選手との交流について
最近、少し議論を呼んでいる選手との交流時のマナーについて。
アジアリーグのとある人気チームが、ファンの皆様に対して、選手との交流時のルールをSNSで発表し、話題になりました。
今回はその内容について直接は触れませんが、今回感じたことを皆様にお伝えしたいと思いました。
今回お話しするのは、あくまで僕の考えであり、各チーム・選手が必ずしも同じ考えではないことをご理解ください。
ファン(選手)交流のあり方
選手の多くは、ファンの皆様との交流を楽しんでいます。
応援されることは嬉しいし、その交流で話したことは長い間覚えていたり、試合の時に思い出して頑張る気になったりする。
差し入れをもらった際には、お腹が空いてる僕はもう貰ったその場で食べてしまう勢いです。

選手は応援してくれる人がいる以上、可能な限り試合後に挨拶をするべきだと思っています。
これは僕が日本、オーストラリア、アメリカでプロ選手として活動する中で至った答えです。
日本では1000-2000人
オーストラリアは1200人ほど
アメリカの下のリーグでは最大5000人が試合に駆けつけますが、
アメリカの監督に言われた、印象的だった一言があります
「Be a pro.」
↓
「最後までプロとして振る舞いなさい。」
これはボロ負けした後に言われた言葉です。
試合に負け、ロッカールームでボーッとし、着替えていない選手たちに監督がそう言いました。
試合が終わったらすぐに準備をして、応援に来てくれたファンに感謝を伝えに行く。
情けない試合をした日こそ、
「次こそ勝つからまた観に来てくれ」
と、ファンに挨拶に行くことこそが、
「また来たい」と思ってもらえるための、
社会人ぽい嫌な言い方をすれば営業だし、
良く言えば感謝や礼儀ということになります。
そんな経験から、僕は
「選手は可能な限りファンに挨拶に行くべき」
と考えています。
これは、今後この世界に入る選手たちにも伝えたい考えです。
では、選手とファンの距離感はどれくらいが正解なのか?
例えば、選手にケータイを渡しての撮影は?
僕がそのお願いをされたら、何も考えずにOKします。
ほとんどの選手が、それを負担に感じてるわけではありません。
ただし、
もし選手がそのケータイを落としたり、壊してしまったら?
イベント後に、「ケータイが壊れている」と、言いがかりをつけられたら?
チームの運営としては、そういうリスクにも配慮した上での決定をしたのかもしれません。
これまでの、100人程度の交流なら特に問題はありません。
昔からアイスホッケーを知っている人や、知り合いなど、狭い世界での交流が多かったため、トラブルの心配もありませんでした。
でも、ここ数年、皆さまが会場に足を運んでくれるおかげで、お客さんの人数が増えてきました。
今は対応できているけど、今後ますます人気が上がっていくことを想定すると、今のうちに「ルール」を明確にしておくのは賢明な判断かもしれません。
皆さまが会場に足を運んでくれたおかげで、
選手もスタッフも忙しくなりました。
「ルールが厳しくなった」と聞くと、残念に思いますが、
それは「アイスホッケーが人気になった」ということでもあります。
そこは選手としてもファンとしても、喜ばしいことなのではないでしょうか。
今後、各チームが続いてそのような動きになるかもしれませんが、ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。
交流する際に気をつけるべきこと
では、ここからは僕の経験を踏まえて
選手と交流する際に気をつけたらいいことがわからない
差し入れをしたいけど、何を渡したらいいかわからない
そんな方々にアドバイスをしたいと思います。
1.選手と交流する際には
交流会や試合後のお話の時間は限られています。
選手は少しでも多くのファンの方々とお話をしたいと思っています。
全員に平等であるべきで、そこに年齢性別は関係ありません。
だからこそもう少し周りを見て、待っている人、特に子どもがいないかを気にかけて欲しいです。
大人の方がコミュニケーションが得意なので、話したいこともたくさん用意しているのに対し、子どもは
「頑張ってください」
「サインしてください」
それだけで終わってしまうことも多いです。
確かにお金をより多く出してくれるのは大人のファンの皆さまですが、
子どものファンを大切にすることも、今後のアイスホッケーの発展においては重要です。
僕のように暇な選手はいいですが、人気の選手との交流の際には、周りのファンの方々にも考慮していただけると幸いです。
