作品
きみの前でだけ、ぼくの嘘は、ただの嘘になる。
きみの嘘が、世界を上書きする
ついた嘘が必ず現実になる少年・奏。だが嘘で世界を書き換えるたび、彼は自分自身を少しずつ忘れていく。名前も、好きな食べものも、過去も——もう原本がない。そんな彼の前に、転校生・神坂詩が現れる。彼女だけは、奏の嘘が一切効かない唯一の存在。出会った初日、詩はたった一つだけ嘘をついた。「初対面だよね?」と。本当は二人は初対面ではない。奏が一年前、世界を大きく上書きし、彼女との時間ごと消し去っていたのだ。詩だけが書き換え前の世界を覚えている。彼を取り戻したい彼女と、自分が誰かを知らない彼。やがて奏は選ばされる——失った記憶を取り戻し、もう一度詩を消すか。何も思い出せないまま、今の彼女と生きるか。嘘と本物をめぐる、上書きラブストーリー。 奏(かなで)/16歳・主人公 ついた嘘が現実になる《script》の最強格。だが上書きのたびに自分の記憶を失い、今や名前と年齢以外、ほとんど何も覚えていない。飄々とした嘘つきだが、誰より自分を信じられない。詩の前でだけ嘘がつけず、本当の自分でいるしかない。 神坂詩(かみさか うた)/ヒロイン 奏の嘘が唯一効かない《不可侵》の少女。淡々として表情が読めないが、書き換えられる前の世界を一人だけ覚えている。奏が自分自身を完全に忘れてしまう前に、彼を取り戻そうと「転校生」を装って現れた。自分の気持ちにだけは嘘をつけない。 伊吹(いぶき) 上書きの濫用を監視する組織《監督局》の見習い。明るく軽口だが、奏が一年前に起こした禁忌〈大規模上書き〉の痕跡を追っている。情報の鍵を握る、波乱の呼び水。
- 39
- 148
- 全12話現代ファンタジー
聖女の祈りと刺客の刃が交わるとき、偽りの世界が斬り裂かれる。
私を殺しにきた刃と、世界を斬る
滅びた王国の生き残り、ナルディエは「聖女」として崇められていた。だがその奇跡は、教団が仕組んだ偽り。彼女はただ、光を灯すだけの空っぽの器だった。 ある夜、記憶も名も持たぬ刺客が、彼女を殺しに現れる。だが少年の黒い刃は、ナルディエに届かなかった。祈りと刃が触れた瞬間、相反するはずの二つが共鳴し、未知の力が生まれたのだ。 用済みとなった聖女を、教団は処分しようとする。少年は与えられた任務を捨て、自らの意思で彼女の側に立った。聖女でも刃でもない、ただの二人として。 偽りの聖性に満ちたこの世界を、二人は共に斬り進む。少年の失われた記憶が、やがて二人を引き裂く真実を、まだ知らぬまま。
- 8
- 39
- 全20話異世界ファンタジー
牙に命を捧げ少女は化け物と堕ちる。国を救う代償は甘美で残酷な血の契約
封じ込めの聖女と底なしの魔神
「——私を、あなたに差し出すわ」 亡国の危機に瀕したラナーグ王国の第一王女、ナルディア。彼女が最後に縋ったのは、地下深くに封印された恐るべき黒き魔神、フレイだった。 国を救うために結ばれたのは、互いの血を分け合い、命を吸い上げる禁断の契約。 圧倒的な武力で敵を蹂躙し、ナルディアを「俺のもの」と呼ぶフレイ。しかし、その力に呼応するように、ナルディアの心身もまた、「化け物」へと近づき始めていく。 守るべき臣下たちの命を糧とし、愛しき魔神と共に闇へと堕ちてゆく聖女。 これは救済か、それとも破滅への階段か。 血の匂いと硝煙が混ざり合う、美しくも歪な絆の物語が幕を開ける。
- 5
- 71
- 全2話異世界ファンタジー
全てを忘れていく少女が、一冊の本に込めた「最期の祈り」の物語。
ゼロワン 願いの紙片
本作は、かつて自らの全能ゆえに故郷の三連星を壊滅させてしまった大罪人ゼロワンが、管理者の支配する「石の牢獄」で、削られていく記憶と引き換えに故郷を買い戻そうとするSFハイファンタジー・トラジディ(悲劇)です。 高次元操作という圧倒的な「力」を持ちながら、行使するたびに知性と想い出を失っていく残酷な対価。隣室に囚われたかつての宿敵たちとの因縁。そして、初めてできた「友達」との約束……。 絶望的な状況下で、少女が「自分」という存在をすべて燃やし尽くし、ただ一頁の「ハッピーエンド」を書き換えるまでの壮絶な贖罪の旅路を描きます。
- 13
- 59
- 全7話異世界ファンタジー
掲示板
掲示板の投稿はまだありません
