ニュース
月の裏側の温度、表面よりも低温な可能性–中国「嫦娥6号」が持ち帰ったサンプルを分析
2025.10.01 14:50
中国の探査機「嫦娥6号」が持ち帰ったサンプルから、月の裏側の温度は表面よりも内部が低温である可能性が指摘されている。
嫦娥6号は2024年6月、史上初めて月の裏側からサンプルを持ち帰った。月の南極の巨大クレーター「エイトケン盆地」から収集された岩石を分析すると、米航空宇宙局(NASA)がApolloで持ち帰った月の表側のサンプルよりも、約100℃低温であったことが判明した。
月の裏側は地殻が厚く、山が多く、クレーターが無数にあり、溶岩で満たされた盆地がはるかに少ないのが特徴だ。分析では、今回のサンプルは、約28億年前にマントル深部にある溶岩から約1100℃で形成されたと推定している。
月の裏側には、熱を生成する元素であるウラン、トリウム、カリウム、リン、希土類元素(総称して「KREEP」と呼ばれる)が少ないと考えられている。もし、これらの元素が月の歴史の初期に表側へ移動したとすれば、なぜ表側がより高温で、火山活動が活発で、化学的に異なっていたのかを説明できるかもしれないという。
この不均衡がどのように生じたのかは、依然として不明だ。巨大な小惑星の衝突が月の内部を再分配したとする説もあれば、かつて月には小さな兄弟天体があり、それが不均等に合体したという説もある。また、地球の重力も元素の分布に影響を与えた可能性があるとしている。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンと北京大学による論文は、9月30日に「Nature Geoscience」誌に掲載された。