一通りすべての方とお話をした上で、まだ時間に余裕があるようであれば、選手の体調や周りの人に考慮した上で、もう一度お話をしましょう。
また、選手にとって試合は、仕事における大きなイベントです。
会社のイベント後には、お食事会が開催されることも多いのではないでしょうか。
選手も皆さまと同じく、家族や久しぶりに会う先輩との予定があることもあります。
また、それ以前に、マッサージや怪我の治療、クールダウンの前に挨拶に行く選手が多いです。
選手はみんな優しく、自分から
「この後予定あるので!」
と、その場を去りづらいので、
ひと言、
「時間大丈夫?」
とお声がけいただけると、
選手からの印象も良く、次の試合のパフォーマンスにもつながります。
2.食べ物等の差し入れについて
これはとても難しい問題です。
今は受け入れているチームが多いと思いますが、それこそ日本のアイスホッケーが5000人〜1万人規模の集客をするようになったら、何が入っているかわからないため、すべての飲食物の差し入れをお断りする日も来るかもしれません。
少なくとも現段階では(僕の知る限りでは)、
差し入れはありがたく頂戴していますので、避けるべきもの、喜ばれるものをいくつか挙げます。
※前提として※
チームは試合前後の選手の栄養補給に関しては十分な量を準備しています。
「差し入れないと失礼かな?」といった心配は一切無用ですので、ご安心ください。
僕は、差し入れをもらったことをSNSに投稿すると、
「差し入れをすべきという風潮」
につながる可能性があるため発信しないべきだと考えています。
どうか既存ファンの皆さまも、新規のファンにとってリンクが気軽に訪れられる場所にするために、必要以上に差し入れをしていることをアピールしたり、「私は差し入れをしている」という点で選手愛の大小を比較したりしないようお願いいたします。
(過去に、新規のファンの方が交流会に参加する際に
「何か持って行った方がいいのかな?」
とツイートしているのを目にしたため。優しい方ですね。)
では、本題に戻ります。
避けるべきもの
寿司・手作りの料理・油物・手が汚れるもの・食べにくいもの・その他消化に悪いもの
これに関しては、常識の範囲内でとにかく無難なものが助かります。
「これ、どうする!?」
みたいな面白い会話がロッカールームから聞こえてくることもたまにあります。
食べ物に罪はありませんし、すべての差し入れを選手が美味しくいただき、100%の力を発揮できるよう、奇抜なチャレンジはおやめください。
もう少し細かいお話をすると、衛生面を気にする選手が多く、極力皆さまの手が触れていないものが好ましいです。
大袋のお菓子を小分けにするといった差し入れがよくあります。私はお腹が空いているので他の人の分も勝手にバクバク食いますが、たとえ個包装であっても、一度他の人が触れたものを気にする選手は多いです。
好まれるもの
小さなお菓子・森永インゼリー・アミノバイタル・その他長持ちするもの・軽いもの
先ほどもお伝えした通り、基本的に試合前に摂取する食べ物はすべてチームが用意しています。
ただ、エネルギーゼリーなどはスタッフの買い出しの手間が省けたり、粉末状のものであれば遠征先に持って行くこともできます。
このあたりは選手、チームによって考え方が全く違うので、
差し入れをする前にどんなものが喜ばれるかそのチームの選手に聞いてみるのが一番いいです。僕は貰ったものはすべてバクバク食べます。
※皆さんのご負担になりたくないので、私に対する差し入れは本当に必要ありません。その代わり、Twitterとインスタをフォローしてください。それでもいただいた際には、ありがたくその場で一気に喰らわせていただきます。
さいごに
日本のアイスホッケーは、一歩ずつ階段を登っている最中です。
各チームのファンが、チームに対して改善を求める声をあげているのをTwitterではよく目にします。的確なご指摘が多く、参考にさせていただております。
それだけ、アイスホッケーの市場が拡大し、チームに対して求められることが増えている。
これまで以上にいろんな人に観てもらえているということです。
選手・チームの関係者はこれまでの感覚をよりアップデートする必要がありますし、
同じくファンの皆さまも
「アイスホッケー村」なんて自虐ネタで盛り上がる時代から、この競技の注目度が上がっていることを理解し、トラブル等を回避するためにも会場での振る舞いを見直していただけると幸いです。
アイスホッケーが人気になることこそが僕のアイスホッケー人生の最後の目標の一つでもあり、多くの人々が会場に足を運んでくれていることを心から嬉しく思っています。
これからも、アイスホッケーと、特に私の応援をよろしくお願いいたします。
