作品
ただの町娘が『乙女』となり、竜から街を救うお話
【短編】星唄いの娘
信じられた物語は、力を持つ——。 小さな街ハフナで宿屋を営む娘エルタの前に、ある日、目を奪われるほど美しい旅人が現れる。 ティアと名乗るその女性は、世界中を旅しながら「最初の物語」を探しているという。 彼女は街の古い伝承に興味を示し、エルタは祖母から聞いた言い伝えを語って聞かせる。 ——かつてこの街に、星を喰らう竜が現れた。一人の乙女が井戸に降り、星の雫を汲み上げ、歌を歌い、竜を鎮めた。 それはただの昔話のはずだった。 しかし祭りの前夜、伝説の竜が本当に現れる。 ティアはエルタに告げる。「あの伝承を、本当にしよう」と。人々が信じる物語には力が宿る。みんなが見ている前で伝承を再現すれば、物語は現実になる——。 ただの宿屋の娘に、何ができるというのか。 枯れた井戸に、星の雫などあるはずがない。 それでもエルタは、井戸の蓋に手をかける。
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- 全1話異世界ファンタジー
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