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  • 水溜まりの空: くじらの部屋③ (星泉文庫)

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水溜まりの空: くじらの部屋③ (星泉文庫)

5つ星のうち5.0 (6)

くじらの部屋シリーズ三部作の最後は、颯太の担任「太田先生」の若き日を描く。
物語の登場人物が、次のエピソードにバトンを渡すリレー形式の短編集だ。
九つのエピソードを収めた本作品は、「人と人との繋がりを描く」物語になっている。


Episode01:水溜まりの空
 「くじらの部屋」の一冊から登場する「太田先生」の大学生時代を描いた。もともと三部作にするはずだった「水溜まりの空」の第二章部分を大幅に修正した作品。

《あらすじ》
 大学時代、札幌の片隅で出会った四人の青年たち。塾講師として生徒を支えながら日々を生きるソラ。音楽と笑いで周囲を明るくするアキラ。冷静で理知的なマコト。そして、人生の先を歩む先輩・イチロー。アルトサックスの音、冬の街を包む雪の静けさ、語り合った夜の言葉が、それぞれの未来へとつながっていく。

《登場人物》
太田ソラ

 北の大学で学びながら塾講師として働く青年。誠実でまっすぐな性格。仲間とともに音楽を通じて「大人になるとは何か」を模索する。物語の語り手であり、静かな情熱を秘めた主人公。

遠藤アキラ
 ソラの後輩。明るく情に厚いムードメーカー。軽口の裏に、人一倍仲間思いの優しさを隠している。いつも笑顔で、バンドの「鼓動」のような存在。

宇野マコト
 北大ジャズ研に所属する理論派。冷静沈着で、音楽にも人間関係にも一本芯が通っている。ジャズアレンジした楽曲が、仲間の音をひとつにまとめていく。

五十嵐イチロー
 ソラの先輩であり、人生の指針を与える存在。飾らない言葉で後輩たちを導きながら、自らも人生の岐路に立つ。


Episode02:Blowin' in the Wind
《あらすじ》

 一九九八年、春。大学を卒業したばかりの太田空は、北海道オホーツク海沿いの小さな町にある御琴摩内高校に赴任する。閉校が決まった学校で、最後の生徒たちと過ごす三年間。厳しい寒さの中で交わされる小さな会話や、吹雪の日の笑顔、そして卒業式に込められた想い——。北の風に吹かれながら、教師として、人として、大切な何かを見つけていく青年の物語。


Episode03:BANANA FISH
《あらすじ》

 高校で現代文を教える二十四歳の海野白明は、かつて文学に救われた少年だった。現実と夢のはざまで揺れながらも、諦めきれない「物語を書く」という衝動が彼を突き動かしていく。ふと手にした一冊の古びた文庫本が、十年前の記憶を呼び覚ます。十四歳の自分、そして図書室で出会った一人の先輩。文学を通して交わした言葉が、いま再び、彼の人生を照らし出す。


Episode04:SEVEN STAR
《あらすじ》

 一九九四年十二月の北海道・夕陽市。小学校教員の日比野勤は、静まり返った職員室で一通の推薦書と向き合っていた。教頭昇進を勧められ、揺れる心。その夜、昔の友・海野茂から電話がかかってくる。雪の夜に交わされる二人の会話は、二十四年前の修学旅行、そして大阪万博での青春の日々へと遡っていく。夢を語り合った少年たちは、それぞれの現実の中で、何を見つめ、何を失い、何を取り戻すのか。

Episode05:CROSS ROAD
シゲとトムの若き日々を描いた作品。ここで登場する「喫茶タリー」は、その後のエピソードで中心的な場所になった。初出は『電子文藝第5号・第6号』(きんどるの森編集部)に寄稿した『Alone again』と『The Long and winding road』を加筆修正した作品。

Episode06:Secret base
SF的というか、ファンタジー的要素を取り入れつつ、家族の絆を描こうと試みた作品。初出は『電子文藝第7号』(きんどるの森編集部)の同タイトルを加筆修正した。

Episode07:終わりなき旅
『電子文藝第8号』(きんどるの森編集部)に、僕が寄稿した作品を原作にしている。「喫茶タリー」を中心とした群像劇を構想し、物語を書き上げた。

Episode08:I Say Goodbye
「喫茶タリー」の二代目マスター樹御門典子が主人公。初出は『電子文藝第9号』(きんどるの森編集部)の同タイトルの作品から加筆修正した。

Episode09:Time goes by
2025年の文芸フリマ大阪に出品する、『すこしふしぎアンソロジー』(地球文庫)のために書き下ろした作品を加筆修正した。「すこしふしぎ」なことを現実でも引き寄せたんじゃないかと感じ、エピソード1を書き上げる原動力にもなった作品である。

