行われており、どれか一つの職種の採用試験しか受けることができません。商船三井は日本郵船とは逆に、突発的な質問からその人自身の人間性を測るというより、基本的な質問への答え方を見られるという印象のようです。
また、他業界の選考状況や志望度の比較も細かく聞かれることもあるようなので、事前に準備しておく必要がありそうです。
また、商船三井は自律自責型の人材育成を目指しており、フランクに自分の意見を言いやすい職場であるようなので、会社で取り組んでみたい仕事に関しても「自分自身が何をやってみたいのか」というところまで自己分析を深めて面接に臨めると良いでしょう。
面接に関して述べると、一次、二次、最終面接と面接官の人数・年齢層が共に上がってゆくようなので本番の緊張を和らげるためにも把握しておくと良いかもしれません。商社・海運・不動産など、就活生からの人気が高い業界では最終面接でかなりの数の学生が落選してしまうことも多いので、気を抜かぬようにしましょう。
最後に
海運業界の中でも商船三井は最も大きな企業のうちの一つです。
グローバルに、そしてダイナミックな仕事をしてみたいと考える学生は、自由闊達な社風で知られる商船三井の門戸を叩いてみてはいかがでしょうか。
こちらのページから、商船三井のESや選考レポートをご覧になれます。