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出版社より

小説『水溜まりの空〜くじらの部屋③』

水溜まりの空〜くじらの部屋③タイトル

Episode01「水溜まりの空」のあらすじ

北の大学で学びながら塾講師として働く太田ソラ。

授業料を稼ぐため、夜は教室で生徒たちと向き合う日々。

そんな彼を導いてくれたのは、三歳年上の先輩・イチローだった。

「塾講師ってな、生徒のもっとも身近にいる大人なんだ」

その言葉が、ソラの宝物になった。

やがて出会う小宮アイ、明るいアキラ、理論派のマコト。

四人で組んだバンドは、アルトサックスの音色と共に卒業する生徒たちへの思いを奏でる。

大学時代に響いた音楽、仲間との時間、そして初めての恋。

二十年後、教師となったソラは夕陽市の喫茶店でイチローと再会する。

あの日の想いは、今も心の中に――。

太田空

Episode02「Blowin’ in the Wind」

閉校が決まったオホーツクの高校に赴任した新任教師・太田空。最後の生徒たちと過ごす三年間で、教師としての在り方を学ぶ。風に吹かれながら見つけた答えとは。

海野白明

Episode03「BANANA FISH」

二十四歳の非常勤講師・海野白明。文学に救われた少年は、小説家を夢見る。十年前、図書室で出会った先輩の言葉が、今も彼の道を照らす。

日比野勤と海野茂

Episode04「SEVEN STAR」

一九九四年十二月、小学校教員の日比野と工場長の海野茂が語り合う。二十四年前の大阪万博で誓った夢、そして現実の中で見つけた希望。

森彩

Episode05「CROSS ROAD」

一九七二年の夕陽市と二〇二五年のバリ島。森彩の記憶が結ぶのは、喫茶タリーで出会った人々との時間。半世紀を経て、あの夏の風と音楽がよみがえる。

宮沢智子

Episode06「Secret base」

一九九四年の夏、中学生の宮沢智子は図書室で不思議な手紙を見つける。ヘミングウェイを思わせる詩的な言葉が、一枚、また一枚と増えていく。静かな図書室で交わされる言葉の断片。

宮沢智子と佐藤亮

Episode07「終わりなき旅」

高校三年の夏、大学図書館で宮沢智子は佐藤亮と出会う。本を語り、音楽を聴き、喫茶店で過ごす時間。ささやかな日々が、やがて人生の意味を問いかける旅となる。

樹御門典子とフミ

Episode08「I Say Goodbye」

喫茶タリー二代目店主・典子が語る、戦火を越えたデザイナー・フミの物語。時代を縫い合わせた一人の女性の記憶と祈り。

五十嵐太陽

Episode09「Time goes by」

西東京大学三年生・五十嵐太陽は、心を波動としてデータ化する量子物理心理学の研究室を訪れる。言葉と感情を同調させる「調律」。夏、故郷の夕陽市へ帰省する太陽の心に変化が訪れる。

著者 太田みのる

著者紹介

太田みのる

北海道在住の高校教員・作家。

20年以上にわたり進路指導・不登校支援に携わり、親子・生徒・教師の揺れる心に寄り添ってきた。同時に、小説家としても活動を続け、教育現場の現実と青春の痛みを文学へと結晶させている。

代表作『くじらの部屋』は、自身の経験をもとに描かれた“生きづらさと希望”の物語。

「言葉で人の未来を照らすこと」をテーマに、教育と文学を往還しながら活動を広げている。

くじらの部屋: 不登校を死語にしてもいい (星泉文庫)
誰かが用意した檻の中で〜くじらの部屋② (星泉文庫)
水溜まりの空〜くじらの部屋③ (星泉文庫)
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.8 25
5つ星のうち4.7 12
5つ星のうち5.0 6
価格 EUR 2.11 EUR 2.77 EUR 4.16
ストーリー 怒声にかき消される僕の音楽。積み上げてきた努力が「無意味だ」と否定される。居場所だと思っていた吹奏楽部が、いつしか心を追い詰める檻に変わっていった。学校へ行けない。ベッドから起き上がれない。「自分なんて、いらないんじゃないか」そう呟きながら、それでも颯太は生きようと必死にもがく。家族の不安、仲間の葛藤、そして教師の言葉……。コロナ禍の北海道・夕陽市を舞台に、小さな光に手を伸ばしながら、彼は未来を選び取ろうとする。これは、不登校と向き合うすべての人に届いてほしい、痛みと希望の青春物語。 息子・颯太が高校に行かなくなった。母親の智子は、かつて教師として働いていたが、颯太が一歳のとき、子育てを優先して退職を決断した。颯太の成長を見守りたい。その想いだけで選んだ道だった。しかし今、颯太は部屋に閉じこもり、学校に行けなくなっている。夫の健太郎は「様子を見よう」と言うが、智子の心は揺れ続ける。このままでいいのか。何かしてあげられることはないのか。母として、どう向き合えばいいのか——。母親の視点で描く、不登校という選択と家族の物語。前作『くじらの部屋』の颯太の母・智子が主人公。 北の大学で学びながら塾講師として働く太田ソラ。授業料を稼ぐため、夜は教室で生徒たちと向き合う日々。そんな彼を導いてくれたのは、三歳年上の先輩・イチローだった。二十年後、教師となったソラは夕陽市の喫茶店でイチローと再会する。あの日の想いは、今も心の中に――。(Episode01:水溜まりの空)他8編のエピソードを収録した短編小説集。

登録情報

著者について

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太田 みのる
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北海道を拠点に活動する小説家。日常の片隅に潜む痛みや揺らぎをすくい上げ、言葉に宿すことで物語へと昇華する。『くじらの部屋』では、閉ざされた心に射し込むわずかな光を描き、不登校という現実を生きる若者たちの切実な声を刻んだ。「言葉で人の未来を照らすこと」をテーマに、誰もが抱える「居場所の不確かさ」や「生きることへの希求」を、静かで温かな筆致で描き続ける作家である。

カスタマーレビュー

星5つ中5つ
6グローバルレーティング

日本からのトップレビュー

  • 星5つ中5つ
    やさしい気持ちになりました。(さく)
    2025年11月9日に日本でレビュー済み
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    太田みのるさんの『水溜まりの空: くじらの部屋③』を拝読させていただきました。

    『お父さん・・・。わたし、この景色、好き』

    『今日のライブ、この曲がラスト』

    『幸運を囲んでくれる』

    などのメッセージに、心が洗われ、やさしい気持ちになりました。

    『マコトさんが「くじらの部屋」の力強いメッセージを歌い上げた』

    この言葉が、すごく印象に残りました。

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